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DAZN観戦 2022年J2リーグ第16節 ファジアーノ岡山vsザスパクサツ群馬

2022-05-18 16:01:34 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(9節・琉球戦、3-3)
※前回の群馬の記事はこちら(13節・横浜FC戦、3-3)

<前節からの変更>

岡山=3人を入れ替え。まず宮崎智彦が今季初スタメンに抜擢され左サイドバックに入り、前節同ポジションの成瀬は右SBへ回り河野が外れる。その他はボランチの片割れが佐野→喜山、左サイドハーフがチアゴ・アウベス→木村。宮崎智に留まらず、ベンチには疋田がメンバー入りと、今季の初物を取り入れて臨む。

群馬=11人とも不動と、連戦終了を実感するスタメン。(ちなみにベンチメンバーも不動)ただしyahoo速報によると、3-4-2-1気味だった前節から4-4-2へと戻している……との事だが、元来攻撃時は3バックへ可変するチームなので真偽の程は不明。

スタメン

7戦無敗を記録するなど見た目上の順位こそ4位に着けている岡山ですが、勝利した8節・山形戦が再試合の扱いとなったため気分的には未だ混戦の中。
そして前節(千葉戦・0-1)は後半アディショナルタイムに勝ち越されての敗戦で連戦を締める事となり、再出発といった感じでこの試合に挑んだでしょうか。

一方の群馬、前回観た際は首位・横浜FC(当時)との壮絶な戦いで引き分けに持ち込んだものの、本来はロースコアの試合をモノにしていくチームであり。
2得点以上挙げた試合は5戦あり、僅か1勝に留まっている(1分3敗)というデータが面白く、自分達の土俵に持ち込むか否かがカギとなっています。

岡山は木山隆之監督が試合前インタビューで「ビルドアップの所を見直した」と熱く語っており、試合が始まると早速ボール保持からの攻撃を見せていき。
前半6分ゴールキックを短く繋ぎ、ヨルディ・バイスの縦パス→ステファン・ムークのポストプレイをスイッチとして長いパスワークを展開。
時折ミドルパスも交えつつ、右サイドからエリア内右へのスルーパスに走り込んだ本山のクロス、逆サイドへ流れるも拾った木村が再度クロス。
中央で田中雄大がヘディングシュートを放ち(GK櫛引キャッチ)、主体的な攻撃でファーストシュートを生み出します。

2センターバック(バイス・柳)が距離を取り、間にGK金山が前に出て関わるか、ボランチが降りて来るかの2択という基本線の最終ライン。
これにより両SBに高い位置を取らせたい意図は窺えましたが、上記の好機の後は群馬のディフェンスもあり中々ボールを運べず、結局はデューク狙い・裏抜けを狙ってのロングパスの2択へ傾倒していく事となります。

一方の群馬もビルドアップには拘りを持ち、右SBの小島が前に出る右肩上がりのお馴染みの形が基本線。
長短のパスを使いボールを前に運ぶ事で、多く得たセットプレーで優勢の流れを作ります。
15分の右コーナーキック、キッカー岩上のクロスの跳ね返りを山中がダイレクトでシュート。(枠外)
21分には岡山・宮崎智の反則で得た右サイドからのフリーキック、ここも岩上のクロスの跳ね返りを山中が拾い、左サイドを突破してクロス。
ファーサイドを狙ったボールをGK金山が弾くも、こぼれ球を山根がボレーシュート(枠外)と脅かし。

次第にフィジカルに特化した岡山ディフェンスの穴を突くように、群馬が攻撃権でも有利を取っていき。
相変わらずセットプレーでは、ショートコーナー・ロングスローフェイントなど変化を交えて好機を作っていき、プレッシャーを与え続けます。

時間が進むにつれて不利を悟ったか、岡山は31分に最終ラインからビルドアップの際、宮崎智が中央に張っての組み立てを見せ。
それまでも偽SBっぽい動きを何度か見せていた宮崎智ですが、ここでは明らかに中で構える変節を取っていたのが印象的でした。(ここでは彼を囮にして裏へロングパスを送るも繋がらず)

それにつれて逆サイドの成瀬も、偽SBのように右ハーフレーンでのプレーが目立っていき。
39分にムークの縦パスから右サイドで組み立て、ムークのエリア内右への浮き球のパスに成瀬が走り込み、繋がらずも右CKに持ち込み。
このCKにはキッカー2人を立たせるなど、相手をインスパイアするかのように変化を付ける岡山。
宮崎智のフェイクから田中雄がクロスを入れ、ニアサイドで本山がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。

この岡山の変化もあり、逆に劣勢に陥った群馬。
42分、城和のラフなロングパスから好機を作り、セカンドボールを右サイドで拾ったのち小島が中央へパス。
これに加藤がシュートにいくも空振りし、左へ流れたボールを山根がダイレクトでシュートしますがゴール右へと外れ。
針穴を縫うように好機を作ったものの先制はなりません。
その後も岡山が押し込み、43分にはセットプレーから柳が、ATには流れの中からミッチェル・デュークがヘディングシュートを放ち。(前者は枠外・後者はGK櫛引キャッチ)
デュークやバイス・柳を中心としたヘディング砲台で脅威を与えつつ、前半を終えます。

共に交代無く迎えた後半、まずは群馬が右サイドをスローインで漸進していく流れを作り。
これが我慢の展開の始まりを示すシーンだったでしょうか。
それを切った岡山がCK攻勢に持ち込むも決定打は放てず。

後半7分に群馬が反撃、田中稔也の裏へのミドルパスがエリア内を突き、受けた加藤のマイナスのクロスを中央で内田が合わせシュートするも岡山・柳にブロックで防がれ。
一歩も動かず足下でシュートを止めたその柳の姿は、その豊かなフィジカルもあり「そんなものは利かん」と言っているかのように写りました。
その後右サイド奥でスローインを連発する流れに持ち込んだ群馬ですが、最後は平松のGK金山への反則で終えてしまい。

12分の岡山、右サイドでムークのパスを受けた田中雄、前進ののちスルーパス送るとムークが走り込み。
エリア内で受けたかに見えた所を群馬・畑尾に倒され、反則の笛が鳴りましたが主審(上村篤史氏)の判定は僅かにエリア外でPKとはなりませんでした。
結局これで得たFKからはシュートを撃てずに終わり。

前半のように、主体的な組み立てからでは中々好機を作れなくなった岡山。
時間が進むにつれ、ハードワークを徹底する群馬の方に針が振れてきたという格好でしょうか。
そして完全に流れを変えたのが21分で、敵陣左サイドでの攻防からこぼれ球を巧く繋いだ群馬、山根が受けて抜け出さんとした所を岡山・柳がバックチャージ。
たまらず反則となり警告を受けた柳、そのフィジカルに全振りするかのようなディフェンスの弱点を突かれたように映り。
これで得た左サイドからのFKはシュートに結び付かずも、以降攻撃権を支配していく群馬。

