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《お知らせ》コンセール・ジャズ大衆舎 秋のコンサートのご案内

2010-08-12 05:58:32 | Weblog
コンセール・ジャズ大衆舎 秋のコンサートのご案内

 音楽CDの売り上げは減少の一途をたどっているというのに、コンサート・ライヴに集うお客さんは増えていると聞きます。その理由を論証することはできませんが、なんとなくわかるような気がします。
 現代に生きる私たちはみな、忙しく時間のやりくりに追われる日々を送っています。いつでも聴くことができるCDやいつでも観ることができるDVDなどは、そう思うがゆえに後回しになってしまいがちです。いつでも鑑賞出来るという安心から、結局何年も開封せずに棚に積んだままのCDやDVD、けっこうありますよね。ならば、そんな無駄なことはやめにして、買わない方が賢い、と。
 一方で、コンサート・ライヴはそうはいきません。心に留まった演奏会のチラシ、それを眺めながら、聴きに行こうかどうかと思案します。よし行こうと決めたとして、その時間をなんとか都合をつけ足を運びます。演奏は一回だけ、それゆえに、CDやDVDを鑑賞するのとはくらべものにならないほど、集中して耳を傾けます。そして素晴らしい音楽に触れ得た喜び、その場に自分が存在し多くの人とその喜びをわかちあうことのできたときの充足感、それはかけがえのないもので、どこか宗教的な体験にも似た崇高なものに違いありません。音楽を愛する人々は、そういった一回性の感動を求めているのではないでしょうか。

 コンセール・ジャズ大衆舎では、これまでにみなさまにそんな音楽会を提供してきた、という静かな自負を持ちます。しかし、心高ぶることなく、これからも質の高い音楽をみなさまとともにわかちあっていきたいと考えています。
 さて、今年の秋は、二つの演奏会を準備しています。加えて、二つの演奏会をサポートすることにしました。これまでに私たちに信をおいて下さったみなさまの期待に、必ず応えるものに違いありません。

◎梅津和時KIKIBand
 梅津和時(sax) 鬼怒無月(g) 早川岳晴(b) ジョー・トランプ(ds)
 10月20日(水)19:30 ポレポレ 前3,500円 当4,000円
 主催:ポレポレ

 梅津和時は、故忌野キヨシローを長年に渡ってサポートし続けたことで有名ですが、アンダーグラウンドシーンでは知らぬ者のない大ヴェテランです。KIKIBandを率いての福山でのライヴは2回目ですが、前回の興奮を知る者として、ぜひみなさまに聴いていただいと思い、サポートします。
 梅津のアヴァンギャルドにしてどこかポップでユーモアセンスのあるサックスの素晴らしさはもちろんのこと、このバンドの持ち味は、なんと言っても早川~トランプの唸り粘るハードなファンク・グルーヴです。それに鋭角に切り込む鬼怒のギターも最高です。ぜひだまされたと思って聴きに来て下さい。ジャズ大衆舎は、絶対にだましません。ただし、当舎が普段手がけている古楽とは全然関係がないので、その点は悪しからず。

◎武久源造チェンバロ/フォルテピアノ・リサイタルⅡ
 10月30日(土)15:00
 曲:クーナウ:ヤコブの埋葬(聖書ソナタより)、
 スカルラッティ:ソナタK208/209、
 バッハ:パルティータ第6番BWV830

※関連イヴェント
 10月29日(金)19:00 会費:500円
  武久源造、ジルバ-マン・フォルテピアノ(バッハが演奏した初期のピアノ)を語る
 10月31日(日)10:30 入場無料
  延広教会 主日礼拝 武久源造:奏楽

◎若松夏美バロック・ヴァイオリン・リサイタルⅡ
 11月7日(日)17:00
 曲:バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータより
 パルティータ第1番、
 ソナタ第2番、
 ソナタ第3番

会場:日本キリスト教団福山延広教会
主催:延広教会+コンセール・ジャズ大衆舎

 武久源造は、8月2日に場所も同じ延広教会で演奏会をひらいたばかりです。延広教会にお目見えしたばかりの、カークマン・チェンバロの多彩な機能をフルに使って、めくるめく音世界を構築して、聴きに来て下さった方々を熱狂させました。その興奮も冷めやらぬ10月の終わりに、武久の申し入れによって、いわばアンコール公演が実現することになりました。今回は、チェンバロに加えて、バッハが晩年に用いたと言われているジルバーマン・フォルテピアノも演奏し、最初期のピアノの鼓動を聴かせます。
 なお、関連イヴェントとして、コンサートの前日に「武久源造、ジルバーマン・フォルテピアノを語る」と題して、武久源造にこの楽器の構造や魅力について、たっぷりと語ってもらうレクチャーを催します。演奏も少しだけするかもしれません。さらに、コンサートの翌日には、延広教会の礼拝で武久源造が奏楽を担当します。武久源造の伴奏でご一緒に讃美歌を歌ってみませんか。いずれもまたとない機会です。

 若松夏美も、福山での演奏は3度目で、すでにお馴染みの演奏家と言えるかも知れません。鈴木雅明バッハ・コレギウム・ジャパン、鈴木秀美オーケストラ・リベラ・クラシカという、我が国が誇る最高の古楽アンサンブルでコンサートマスターをつとめる、真の実力者です。そのソリッドで端正なスタイルは、古楽演奏の一つの規範となるものでしょう。今回のリサイタルは、6曲あるバッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲演奏の後編です。2009年3月の前編から1年半、このリサイタルを待望していたファンの方々も少なくないと思います。今回取り上げる3曲は、地味ながらも高度な技巧を要求される難曲揃いで、演奏する方も聴く方も、ずしりとした手応えを感じさせる、充実した演奏会になること間違いありません。しかもこのコンサートは、東京でも大阪でも催されることのない、福山だけのほんとうに稀少な企画なのです。ぜひ、現代最高のバッハを聴いて下さい。

 両公演は、期日が接近しているということもあって、共通券をつくることにしました。また、両公演を聴くことのできる、あるいはペアで一公演を鑑賞いただける、かなりお得な切符も用意しました。この秋は、ディープなバロック、ディープなバッハの世界を堪能していただきますように。

2010年秋
コンセール・ジャズ大衆舎

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