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DAZN観戦 2022年J2リーグ第15節 V・ファーレン長崎vsベガルタ仙台

2022-05-12 16:03:30 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(6節・金沢戦、0-1)
※前回の仙台の記事はこちら(7節・大分戦、1-3)

<前節からの変更>

長崎=前節大胆にターンオーバーを敢行したため、戻すように6人入れ替え。センターバックの片割れを櫛引→二見、右サイドバックを村松→奥井、ボランチの片割れを加藤大→カイオ・セザール、右サイドハーフを澤田→クリスティアーノ、左SHを奥田→米田、2トップの片割れを都倉→エジガル・ジュニオといずれもレギュラーへと戻すように変更した。前々節スタメン(かつ前節スタメン外)のメンバーのうち、植中のみがスタメンに戻らずベンチに留まった。

仙台=長崎と同じく、ターンオーバーの前節から6人入れ替え。右SBが加藤千尋→真瀬、ボランチはフォギーニョと吉野をレアンドロ・デサバト中島に2人とも代え、右SHが名倉→鎌田、2トップもフェリペ・カルドーゾと皆川を富樫遠藤へ2人とも変更。前々節スタメンの若狭はスタメンに戻らず、また2戦連続スタメンの名倉が外れ。一方鎌田はこの5連戦で初スタメン。

スタメン

右SHの選手が、攻撃の中心を担うと共に、チームにどう組み込むかを難儀させる存在という印象の両クラブ。

仙台の右SHは遠藤で、文字通りにパスの引き出しに無くてはならない存在として縦横無尽に動き回る選手。
しかしそれ故に左右のバランスが不透明で、かつ守備面で不安定になりがちとあり。
8節から3試合欠場した遠藤(故障かどうかは不明)、これを期にチームも微調整を果たしたのか、復帰後はFWへと働き場を移す事となり。
とはいってもトップ下ないしはセカンドトップと表現される役回りで、山形・山田康太のような機能性が望まれているといった所でしょうか。

一方の長崎は新助っ人のクリスティアーノで、こちらはそのフィットしなさぶりが露骨に開幕からの停滞を招いてしまい。
その後FW起用や守備ブロックの2ラインに彼を加えないなどといった、松田浩監督の苦心ぶりが伺えながらも、何とか成績的に持ち直し。
前節日本人選手のみでのメンバーで大勝(岩手戦・4-0)とターンオーバーに大成功したものの、逆にクリスティアーノにとってはこの試合で真価が問われる事となりました。

キックオフの笛が吹かれてから、暫く経った前半2分にその遠藤の反則による長崎の左サイドからのフリーキックで、蹴るのはそのクリスティアーノ。
これを奥へのスルーパスと変化を付け、受けた加藤聖のクロスが流れてから、クロスが右往左往する攻撃。
3本目のクロスをエジガルがヘディングシュートに持っていき(GK小畑キャッチ)、まずは長崎が先制攻撃を果たしました。

その後仙台も長崎・クリスティアーノの反則で得たFKを、キッカー遠藤がクロスを入れる(誰にも合わず)という具合にやり返し。
そんな名を上げた2人の応酬を経て、長崎がボールポゼッションにより攻撃権を支配する流れへと落ち着きます。
しかし反則の流れは止む事無く、10分にはルーズボールに反応した遠藤が、長崎・カイオのスライディングで倒され反則・警告となり。
ここから仙台サイドに反則が膨らむ流れとなったのち、長崎サイドの反則も膨れ上がるという、一言で言えば反則塗れの展開になってしまいます。
仙台の現状は「理想のサッカーを追及する」という理念をとりあえず脇に置き、「昇格に向けて結果を出す」意識を強めているようで、それが激しい当たりを招いているようでもあり。
こうした反則が多いチームは「人を蹴るサッカー」と揶揄されがちなものですが、相手チームもそれに対抗せんとした結果として、このような絵図が生まれてしまったという所でしょうか。

14分、その反則で左サイドからのFKを得た長崎、キッカー・クリスティアーノはクロスの軌道で直接シュートを狙うもゴール上へ外れ。
19分には左コーナーキックを得ると、ここでもキッカーを務めるクリスティアーノはライナー性でファーサイドへクロスを送り、奥井の折り返しを経て中央で山崎がシュートするも枠を捉えられず。
セットプレーからゴールを脅かす長崎、それを支えるのがビルドアップからのサイド攻撃で、きっちりとクロスまで辿り着くシーンを目立たせ。
クリスティアーノが右ワイドで張るのを受け、奥井が中に絞り気味となる後ろ3枚での組み立てを基本線としていました。

一方の仙台も、左SBの内田が中に絞っての後ろ3枚という、左右対称ながらも酷似した形。
それでも球際の激しさを前面に出している弊害か、ポゼッションという点では長崎に後れを取っていたという試合展開。
それを受けてか20分過ぎ辺りからポジションチェンジが行われ、遠藤が本来の右SHへ回り、鎌田がFWの位置へシフトします。

そして26分の仙台の攻撃、左サイドから中央を経てのパスワークで、右で受けた遠藤がボールキープののち一旦戻し。
後方から再度受け直して長崎のアタックをかわしてスルーパス、真瀬のクロスがブロックされたこぼれを自ら拾って再度クロスを上げると、ファーサイドで内田が折り返し。
そして中央でバウンドした所に跳び込んだ富樫がヘディングシュートで仕留め、先制点は仙台に入ります。
ゴールを決めた富樫がGK富澤と交錯し痛むなど、反則塗れという印象はゴールシーンでも拭えなかったのが珍妙ではありました。

