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2025-04-19 17:09:52 | ★★☆「と、ある日のこと」2025年度


ブログサービス終了のお知らせを頂いて、
どうしようかと悩みましたが、


別館・🌞・紫陽花記2025 https://plaza.rakuten.co.jp/azisaiki2025/
へ、移動することにしました。よろしくお願いします。

別館の「俳句・めいちゃところ」https://haikumodoki.livedoor.blog/
また、こちらも宜しくお願いします。


皆様には長い間お付き合いいただきありがとうございました。
お陰様で、私自身も楽しく過ごさせていただきました。

新しい移動先にもお立ち寄り頂いて、
お読みいただけたなら嬉しいです。

皆様の未来も楽しいものでありますように。
心からお祈りしております。

今後とも、よろしくお願いします。




★14 えっ? 噓でしょ?

2025-04-13 08:00:11 | ★★☆「と、ある日のこと」2025年度


 
4月5日の午後5時半過ぎ、出先から帰ってきた私が玄関ホールに差し掛かった時、2羽の燕が慌てたように飛び去った。一羽しか見かけなかった古巣に、漸くカップルが出来たようだと嬉しくなった。
 玄関ホールの昨年の古巣の下に、糞が4,5個落ちているのを見かけたのが3月の末頃。今年も燕の宿となるのかと思っていた。だが、カップルで居る様子はなく、朝確認すると糞が2,3個あるのが2日ほど続いた。大概はカップルで宿探しをし、内覧後住み着くものだと思っていた。夫にカップルになったようだと告げると、
「雛が生まれているようだよ。まだ何羽生まれたのかは分からないが、親が餌を運んできて、餌をねだる鳴き声がしているよ」と言う。「えっ? 噓でしょ?」と、私。
 家主の知らないときに卵を産み、そして抱卵していたということには納得がいかない。
 糞を見つけた1週間前に、直ぐに糞受けや、昨年の子燕の落下事件を踏まえて、より安全な巣の下を確保すべく、米袋を2枚重ね、その上に日よけの柔らかいネットを張り、落下しても死なないようにと設えていた。
 まだこれから卵を産み、抱卵して子が誕生するのを、楽しみながら待つつもりだった。
「嘘? いつ産んで、いつ抱いていたの?」
嬉しいのと、何だか燕に出し抜かれたような気分が入り混じった。が、まずは、おめでたい話である。無事の巣立ちを祈る。

と、ここまでは4月5日の話。だが、家人の偽情報が一転、「どうも、子燕は居なさそう」と、言う。「「えっ? 噓でしょ?」と、私。
 翌朝、早朝散歩に行く前に、玄関ホールの真ん中の照明器具に造られた燕の巣を見上げた。昨年の子育てで崩れかかっていた巣が、黒々とした土で補修されている。昨年より大きくてしっかりとした造りに見えた。日中もカップルはせっせと補修工事を進めている。
 巣が出来上がると、一日一個の産卵を数日続ける。昨年は二羽巣立ったが、今年は何羽になるのだろう。
 すっかり偽情報に惑わされたが、改めて、燕の次世代へ繋ぐ作業は、並大抵の努力ではなく、これからも、子育てと南帰行と、様々なアクシデント含みの日々が続くのだろうと、のんびりと暮らしている今の私の平和な毎日と比べると、申し訳ないほど、有難く思えてきた。




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★13 舞台俳優の凸ちゃん

2025-04-05 07:45:31 | ★★☆「と、ある日のこと」2025年度

 
ダンスホールのシフト表を見ると凸ちゃんの名前を見つけた。身長190cmの痩せ型で笑顔の優しい凸ちゃん。私とは40cm余の違いがある。この日に踊りに行くことにした。

 ダンスタイムになると、凸ちゃんは二人目のお相手となって目の前に立った。スローの曲だ。「大きいのが来ましたよ」と、笑顔。「お久しぶり」という私に、「ほんと、お久しぶりですねぇ」と笑顔を向けた。

「フワァ、大きいっていいわねぇ」「そうですか? 嬉しいな」凸ちゃんはちょっと膝を折り、私の身長に合わせるようにホールドを組んだ。

「舞台には出ているの?」「出ていますよ」「どんな所へ」「どんな所って?」「どんな役?」「ロングランの舞台の、一つのコーナーに出ていますよ」「楽しいでしょうねぇ」「うん。楽しいよう」
 1分40秒の長さの曲の中での会話は、ここで止まった。

 次はルンバの曲で凸ちゃんと踊る。大男とチビ女子の図が頭に浮かんできた。ストーリーは思い出さないが、イヤ、もしかしたらそのようなドラマは無かったかもしれない。

 小柄な人は大柄の人を好むという観念が私のどこかに残っていて、そう言えば、夫も私からしたら高身長の部類。以前居た大学生の山ちゃんも、ワイシャツのボタンがはじけそうに太目で大きかった。可愛いかった。アルバイトダンサーから卒業して、某企業に就職した時には、ちょっと寂しく感じたものだった。どんな仕事を頑張っているのだろう。偶には踊っているのだろうか?

