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人間が起こした地震

2011-05-01 22:15:04 | 日々の備忘録
島村英紀 著 「地震学がよくわかる」を読みました。

その中で、興味深い内容が書かれていました。
図らずも人間が起こしてしまう「人造地震」のお話です。

・・以下抜粋・・・

~人間は間接的には地震を起こせないことはない。
つまり、地震が起きそうなだけ地下にエネルギーが溜まっているときには、
人為的な行為が地震の引き金を引くことはできるのだ。

米国コロラド州のデンバ―のすぐ北東で深い井戸を掘って、
放射性の汚染水を捨てたことがある。
米空軍が持つロッキー山脈兵器工場という軍事工場の廃液であった。
それまでは地表にある貯水池に溜めて自然蒸発させていた。
厄介ものの汚染水を処分するには自然蒸発よりはるかにいい思い付きだと思って
はじめたのに違いない。
井戸の深さは3670mもあった。大量の汚染水を捨てるために、
圧力をかけて排水を押し込みはじめた。

この廃液処理をはじめたのは、1962年3月のことだ。
3月中に約1万6000トンもの排水が注入された。

4月になって間もなく、意外なことが起きた。
もともと1882年以来80年間も地震がまったくなかった場所なのに、
地震が起きはじめたのだった。

多くはマグニチュード4以下の小さな地震だったが、
なかにはマグニチュード5を超えるけっこうな大きさの地震まで起きた。
(中略)
もともと地震活動がごく低いところだから、生まれてから地震などは
感じたこともない住民がびっくりするような地震であった。

人々はこの工場での水の注入が地震を起こしていることに気づき、
ちょっとした騒ぎになった。
そこで、1963年9月いっぱいで、いったん廃棄を止めてみた。
すると、10月からは地震は急減したのである。

しかし、廃液処理という背に腹はかえられない状況がある。
ちょうど、一年後の1964年9月に注入を再開したところ、
収まっていた地震が、突然再発した。

(中略)

地震の総数は約700、うち有感地震は75回起きた。
震源は井戸から半径10kmの範囲に広がり、
震源の深さは10kmから20kmに及んだ。
これは井戸の深さよりも数倍も深い。これは井戸から
まわりに水がしみ込んでいったためだろうと考えられている。

(中略)

水や液体は岩と岩のあいだの摩擦を小さくして滑りやすくする。
つまり地震を起こしやすくする働きをするらしい。


人間の生産活動によって起こされた「人造地震」は本物の地震で
学問的には「誘発地震」という。
世界各地ですでに70カ所以上で起きたことが知られている。
この誘発原因としては、廃液の地下投棄やダムの他
鉱山、地熱利用、石油掘削、原油や天然ガスの採取、
地下核爆発などがある。



○米国ネバタ州とアリゾナ州にまたがるフーバーダム

 1935年に貯水をはじめた翌年から地震が増え、
 1940年には、この辺では過去最大になったマグニ
 チュード5の地震が起きた。


○アフリカの北ローデシア(現・ザンビア)と
 ローデシア(現・ジンバブエ)の国境につくったダム

 1958年からカリバ湖に貯水をはじめた。世界最大の人造湖
 ダム建設前から近くで小さな地震が起きているところはあったが、
 貯水がはじまってから満水になった1963年までに地震が急増し、
 2000回以上の局地的な地震が起きた。
 満水になった年には、マグニチュード5.8の地震が起きて被害が出た、


○インド西部コイナダム
 1967年にマグニチュード6.3の地震が起きた。
 177人、一説には200人が犠牲になったほか、
 2300余人が負傷。
 ダムをつくったことによって引き起こされたものだというのが、
 地震学者の定説になっている。


○エジプトのアスワンにあるハイダム
 1981年11月にマグニチュード5.6の地震が起きた。
 貯水が始まったのは1978年、1979年に178mの
 水位に達したあと。貯水開始後17年の年。
 エジプト3000年以上の歴史の中で、このあたりに地震
 が起きたことはない。


日本のように、もともと地震活動が盛んなところでは、そもそも
起きた地震が「自然に」起きたものか、「人造地震」か、
見分けることが難しい。また、政府や電力会社は、この方面の
研究を好まない。それがこの方面の研究が進まない理由になっている。
しかし、世界の他の国に起きていて、日本だけ起きないという理由は
あるまい。

