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時を刻むもの

2011-07-28 20:06:19 | 日々の想い

携帯電話のおかげで、腕時計はすっかりしなくなりました。

外出先で活躍する携帯画面のデジタル表示時計。

ぱっと見て、今何時かが明確です。

そういえば、子供の頃、針時計を見るのが苦手で、デジタル時計だと分かりやすく好きでした。

 

時計って見て分かりやすいものが重宝だと勝手に思っていました。

瞬時に時間が確認できるもの、という前提で見ていたのでしょう。

無意識に時間に追われている日常が背景にあるのかもしれません。

 

なぜ、そう思ったかといいますと、

 

先日、訪問した美術館の壁に掛かっていたもの。

 

 

土の盤に、木の棒の針。

本当の時計?と一瞬疑ってしまうほど。

 

そう・・時間が止まったようなオブジェに見えました。

 

時を刻んでいることを、まるで知られないように、

周囲に溶け込んで、時計ということを忘れさせるように、

 

時計とは、こういうものという前出の思い込みが

幻想だと言わんばかりの姿に、しばし見とれて帰ってきました。

 

 

~小さな美術館 「as it is」(あるがまま)にて~

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建築家 中村好文 「museum as it is」

2011-07-20 14:01:09 | 日々の建築ウォッチング
先日、中村好文さん設計の建物を見て来ました
千葉県の長南町にある、
週末しか開館していない美術館、「as it is

美術館と言っても、まるで週末住宅のような佇まい。




知人の別荘に「お邪魔します」・・という感覚で入館できます。




内部展示品は、期間ごとに変更するようですが、
日常生活に使われた工芸品を主に展示しているとか。

素朴でありながら、機能性と実用性を持ち合わせ、
かつ本来の用途以外にも使える多様性を感じさせる品々が、展示されていました。

窓は少なくまるで箱のようですが、あまり暗さは感じませんでした。
天窓があったせいでしょうか。
その限られた開口部からの外の眺めが綺麗でした。




キッチンもあるワンルーム形式。そのまま、ここに住めそう。




外観はストイックでシンプル。そして詳細部も綺麗に考えられています。
小さな家、現代の方丈庵。
間口約3間の建物でした。
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「方丈」=“面積”から雄飛して

2011-07-15 08:15:02 | 日々の建築考
鴨長明の方丈記に触発されて書いた方丈記という境地の住居論その1以来、すっかり続編がご無沙汰していますが、その間、周囲の皆さんから様々な意見や感想をいただき、有難い限りです。

続編再開前に、少し独り言・・。

「方丈」とは言葉通り「1丈(10尺=3.03m)四方」(約9.18平方メートル)の面積を表すのですが、京都の寺院や塔頭を巡ると、“方丈の間”というのが幾らでも出て来ます。そして、面積はかなり大きい(笑)

wikipediaによると

「維摩(ゆいま)詰の方丈を訪れた文殊菩薩とその一行が、その狭い空間に全員収容できたという逸話から、仏教においては方丈に全宇宙が内在しているという考え方がされ、そこから寺院の住職が生活する建物を、特に方丈と呼ぶようになった。

とのことで、その謎が解けました。

そこから“方丈の間”に始まって、“方丈庭園”(龍安寺のものは幅 22 メートル、奥行 10 メートルもあるとか)なども出現し、今後も“方丈の○○”と色々派生してゆくかもしれません。


話が逸れましたが、方丈に全宇宙が内在しているという考え方は、もともと方丈面積に全員収容できたという逸話からとのことですから“足るを知る”ということなのでしょうか?。禁欲的な感じも受けますが、しかし一方でミニマム空間というのは自分のテリトリーを隅々まで感じられる“私的空間”であり、そこには独自の心地良さを併せ持つものなのではないかと思います。


そんな中、知人のNさんより、
「方丈=小屋?」として見ると仮定して、中村好文さんのお話を紹介してくれました。

“営巣本能”というキーワードに、ドキッとしてしまいました。
中村好文さんが求めていたもの、と紹介されていましたが、実は私も「これ」だったのかも・・(?)


