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至近距離で演奏鑑賞中

2011-04-18 14:18:20 | 日々のアート鑑賞
震災後初めてとなった日フィルの横浜定期公演を楽しんできました。

指揮は、フィンランドのピエタリ・インキネン氏の予定でしたが、
渡航回避勧告で来日が叶わなかったとのこと。
急遽、広上淳一氏の指揮で無事に開催してくれました。


ところで今期の私の席は中央最前列。
指揮者やソリスト達を2mの至近距離で鑑賞中です。(笑)

あまりにも舞台に近い為、目のやり場に困ったり、
オーケストレーションのサウンドを全体で鑑賞するには、やや難がありますが、
ソリスト達の息遣いや、指揮者が話す声が聞こえる興味深い席なのです。

それに先月の公演では、
指揮者の大友直人さんの美しい後ろ姿を間近で鑑賞しました。

演奏中の指揮者は中々激しい動きをしています。
それでも、服の脇がつることも無く、かつダボダボでもない。
指揮棒を下ろした時は完璧なシルエットで美しいラインを保持している。
指揮者の燕尾服って仕立てが素晴らしいんだなぁ、と感動しました。


さて、土曜日に行われた公演内容は次の通りでした。

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【第1部】
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ピアノ協奏曲 (ピアノ:小菅優)
 ピアノアンコール:ショパン前奏曲第3番

【第2部】
ドビュッシー:交響曲 海
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲
 アンコール:ドビュッシー「ゴリウォークのケークウォーク」

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ピアニスト小菅優さん登場です!
昨年はソロコンサートに2回行って来ました。

ラヴェルのピアノ協奏曲って独特の美しさがありますね。
特に第1楽章の出だし、パーカッション(鞭音)の「パーン」という音が好き。
バスク地方の渓谷に響き渡るイメージで、渓谷の奥行きや澄んだ空気すら感じられる様です。

第2楽章の牧歌的なメロディーも大好き。
ウン チャッ チャッ ウン チャッ チャッ というリズムが
3拍子的でありまた2拍子的でもある不思議なメロディーです。

第3楽章は、きらめく金粉みたいなメロディー。ジャズと現代音楽のコラボのよう。


ラヴェルのピアノ協奏曲だけでも、話が尽きない感じですが、
牧神の午後への前奏曲も、海も、ダフニスとクロエも素晴らしかった。
充実したフランス近代音楽のプログラムで、満足度120%です。


さて、いよいよ来月の日フィル定期演奏会は、
ピアニスト横山幸雄さん登場!!
その前に、5月3日の横山幸雄ショパンピアノソロ全212曲コンサートがあり、
こちらに駆け付けますので、この興奮さめ止まぬうちに早速日フィルとの
演奏ですね。非常に楽しみです。

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木造住宅耐震補強考

2011-04-15 23:54:32 | 日々の建築考
先日、昭和建設さんとのご縁により、
一般の方に向けて、耐震補強のお話をさせて頂く機会がありました。

阪神・淡路大地震を経て出来た
現在の建築基準法の耐震のとらえ方、
耐震の構造、昔の建物の耐震補強の方法、
地盤についてのお話を中心に紹介しました。

ところで、You Tubeに耐震補強をした建物とそうでない建物の
振動実験の動画があります。

在来木造住宅震動台実験



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防災科学技術研究所のデータによると、
地震動は兵庫県南部地震のJR鷹取駅で観測された実波形、通称「鷹取波」
 南北方向最大641.7ガル
 東西方向最大666.2ガル
 上下方向最大289.5ガル


この実験に使用された建物は明石から移築されたもので、

【補強していない建物の保有耐力充足率】
 2階X 1.09
 2階Y 0.75
 1階X 1.01
 1階Y 0.43 (分かりやすいように順番を入れ替えて表示)

【補強済み建物の保有耐力充足率】
 2階X 1.64
 2階Y 1.53
 1階X 1.55
 1階Y 1.57 (分かりやすいように順番を入れ替えて表示)

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データを見た感想としては、
なかなか構造的に恵まれた建築だと思いました。

というのも、補強されていない建物の保有耐力充足率が、
X方向は上下階とも1.0を下回らないですし、
2階X方向は0.75とまあまあ。
1階Y方向が0.43と低いです。

横浜市の耐震診断士として数年調査してきましたが、
有利な2階だけでも1.0を超えた物件は稀だったように思います。
0.75という高い数値も比較的少ないです。

一方、補強済みの建物の保有耐力充足率が、
全て1.5を下回らないのは凄い。

この建物は
間口3間・奥行3間のバランスの良い建物であり、
かつ、柱の直下率も良い方。
上下階の構造線も揃っているので耐震補強が有利に働きやすい。
最初から充足率1.5倍以上を狙ったというより、
そうなってしまった、なり易かったのかと思いきや、
「建築基準法で定める極めて希に起こる地震を上回る、兵庫県南部地震
の激震に対しても倒壊に至らぬよう、上部構造評点1.5を目指す」
ことだったようです。


この動画を見て、
補強あり、なしの建物とも1階右下の壁モルタルが
剥離落下するタイミングは若干時間差があるものの、
補強ありの建物は、筋交いと構造用合板が効き崩落を逃れていますが、
補強なしの建物は、このタイミングで耐力壁を失うのか以後倒壊します。

落下したモルタルは後で塗り直せば大丈夫。
大切なのは、躯体が倒壊しないことですね。


ところで、充足率1.0ギリギリの試験体動画はあるでしょうか。
引き続き調べて見たいと思います。
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2010年度の木造建築学校 匠組 終了