そして26分に得た左CK、キッカーは岩上。
ニアサイドにインスイングのクロスを入れると、クリアに入った岡山・木村は触れずゴール前に。
GK金山にとってはまさに「急にボールが来た」という格好となり、弾ききれずにボールはゴールに吸い込まれ。
岩上本人も狙っていなかったと思われるCKからの直接ゴールとなり、先制に成功した群馬。

まさかの形でリードを奪われた岡山、キックオフの前に3枚替えを敢行。
ムーク・喜山・成瀬に代えて川本・ハンイヴォン・河野を投入、田中雄がボランチに・木村が右SHへそれぞれポジションチェンジして試合は再開されます。

しかし流れは変わらず、その後も群馬の攻勢は継続され。(29分に田中稔→奥村へと交代)
岡山はパスミスからピンチを招くなど、反撃したくても出来ない状態に追い込まれます。(32分に木村→白井へと交代)
そして33分の群馬、押し込んだのち相手クリアを拾った岩上がミドルシュート、ブロックされるも尚も繋いで右サイドで前進。
小島がクロスを上げ、ブロックに当たるもエリア内右へと入ったボールを収めた加藤、奥に切り込んでシュートしましたが角度無く僅かにゴール左へと外れ。
直後の34分にも奥村がミドルシュートを放ちGK金山がセーブするなど、果敢に2点目を狙いにいった群馬。

何とか反撃の流れを作りたい岡山ですが直後の35分に好機到来、バイスのボール奪取で自陣から前へ運び、ハンイヴォンのドリブルで一気にアタッキングサードへ。
そして彼のミドルパスを受けた白井がエリア内右からシュートするも、コース上に居た川本に当たってしまい跳ね返り。
運も味方に付けられない岡山、ビハインドのまま終盤を迎える事となり。

37分に両者選手交代、岡山は本山→疋田。
群馬は山中→渡辺へと交代し、これで3-4-2-1へと布陣を変える、ハッキリとした5バックのシステムを採ります。
これにより岡山も押し込む流れを作れましたが、群馬にとって得意分野である「ロースコアでの逃げ切り」という流れでもあり。
圧力を掛け続けるもののシュートには辿り着けない岡山。

そしてATも目前になった44分、内田が痛んだのもあり群馬は残っていた交代枠を使用。
内田・加藤→高木・北川へと交代、奥村がボランチに回り内田の穴を埋めます。
しかし直後に投入された高木が岡山・疋田への反則で、FKから好機を作る岡山。
二次攻撃で本山のエリア内へのロビングをデュークが落とし、走り込んだ疋田がシュートにいくもミート出来ず、尚もCKへと移り変わり。
ここでもクロスの跳ね返りを疋田がシュート(枠外)と、久々の出番で積極的に狙いにいった疋田でしたが、デビュー戦(初出場初得点)のような結果は叩き出せず。

ATに突入し、白井が空中戦で群馬・奥村に反則を与えてしまうと、白井の方が激高してしまい警告を受けるなど焦りが色濃く表れ。
群馬は後は細かなミスが無ければ逃げ切れるという展開でしたが、そのミスを岡山・ハンイヴォンが突き、トラップミスを拾って左サイドからエリア内へと持ち込む絶好機に。
しかし群馬の必死なネガトラを受け、中央へと流れての苦し紛れのシュートとなってしまい(枠外)モノに出来ません。

結局0-1のままスコアは動かず、勝ち点3に辿り着いた群馬。
得点こそ偶然の産物でしたが、狙い通りのゲームを演じて6試合ぶりの勝利となりました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第16節 大分トリニータvsロアッソ熊本

2022-05-17 16:33:45 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の大分の記事はこちら(9節・徳島戦、1-0)
※前回の熊本の記事はこちら(9節・ヴェルディ戦、3-2)

<前節からの変更>

大分=右サイドバックが伊東幸敏→上夷(今季初スタメン)・ボランチの片割れが弓場→小林裕紀・右サイドハーフが梅崎→中川と3人変更。初スタメンの上夷をはじめ、控えには野村が3試合ぶり、羽田が10試合ぶりのベンチ入りと微調整。

熊本=2人変更し、一つはセンターフォワードを土信田→高橋へとそのまま入れ替え。もう一つは右ウイングバックで阿部がベンチスタートとなり、左から三島が回り、空いた左WBに田辺が入る。

スタメン

5連戦を戦い抜いたうえで、特に大きな破綻も無く、メンバーもさほど変わらなかった熊本。
それに対して大分はルヴァン杯との絡みもあった影響か、連戦の最中に大きく序列が変わったようであり。

13節(千葉戦・3-0)以降、エドゥアルド・ネットをはじめ伊佐・高畑・弓場・中川といったメンバーがレギュラーの大部分を占めるようになり。
サブメンバーもベテラン・梅崎が復帰(前節スタメン)するなど、以前から全体的に大きく変わった印象を受けたこの日。
外見的に最も目を惹くのは中川のサイズ(158センチ)でしょうが、この日は相手が特異なシステムを有する熊本という事もあり、戦術的にもこの中川を中心に一際目立つ体制を採っていた大分。
惜しむらくは、それが機能しなかった事でしょうか。

熊本のキックオフで始まると、杉山の裏へのロングパスでいきなり好機を作り、大分・ペレイラとの競り合いに勝った高橋が右サイド奥からクロス。
慌てて守備体系を敷きにいく大分を尻目に、ファーサイドに上がったボールを田辺がフリーで左足で合わせ、シュートをネットに突き刺し。
開始16秒という電光石火の先制点が生まれました。

いきなりビハインドとなってしまった大分ですが、その直後に熊本サイドもGK佐藤のキックミスでコーナーキックを与えてしまい。
双方浮足立ったように見えたのも、急にスコアが動いた影響でしょうか。
この大分の左CK、クロスの跳ね返りを高畑がダイレクトでエリア手前からシュートしますが枠を捉えられず。

大分が以前とはどこか違うような感じを受けたのが前半9分で、GK高木のフィードに中川が落下点に入ったものの、その地点は左サイド寄り。
右SHの選手が最初から随分と逆に張り出したものだ、と思わされた場面でしたが、その後も中川は中央~左サイドでのプレーが目立ち。

どうやら左SHが本来ボランチの下田という事で、3ボランチのようなシステムで、余った(?)中川がトップ下っぽく振る舞っているようでした。(つまりは4-3-1-2の形か)
これにより左SBの高畑が高い位置を取り、かつボランチ3人の可変で熊本のプレッシングをかわそうという意図が伺え。
13分にはネットのドリブルから左へ展開、受けた高畑の手前からのクロスを呉屋が合わせボレーシュート、ブロックされたボールをさらに呉屋が追撃するも伊佐に当たってしまい右へと逸れ。
しかし左サイドに偏った攻撃に終始し、特に右SBの上夷は前半全く目立たず、その可変するシステムに戸惑ってるようにも映りました。