~中村好文~
“「小屋」には、ともすれば人間が忘れかけている《営巣本能》が鮮やかに、しかも直接的に投影されており、それが私の胸を騒がせ心をくすぐるのです。

・・中略・・

ワンルーム住宅のプランはごく単純でなければなりません。しかも機能的であり合理的でなければ住宅として成り立ちません。そして大切なのは、そこで営まれる生活も、とりわけ簡素でなければならないことです。

無駄のないシンプルな建物に、虚飾のない自然体の暮らし。それは棲み家と人の生き方が分かちがたく結び合った理想的な関係だと思うのですが、いかがでしょう。”


ワンルームにあらゆる要素を内包している。
これこそ、まさに現代の方丈庵ではないでしょうか。
Nさんのご意見に、私も賛同します。(^_^)


そして、震災前後から自分の中での“方丈庵”イメージに近かったのが、ダンボールハウスやキャンピングカー、テント生活などでしたが、中村好文さんのように素敵な建築を提案するのが楽しいし、きっと面白そうだと今更ながら気づいた次第です(笑)

(Nさんありがとう)
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横山幸雄プレイエルピアノ・ショパンコンサート

2011-07-08 07:32:43 | 日々のアート鑑賞
101年前と聞くと、ずいぶん昔のようですが、西暦で言えば1910年。
父方の祖母が生まれた年と同じかと思うと、つい最近のことのように感じてしまいます。

さて、先日横山幸雄さんのプレイエルピアノによるショパンのコンサートへ行ってきました。
101年前のプレイエルピアノで演奏するというのが、このコンサートの醍醐味。
今まで、コンサートと言えばスタンウェイ社のピアノ、またはフォルテピアノしか聴いておらず、その「音」の違いが作品の印象をどのように変えてしまうのか、興味津々でした。

プレイエルはショパンが愛したピアノ。舞台上のプレイエルを見たとき、まさに調度品のような色と形を見て、室内サロンに良く映えるだろうな、と感じました。

当日のチラシより


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2011年7月5日(火) 19:00開演 (18:30開場)
【上野学園 石橋メモリアルホール】
横山幸雄 プレイエルによるショパン ピアノ独奏曲全曲演奏会 第10回

 バラード第3番 変イ長調Op.47
 2つのノクターンOp.48 
 前奏曲 嬰ハ短調 Op.45
 演奏会用アレグロ イ長調Op.46

 幻想曲 へ短調Op.49
 バラード第4番 へ短調Op.52
 ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」Op.53

[アンコール] (記憶に間違いなければ・・ですが)
 ノクターン 第8番 変ニ長調 op.27-2
 前奏曲 第8番 嬰ヘ短調 op.28-8
 ワルツ第10番 op.69-2

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最初、バラード第3番を聴いて、プレイエル・ピアノのせいだけとは思えない長い残響音に、戸惑いました。ホールの設計のせいなのでしょうか?バラード第3番の出だしが残響音で不明瞭になってしまったことに、やや残念さを感じてしまいました。

しかしノクターンに曲が移ると、これが良かった。
静かでスローな曲に実に合います。残響音もこの頃には慣れたのかもしれませんが、プレイエルピアノの何となくこもるようなソフトな音色が、ピアニッシモを上手に奏でているのには、想像していた以上に良かったです。

同じく、幻想曲、バラード第4番も、スタンウェイよりプレイエルでの演奏に軍配があがると感じました。

特にバラード第4番は、ショパンの曲の中でも最高傑作と言われてますが、それはプレイエルピアノで聴くと正にそうだと感じるものがあります。スタンウェイピアノは音が明瞭なので、冒頭のピアニッシモ系の旋律が、私にはやや単調に聴こえてしまっていたのでしょうか。

