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修善寺サンカクスタンド 出張シノギングの様子

今回の出張シノギングの起点は伊豆箱根鉄道駿豆線のとある駅。

最近きれいに整備されたという駅前のスペースを無遠慮にお借りしていつものように長い導入が始まる。初参加のひともいるので凌とシノギングについて丁寧に説明。凌の衣服と道具の概念を説明しながらツユハラヒやクナイなんぞをちらつかせると何となくみなさん合点がいったようだ。はじめは優しく笑顔を絶やさずに・・・。

続いて低山小道具研究家森勝氏から地形図の見方とコンパスの基本的な使い方というか見方、

そして本日のシノギングエリアの説明。あそこに見える鉄塔はこの送電線のもので、この低いてっぺんには神社がある等々。ここまでだいたい一時間の授業。

修善寺駅で折り返し三島駅行きになる電車を見送って細い舗装路をたどる。

やがて木枯し紋次郎が歩いていそうな明るい山道に出た。地形図上でちょうど集落を抜けたあたり。気温は低めだが日差しがあたたかい。

まもなくふたつの谷が集まる平地に出る。

この先にあるはずの送電鉄塔まで参加者のみなさんでルートを決めてもらう。考えることが大事。

植林の谷を詰めていくとその先が藪っぽくなってきたので・・・、

東側の尾根に乗ることにする。ここでは無理をせず無難なルートを選ぶ。考えることが大事。

あっ、鉄塔!これだけでみんな笑顔になる。

そしてみんな送電鉄塔に駆け寄る。送電鉄塔のモテようよ💛 シノギングってなんて楽しいんだろうね。

標高140mからの絶景!

シノラー達は送電鉄塔とおさらばして尾根の続きを辿る。

森勝氏が油の木を発見。ここで油の木の森林浴の香りを楽しみ、油を含んだ木の燃えやすさの実演。ここにいるから得られる知識だ。

日差しの入り込む明るい尾根を進むと天国のような広場に出た。

ここで長い休憩を取ることにする。しかしすぐには休憩できないのがシノギングイベント。休憩するためのハンモックの張り方とハンモックには欠かせないタープの張り方を説明。ハンモックは贅沢なソファになり、ゆりかごになる。タープは雨、風、日差しからハンモックを守ってくれる。

続いては低山小道具研究家の森勝氏による、大好評の手錠ごっこ結びの実演。

キャンディが、キャンディがァ・・・・・・・

枝とポールを継いで長くするロープワーク。テコの原理を使えばぐらぐらせずにきっちり継ぐことができる。

みんな大好きリッジラインをビンビンに張るロープワーク。わかりやすく的確な説明と同時進行だから理解が早い(はず)。シノギングイベントで繰り広げられることはそこで一緒に体験するからこそ得られる知識、術であり、つまみ食いで都合よく得られるものではない。だって、わからなければその場で質問ができて答えが返って来るんだから。

休憩前の長い出し物が終わってようやく本当の休憩時間。先ほどのロープワークで覚えたことをさっそく実践。我々もいつも吊るしているが、みんなバックパックを吊るしたいんだね。

吊るす。

吊るす、吊るす、吊るす、吊るせ!

アグラスカートをハンモックに通して半シュラフ代わりにお昼寝。

アンダーキルトと日差しでぬくぬくだ。

だらだらできて最高~!

本当に気持ちのいい広場。標高200mですよ~、ここ。

教えを乞う? まじめなお話をされておりましたので遠くから見るだけ。

木の影がまぶしい日差しを遮ってくれて、快適、快適。

遠く長野から参加してくれたシノラー。

山高きが故に貴からず樹あるをもって貴しとなす。大事なのは見た目だけではなく内容が伴っていること。こういうことに気付けるのがシノギングイベントであり、それを実践しているのがシノギング。

どこからか現れては誰彼構わずまとわりついていたが、最終的にとてもいい子になった猟犬のポチ。

休憩時間も終わり、出立前に森勝氏のパッキング講座。バックパックの中身を遠慮なく放り出しては詰めなおす。

するとこんなにきれいなかたちに仕上がった。そう、バックパックはその空間をしっかり埋めて形状がきれいに出るように荷物を詰めるのがその物に対する礼儀。もちろん荷重バランスも考えて。何となく詰め込んで隙間だらけにするのではなく、隙間を埋める発想が必要。だらけたバックパックは道理外れ。

ツユハラヒとクナイでシノラーの完成。

あっちに行こうかどうしようか。何も考えずに突っ込むのではなく、進む前にちゃんと考えることが必要。時に迂回も正解。

快適な下り尾根。

出ました、放置車両。ここまでどうやって運転してきたのかが謎。

あの世のような天国広場を後にして尾根を下り始めたわけだが、尾根上に散らばる伐採木材に気を取られているうち、いつの間にか尾根の分岐を南へと進んでしまっていた(下の地形図の大きい丸のところ)。この場合は、事前に尾根の西側の縁を進んで西に分かれる尾根を見つけなければいけない。言い訳にしかならないのだが、足元に転がる木枝に気を取られていたということもあるし、部分的な針葉樹林に見通しが効かなかったのが間違いの原因であった。

相談中。ここはどこ?わたしたちどうすればいいの?

たとえ地図読みを間違えても、それに気付いて予定していたルートに復帰できることが大事。復帰が難しければ安全な別ルートを見いだせることも大事。果たして、間違えた周辺をいろいろ嗅ぎまわって無事に予定のルートに復帰できた。

176mの三角点。ちょうど送電鉄塔も同じ場所にあり見晴らしがいい。北に送電線越しの富士。

南に送電線越しの天城連山。美しすぎる送電線。

見晴らし良好な尾根から樹林帯に入り、

クンクン、クンクン、町のにおいがする。そういえば猟犬ポチはいつの間にかどこかに消えたな。ポチよ。

最後はこんな感じ。ちょっと危ないところを避け、無事に舗装路に出て今回のシノギングは終了。

3月はまだ寒い。私の今回の着こなしは95%冬物だった。

フユボウシ、ノラギ、ニンジャセーター(試作品)、メリノウールアンダー、シモナギ、ツユハラヒ、クナイ。休憩中はヨヒヤミ着用。

 

最後に、決して笑ってはいけないやつで〆

今回の出張シノギングに参加して下さったみなさまありがとうございました。

誰にも会わない山を歩く楽しさと自分たちでルートを見つける難しさの両方を体験できたのではないでしょうか?

誰にも会わないからこそ安全のために身に付けなければならない術があります。

シノギングを続けることで遭難しない自立した山歩きの術を身に付けることができます。

地図読みやロープワークなど、忘れないうちに復習しましょ。えっ、もう忘れた?(笑)

お忙しい中このイベントの開催にご理解とご協力をいただいたサンカクスタンドさん、同行してくれたもじゃ氏、キャンディ、ありがとうございました。

シノギングの情報は巷に溢れていません。興味のある人は勇気を持って(笑)シノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。百聞は一見に如かずです。

サンカクスタンドさんの経営する修善寺ヒュッテはお店から徒歩8分ほど。今回のシノギング参加者さんも複数名利用していました。

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