大分が同点に追い付かんと攻撃権を支配していたところ、24分辺りから熊本は、ウイングの左右を入れ替えるというお馴染みの変更を敢行。
その後の27分に左サイドで杉山が、右サイドで坂本がパスワークに絡み、最後は中央から杉山がシュート(枠外)という好機を作った熊本。
しかしこの直後に再度入れ替えが行われ、杉山が右・坂本が左と元の位置に落ち着く事となりました。
それでも可変がイレギュラーに映る大分との違いでしょうか。
特に失速する事無く、逆にプレッシングで大分のビルドアップを阻むシーンが増えていく熊本。
そして29分、右サイドでの三島のボール奪取から長くパスを繋ぎ、左サイドで田辺のスルーパスに走り込んだ坂本からグラウンダーのクロス。
これをニアサイドに走り込んだ杉山が合わせてゴールゲットし、前半のうちに追加点を奪いました。

流れはすっかり熊本のものとなり、全く反撃ムードを作れない大分。
その後も熊本が敵陣でパスワークを展開するシーンが続く、目も当てられない状態を強いられます。
何とか点差を縮めたい大分は38分、GK高木からの繋ぎでサイドを振りながら前進、左サイドで高畑のスルーパスを受けた呉屋がエリア内左奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで中川がシュートにいくも、ディフェンスに遭いミート出来ず終わり。
ようやく細かいビルドアップでの攻撃を形に出来たものの好循環は得れず、結局0-2のまま前半を終えます。

特殊な布陣も、それが逆に足枷となっていた感のあった前半の大分。
それを改めるべくハーフタイムに2枚替え、ネット・中川→野村・藤本へと交代します。
藤本が左SH・野村が右SHに入り、下田・小林裕のドイスボランチ、というのが通常考えられるシステム。

しかしオーソドックスな変化では足りないと感じていたでしょうか。
採ったのは3トップシステムで、右WGに伊佐・左WGに藤本が入るという、明らかに攻撃的な布陣で後半に臨んだ大分。

それでもこの4-1-2-3の布陣は大分にとって開幕直後に経験したものであり、それが前半との大きな違い。
その効果は劇的で、前半とは打って変わって熊本に攻撃させずに一方的な展開を得る事に成功します。
後半2分、GK佐藤のフィードを敵陣でカットし、野村がエリア内右へと切り込んで中央へ横パス。
藤本のタッチを経て呉屋がシュートを放つも、熊本・イヨハ理ヘンリーのブロックに阻まれ惜しくもゴールならず。

その後も押し込み続ける大分、相変わらずその内容は左サイドに偏ってはいたものの、高畑に加えて藤本の突破力も強力な武器となって襲い掛かり。
熊本は必死のディフェンスを見せるも、脱出困難な状況を強いられます。
そんな状況故にCKの数も膨れ上がり、そこでもゴールを脅かす大分。
9分の右CK、前半と同様にクリアボールを高畑がシュートというパターンで、エリア内の呉屋に当たった所をさらに下田がシュートするもGK佐藤がキャッチ。
17分にも右CKから、クロスが2度クリアされたのを経て野村がエリア内右へと切り込み、シュート気味に中央へ送るも呉屋には合わずゴール左へと外れ。

一方的に攻撃を浴びる熊本。(12分に竹本→伊東俊へと交代)
18分にプレスを嵌めて敵陣深めで杉山が奪ったものの、拾った坂本はシュートまでいけず。
これが後半初の攻撃機会という惨状であり、何とか一息つきリードを活かす状態に持っていきたい展開に。

しかしスローインを得ても、投げ入れたボールをダイレクトでカットされる(22分)など、依然としてマイボールの時間を作れない熊本。
大分は呉屋をターゲットにしたクロスを入れ続けるも、熊本ディフェンスの粘りもあり跳ね返され。

24分に熊本は再度ベンチが動き、田辺・杉山→阿部・粟飯原へと交代。(三島が右WB→左WBへシフト)
直後の25分、クリアボールから坂本がラフに裏を突くパスを高橋が収めようやく時間を作る事に成功すると、キープする坂本が大分・ペレイラに倒されて反則。
得た左サイドからのフリーキックで、キッカー河原のクロスの跳ね返りを伊東俊がダイレクトでシュート。
中央やや右寄りから放たれたこのボールを、高橋がコースを変えたものの惜しくもゴール右へと外れ。
止めを刺す3点目は奪えず、再び大分の反撃が始まります。

大分は27分に伊佐・呉屋→梅崎・サムエルへと2枚替え。
その後はサムエルにロングボールを当てる手法を交え、半ば強引に1点を奪いに行く攻撃も見せていきます。(31分には上夷→羽田に交代)

その執念が実ったのが35分のセットプレーで、左サイドでポストプレイの体勢に入る藤本が熊本・黒木に倒された事で得たFK。
キッカー野村のクロスはクリアされるも右から梅崎がダイレクトで繋ぎ(シュートミスっぽいが)、中央へ入ったボールをサムエルがシュート。
これがコース上に居た藤本に当たってゴール右へと転がり、混戦の状況から泥臭く1点を返した大分。

その後も守りを固める熊本に対し、アタッキングサードでの狭い局面で繋ぎ何とか崩さんとする大分。
しかしそれを完遂するのは容易では無く。
ようやく決定機が到来したのが41分で、GK高木ロングフィード→サムエル落としから熊本ゴールに近い所で攻撃開始となり、エリア内右を突いた藤本がクロス。
ファーサイドで高畑がヘディングシュートを放つも菅田が同じくヘッドでブロック、跳ね返りを尚も高畑がヘッドで繋ぎ、エリア内にこぼれた所をサムエルがシュート(GK佐藤キャッチ)と攻め立てるも打ち破れず。

42分に熊本は再び大分・ペレイラの反則で、息継ぎをするようにFKの好機。
今度は中央やや右寄りという位置で、キッカー粟飯原は直接シュートするも、壁の後ろで大分・梅崎がブロックで防ぎゴールならず。(直前に熊本は三島→酒井へと交代)
反撃に移る大分、44分には藤本が中央からミドルシュートを放ち、熊本の守備を崩さんとしますがゴール左へと外れ。
時間も押し迫り、ペレイラが前線に上がるパワープレイ体制を採り、全てを賭ける事となります。
その最中に熊本・伊東俊に反則を受けた野村が、報復のように詰め寄った事で警告を貰う等、焦りを隠せない大分。

アディショナルタイムに突入、サムエル・ペレイラの2枚へと当てるボールを送り続けるも、徐々に精度を欠いてきた大分の攻撃。
しかし終盤、熊本のクリアミスを梅崎がエリア内右へ繋ぎ、ペレイラがGK佐藤の跳び出しを受けつつもボールキープ。
そして戻しから梅崎がシュートを放つも、熊本も2人掛かり(イヨハ・酒井)でのブロックでこれを防ぎ。
最後の大分の右CKではGK高木が前線に上がるなど、まさに双方必死という絵図となり。
そしてキッカー野村のクロスからペレイラのヘディングシュートが放たれるも、枠を捉えられず終わり。

