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DAZN観戦 2022年J3リーグ第8節 鹿児島ユナイテッドFCvsカターレ富山

2022-05-09 16:02:51 | サッカー視聴記(2022年その他)

<鹿児島スタメン> 4-2-3-1
GK 白坂
RSB 渡邉 CB 広瀬 CB 岡本 LSB 砂森
DH 木村 DH 中原
RSH 五領 CH 圓道 LSH 米澤
FW 有田
<富山スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 西部
RCB 鹿山 CCB 林堂 LCB 今瀬
RWB 松本 DH 碓井 LWB 安藤
IH 椎名 IH 姫野
FW 吉平 FW 川西

2試合が中止になるなど波乱万丈となった今節のJ3、終了後もその余波は凄まじく。
先に書いておくと、早くも岐阜・三浦俊也監督が契約解除の憂き目に遭ってしまい、昇格を目指すクラブの躓きを象徴する事となりました。そりゃあの面子でヘニキFWなんて起用をすれば強化部との関係悪化は不可避っぽい……
天皇杯予選を挟み、次節まで間が空く中でリーグ戦への巻き直しを図りたい不振の各クラブ。

躓きといえば、次に危なそうなのが富山。
クラブの声明が発表されたのは前回触れたとおりですが、そこから連勝で成績的には何とか建て直し。
それでも完全に暗雲を拭い去れていないと思うのは、今季を戦うに辺りユニフォームの胸スポンサーが無いという事象でしょうか。
2019年以来の3シーズン目であり、そのバックボーンの乏しさに今年こそ昇格に向けて地域一丸、という意識はあまり感じられず。

一方の鹿児島は、岐阜程では無いものの、上位カテゴリで実績十分な選手をオフに補強。
今年こそ……という意識を高めてシーズンに臨んでいるのは十分伝わり、その通りに開幕から6戦無敗で上位争いを繰り広げています。
それでも前節(長野戦・1-2)は初黒星に加えて左サイドバック・薩川の負傷交代、試合終了間際のロメロ・フランクの退場処分といった痛手も付いてしまうなど足止めを喰らい。
尾を引きそうな予感を振り払うための重要な一戦となりました。

ロメロの穴には新人・圓道が、薩川の代役はベテランの砂森が、いずれも今季初スタメンで起用され。
前年に突き詰めたポゼッションスタイルを、オフを跨いだ事で勝利への道筋として昇華させるといったサッカーでしょうか。
4-2-1-3が基本の前年のフォーメーションから、ややマイナーチェンジさせた4-2-3-1で挑み。
サイドハーフ(ウイング?)とSBの関係性を軸としてのサイド攻撃に、積極的なサイドチェンジを絡ませての崩しが主体の鹿児島の攻撃。
これに今季加入した木村の中盤の底での働きが実に絶妙で、こぼれ球を拾っては攻撃に繋げるという、相手からすれば非常に嫌らしい機能の仕方をしていました。

前半10分、その木村の展開から右サイドで攻撃ののち、跳ね返りを拾った五領から逆サイドへ。
砂森が左ハーフレーンからミドルシュートと思った刹那、ファーサイドで抜け出した中原が合わせてゴールネットを揺らし。
シュートと見せかけたクロスが見事先制を呼び込んだ……と思われましたが、残念ながらオフサイドで無効となりました。

一方の富山、ハイプレスが基本線ながらも中々嵌らない今季のサッカーを受け、この日は後ろ目の重心となり。
ビルドアップの際に川西が頻繁に降りてくるのは彼の性質でしょうが、それをチームに組み込むように、姫野も下がり目の位置でボールに絡むので3-4-2-1のように見える布陣。
降りてくる川西・姫野を利用して3バックを可変させての繋ぎが基本線で、それは相手のプレッシングをかわすという意識が強く、ロングボール主体のビルドアップに表れていました。
そして守備ではブロックをしっかり固め、ボールを繋ぐ鹿児島を逆手にとるといったスタイル。

しかし次第に敵陣でのボール奪取からの好機が目立っていく富山。
20分に右サイドで姫野のボール奪取から、拾った椎名がエリア内へ縦パス、川西が受けるという絶好の流れとなるも川西は収められず。
23分にも椎名が敵陣右サイドでパスカット、そこから繋いだのち松本がミドルシュートを放ちますが、GK白坂が際どくセーブ。
いわばロングカウンター狙いから、ショートカウンターへの狙いへと徐々に移り変わったようであり。
この変化は、落ち着いた入りを経ての計画的なものか、ないしは潜在的な意識が自然に現れての想定外のものなのかは傍らからでは不明。

そうした意識で先制点を奪いにいった富山でしたが、鹿児島は攻守両面で木村の存在感が絶妙であり。
富山ペースになりかける所を寸断し、逆に自分達のペースへと引き込んでいきます。
迎えた34分鹿児島の怒涛の攻撃が始まり、右サイドでの繋ぎから中原がサイドチェンジを経て左サイドで前進、スルーパスに走り込んだ砂森からマイナスのクロス。
これは中央の圓道の前でクリアされるも、尚も右サイドのスローインから攻撃、パスワークで左サイドへと移したのち砂森がエリア内へスルーパス。
クリアに遭いこぼれるも、走り込んでいた有田が拾ってシュート。
これも枠外に終わりましたが、その直後に富山がビルドアップをミスして再度鹿児島の攻撃に。
拾った中原からのパスを受けた五領がエリア内右を突き、入れられた低いクロスを有田のポストプレイを挟み、圓道がシュート。
ブロックされてこぼれた所を有田が詰め、ゴール左へと突き刺し。
短時間でプレッシャーを与え続けた成果を、見事先制点に繋げました。

