一段と、花々の香りが漂い始めた。
師匠が、
「お花さんが香るですよ。」とごきげんだ。
今の時期、まだ、咲いていない唐種招霊の香りが師匠のまわりで
漂う。
たぶん、、神社の境内などでは、招霊の花が咲いているのだろう。
どういうことから香るのか、ではなく、ただ、神霊を感じることそのものに
意味があるのだと、つくづく、思う。
花以外にも、木々の香り。檜や、楠木などの木々の香り。
お酒の香りや、潮の香り。
ひとたちを護り、導く方々への恩恵と
それぞれの神々の寵愛をおつたえできる、神霊の香りなのだ。
眼には見えなくても、お守りいただいていることを感じられる
おだやかなひとときだ。
これを瞑想といえば、そうかもしれない。
自然となる。そして、自然と在る。
そうやって、すべてがつながってできていること。
すべての中の自分は一部でもあることを体感している。