そして、アンコールの三曲は、さすがプレイエルピアノ向きと、思わず唸るような選曲でした。

個人的感想として、
 ノクターン
 前奏曲
 ワルツ
 マズルカ
 幻想曲
 バラード第4番
このあたりが、プレイエルピアノ向き。

一方、
 バラード第3番
 英雄ポロネーズ
こちらはスタンウェイ向きかも。

演奏会用アレグロは、どちらでしょう?難しいですね。


今回のコンサートですが、自分にとってバラード第4番の真の美しさを感じられたことが一番の収穫だったかも知れません。

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日本フィル横浜定演シーズンファイナルコンサート2011年7月

2011-07-04 13:52:24 | 日々のアート鑑賞
先週末、日本フィルの横浜定演に行って来ました。
シーズンファイナルということで、日フィルさん、力入っている!?
とにかく、個人的に今シーズンで一番感動したコンサートでした。

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 指揮:広上淳一
 ソプラノ:谷村由美子
 合唱:東京音楽大


  ドビュッシー:小組曲
  
  カントルーブ:《オーベルニュの歌》より
   ・バイレロ
   ・「3つのブーレ」
     泉の水
     どこで羊を見つけよう?
     あちらのリムーザンには
   ・カッコウ
   ・きれいな羊飼いの娘
   ・チュッ、チュ(しっ、静かに)
   ・女房持ちは不幸せ
 
  ホルスト:組曲《惑星》

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まず、ドビュッシー作曲・ビュセール編曲の小組曲は、
ウットリするような綺麗な曲で、この暑さも涼やかに感じてしまいそう。


夢見心地になったところに、
ソプラノ谷村由美子さんによる、カントルーブのオーベルニュの歌。
この一曲目「バイレロ」を聴いて、心が揺さぶられて涙が出そうになりました。

幕間に友人と会ったところ、その友人が、
「あの歌の一曲目、ずっしーんとハートに来たね。涙が出そうになった~」
と(@_@)、感動の壺がまったく同じ! さすが心の友。


後半は、ホルストの惑星。全曲通しで聴いたのは、今回が初めてでした。
さすがに迫力ありました。(広上さんの指揮効果!?)
事前に知人の作曲家Sさんからこの曲の解説をして頂き、興味深く鑑賞しました。
最後の海王星では女声合唱団が登場し、神秘的なヴォイスが響きました。
この世のものとは思えない、気分はすっかり神秘の世界の奥深くへ・・。


そして、最後はアンコールで、シベリウスの「アンダンテ・フェスティーボ」
このシーズンファイナルをお祝いするかのような、美しい曲でした。



さて、コンサート終了後は、ロビーにてドリンクが配られ、乾杯。




指揮者の広上淳一さん、ソプラノの谷村由美子さんのミニトーク




ロビーでミニコンサート!チェロの大澤さんはじめ日フィルの若手演奏家の皆さん。




そして、ロビーにはまだまだ日フィルメンバーさんがいらっしゃいました。
ヴァイオリンの加藤さんと記念撮影。




トロンボーン首席奏者の藤原功次郎さんを囲んで。明るく屈託の無い人柄から皆の人気者。
今日は出番が無かったけど、コンサートにいらしたとのことでした。



演奏も、内容もこの一年で一番盛り上がりました。
来期も定期会員一年間申し込んじゃいましたので、これからも楽しみにしています。
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不動産基礎知識

2011-07-02 09:42:45 | 日々の建築memo
7月1日は建築士の日、ということで、建築士会による建築士のための不動産基礎知識講座に行って参りました。


1.土地と建物は別々の財産
  海外から見ると特殊とのこと。日本は昔から“曳き家”という文化があり
  それが背景にあったからではないか、と講師のI氏が教えてくれた。


2.物権と債権

3.動産と不動産

4.占有権と所有権

5.地上権

6.永小作権

7.留置権

8.先取特権

9.地役権
   ・要役地
   ・承役地

10.質権

11.抵当権
   ・物的担保
   ・人的担保
   ・第三者担保

12.根抵当権

13.任意売却

14.借地権


15.敷地について
   ・登記簿上の敷地
   ・実際の所有権
   ・建築基準法上の敷地


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(以上、備忘録として列記しました)

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