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南雄三のスケッチ&トーク展

2009-05-31 14:20:52 | 日々の合間に
先日「南雄三のスケッチ&トーク」展に行ってきました。

今回の企画は
南雄三氏×建築写真家の宮本和義氏による、散歩の達人対決。

“散歩”と聞くと、
空を見たり、花を愛でたり、
あるいは歩きながら思索にふけたり、
空気を胸一杯に吸い込んで、思いっきりリフレッシュ・・など
穏やかでのんびりとしたイメージがありますが、

そんな“穏やかな散歩”イメージをくつがえす?
精力的な散歩トークでした。


会場には、南先生が海外・国内問わず、
現地でササっとスケッチした絵が展示されています。

そのスケッチ、モレスキンのスケッチブックを愛用しているところが凄い。
書き損じても、簡単にページを破ることができない手帳ですから(笑)

一ページごと真剣勝負で描いているのか。それも短時間で。
と思うと頭が下がります。

ギャラリーではノートのオリジナルも拝見できますが、本当に綺麗でした。


それから、面白かったのが宮本氏の街道散歩トークです。
中山道を軸に、日本橋から馬籠宿まで紹介して頂きました。

街道筋で一つの纏まりとして見ると、より深く楽しめるものですね。

私の趣味である民家ウォッチングの旅も、
この路線で、再訪問してみようかな。


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南雄三のスケッチ&トーク展は
神楽坂のアユミギャラリーにて、6月3日(水)まで開催中です。
詳しくは、こちらをご覧ください。

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「大聖堂」 ケン・フォレット

2009-05-28 20:28:51 | 日々の合間に
3冊の厚い本からなる小説「大聖堂」を、
先日読み終わりました。

舞台は12世紀のイングランド。
主人公の石工職人トムが、仕事を求めて家族を連れて流浪する場面から、
キングスブリッジ修道院に辿り着き、様々な困難を乗り越えて
大聖堂を建設するまでの波乱万丈物語でした。

大聖堂建設の周囲の状況は、人々の野心と欲望が渦巻いており
まあ、当時の内乱やら権力闘争やら暴力沙汰の酷いこと。

建設資金の問題、修道院の人事駆け引き、街の焼き討ち・・
とにかく舞台の12世紀当時は、悲惨の一言に尽きます。

実話とフィクションを巧みに混ぜ合わせた物語ではありますが、
こう云うのを読むと、今は酷い時代と言われる割に、随分マトモになってきたと
思えるようになります。


大聖堂 (上) (SB文庫)
ケン・フォレット
ソフトバンク クリエイティブ

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物語では、主人公のトムにかわって活躍する義理の息子が
ある事情でフランスに行き、そこで見た新しい構法「ゴシック建築」に開眼します。

窓が小さく壁の厚いロマネスク建築の時代に、
より高く、より荘厳で、大きな窓が可能となった(これがステンドグラスを発展させた)ゴシック建築が出現したのですから、
当時の人々に大きなインパクトを与えたであろうと容易に想像できます。

フランスから戻り、早速この新構法で大聖堂建設に着手するのですが、
形だけの真似をしたところ、早速問題が起こります。

高所の亀裂が入ることに悩み、その原因を突き止め、出した答えとは・・

このように、ロマネスク建築からゴシック建築への転換、そして
フライングバットレスの出現などを、巧みに物語に取り組み
読ませてくれました。


一つ残念なのは、物語の途中の暴力シーンがえぐいので、
お勧めの本と素直に言い切れないところ。
最後はホッとします。
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チューニング

2009-05-25 20:38:22 | 日々の研鑽
今年度も木造学校が始まりました。

新型インフルエンザ騒動の中、
全国から元気に集まってくる仲間たち。
騒動が嘘のようです。
また今年から参加される方も比較的多く、楽しい顔合わせでした。


私にとって、吉田先生の木造建築学校は、
「調律と同調」言わば、チューニングの場です。


2か月ぶりの吉田先生の講義。
聞く度に、設計で大切な何かを、思い出させて下さいます。
毎回、来て良かったと思う瞬間があるのです。


そして、同じ志と、共通の理念を持つ仲間に再会することは、
勇気が湧き、力づけられます。


単に、設計技法を学ぶだけではなく、
私にとって、かけがえのない大切なチューニングのひと時です。

皆さん、今年度もどうぞ宜しく!
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この時期に多い懇親会

2009-05-22 09:23:34 | 日々の合間に
講習会や勉強会があれば、終了後に開かれるのが懇親会ですね(有志含めて)

私個人の感想ですが、
この5月は一年で一番懇親会が多く、
忘年会のある12月や、新年会のある1月の比ではないのです。

新年度の初まりだったり、
季節が良いので講習会・勉強会が多いなど、
様々な理由が挙げられます。


そんなことで、最近少々胃が疲れ気味。
さすがに家では食欲も無く、結果粗食となってバランスが取れている?状態です。


ところで、申請中の共同住宅の建築確認が、そろそろおりそうなので、
おりたら、お疲れ様会を開催することになるでしょう(^_^;
木造3階建て共同住宅は、申請までも結構時間が掛かりました。
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木の香り