リードを奪われた富山、これで意識はハイプレスへと方向性が固まる事となり。
流れの中でも、41分にビルドアップで鹿児島のプレスを剥がし、長いパスワークを経て松本のシュートに繋げる(ブロック)等主体的な攻めを見せます。

しかし試合巧者ぶりでは鹿児島の方が上回っていたでしょうか。
42分、富山のプレスを岡本の左→右へのサイドチェンジでいなしたのち、手薄な右サイドを突破した渡邉がクロス。
ファーサイドで米澤がボレーシュート、ジャストミートせずも富山・鹿山に当たって跳ね返り、再度放たれた米澤のシュートがゴールに突き刺さり。
先制点と同様の連続シュートで仕留め、リードを広げた鹿児島。

何とか点差を縮めんと攻め上がる富山ですが、前半では時間が決定的に足りずにそれはままならず。
2-0で折り返し、ハーフタイムを挟み椎名・姫野→高橋・末木へと2枚替えを敢行、後半に賭ける事となりました。

まずは1点が欲しい富山ですが、その道のりは険しく。
立ち上がりからの後ろ目の重心をかなぐり捨て、リスク覚悟での攻撃が不可欠な展開を強いられます。
後半5分に相手のクリアボールを拾った鹿山が即ロングパスを送り、跳ね返りを敵陣で拾って鹿児島のブロックが整わないうちに攻撃開始。
安藤が前進してペナルティアークからシュート、ブロックに遭うも拾い直した安藤が今度はパス、後方から末木がシュート。(ブロックに当たりゴール右へ外れる)

良い連撃を見せたもののゴールは奪えずに終わると、守備意識の薄さを突かれる事となる富山。
11分の鹿児島、中央での縦パス攻勢から右へと展開し、五領のスルーパスに走り込んだ渡邉がスライディングでクロスを送り。
強引ながらも入れられたグラウンダーのボールをニアサイドで有田がフリックし、ファーへ流れた所に走り込んだ中原がシュート。
富山サイドの心を折る3点目を奪いました。

15分に再度ベンチが動いた富山、マテウス・レイリアとアルトゥール・シルバを投入。(吉平・碓井と交代)
助っ人の力を加えて反撃せんとするも、劣勢を挽回するには至らず。
21分に鹿児島のコーナーキック攻勢に入ると、これが4本も続き時間を使われてしまい。
絵図的にも、キッカー木村のクロスが直接ゴールに向かいGK西部が何とか逃れる(3本目)という危ないシーンを作られてしまいます。
(20分に鹿児島は五領・有田→福田・山本へと交代)

27分に富山は縦パス攻勢から、こぼれ球を拾った高橋がシュートするもGK白坂のセーブに阻まれ。
大攻勢を掛けられず、折角辿り着いたフィニッシュも防がれるという厳しい展開となります。
ベンチも29分に鹿山→神山へ交代と、早くも5人の交代を使いきり。

鹿児島ベンチも31分に動き、木村・渡邉→野嶽・木出へと交代。
先程の交代含め、木村が退いた事と併せて若手だらけのメンバー、かつ木出の復帰戦という要素も重なり。
これで若干不安定となったか、富山が攻撃権を支配する流れになるも、決定打は放てず。
34分にCKからマテウスが、37分に左からの安藤のクロスから松本がそれぞれヘディングシュートを放ちますが、得点は出来ません。

37分に鹿児島も最後のカードを切り、圓道→八反田へと交代。
八反田も今季初出場でしたが、流石にベテランとあり、その存在感で押され気味となっていたチームを建て直し。
再び攻勢の流れを得た鹿児島、38分・39分と山本がエリア内で立て続けにシュート。(いずれもGK西部がセーブ)

果敢に今季初得点を狙いにいった2年目の山本、そしてそれが果たされたのが42分でした。
右サイドのスローインからの攻撃で、クリアボールを拾った中原が中央へと流れ、エリア内へと縦パス。
受けた山本が左足でシュートを放つと、ゴールマウスを捉え。
渇望感を見事結果に繋げた山本。

これで止めを刺した……かに見えましたが、その後富山も諦めず(プロなのだから当然か)攻め上がり。
迎えた45分、シルバの左への展開から、安藤のエリア内へのロングパスに走り込む川西。
中央で収めたのち、前に出てきたGK白坂の頭上を越すループシュートを放つと、ボールは綺麗にゴールに吸い込まれ。
ようやく1点を返しましたが、時間はアディショナルタイムに突入。

守備を固める鹿児島に対し、敵陣で長いパスワークの末に、末木のクロスを収めたマテウスがエリア内からシュート。(ブロック)
何とか執念を見せるものの、鹿児島にボールキープで時間を使う体勢に入られてしまいます。
結局それ以降フィニッシュには辿り着けず、4-1で試合終了の時を迎え。
好調ぶりを保った鹿児島、これで首位の座を奪う事にも成功しました。

コメント
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