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吹屋の町並みと広兼邸

2010-03-31 08:30:29 | 日々の建築ウォッチング
3月の連休中、
8年前に訪問し、その魅力が印象深かった吹屋へ
再訪する機会に恵まれました。




交通の便がきわめて不便な吹屋。

ここから3km離れた広兼邸に至っては、
GoogleMAPの住所検索でさえ、出てこない。

関東の人間にしてみれば、そうそう気軽に行ける所でもないし
行きつけるかも不安なところでした。


しかし、この8年の間に道路が整備されており、
以前より、かなり分かり易くなっているようです。

8年経って、歴史的な町並みは変わらずとも、道路だけが変わってゆく・・


“山奥の秘密の里”という感じがやや薄れてはいましたが、
独特のベンガラ赤壁を見ると、はるばる来たんだな~・・と
感激します。





そして、今回初めて広兼邸も見学することができました。
こちらは、八つ墓村のロケ地として有名です。



銅山経営とベンガラの原料製造で一財産を築いたとのこと。

入口には門番部屋も設置され、
見た目にも、用途的にも、城郭を思わせる豪邸です。




こちらは、牛小屋部分、正面側の横桟格子。
桟の断面が△形となっているのは、雨水侵入防止のためと考えられます。




庭に出ると、右手にやや低めの塀があり、
外の眺望がのぞめます。


敷地内には、母屋・茶室・蔵などの建物が建っており



時間があれば、よりゆっくり見れますが、
今回も、とうとうタイムアウト。



近辺の、笹畝坑道(ささうねこうどう)や、西江邸
寄ることが出来なくて残念です。


今回の建築ウォッチングは、
夜・横浜出発 → 午前・岡山着 → 夜・福山で一泊 → 午前・帰省
という強行スケジュールでした。

余裕を持って、いずれ再々訪できることを願っています。
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建築家 内藤廣シリーズ3 「とらや工房」&吉田五十八「東山旧岸邸」

2010-03-30 09:47:40 | 日々の建築ウォッチング
シリーズ3は「とらや工房」



アーチを描いた形で、
この内部空間は、富士教育センターと同じように
木組みの見事な梁架構です。

なのに、上手に写真が撮れていなくて残念・・・
理由は、食い気に走ったからか(笑)


ということで、

どらやきを



頂いてきました。




パーゴラの下を歩きながら、
お菓子の製作過程が見えたり、
一服できるスペースがあったり・・

建築レポートと言うより、食べログ化していますね(笑)

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ちなみに、同じ敷地には「東山旧岸邸」もあります。

この旧岸邸の設計は、吉田五十八(いそや)氏
そして、“旧岸邸”とは元首相岸信介邸のことです。

吉田五十八さんらしいデザインが随所にあります。

○エッジの効いた無目枠、


○スチール丸棒による簾、


○殆ど壁にしか見えない建具の納まり、


以前見学した京都の四君子苑(北村邸)
新座敷の回転柱もそうでしたが、
いつもディテールに刺激を受けます。
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建築家 内藤廣シリーズ2 「富士教育センター」

2010-03-29 08:32:44 | 日々の建築ウォッチング
御殿場市にある「(社)倫理研究所富士教育センター富士高原研修所」



外観は、シンプルな黒のガルバリウム。
富士山麓だけあって、溶岩の石垣が様になっています。


そして、内部をご好意で見せていただいたのですが、
見事な木梁で、大空間を柱無しで造り上げていました。



構造自体が空間の主役なのです。

ここは、宿泊施設を伴うセミナーハウス。
日々の雑事から離れて、
非日常の数日間を、この建物内で過ごすのですから、
建築の空間性が大変重要になってくる訳です。


私が、古民家のダイナミックな架構(柱と梁)に惹かれるのと一緒で、
形を作りすぎない、構造そのまま美しく見せる
というところに、
さわやかなドラマチックさを感じます。
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建築家 内藤廣シリーズ1 「とらや御殿場店」

2010-03-28 10:10:07 | 日々の建築ウォッチング
御殿場にある内藤廣氏の建築群を、
Nさん率いる建築仲間で見学してきました。

まずは、「とらや御殿場店」


軽さと水平ラインが強調されたシンプルな形状。



のれんが掛かると、さらに良く似合います。


老舗和菓子店の建築をどのようにデザインするか・・。

施主と設計者の「老舗」とは何ぞやという哲学&想いが、
この建物の形に表現されたと思われます。





細い鉄骨柱が線のよう。

内と外が融合する和風建築のあの空間と
同じような感覚を味わいました。





内部のテクスチャーも素敵でした。


全体的に、紙をイメージしたのかな?
細く、軽く、柔らかに。
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宇陀の町並み

2010-03-27 19:36:51 | 日々の建築ウォッチング
気付けは3月も終わりに近づいていますが、
今月は、インプット&アウトプットの非常に多かった月でした。