リードを許した長崎、優勢だった流れをさらに強め、攻撃権を独占するに至ります。
しかしクロスはあってもシュートは生まれず、ズルズルと時間が進んでいき。
遠藤が中盤に移った事で不安視される仙台の守備ブロックも、構築が進められたのか特に破綻無く。
迎えたアディショナルタイム、こぼれ球を拾った遠藤が中央をドリブルする所を、長崎・カイオが後ろから倒してしまい反則。
これでカイオは2度目の警告か、と思われましたがカードは出ず、命拾いした長崎とともに前半は終了となります。

クリスティアーノと遠藤の動きが(自分にとっての)一つの注目点となった前半ですが、後半(ともにハーフタイムの交代は無し)はこの2人の周りでのベンチワークが白熱する事となり。

長崎ペースは変わらない試合展開のなか、後半7分に仙台がカウンターに持ち込まんとする所を、左サイドをドリブルする氣田が長崎・鍬先に後ろから倒され。
この反則で鍬先が警告を受けると、すかさず長崎はSH同士、クリスティアーノと米田のサイドを入れ替えます。
氣田の推進力を押し出されては、守備に不安を抱えるクリスティアーノのサイドではキツイと長崎・松田監督は判断したでしょうか。

そのクリスティアーノを使い左サイドで攻撃する長崎、14分にはスローインが一発で裏を取り、奥へ走り込むクリスティアーノを仙台・真瀬が倒してしまいますが笛は吹かれず。
直後の15分、右サイドでのパスワークで攻める仙台、その中に逆サイドから氣田が加わり。
そして中央で受けた遠藤から浮き球が送られ、エリア内へ落とした富樫が自ら走り込んでシュート。(GK富澤キャッチ)
この好機から、仙台サイドも遠藤と氣田の位置を入れ替える事となりました。
その傍らで仙台も交代を敢行していき、10分には鎌田→カルドーゾ。
20分にはデサバト→フォギーニョへとカードを切っていきます。

共に攻め込むもフィニッシュ数が少なく推移していたのも影響したか、見所はベンチワークとなり。
21分に長崎は山崎・カイオ→澤田・加藤大へと2枚替え、警告も考慮してか、大黒柱のカイオが退く事に。
これでFWに米田が回り、澤田が左SHに入った事でクリスティアーノは元の右SHへと戻ります。
するとすかさず仙台も、遠藤と氣田の位置が元に入れ替わり右SHに遠藤・左SHに氣田。

以降エジガルのポストワークを前面に押し出して好機を作りにいく長崎、それにつれてクリスティアーノのクロスも増えていき。
26分に右からのクリスティアーノのクロスを、ブロックした仙台・キムテヒョンがハンドの反則を採られ、長崎のFKに。
このタイミングでさらにベンチが動く長崎、奥井・エジガル→植中・都倉へと2枚替え、米田が空いた右SBへと回りました。
この右サイド奥からのFK、クロスの跳ね返りを米田がダイレクトでシュート(枠外)と、久々にフィニッシュで終えたものの得点出来ず。

その後長崎が圧を強めていくも、30分には仙台がカウンターで絶好機を迎え、クリアボールを収めたカルドーゾから受けた富樫がドリブルで切り込んでエリア内中央へ。
そして切り返しからシュートが放たれるも、ふかしてしまい決められず。
モノに出来なかった仙台、以降残りのカードを切らんとベンチが動きますが、交代する選手が正しく伝わらずに遅れた事もあり34分に長崎の攻撃。
クリスティアーノのカットから仙台エリア付近でパスを繋ぎ、都倉の横パスに走り込んだ加藤聖がエリア手前からシュート。
ブロックされてエリア内に転がったボールを拾った澤田が再度シュートするも、仙台もキムテヒョンのブロックで必死に防ぎます。
この後無事に仙台は、真瀬・中島・富樫→若狭・吉野・皆川へと3枚替え。(最初遠藤が交代選手に入れられていたため取り消し)

都倉へのロングボール狙いという第一の長崎の狙いも、守備を固める仙台の前に中々繋がる事は無く時間が進み。
試合終盤を迎え、再びキーマン2人が、今度はミドルシュートの応酬を演じます。
43分の仙台、右からのスローインを受けた遠藤が中央方面へと流れ、ミドルシュートを放つもGK富澤がキャッチ。
すると44分には長崎が、加藤大のパスを中央で受けたクリスティアーノがミドルシュート、ゴール上部を脅かすもGK小畑がセーブ。
強烈なクリスティアーノのシュートで勢いを得た長崎、ATに入ってからも同点にするべく押し込み続けます。

しかし結果を出したのは無情にも、仙台のカウンターの方でした。
クリアボールを拾ったカルドーゾがトラップで左へ抜け出し、そのままドリブルで切り込んでエリア内左を突き。
この際はフィニッシュで終われず再度長崎が押し込むも、再び絶好機が到来します。
こぼれ球を拾った氣田、カルドーゾに送ったのち走り込みリターンのスルーパスをエリア内右で受け。
そして切り返しで長崎のブロック2枚を剥がすと、放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
既にAT4分台を迎えており、勝利を決定的なものにした仙台。

結局0-2で試合を終え、仙台は首位に勝ち点差で並ぶ3ポイントを手にする事となりました。
前長崎の富樫と氣田が揃ってゴールを挙げた事で、長崎に引導を渡すという表現をしたくなるものの、まだまだシーズンは長くどう推移するでしょうか。


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