熊本にとってはまさに凌ぎ切ったという後半の展開で、その後ゴールキックを経て試合終了の時を迎え。
破った大分を抜いて順位も上げ(8位)、昇格争いも視野に入って来る勝ち点3を挙げました。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第13節 ジュビロ磐田vsFC東京

2022-05-16 16:01:21 | サッカー視聴記(2022年J1)

<磐田スタメン> 3-4-2-1
GK 三浦
RCB 山本義道 CCB 伊藤槙人 LCB リカルド・グラッサ
RWB 鈴木雄斗 DH 鹿沼 DH 遠藤 LWB 松本
IH 上原 IH 杉本
FW ファビアン・ゴンザレス
<FC東京スタメン> 4-2-3-1
GK ヤクブ・スウォヴィク
RSB 中村 CB 木本 CB 岡崎 LSB 長友
DH 安部 DH 青木
RSH レアンドロ CH 高萩 LSH 永井
FW ディエゴ・オリヴェイラ

開幕前にこんな記事を書いてからというもの、J1では1994~1998年にJリーグ参入した8クラブに焦点を絞りたいと思い、こうして筆を取っています。(どうでもいい)
そんな中でリーグも3分の1程を消化し、優劣が分かれつつある状態。
自動降格圏には湘南・神戸が勝ち点1桁で沈んでおり、その一歩上には磐田が予断を許さずの16位と、このままいけばさらに降格数を重ねる事となり。

磐田はこの日、J2から監督を迎えてサッカーの構築を進めているという同じ立場の、FC東京と対戦。
とはいっても磐田の方は前年の基本形とはそれほど形を変えず、枝葉の補強を幾ばくか行ったうえで3年ぶりのJ1を戦っており。
それ故「前年J2を席捲したサッカーが、上のカテゴリで通用するかどうか」という判り易い残留のカギを抱えながらも、悪戦苦闘しているシーズン。
そのため同じ立場といえど、個の力では明らかに分が悪い。

試合が始まり、FC東京がそのマンパワーを前面に押し出して攻め込む入り。
敵陣深めでのスローインを連発して押し込み、まずペースを奪わんとします。

しかしそうはさせなかったのが磐田のプレッシング。
アルベル・プッチ・オルトネダ監督の下、主体的な攻撃を繰り広げたいという意思のFC東京に対し、ビルドアップを遮断してショートカウンターに繋げるシーンを続発させます。
前半5分にGKスウォヴィクにまでプレッシャーを掛け、杉本がエリア内でボールを奪うという絶好のシーンを作ったものの、シュートは撃てず。
10分にはボール奪取した上原が右ハーフレーンを前進、エリア手前で中央へ横パスを送り、走り込んだ遠藤がシュート。(枠外)
ことハイプレスに至ってはリーグ序盤のFC東京の十八番かと思われましたが、相手のお株を奪うようなこの日の磐田のサッカー。
そんな立ち回りを続けている内に、ビルドアップによる主体的な攻撃も何度か見せるようになります。

劣勢の立ち上がりとなったFC東京、流れを変えたのは磐田同様に敵陣でのボール奪取。
22分に右サイド深めでレアンドロがボールを奪い好機を作った(シュートまではいけず)事で、自らのサッカーを取り戻すかのように攻勢に入ります。
最終ラインからの組み立てが冴え渡り、磐田は序盤のようなプレッシングを掛けるシーンは減り、5-4-1のブロックで構える時間が増えていき。

この日はドイスボランチのシステムを採用したFC東京。
それにより青木が最終ラインに降りて組み立てたり、最初からサイドバックが高目の位置を取ったりと、巧く可変させてビルドアップを敢行し。
25分、左サイドでのパスワークから左SBの長友がオーバーラップし、ハーフレーンを駆け上がり。
そして出来たスペースに永井が走り込み、スルーパスを受けてクロスにまで辿り着く攻撃。(永井のクロスがブロックされ終了)
前年この試合を観た印象では、長友は加齢故かオーバーラップは殆ど見られず、ひたすら後方から裏へのパスを供給する役割となっており。
今季開幕からスタメン落ちが続いたのも、消極的な姿勢が嫌われた故の事かと思われましたが、そんな負の印象を振り払うような上がりを見せていたこの日の長友。
ともかく、その長友に高い位置を取らせるように、高萩が降りて来てボールを受けたりといった工夫を見せていたFC東京の組み立て。

しかしペースは握るもののフィニッシュに辿り着けないという、ポゼッションスタイルお決まりの流れにも陥ってしまい。
逆に磐田がその針を縫うようにカウンターを仕掛け、1トップのゴンザレスを橋頭堡としてゴールに迫るシーンが目立ちます。

中々シュートを放てないFC東京は40分、安部の左サイド奥へのロングパスに永井が走り込み、奥で受けたのち戻りつつ低いクロス。
ターゲットのディエゴはこれをワントラップから、バイシクル気味にシュートを放ちますがジャストミートせずGK三浦がキャッチ。
苦し紛れという感じが拭えずにいると、迎えた43分。
ここもFC東京が最終ラインでの繋ぎから攻め上がるも、エリア内右からの中村のクロスがブロックされて磐田のカウンターを誘発してしまい。
遠藤のパスを受けた上原が中央をドリブル、右へスルーパスを送ると共にさらに走り込み、鈴木雄のグラウンダーのクロスに自ら合わせシュート。
ボール運びとフィニッシュ双方を務めた上原のゴールで、先制点は磐田に入りました。

その後もFC東京はレアンドロのクロスをディエゴが受ける好機を作った(45分)ものの、シュートは放てず終わり。
結局1-0のまま前半を終えます。
エリア内のターゲットがディエゴのみになるというシーンが目立ち、そのディエゴが激しいチェックに遭えばクロスから得点するのは難しく。

流れを変えたいFC東京、ハーフタイムで高萩→松木へと交代すると共に、サイドハーフのポジションを入れ替え。
永井が右・レアンドロが左へと移って後半に挑みました。

これで青木をアンカーとした4-1-2-3的なフォーメーションになるかと思われましたが、依然としてビルドアップ時には青木が最終ラインに降りるシーンが目立つなど、特に変わりは無いように見え。
変わらず高目の位置を取る長友を使わんとするも、交代で入った松木の長友へのパスがずれてしまい繋がらない(2度)など、リズムを掴めません。

その隙を突いて2点目を狙いにいく磐田、9分に再び上原のドリブルによるカウンター、パスを受けたゴンザレスがエリア内左を突き。
シュートは撃てずもコーナーキックを得て、2本目の左CKでキッカー遠藤のクロスをニアサイドで伊藤槙がフリック気味にヘディングシュート、しかしゴール右へと外れ。

