夜を凌ぐ

夜の長いこの時期、せっかくだからその長い夜を凌ぐのも季節に応じたシノギングのひとつ。
ちょっとマイクロアドベンチャーっぽいけど、シノギングにはその要素も含まれている。

取り付きから胸を突くような急斜面。
これが低山の面白いところ。
ひとつひとつ細かな緩急をこなして尾根を辿る。

汗が噴き出す。
試作品のボウシの通気性と吸汗性を確認する。

冬の日差しはもうだいぶ傾いている。
日影と日向のコントラストに目がくらくらする。


山頂にはこだわらないシノギングだが今日は山頂を目指す。
九十九折りで振り返ると薄い紫の街並み。


一息で山頂に出ると薄暮の町灯りがぼんやり広がる。
一番好きな時間に間に合った。


クイックハラマキとクイックダウンレッグウォーマーを付けツヅラヲリにヨヒヤミを重ねて早めの寒さ対策。
試作品の近未来スカートはなかなかの出来栄えだ。

ときどき「ぷすぷすっ」というだけで静かに燃え続けるアルコールストーブ。
煮込むあいだにあたりはどんどん暗くなり、町灯りは20ルーメンの控えめなヘッドトーチよりもにぎやかな夜景に変わった。


いい加減に煮込まれたところでひとくち。
お酒と交互に口に運ぶ。
夜景を見ながらまたひとくち。

ほかには何もしなくていい夜。

そんなに冷え込まないから、夜を凌ぐという感じではないな。
シュラフにもぐり込むとすぐに眠気が襲って来た。


目覚めると朝焼けが始まっている。




それからはどんどん明るくなって、眼下に昨日登ってきた尾根が見える。


昨日の続きのままでいたい暖かいシュラフと、昨日ここにいたことが嘘のような冷たいクッカーをバックパックに詰め込んで、まだ朝早い山の道をゆっくり下りた。
あぁ、凌いだ、凌いだ。


今回の凌ぎアイテム。

- AXESQUIN -
フユボウシ（試作品）
シリコングリップ（試作品）
ヤマバッグ

ツヅラヲリ
ヨヒヤミ
クナドベスト（試作品）
クナドアーム（試作品）
クイックハラマキ

シノビ
クナイ
クイックダウンレッグウォーマー
近未来スカート（試作品）

- EXPED -
Travel Hammock
Syncellmat 5M
Lightning 60

- MOUNTAIN EQUIPMENT -
Spider Crew Neck
Lightline