2011-04-12 18:49:31 | 日々の研鑽
先日、2010年度吉田桂二先生の木造建築学校 匠組が
無事終了しました。

地震の影響で、一カ月遅れとなった終了式。
全国から集まる皆の中には、福島・郡山の方もおり、
東北新幹線がストップしても、高速バスで駆け付けたという。
無事の顔を拝めて本当に嬉しかった。

さてこの一年、実は作図スランプに陥り、
殆どの課題に手が付けられない状態でした。
「方丈記」にハマったのも同時期であり、
無常観の中での建築提案・・その糸口が見えず悩みました。

そこで、起こった311東日本の大震災。

非常に衝撃的で、今後自分が提案する建築にとって、
避けて通ることなど考えられなくなりました。

その想いを掘り下げて、今回の課題を仕上げたのですが、
(お陰で期限を大幅に遅れてしまった)

かえって、この一年悩んでいたことの糸口が見え、
方向性が定まったように思います。

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「みんなの家」

諸行無常の世の中で、頼れるものは何ですか。

物に頼るのではなく、人との繋がりが活力となる。
共に力を合わせることで、あらゆる可能性が広がる。

建物は簡素でシンプルに。平屋で行ける。
物は必要最低限におさえること。小さい間取りで行ける。

内部は襖で可変性を持たせ、
様々な場面に対応できる平面・間取りとする。

グローバルなインフラに頼らない。
水道光熱は自己完結性を持って良い。
原始的で、かつ未来的なシステムを導入する。


4尺(1,212mm)グリッドを基本とした、
以下の建物を提案する。

16尺(4尺×4)角の空間が“隠れ内陣”となっており、
そこに、4尺幅の外周が付く構造。
内陣16尺角はカボチャ束で方形屋根を掛けることで、
内部はドーム状となり、中心性(求心性)を表現しました。








軒高は7尺と、低く、バランス良く。

吉田桂二先生からは、

「エコ生活実践の場であり、間取りの可変性は農家に繋がる空間をつくる。
“欲を断つ空間” 座禅の物である。」

との講評を頂きました。

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そうだ、京都へ行こう 4

2011-04-06 21:36:14 | 日々のアート鑑賞
京都は日本文化の美の宝庫。
この春、夜の特別拝観が行われている「東寺」へ行って来ました。
被災地への祈りのライトアップです。

夜にも関わらず、金堂の薬師如来さんが拝めるようになっていました。
嬉しいなぁ・・

東寺の、特に金堂は、
いつ来ても、
近寄るだけで、勝手に瞑想状態に入ってしまう、
圧倒的なオーラに満ちています。

人々に目覚めを促すような、静寂に満ちたすばらしい気です。


その薬師如来さんが、震災に向けて
祈りを発信してくれていることに、
嬉しくて涙が出そうになりました。



それでは、
あまりにも美しすぎる東寺の写真を
楽しんで下さいね。












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そうだ、京都へ行こう 3

2011-04-04 07:09:50 | 日々のアート鑑賞
夜の特別拝観 「高台寺」



京都の静かな夜に高台寺がライトアップされて。




高台寺の枯山水庭園の夜桜




池に花が反射して綺麗です。




高台寺敷地内の竹林。
竹林は地震に強い。余震のお守りに載せますね。



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そうだ、京都へ行こう 2

2011-04-04 06:58:53 | 日々のアート鑑賞
夜の特別拝観、「清水寺」



ライトアップされて、幻想的。




夜桜も綺麗。




清水寺から見る京都の街の灯。
一本出っ張った建物が、山田守設計の京都タワー。




清水の舞台から見た敷地内の夜桜




清水の舞台、夜景。


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そうだ、京都へ行こう 1

2011-04-03 23:54:51 | 日々のアート鑑賞
このところ、毎日のように続く余震、そして原発問題。

体はすっかり「地震酔い」。
気分も大分参ってしまった今日この頃、

CMのキャッチコピーそのまま、急遽思い立ち、京都に来ました。


まずは京都市美術館の「親鸞展」へ。



展示によると、当時の「御本尊」は、光そのもだったとか。
不可思議光、無量光、白い光・・。

実は今から8年前に、
宮崎の千人さんという工務店さんが造った住宅を見学したとき、
家中が光り輝いていた体験をしたことがあります。

柱や梁などの木が、
「使ってくれてありがとう」と言っている感じを受け、
住宅見学をして感激して泣く、という初めて出来事でした。

光り輝く時というのは、
生命体が、愛と感謝に溢れ、本来の姿を発揮できたとき
(天命を全うしたとき)
なのかも知れません。

それが、市井にあって可能な「御本尊」の正体では?と感じてまして、
上記の“光が御本尊”とは、大変納得いくものがありました。

今日、親鸞展でそのことを思い出しました。


また、親鸞の肉筆書も沢山展示されていて、
綺麗な楷書なので、所々読めたのが嬉しい。
800年という年月の間、発信続けた親鸞からのメッセージ。

歴史があるって素晴らしいな!と感動しました。

京都は、歴史的芸術・文化の宝庫ですね。

芸術品や美しい建築物に触れることで、
日頃のザワザワした想いが落ちつきました。

おまけに余震が無いのも嬉しいしホッとしますしね(笑)


避難生活をされている方々も、
諸事情が許せば、京都で一服は大変オススメですよ~。
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