何とか2点目は防いだFC東京、直後の11分に岡崎縦パス→ディエゴポストプレイ→レアンドロダイレクトでスルーパスという流れで、抜け出した安部がエリア内からシュート。
しかしGK三浦が前に出て防ぐ好セーブで同点ならず、ここから攻撃権を得るも、磐田恐怖のカウンターも頭を過る流れに。
そしてその通りに、15分ディエゴのシュートがブロックされると、跳ね返りを磐田・杉本が直接ポストプレイで繋いで攻守交替。
上原からスルーパスが前線のゴンザレスへ送られると、追走する岡崎が故障を発生させて倒れてしまった事で、一対一の状況を迎えたゴンザレス。
そしてGKスウォヴィクを右にかわして後はゴールネットを揺らすだけとなりましたが、放たれたシュートは右サイドネット外側に突き刺さり、確かにネットは揺れたものの得点ならず。
決定機を逃してしまったゴンザレス、FC東京が岡崎の交代を敢行する(小川諒也と交代)と同時に、お役御免となってしまいました。(大津と交代)

辛くも追加点は免れたものの、カウンターに脅かされる事を繰り返したうえ、センターバックにアクシデント発生と受難が続くFC東京。
19分にはこぼれ球を敵陣で拾った中村が、そのまま遠目からシュートを放つ(枠外)という具合に、無理目のフィニッシュを狙う苦しいシーンも目立ち。
20分過ぎからは磐田が逆に押し込む展開となり、いよいよ名実ともに苦境に陥る事となりましたが、それを覆したのはやはりカウンター。
24分の磐田の左CKから逆にカウンターに繋げるFC東京、小川諒がドリブルで運んでチャンスを作り、レアンドロがエリア内へスルーパス。
走り込むディエゴには通らず終わったものの、流れをひっくり返す効果はあり、再び攻勢に入ります。(直後に永井・長友→紺野・渡邊へと2枚替え)

右SHに入った紺野の推進力を押し出し、磐田に守勢を強いるFC東京。
29分に磐田が遠藤を退かせる手段を取り(山本康裕と交代・同時に杉本→大森へと交代)、守備固めの思考が垣間見えたという所で、さらにカードを切り。
31分に青木→アダイウトンへと交代し、攻撃の手駒を増やしに掛かります。(アダイウトンは左SHに入りレアンドロがトップ下に回る、松木・阿部のドイスボランチに)

そして34分、ここも右サイドで紺野が前進し、中村のポストプレイを挟んでのカットインを仕掛け左へパス。
受けたアダイウトン、中央へ流れたのち思い切り良く右足を振り抜き、これが巻く軌道でのシュートとなってゴール右へと突き刺さり。
ジョーカーのビューティフルゴールで、試合を振り出しに戻したFC東京。

同点となった事で、お互い手の内を曝け出して終盤を迎えるという雰囲気が過り。
しかしまだ磐田はカードを残しており、それを使ったのが37分。
上原・グラッサ→ジャーメイン良・吉長への2枚替えと共に、フォーメーションも変更して終盤戦に臨みます。
<後半37分以降の磐田> 4-4-2
GK 三浦
RSB 鈴木雄 CB 山本義 CB 伊藤槙 LSB 松本
RSH 吉長 DH 鹿沼 DH 山本康 LSH 大森
FW ジャーメイン FW 大津
布陣を代えても人数を掛けてのパスワークは健在で、勝ち越しを狙わんとしますが、逆に再びFC東京のカウンターを招いた(38分)事でペースを奪われ。
40分のFC東京はGKスウォヴィクのロングフィードからの攻撃で、エリア内右からディエゴがシュートを放つ(GK三浦セーブ)など、最後は個の力がモノを言うといわんばかりの流れに陥ります。

しかしそれを覆したのが43分でした。
山本康が右サイドへミドルパス、受けた吉長が裏へ浮き球を送ると、鈴木雄が上げたクロスはブロックに当たりエリア内中央へ。
これをクリアさせずに大森がエリア内で繋ぎ、鹿沼がダイレクトでシュートを放つと、ループ気味の軌道でゴール右隅へと突き刺さり。
鹿沼のJ1初ゴールが土壇場での値千金の勝ち越し弾となり、歓喜の輪を作る磐田。

再びリードされてしまったFC東京、こうなると守りを固める相手に対し、押し込んで何とか強引にこじ開けを図るしか無く。
突入したアディショナルタイム、CK攻勢の流れに入ったもののモノに出来ず。
さらに2本目のCKの際に、跳び出したGK三浦が木本と交錯し、顔から出血してしまうというアクシデントが挟まり。
治療時間が取られた事で熱量も冷めてしまい、その後磐田にボールキープを許す時間が長くなってしまいます。
何とか再度押し込む流れとなるも、ブロックの外でボールを回しつつクロスを入れるのが精一杯となり。
10分近く時間が取られたものの、結局シュートを放てず試合終了の笛を聴く事となりました。

貴重な勝利を手にした磐田。
残留へ向けて……とは未だ気が早いでしょうが、この日のカードのようなサッカーの完成度での優位性を活かし、折り返さないうちに勝ち点を稼いでおきたい所でしょう。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第16節 ヴァンフォーレ甲府vsレノファ山口FC

2022-05-15 18:57:14 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(10節・金沢戦、3-2)
※前回の山口の記事はこちら(11節・水戸戦、2-3)

<前節からの変更>

甲府=連戦が終わり通常運営……と思いきや、林田をセンターバック(野澤陸と入れ替えで左CBに)という大胆な起用。彼含め4人を代え、左ウイングバックが荒木→小林・右シャドーが飯島→鳥海、そして1トップがブルーノ・パライバからウィリアン・リラに。控えGKは岡西が8試合ぶりにベンチ入り。

山口=2人を入れ替え、右インサイドハーフを池上→山瀬、右ウイングを吉岡から兒玉へと代え、開いた左WBに沼田を入れる。大槻の離脱に加え岸田もベンチ外が2試合続き、センターフォワード不在の苦しい戦い。

スタメン

5連戦という苦しい日程を越え、ここからが真価を問われる戦いに。
確かに連戦の最中日程を消化するだけでも精一杯、といった感じになりがちですが、そこは全クラブ平等であり。(ウィルス禍に襲われた岩手を除く)

5戦で3勝1分1敗と反抗体制を見せた甲府。
しかし連戦で出づっぱりだった3バックのうち野澤陸がスタメンから外れ、代わりに持ってきたのはボランチの林田。
これが吉と出るかどうか、という一戦となりました。

