ΓΝΩΘΙ ΣΑΥΤΟΝ-購書&購盤日記-

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《読書》野火迅『常識として知っておきたい世界の名作映画50』KAWADE夢新書

2005-12-31 07:38:01 | 読書

●〔92〕野火迅『常識として知っておきたい世界の名作映画50-傑作シネマの教養が楽しく身につく本-』KAWADE夢新書 2005
(2005.12.14読了)
今では、映画は、サブ・カルチャーの域を超えた堂々たる文化だ。言い換えれば、趣味や嗜好の範囲を超えた「常識」である。たとえば、夏目漱石の著作をあらかた読破していなくとも、『坊ちゃん』『門』『こゝろ』の内容くらいは知っていないと、常識人失格の烙印を押されかねない。同様に、アルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』、ジョン・フォード監督の『駅馬車』についてまったくの無知であるならば、「興味がない」のひと言ではすませてもらえない。(中略)古い映画の中には、見る者の“知的忍耐力”が前提になっていて、「しんどくて、たまらん」作品が数多くある。また、セリフや演出が古風すぎて、「なんじゃ、こりゃあ!」と毒づきたくなる作品もある。ようするに、楽しい映画鑑賞のはずが、とてもツライお勉強になりかねないのだ。
 その障害をいっぺんに取り払うのが、本書である。本書は、戦前、戦中、戦後派の間で名作として伝えられてきた映画を精選し、それらの見所を一点集中的にあぶり出す。ひと口にいえば、本書は名作シネマを見なくても見たフリができる本である。(pp.2~3)。

 何事にせよ古典というものは大切でしょう。映画もしかり。この本は上記の前口上にある通り、古典的な名作映画を紹介しながら、凡百の映画ガイドとは一味違った切り口を見せてくれました。
 ちなみにこの本で紹介されている50作のうち、私が見たことがあるのは「市民ケーン」、「ゴッドファーザー」、「駅馬車」、「カラブランカ」、「第三の男」、「サンセット大通り」、「鳥」の7作でした。まだまだ修行が足りませんね。

《読書》小谷野敦【編著】・斎藤貴男・栗原裕一郎【著】『禁煙ファシズムと戦う』ベスト新書

2005-12-31 07:22:10 | 読書

●〔91〕小谷野敦【編著】・斎藤貴男・栗原裕一郎【著】『禁煙ファシズムと戦う』ベスト新書 2005
(2005.12.14読了)
 小谷野敦は最近、相当この問題に入れ込んでいるらしく、彼のブログ「猫を償うに猫をもってせよ」でもこの話題ばかりです。ついには東京でわざわざ北海道新聞をとるといところまでいっています。理由は「『禁煙ファシズムと戦う』をとりあげた唯一の新聞だからだ。」そうです。「2005-12-06 北海道新聞をとる!」
 私は非喫煙者(生まれてから一度も煙草を吸ったことはありません)なので、最近の禁煙ばやりの風潮に別に不自由は感じていないのですが、やはり度を過ぎると問題があるようですね。小谷野敦と斎藤貴男という思想的にかなり違うと思われる二人がタッグを組んでいるということが、その証拠でしょう。要は分煙さえきっちりできれば問題無いということだと私は思いますが。
 ただ、小谷野敦がことあるごとに自動車の害を出して、煙草と比較しようとするのはどうも説得力を欠く感じがします。
 小谷野節は相変わらず冴えています。
マスコミ報道だけを見ていると、まるで嫌煙派のほうが多数であるかのように思えるが、これも間違いである。喫煙者は低学歴・低所得者が多いため、その声が表に出にくいだけである。インターネット上でも嫌煙派は多いが、これも、高学歴者が多いからであって、競馬場、酒場その他の、低学歴・低所得者の多い場所では、紛れもなく喫煙者が多い。(p.59)