 凸ちゃんが、お隣のお客様にも、「大きいのが来ましたよう」と、笑顔を向けている。幸せ売りみたいだ。




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★12 煌めくドレス

2025-03-30 06:49:23 | ★★☆「と、ある日のこと」2025年度



 更衣室に入っていくと、ピンクのドレスを着こんでいるルミちゃんがいた。

「ちょっとキツイかも。うん、でも大丈夫だわ。伸びる布だから、ちょっと痩せたらバッチシよね」などと言いながら、ピンクのドレスを脱ぎ、今度は黒のドレスを着て見ている。

傍らに、ドレスの持ち主のツバキさんが居て、次々と大きなバッグの中からドレスを出しては、ルミちゃんに着せたり脱がしたりしていた。2個の大きなバッグには、石付きのデモ用ドレスや、普段使いのドレスなどが10着ほど入っていた。

 ツバキさんは、これまで何度も盛大なパーティーでデモンストレーションを踊っている。スラリとした肢体は、贅肉はなく、長い髪はサラサラに靡かせている。レッスンをしている姿を見るだけでも羨ましいほどのステキさである。ルミちゃんの方は、もっと背が高く、競技選手をしているから、ダイナミックな踊り方で、こちらも、チビの私には羨ましいばかりの女性なのだ。
更衣室でのあれこれは、どう収まったのか私は知らない。

夕刻、心地よい踊り疲れと共に家路につこうと駅に向かっていた。ルミちゃんが大股で私を追い越しながら、一緒に帰りましょうと言う。目いっぱい膨らんだ大きなバッグを二つ抱えている。ツバキさんから頂いた10着ほどのドレスが入っているそうだ。

「お金は要らないと言っているので、銀座のラッタッタ・カフェで美味しいお食事でも御馳走しようと思っているのよ」と言う。

「銀座かぁ」私は呟いてしまった。月に数回上京して踊っていても、銀座まで移動して食事をしようと思ったことは無い。そういえば誘われたこともあったけれど。
自宅の最寄り駅に着くと、何故かホッとした。




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★11 「集合体恐怖症」

2025-03-23 06:50:34 | ★★☆「と、ある日のこと」2025年度


 
ダン友のとみちゃんから久しぶりの電話。珍しく、午前中の時間帯に何事かと思った。

「私ねぇ、インフルエンザに罹ったのよ。それは治ったのだけど、数日したらヘンな症状が出たの。最初は電車のつり革を見た時、ゾゾっと寒気がしたのよ。ご飯をよそるしゃもじのブツブツや、リモコンのボタンや、駅通路の視覚障碍者用案内のブツブツや。何しろ、黒に白の水玉などは浮き出てきて、ゾウッと寒気がして気持ち悪くなるの。内科の先生に血液検査をしてもらったのだけど、検査結果は全部良好なのよね」と、言う。

とみちゃんは、一息ついてから続けた。
「だけど、ブツブツに反応する精神状態のことは、内科の先生には解らないので、専門の心療内科へ行けと言うのよ。で、受診したら、「集合体恐怖症」という症状だと言うの。インフルエンザに罹った時に、何とか言う菌が血液中に入ったらしいと言うのよ。薬は頂いて飲んでいるのだけど、効いているようでも症状はまだ綺麗に治っていないの。なるべく、そういうものは見ないようにしたりして少しは良くなってきたのだけどね」 
とみちゃんの声は、早口からいつもののんびり言葉になった。

 私は、心療内科受診ということに少しストレスを感じた。薬と言うことより、考え方を変えるという治療法もあるような気がする。とみちゃんの場合、見方を変えるというか、考え方を変えるというか、薬では治せないものは絶対あるし、眼に見えないモノは無いとは言えないとも思えるからだ。

 何処から来た菌だったのだろう? 永久凍土が温暖化によって、徐々に溶け続けている地球。凍土の中に眠っていた様々な菌類が、海に溶け出し、風に乗って彷徨い、もしかしたら、私たち地球人を破滅に追いやるのかもしれない。


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