試合が始まり、早速ボールを保持してパスを回していく甲府。
すると前半2分、長いパスワークの末最終ラインに戻して左へ展開、山口の前掛かりな姿勢を誘ったのち小林のスルーパスに走り込んだ長谷川がエリア内左からマイナスのクロス。
これを中央でリラが合わせ、早々にゴールゲットに成功します。
得点期待値の高いマイナスのクロスを入れる展開に綺麗に持ち込む、幸先の良いスタートとなりました。

いきなり出鼻を挫かれる事となった山口、こちらもパスワークによる主体的な攻撃が生命線なチーム。
早速反撃を始め、4分には縦パスをエリア内で受けた田中がシュート。(ブロック)
9分には左サイドから攻め、橋本が浅い位置からエリア内へロビングを送ると、高木がフリック気味にヘディングシュート。(GK河田キャッチ)
CFが壊滅状態になった事を受け、2試合続けてその役割を務める高木も、幸先良くターゲット役をこなします。

その後は山口が攻撃権を支配し、得意の5レーンをフルに使う攻撃で押し込み。
プレッシングを掛けたい甲府も、リラの1トップではそれはままならず、みすみすビルドアップを許したのち圧を受けるという苦しい展開となります。
ただし中央は固められているので、アンカー(佐藤謙介)を経由せずにサイドに送り、そこから前進するというシンプルな形。
それでも左サイドには絶対的な存在感を放つサイドバックの橋本が居り、ボールを運ぶのに苦労は見せず。
18分には最終ラインから、右に寄って受けた渡部がサイドチェンジのパスを送ると、受けた橋本のスルーパスに走り込んだ沼田からマイナスのクロス。
中央に転がったボールを山瀬が合わせ、先制点のお返しのようなシュートとなるも甲府・浦上のブロックに阻まれ同点ならず。

プレスが掛からない事が原因なのは明らかだった甲府の失速、これを受けて途中から守り方を変更します。
守備の際は鳥海が前に出て、リラとの2トップのような形になり、5-3-2のシステムを採り。
2列目が薄くなるというデメリットも抱えるこのシステムですが、これにより山口にサイドへ誘導させ、そこで人数を掛けて守るという意識がハッキリとしたのが大きかったでしょうか。
前に出てくる甲府WB(右=須貝・左・小林)により、山口のサイド攻撃は詰まりがちとなり、一気に攻撃機会が減少するに至りました。

24分に山口がセットプレー(右サイドからのフリーキック)から、ヘナンがヘディングシュートを放ったのを最後に、甲府が攻撃権を支配する流れへと移り変わり。
願っても無い展開に持ち込んだ甲府、右CB・須貝のオーバーラップが特徴的な攻撃を繰り広げ。
一方逆の左サイドでも、WBの小林が跳梁して偏らせず。
前回観た際は急な出場(前半10分から交代出場)だったためか、あまり機能している場面が見られず終わってしまった感がありましたが、この日はスルーパスの出し手と受け手双方をしっかりとこなしていました。

出来ればこの時間帯に追加点を得たかった甲府でしたが、良い流れだったものフィニッシュの面では不発に終わり。
34分、敵陣でボールカットに成功した山田陸がそのままエリア内右へ切り込み、そこからカットインを経てシュートの体勢に。
しかしバランスを崩した末に振った足は、ディフェンスにいった山口・渡部へのチャージとなってしまい、反則となり警告まで受けてしまいました。
目ぼしいシーンはこれぐらいに終わり、結局前半は1点のみ。
一方の山口も見るべきものは少なく、終盤には田中がロングスローを入れる(43分)強引な場面も見られるなど苦しさが垣間見え。
甲府1点リードで前半を折り返します。

停滞感が明らかであった山口は、ハーフタイムで動き。
右SBを交代し、眞鍋に代えて石川啓人を投入します。

その石川啓を経由して好機を作りにいく後半の入り。
左サイドに偏っていた前半の意識を改めるという効果もあったでしょうか。
高木を裏に走らせるという攻撃を繰り返したためオフサイドも量産しましたが、機能していた甲府の対策も無効化する事に成功し、再びペースを握る山口。
変化としては佐藤謙が下がってボールを受ける場面が増え、甲府2トップをいなすパスワークを展開したのち、佐藤謙が下がる分高木も降りてポストワークに参加するといった感じでしょうか。

そうしてクロスに持ち込んでいく山口の攻撃でしたが、後半6分には左からの田中のクロスを、ファーサイドで兒玉がスライディングで合わせるも威力無くGK河田がキャッチ。
9分には左コーナーキックから、中央へのクロスをヘナンが合わせましたが、叩き付けたヘディングシュートは大きくバウンドしてゴール上へ外れ。
後はフィニッシュの精度という、定番ともいえる課題が見られた直後に大ピンチを迎えてしまいます。

10分の甲府、右サイドでのパスワークから中央の山田陸を経由して左へ展開、奥へスルーパスを供給した小林が鳥海のリターンを受けてエリア内へカットイン。
そしてエリア内左奥からクロスを上げ、ファーサイドで石川俊輝のジャンピングボレーが放たれ、GK関にセーブされるもさらに関口がボレーシュート。
完全に決まったと思われた連撃でしたが、関口のシュートは左ゴールポストを直撃して跳ね返り、決定機を逃した甲府。
辛うじて命拾いした山口、再びペースを握り直したものの、以降クロスの精度自体も乱れがちとなり。

押され気味の甲府が先に動き、20分に3枚替えを敢行。
リラ・鳥海・関口→三平・宮崎・荒木へと交代します。
吉田達磨監督はやはりFWの機動性に不満があったようで、リラの後にはここまで毎試合途中出場していたパライバを選ばずに、守備でも機能できる三平を選択しました。
以降暫くは山口の攻撃機会を減らしに掛かった甲府と、それを機能させる前に仕留めたい山口のぶつかり合いに。
22分、渡部の裏へのミドルパスに走り込んだ兒玉が右サイドからクロスを上げ、中央で高木がヘディングシュートを放つもゴール左へと外れ。
続く23分は長いポゼッションから、左サイドで前進して田中がクロス、合わずに流れたボールを拾った兒玉がペナルティアークからシュートするもブロックに阻まれます。
フィニッシュまで辿り着くもゴールは奪えない山口、24分には燃料切れの山瀬に代えて池上を投入。

そして流れはイーブンとなり、交互に攻撃する展開に。
甲府が再び決定機を迎えたのが27分、GK河田からのビルドアップでプレスを剥がしたのち左サイドで前進、宮崎がカットインを経てエリア内左を突き三平へ横パス。
ニアサイドで受けた三平はさらに前進し、ゴールライン近くからシュートしGK関を抜いたものの、角度の無い所からなのが災いしてゴールポストに当ててしまい。
またもモノに出来なかった甲府。
一方の山口も、攻勢の中何処かで反撃を浴び、点差を広げられるという危惧を抱えながらの攻撃を強いられる事となります。