2009-05-18 19:31:17 | 木の話
先日頂いた桧の輪切りですが、
部屋に置いた途端、ちょこちょこ見かけた蜘蛛の姿が消えました。

桧の芳香は、成分がテルペン類で、
フィトンチッドと聞けば、馴染みがあるかと思います。

虫を寄せ付けないこの桧の香り、
人間にとっては、何とも心地よく感じます。


このフィトンチッドは、自ら移動できない木の、交信手段でもあります。
自分が傷ついたとき、この香りを放って、
周りの木々に知らせる働きがあるそうです。


フィトンチッドの効果として、驚くことに
感染症への効果が挙げられます。
インフルエンザウィルスの死滅に大いに役立つとか。

最近、猛威をふるっている新型インフルエンザにも、
効果があるかも知れません。


木というのは本当に素晴らしい材です。
このような、癒し、リラクゼーション、健康をもたらす住宅建材が
木の他に存在するでしょうか。
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木に触れて

2009-05-15 17:53:27 | 木の話
昨日、Y社さんのご厚意で、
宮大工さんの作業場を見学させていただきました。

市街地から離れた、自然いっぱいの環境。
神奈川県でも、こんなに自然豊かな美しい場所があったのかと
感激する程のところでした。


山、森、新鮮な空気、豊かな水源・・そして300年の歴史を持つ宮大工。

素晴らしい宝物に出会ったかのような気分でした。


お土産に頂いた木材、格天井の一部など・・
その中に桧の輪切りがあったのですが、
触っているうちに、不思議と心が落ち着いてくるのです。


以前、ある現場監督さんが言っていました。

「社内で、木が好きな人が居てね。
 作業所で木の加工・造作作業をしながら、
 木に触っては、うっとりしているんだよなぁ」

ちょっと危ない感じだね(笑)とその時は言ったけれど
そうなるのが、分かります(^_^)

私も輪切りを持ってウットリです。

今まで自覚していませんでしたが、
木の家への思い入れは、
こんなところに表れているのかも?・・と思いました。
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ゆるい後日談

2009-05-13 12:38:41 | 日々の合間に
1)体重について

以前、
「野菜カレーを食べて云々、10kg以上減量」
と書き込みをしたところ、

最近、直接お会いする機会のなかった方から、
「ガリガリに痩せてしまったのでは?」
「栄養不足になっていないか?」
と心配の声が届き、有り難さでいっぱいです。

その後、

私の現体重を知ったところ、
「それって・・もう少し痩せてもいいんじゃない?」と
心配から励ましへ、心境が変化されました(笑)。

ありがとうございます。



2)横浜市のゆるキャラ

戸塚区の新キャラが決定したと、13日の新聞に掲載されました。
名前は「ウナシー」くん。

ところで、先日列挙した横浜市のゆるキャラですが、

「水道局のカエルキャラ“はまぴょん”は知っているけど、
 ゴミ削減キャラ“へら星人ミーオ”は知らなかった」と言う横浜市民Aさん。

 しかし「ミーオってもしかして30の意味?」と中々勘が鋭い。

「ヨコハマはG30(じーさんじゅう)」と、
清掃車でいつもアナウンスしていますしね。

「G30」とは、ゴミ削減30%という意味なのですが、
知らなければ、何のこっちゃ?と不思議に思うフレーズです。



3)本当にあった、ゆるコワい話

ある日、勧誘の電話が掛かってきました。

「主人は今、お風呂に入っています」と
やんわり断る妻。

「それでは、また掛かってくるぞ」
とクレームを出す夫。

「では、何と言えばいいかしら?」と二人で思案ののち・・

“風呂”ではなく“お墓に入っています”が決定打だということで
二人の話がまとまりました。(笑)
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木の造作

2009-05-12 09:26:35 | 日々のお仕事
何だと思いますか?



和室天井の竿縁(さおぶち)です。

木工事が進み、細部の造作に入りました。

竿縁は、ななめ加工をお願いし、
大工さんが綺麗に納めてくれました。
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首都の真の美しさ

2009-05-07 20:12:14 | 日々の想い
「首都の真の美しさは、その建造物の大いなる塔や装飾にあらずして、
 むしろ民衆の幸せな表情にあるだろう。」
   
    岡倉天心~東洋の理想より~

岡倉天心は、物事の真を語れる人で、
著作や伝えられるエピソードなどを伺うと、
100年も前に生きた人とは思えないくらい、今に通じる斬新さがあります。


上記の言葉は、
中身の無い果実は空しい。
言いかえれば、建築の形だけでは豊かさは生まれない、と
真理を語っています。


建築設計を生業としている者にとって、
設計という手段で、どこまで社会に貢献できるだろう・・と
思わずにはいられません。

貢献という言葉がおこがましいと言われるかも知れません。
それでも、やはり敢えて「貢献」と言わせて下さいね。

僅かな内容の貢献であったとしても、誇らしい貢献に変わりない、
そう思えるようになりました。


目標は高く、
実践は地に足をつけて

今出来ないことを見つめながらも
一歩ずつ、確実に、前進してゆきたいと思います。

そして、いつか「首都の真の美しさ」に辿り着くことを、夢見ています。



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横浜市のゆるキャラ

2009-05-06 18:29:18 | 日々の合間に
今日、馬車道駅で「たねまる」くんに遭遇しました。

たねまる」くんとは横浜開港150周年のマスコット、意外とカワイイのです。
人がいなかったら、記念撮影をお願いしているところでした。
しかし、その勇気もなく、写真も撮れず・・(^_^;


