四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
初夏の暑さを凌ぐ、お泊りシノギング【前編】
今年もこの季節がやってきた。
沢で暑さを凌ぐお泊りシノギング、、ただ予報を確認する限り夜は荒れそうな予感。。久しぶりの初夏の雨を凌ぐも期待しつつ、到着後準備に勤しむ。
いざ出立。まずは林道+フミアトで沢筋をタドル。下りてくるであろう帰りの尾根も確認しつつ。
少し高巻きもしつつ、堰堤越えもこなす。前日に雨も降っており、湿気た雰囲気に緑が映えている。
第一第二と連なった堰堤を越える。
そうして、穏やかなポイントから入渓。
これこれ。我々にとって、これが夏の始まりの合図。
元々穏やかな渓相で、雨降ったのちだが水流も程よく、まさに沢歩きにうってつけの状況下。
緑も濃く、ついつい立ち止まり見入ってしまう。。
そうこうしていると第一凌ポイント。フラれているわけではないが、私は可能な限り真正面から挑むようにしている。
それを恐る恐る覗き込む柳谷の図 笑
見た目の割に大したことなかったゼ!
後に続く、キャメラマン兼マーケターのジュンさん。
彼女は丹沢のチベット出身で、幼いころから自然と共に歩んだ純度の高い野生児なのだ。
当然難なくクリア。
更に続く柳谷。相変わらずビビッているが、リーチの長さでカバー。
これで上半身も程よく濡れれば、あとは恐いもの無し。
ゴロゴロした巨石があるのもまた土地柄かな。
しばらく進むと、とんでもない大瀑布が!!
写真では伝わらないが優に20mはあるだろうか、、当然挑むには命が足りないので、右岸を高巻く。
沢ではこまめな現在地確認を忘れずに。大き目な支流や尾根が入るところや、大きく沢が曲がるところなど、尾根と違って微妙な変化なところが多いので、入念に。
適度に広く緩い沢筋。気温が意外に涼しめだったが、よどみなく歩き動くことでカバー。
途中、気になるポイントがあれば沢からハナレ、尾根寄りを詰める。一段上がった平たく見えた場所はとても良かったが、木々が太く少な目か。。ただ、歴史の息吹を感じる炭焼き窯跡も見つけられ収穫はあり。
目の前のことだけに囚われず、こういうミチクサも大切にしたい。
しかし、渓相が良い事。。植生も良く、個人的苔好きからしてもトータルで非常にバランスが取れている沢筋。
第二凌ポイントにて、果敢に挑む。
それを越えるとまたため息がでるような景観。中々前へ進めない笑
第三凌ぎポイントにして、美しい段々なナメ小滝。
流石に手前のカマは肩くらいまでありそうな深さで退避。。
次の一番の核心といえそうなナメた滝部分を、辛々詰める。手前の流木先端が折れた時は焦った~。
登り上がり振り返ると、ジュンさんがさっきのさっきのカマで泳いでいるという笑 流石チベット出身、敵わないっす。
巨大な倒木も、時の流れと共に苔むし、幻想的な雰囲気と化しる。
少しずつ沢筋も狭くなってくる。
それでも美渓は続くよ、どこまでも。。
ゴツゴツ歩きづらい所も多くなってきたので、沢脇へ上がったり沢へ戻ったりで、歩きやすいところを見極めながら進む。
最後の凌ぎポイントを前に、オブザベーション。10mほどある段々滝。
段々がしっかり階段のようになっており、見た目よりも無理なく登れた。ただ上がるにつれて高度感は出てくるので、そことの闘いでもある。決して振り返ってはいけない笑
試練を越えると、分かれ沢道前の堰堤へ到着。
一応その上もチェックしておく。大体堰堤の上は楽園がある。大概木々が少なくモックポイントとしては限られてしまうが。しっかり情報もメモメモ。
ここからは、支流にて沢を詰め、尾根上の鞍部を目指し稜線へ乗る。薄っすらフミアトもあり。
おっと、その前に。その鞍部周辺で今宵はハンモック泊と目論んでいるので、流れがあるうちに水を汲み、確保!
ここまで最小限の水担ぎで来られるのが沢筋シノギングの良いところ。
詰めにしては、なんとも穏やかな上流。沢の清涼から離れると、詰めでは汗だくになる事もシバシバだが、程よい登りでちょうど良い。
そのまま、沢流れの始点まで到達。この時点でも非常に歩きやすく、少し拍子抜け。
そのまま登り上がると、既に鞍部に差し掛かったような広い渓筋へ。そしてフキの群生が姿を現す。
トトロなジュンさん。
そうしてモックポイントの拓けた鞍部へ到着。いつも通り、貪欲な柳谷と私は周辺をグルグル回り隈なくポイントを探る(その間ジュンさんは傍観笑)
少し暗めだが、三人広めに開いたコ字張りが出来るここで決定!ふ~お疲れさん。
さてさて、今宵は天候も荒れる可能性ありとの予報だった。。それに備えてどう別荘、集落を形成していこうか。
楽しみ半分、不安半分で、ザックを下ろし一息つくのであった。。
【後編】へ続く。
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