何とかその状況を振り払いたい山口、31分に再度ベンチが動き沼田・佐藤謙→島屋・神垣へと2枚替え。
そして迎えた32分、甲府の攻撃を切ったのちGK関からビルドアップ、甲府のプレッシングを何とかいなして左サイドで前進。
橋本のスルーパスを受けた島屋がさらにエリア内へとスルーパスを送り、走り込んだ池上が奥から浮き球を送ると、すかさず高木がヘディングシュートをネットに突き刺し。
これまでのクロス→シュートという流れからの、近い距離で浮き球を合わせる変節に甲府サイドは成す術無く、といった同点弾でした。

同点となった事で、元来ボールポゼッションの下地はある甲府も主体的な攻撃を強く押し出し始め。
交代でシャドーに入った宮崎の奮起で好機を作っていきますが、悲劇もその流れから生まれてしまいます。
34分右サイドでのパスワークから、山田陸の裏へのミドルパスを中央で受けた宮崎、そのままGKと一対一へ持ち込まんとします。
しかしその過程でバランスを崩し、GK関に抑えられるも振りにいった足を止められず、関の頭部を蹴る形となってしまい反則に。
たまらず危険なプレーとして主審(田中玲匡氏)から赤いカードが突き出され、ヒーローとなるはずが一転して退場処分となってしまった宮崎。

これで数的有利となった山口でしたが、上記然り裏を取られる場面が目立ってきた影響か、再開前に最後の交代をCBの渡部にあてがいます。(菊地を投入)
10人となった甲府、尚も余勇を振るって攻め上がり、39分には左から小林のグラウンダーのクロスを三平が受けてシュート。
ブロックされてのCKからも、クリアボールを荒木がボレーシュート(GK関キャッチ)と、不利な状況でも勝ち越しを狙いにいく姿勢は変わらず。
しかしこれ以降は有利不利がハッキリと表れ、ひらすら山口がボールポゼッションを高める展開となります。

5-3-1のブロックで守備を固める甲府に対し、42分に石川啓が遠目からミドルシュート。(GK河田セーブ)
45分にはクロス攻勢を島屋のヘディングシュートで締める(GK河田キャッチ)も、ゴールを奪えない山口。
試合は同点のままアディショナルタイムに突入します。(43分に甲府は小林・石川俊→大和・松本へ交代、大和が右CBに入り須貝が右WB・荒木が左WBへシフト)

山口が攻勢を続けるもフィニッシュには辿り着けず、すると終盤に甲府の逆襲となり。
須貝の敵陣でのドリブルを山口・橋本がスライディングで止め、反則・警告を受けるという具合に、山口の「10人相手に負けられない」という意地とプレッシャーも相当なもの。
その後パワープレイを仕掛けた甲府、荒木のロビングが流れた所を、大和が走り込んでシュートしますが枠を捉えられず終わり。
押し気味の山口と、フィニッシュで目立つ甲府という構図は最後まで変わらずの印象で、試合終了の時を迎えました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第15節 V・ファーレン長崎vsベガルタ仙台

2022-05-12 16:03:30 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(6節・金沢戦、0-1)
※前回の仙台の記事はこちら(7節・大分戦、1-3)

<前節からの変更>

長崎=前節大胆にターンオーバーを敢行したため、戻すように6人入れ替え。センターバックの片割れを櫛引→二見、右サイドバックを村松→奥井、ボランチの片割れを加藤大→カイオ・セザール、右サイドハーフを澤田→クリスティアーノ、左SHを奥田→米田、2トップの片割れを都倉→エジガル・ジュニオといずれもレギュラーへと戻すように変更した。前々節スタメン(かつ前節スタメン外)のメンバーのうち、植中のみがスタメンに戻らずベンチに留まった。

仙台=長崎と同じく、ターンオーバーの前節から6人入れ替え。右SBが加藤千尋→真瀬、ボランチはフォギーニョと吉野をレアンドロ・デサバト中島に2人とも代え、右SHが名倉→鎌田、2トップもフェリペ・カルドーゾと皆川を富樫遠藤へ2人とも変更。前々節スタメンの若狭はスタメンに戻らず、また2戦連続スタメンの名倉が外れ。一方鎌田はこの5連戦で初スタメン。

スタメン

右SHの選手が、攻撃の中心を担うと共に、チームにどう組み込むかを難儀させる存在という印象の両クラブ。

仙台の右SHは遠藤で、文字通りにパスの引き出しに無くてはならない存在として縦横無尽に動き回る選手。
しかしそれ故に左右のバランスが不透明で、かつ守備面で不安定になりがちとあり。
8節から3試合欠場した遠藤(故障かどうかは不明)、これを期にチームも微調整を果たしたのか、復帰後はFWへと働き場を移す事となり。
とはいってもトップ下ないしはセカンドトップと表現される役回りで、山形・山田康太のような機能性が望まれているといった所でしょうか。

一方の長崎は新助っ人のクリスティアーノで、こちらはそのフィットしなさぶりが露骨に開幕からの停滞を招いてしまい。
その後FW起用や守備ブロックの2ラインに彼を加えないなどといった、松田浩監督の苦心ぶりが伺えながらも、何とか成績的に持ち直し。
前節日本人選手のみでのメンバーで大勝(岩手戦・4-0)とターンオーバーに大成功したものの、逆にクリスティアーノにとってはこの試合で真価が問われる事となりました。

キックオフの笛が吹かれてから、暫く経った前半2分にその遠藤の反則による長崎の左サイドからのフリーキックで、蹴るのはそのクリスティアーノ。
これを奥へのスルーパスと変化を付け、受けた加藤聖のクロスが流れてから、クロスが右往左往する攻撃。
3本目のクロスをエジガルがヘディングシュートに持っていき(GK小畑キャッチ)、まずは長崎が先制攻撃を果たしました。

その後仙台も長崎・クリスティアーノの反則で得たFKを、キッカー遠藤がクロスを入れる(誰にも合わず)という具合にやり返し。
そんな名を上げた2人の応酬を経て、長崎がボールポゼッションにより攻撃権を支配する流れへと落ち着きます。
しかし反則の流れは止む事無く、10分にはルーズボールに反応した遠藤が、長崎・カイオのスライディングで倒され反則・警告となり。
ここから仙台サイドに反則が膨らむ流れとなったのち、長崎サイドの反則も膨れ上がるという、一言で言えば反則塗れの展開になってしまいます。
仙台の現状は「理想のサッカーを追及する」という理念をとりあえず脇に置き、「昇格に向けて結果を出す」意識を強めているようで、それが激しい当たりを招いているようでもあり。
こうした反則が多いチームは「人を蹴るサッカー」と揶揄されがちなものですが、相手チームもそれに対抗せんとした結果として、このような絵図が生まれてしまったという所でしょうか。