実は、横浜市には、元々ゆるキャラ(ゆるいマスコットキャラクター)が
たくさん存在しています。

「ゆるキャラ」祭りとか、やらないのかしら?
と、内輪で話しているのですが・・


各区のキャラクターだけでも
なしかちゃん(青葉区)
あさひくん(旭区)
いっずん(泉区)
いそっぴ(磯子区 まつりマスコット)
かめ太郎(神奈川区)
いこあら(金沢区 選挙マスコット)
ミズキー(港北区)
タッチーくん(栄区 いたち川マスコット)
せやまる(瀬谷区)
ワッくん(鶴見区)
とつか再開発くん(戸塚区)→現在、新キャラクター選定中
スウィンギー(中区)
にしまろちゃん(西区)
みなっち(南区)


その他にも
市営地下鉄の「はまりん」、
ゴミ削減キャラ「へら星人ミーオ」、
水道局のカエルキャラ「はまピョン


何から何まで、マスコットキャラクターが居るんですね。
調べた私も私ですが(笑)、連休のお遊びということで
ご勘弁ください。



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絵画と音楽鑑賞

2009-05-02 10:00:24 | 日々のアート鑑賞
昨日の続きです。

「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展では、
美術館入り口で、音声ガイドを借りました。

解説によると、ロスコは創作活動中よくクラシックを聴いていたとのこと。
お気に入りの曲はモーツァルトの魔笛だったとの説明を聞いて、
親近感を覚えました。(^_^)
私も何か物事を始めようとするとき、聴く音楽が魔笛序曲なのです。


さて、この音声ガイド。
実は「シーグラム壁画」の鑑賞中、
モーツァルトの弦楽五重奏第5番第二楽章を聴くことができるという
心にくい演出がついていました。


選曲が、モーツァルトの明るい曲だったので、少し救われた気分でした。

絵の印象から言うと、バッハのシャコンヌあたりとも言えそうですが
さらに己の内側へ入り込んでしまいそう。


明るい曲が意外と合うロスコの絵なのです。

この組み合わせは、以前イタリア料理屋で
ブルーチーズに蜂蜜が添えられてきた時の驚きと
そのマッチングの味の良さに再度驚いたあの感覚に似ていました。


さて、ロスコ展では「黒い絵」のコーナーもあり、
独特の雰囲気を醸し出していました。

遠くから見ると黒一色の絵ですが、見ているうちに、黒い絵の中に
もう一つの四角いふちが見えてきます。
黒色も、微妙に色を変えて描いているのです。

このコーナーですが、私には、やや怖い空間に感じました。

ロスコは、この絵を描く時もモーツァルトを聴いていたのでしょうか?
レクイエムだったりして(^_^;


この絵画を鑑賞しながら、音楽を聴くというスタイルが新鮮でした。


※後日談ですが、バッハのシャコンヌをゆっくり聴きながら
 ロスコの絵(はがき)を眺めました。
 これが大変合う、と思いました。
 こちらはブルーチーズ&赤ワインの組み合わせというところです。
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「瞑想する絵画」

2009-05-01 19:04:51 | 日々のアート鑑賞
昨日の続きです。
川村記念美術館の「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展

初めて目にしたロスコの絵



色合いから、陰鬱なイメージを抱くかも知れませんが、
対面すると、意外と心地よい。


強い主張をせず、境界を設けず・・
これが絵画であることを忘れて、対面していました。


その効果は、ついには、
鑑賞者自身の存在も忘れさせてしまうのでしょうか。
気付けば、心地よい静寂の中にいるのです。


ロスコの夢見た
 “古代の遺跡にも似たその圧倒的な存在に包まれて、
   自身を省み、心を彷徨わせ、瞑想にひたる”
ロスコは、自分の絵画空間を手に入れることを望みます。

そこへ、シーグラムビルの高級レストランから、自身の絵で飾る依頼が来るのです。

一度は引き受けた話でしたが、その高級レストランの贅沢な雰囲気と、
自身の絵画のコンセプト(内省する空間)との大きな隔たりを感じ、
この話を断ってしまいます。

ロスコの空間が、今回特別展示の「シーグラム壁画」で体験可能となりました。

ロスコの目指したかったもの。
そこは、川村記念美術館の名脇役としての建築も手伝って、
この特別展の真髄を表現している、素晴らしい空間でした。

あの素晴らしさを、上手く伝えることができません。


時間が許す限り、そこに居たくなりました。
これは絵画展なのでしょうか。それとも空間芸術なのでしょうか。


今回の訪問で、絵画に対する思いが変わりました。
それに連動して建築に対する思いも。
赤い壁の不思議も含めて、さらに探求したくなりました。
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