・・抜粋終了・・・


福島県浜通り(いわき)で続いた定点震源に近い
一連の地震は、どれも震源10kmですし、
マグニチュードも3~5の範囲内。
上記のような人工地震と何か関係があるのでしょうか?
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水蒸気発生量における必要換気量計算

2011-02-07 16:12:22 | 日々の備忘録
水蒸気発生量における必要換気量Q[m3/h]

 Q=W/{1.2(Xi-X0)}

 W:水蒸気発生量 [kg/h]
 Xi:許容室内絶対湿度 [kg/kg]
 X0:導入外気絶対湿度 [kg/kg]



 横軸:気温、 曲線軸:湿度、 縦軸:絶対湿度
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木造3階建て共同住宅

2010-03-05 09:01:03 | 日々の備忘録
一年前に建築確認申請を出した
木造3階建て共同住宅が、竣工間近となりました。




この物件は、
○木造3階建て → 準耐火建築物
○共同住宅  → 特殊建築物
ですので、1時間耐火の準耐火建築物となっています。

============================================================

【法21条】
 大規模の建築物の主要構造部

【法24条】
 耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない特殊建築物

【法62条】
 準防火地域内の建築物


【令109条の2の2】
 主要構造部を準耐火構造とした建築物の層間変形角

【令115条の2の2】
 耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の技術的基準等

【令136条の2】
 地階を除く階数が3である建築物の技術的基準


【告示1360号】(平成12年)
 防火設備の構造方法を定める件

【告示1380号】(平成12年)
 耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の主要構造部の構造方法を定める件

【告示1381号】(平成12年)
 ひさしその他これに類するものの構造方法を定める件


【住指発201号】(平成11年5月1日)第3
 準防火地域内における木造3階建て共同住宅の規制の緩和等について

【住指発225号】(平成5年6月25日)第1四
 木造3階建て共同住宅等の技術的基準等(法27条第1項ただし書き及び令115条の2の2関係)
 
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梁の断面寸法の検討

2009-04-21 13:15:15 | 日々の備忘録
1)最大曲げモーメントが許容応力度の範囲内である確認

  fb ≧ M/Z


    fb :許容応力度

    M  :最大曲げモーメント

    Z :断面係数  
       
       )□の場合:BD2/6    B:梁幅  D:梁せい

       )○の場合:πD3/32   D:直径寸法


  ※安全率の取り方あり(例:2倍想定の場合、0.5fbとして計算)



2)最大たわみ寸法が許容範囲内である確認

 ■両端ピン・等分布荷重の場合

   δ = 5wL4/384EI

    δ :たわみ量

    E  :ヤング係数

    I  :断面2次モーメント 
       
       )□の場合:BD3/12    B:梁幅  D:梁せい

       )○の場合:πD4/64    D:直径寸法


  ※固定荷重は、【建築基準法施行令第84条】
  ※積載荷重は、【建築基準法施行令第85条】




 ■最大たわみ量の制限

  【告示1459号】(平成12年) 最終改正:平成19年5月18日

   たわみの最大値に、長期間の荷重により変形が増大することの
   調整係数(以下「変形増大係数」)を乗じ、更に当該部材の
   有効長さで除して得た値が1/250以下であること。

    ※ 変形増大係数:木造の場合、2とする
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木構造関連の告示 その1

2009-01-07 14:52:55 | 日々の備忘録
【告示1347号】

建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件



【告示1352号】

木造建築物の軸組の設置の基準を定める件



【告示1460号】

木造の継手及び仕口の構造方法を定める件

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軸組バランス・偏心率について

2008-10-16 09:33:48 | 日々の備忘録
【告示1352号】より

木造建築物の軸組の設置基準について


・各階、X方向とY方向の偏心率が0.3以下であること

・各階側端部の、壁量充足率の壁量比が、いずれも0.5以上であること

・各階側端部の、壁量充足率が、いずれも1.0を超えること


上記3項目のいずれかを満たすこと。


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地盤の許容応力度を定める方法

2008-08-21 12:35:04 | 日々の備忘録
【告示1113号】

スウェーデン式サウンディング試験による地盤の長期支持力算出法

                _
  qa = 30 + 0.6×Nsw



  qa  : 地盤の長期許容応力度(KN/㎡)
  
  Nsw : mあたり回転数〔1KN荷重時〕ただし、150を超える場合は150とする
   _
  Nsw : 基礎底面下0~2mまでのmあたり回転数の平均〔1KN荷重時〕



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