ということで、3月中にアレコレ見て周ったもののご紹介です。

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室生寺の帰りに、となりの宇陀松山に寄ってきました。

重要伝統的建造物群保存地区に指定されている、
静かで歴史ある町並みです。




訪問したのは日曜日でしたが、
肌寒く雨が降る日だったせいか、人にあまり会うことも無く、
静かな町並みをゆっくりと見て周ることが出来ました。


殆どの家が、平入り建物です。

ところで、
このあたりは吉野葛の産地なので



道の駅「大宇陀」では、葛餅やゴマ豆腐などが
たくさん、並んでいました。

そこには、
地元産の、美味しそうな野菜が安く売っています。
水菜の色が深緑で、こちらのスーパーで売られているのとは大違い。
ついつい購入してしまいました。

町並みウォッチングをしながら、山の霊気も吸い込める
しっとりしたところでした。
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室生寺2

2010-03-11 17:39:20 | 日々の建築ウォッチング
室生寺へ来て、奥の院まで 参拝する or しない が、
体力への自信の目安になりそうです。


進むにつれて、段々急階段になるのが奥の院。
まるで二次曲線を描いているようです。



小雨の中、ひたすら階段をのぼり、
段々と息が上がるのを感じます。


もやの向こうに、
舞台造りの建築が見えてきました。


真言宗の建築、という感じです。


昔の人は、室生寺まで歩いて来た上に、
奥の院まで上ったのかと、感心します。
それも草履と着物姿で・・。


雨に濡れて滑りやすくなっている石段を
慎重に降りながら、
次回、ここを上ろうと思えるかどうかが、
少し気になった次第です。(笑)

前回8年前に参拝したときより、
確実に体力が落ちている感じでした。
足腰、鍛えなければ!(^_^)

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室生寺

2010-03-10 15:12:57 | 日々の建築ウォッチング
先日、法事で大阪に一泊し、
次の日、奈良県の室生寺へ行ってきました。


門をくぐって階段を上ると、正面に見えてくるのが金堂です。
眺めていると不思議と心落ちつく建物でした。
【平安初期の国宝建築】



この建物は、間口五間・奥行き五間で、屋根は寄棟造り。

なぜ方形(ほうぎょう)屋根にならないか?というと、
「一間」の寸法が各々異なることと、
前方が母屋下がり的な、屋根吹き降ろしになっていました。

それが調和的で美しく感じるのは、
前面が一段低いところに建っているからでしょうね。
懸造り(かけづくり)の良さが十分出ています。




そして、階段の上には、優雅に建つ五重塔。
【平安初期・国宝建築】



この五重塔は、写真映えしますね。とても綺麗です。

五重塔としては法隆寺に次ぐ二番目の古建築で、
また、屋外の五重塔としては国内最小。(総高は16.1m)
階段下から見上げて、ちょうど良い大きさに見える建築です。


室生寺の建築物も素晴らしいですが、
内部には、優美な如来・菩薩・神将像が何体も設置されていました。

女人禁制だった真言密教の中で、
唯一女人に参拝を許した室生寺。

ここを訪れた女人たちは、どのような想いで
この仏像たちを拝んでいたのでしょう。

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木造3階建て共同住宅

2010-03-05 09:01:03 | 日々の備忘録
一年前に建築確認申請を出した
木造3階建て共同住宅が、竣工間近となりました。




この物件は、
○木造3階建て → 準耐火建築物
○共同住宅  → 特殊建築物
ですので、1時間耐火の準耐火建築物となっています。

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【法21条】
 大規模の建築物の主要構造部

【法24条】
 耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない特殊建築物

【法62条】
 準防火地域内の建築物


【令109条の2の2】
 主要構造部を準耐火構造とした建築物の層間変形角

【令115条の2の2】
 耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の技術的基準等

【令136条の2】
 地階を除く階数が3である建築物の技術的基準


【告示1360号】(平成12年)
 防火設備の構造方法を定める件

【告示1380号】(平成12年)
 耐火建築物とすることを要しない特殊建築物の主要構造部の構造方法を定める件

【告示1381号】(平成12年)
 ひさしその他これに類するものの構造方法を定める件


【住指発201号】(平成11年5月1日)第3
 準防火地域内における木造3階建て共同住宅の規制の緩和等について

【住指発225号】(平成5年6月25日)第1四
 木造3階建て共同住宅等の技術的基準等(法27条第1項ただし書き及び令115条の2の2関係)
 
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祝上棟 馬場の家

2010-03-04 13:52:02 | 日々のお仕事
昨日、無事に上棟しました。

いつもより大きめの住宅であったことと、
梁の本数が多いこともあって、
日没までの作業となりました。



こちらの写真は、屋根に垂木が掛かったところを撮影しました。

この後、杉の野地板を貼り、
木のスぺーサーを取り付けて断熱材を敷き、
屋根全面に防水シートを掛けて、終了しました。


ところで、いつも建て主様から言われることがあります。

「基礎だけの状態だと、建物がかなり小さく感じて不安でしたが、
 立ち上ってみると、意外と大きいことが分かりました。」


そうなんですよね。
きっと、スケール感が出てくるからでしょう。
これを上棟マジックと言います。(笑)
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