14分、その反則で左サイドからのFKを得た長崎、キッカー・クリスティアーノはクロスの軌道で直接シュートを狙うもゴール上へ外れ。
19分には左コーナーキックを得ると、ここでもキッカーを務めるクリスティアーノはライナー性でファーサイドへクロスを送り、奥井の折り返しを経て中央で山崎がシュートするも枠を捉えられず。
セットプレーからゴールを脅かす長崎、それを支えるのがビルドアップからのサイド攻撃で、きっちりとクロスまで辿り着くシーンを目立たせ。
クリスティアーノが右ワイドで張るのを受け、奥井が中に絞り気味となる後ろ3枚での組み立てを基本線としていました。

一方の仙台も、左SBの内田が中に絞っての後ろ3枚という、左右対称ながらも酷似した形。
それでも球際の激しさを前面に出している弊害か、ポゼッションという点では長崎に後れを取っていたという試合展開。
それを受けてか20分過ぎ辺りからポジションチェンジが行われ、遠藤が本来の右SHへ回り、鎌田がFWの位置へシフトします。

そして26分の仙台の攻撃、左サイドから中央を経てのパスワークで、右で受けた遠藤がボールキープののち一旦戻し。
後方から再度受け直して長崎のアタックをかわしてスルーパス、真瀬のクロスがブロックされたこぼれを自ら拾って再度クロスを上げると、ファーサイドで内田が折り返し。
そして中央でバウンドした所に跳び込んだ富樫がヘディングシュートで仕留め、先制点は仙台に入ります。
ゴールを決めた富樫がGK富澤と交錯し痛むなど、反則塗れという印象はゴールシーンでも拭えなかったのが珍妙ではありました。

リードを許した長崎、優勢だった流れをさらに強め、攻撃権を独占するに至ります。
しかしクロスはあってもシュートは生まれず、ズルズルと時間が進んでいき。
遠藤が中盤に移った事で不安視される仙台の守備ブロックも、構築が進められたのか特に破綻無く。
迎えたアディショナルタイム、こぼれ球を拾った遠藤が中央をドリブルする所を、長崎・カイオが後ろから倒してしまい反則。
これでカイオは2度目の警告か、と思われましたがカードは出ず、命拾いした長崎とともに前半は終了となります。

クリスティアーノと遠藤の動きが(自分にとっての)一つの注目点となった前半ですが、後半(ともにハーフタイムの交代は無し)はこの2人の周りでのベンチワークが白熱する事となり。

長崎ペースは変わらない試合展開のなか、後半7分に仙台がカウンターに持ち込まんとする所を、左サイドをドリブルする氣田が長崎・鍬先に後ろから倒され。
この反則で鍬先が警告を受けると、すかさず長崎はSH同士、クリスティアーノと米田のサイドを入れ替えます。
氣田の推進力を押し出されては、守備に不安を抱えるクリスティアーノのサイドではキツイと長崎・松田監督は判断したでしょうか。

そのクリスティアーノを使い左サイドで攻撃する長崎、14分にはスローインが一発で裏を取り、奥へ走り込むクリスティアーノを仙台・真瀬が倒してしまいますが笛は吹かれず。
直後の15分、右サイドでのパスワークで攻める仙台、その中に逆サイドから氣田が加わり。
そして中央で受けた遠藤から浮き球が送られ、エリア内へ落とした富樫が自ら走り込んでシュート。(GK富澤キャッチ)
この好機から、仙台サイドも遠藤と氣田の位置を入れ替える事となりました。
その傍らで仙台も交代を敢行していき、10分には鎌田→カルドーゾ。
20分にはデサバト→フォギーニョへとカードを切っていきます。

共に攻め込むもフィニッシュ数が少なく推移していたのも影響したか、見所はベンチワークとなり。
21分に長崎は山崎・カイオ→澤田・加藤大へと2枚替え、警告も考慮してか、大黒柱のカイオが退く事に。
これでFWに米田が回り、澤田が左SHに入った事でクリスティアーノは元の右SHへと戻ります。
するとすかさず仙台も、遠藤と氣田の位置が元に入れ替わり右SHに遠藤・左SHに氣田。

以降エジガルのポストワークを前面に押し出して好機を作りにいく長崎、それにつれてクリスティアーノのクロスも増えていき。
26分に右からのクリスティアーノのクロスを、ブロックした仙台・キムテヒョンがハンドの反則を採られ、長崎のFKに。
このタイミングでさらにベンチが動く長崎、奥井・エジガル→植中・都倉へと2枚替え、米田が空いた右SBへと回りました。
この右サイド奥からのFK、クロスの跳ね返りを米田がダイレクトでシュート(枠外)と、久々にフィニッシュで終えたものの得点出来ず。

その後長崎が圧を強めていくも、30分には仙台がカウンターで絶好機を迎え、クリアボールを収めたカルドーゾから受けた富樫がドリブルで切り込んでエリア内中央へ。
そして切り返しからシュートが放たれるも、ふかしてしまい決められず。
モノに出来なかった仙台、以降残りのカードを切らんとベンチが動きますが、交代する選手が正しく伝わらずに遅れた事もあり34分に長崎の攻撃。
クリスティアーノのカットから仙台エリア付近でパスを繋ぎ、都倉の横パスに走り込んだ加藤聖がエリア手前からシュート。
ブロックされてエリア内に転がったボールを拾った澤田が再度シュートするも、仙台もキムテヒョンのブロックで必死に防ぎます。
この後無事に仙台は、真瀬・中島・富樫→若狭・吉野・皆川へと3枚替え。(最初遠藤が交代選手に入れられていたため取り消し)

都倉へのロングボール狙いという第一の長崎の狙いも、守備を固める仙台の前に中々繋がる事は無く時間が進み。
試合終盤を迎え、再びキーマン2人が、今度はミドルシュートの応酬を演じます。
43分の仙台、右からのスローインを受けた遠藤が中央方面へと流れ、ミドルシュートを放つもGK富澤がキャッチ。
すると44分には長崎が、加藤大のパスを中央で受けたクリスティアーノがミドルシュート、ゴール上部を脅かすもGK小畑がセーブ。
強烈なクリスティアーノのシュートで勢いを得た長崎、ATに入ってからも同点にするべく押し込み続けます。

しかし結果を出したのは無情にも、仙台のカウンターの方でした。
クリアボールを拾ったカルドーゾがトラップで左へ抜け出し、そのままドリブルで切り込んでエリア内左を突き。
この際はフィニッシュで終われず再度長崎が押し込むも、再び絶好機が到来します。
こぼれ球を拾った氣田、カルドーゾに送ったのち走り込みリターンのスルーパスをエリア内右で受け。
そして切り返しで長崎のブロック2枚を剥がすと、放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
既にAT4分台を迎えており、勝利を決定的なものにした仙台。

結局0-2で試合を終え、仙台は首位に勝ち点差で並ぶ3ポイントを手にする事となりました。
前長崎の富樫と氣田が揃ってゴールを挙げた事で、長崎に引導を渡すという表現をしたくなるものの、まだまだシーズンは長くどう推移するでしょうか。

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