武士の家計簿

2010-12-09 18:11:53 | 映画

武士の家計簿

古文書から幕末の武士の暮らしを読み解いた磯田道史による教養書「武士の家計簿 『加賀藩御算用者』の幕末維新」を、森田芳光監督&堺雅人主演で映画化。御算用者(経理係)として加賀藩に代々仕えてきた猪山家の八代目・直之。しかし当時の武家社会には身分が高くなるにつれて出費が増えるという慣習があり、猪山家の家計もいつしか窮地に追い込まれてしまう。そこで彼らは、直之の提案で武家とは思えないほどの倹約生活を実行することになる。


久しぶりの映画館である。 平日の午後 館内はシニア世代ばかり20名位の入りであった。

一番後ろの席 ホットコーヒー片手にひとり ゆっくり鑑賞出来たのであります。

時代劇を全く別角度からとらえた 佳作であります。 

格式や体面を重んじるばかりに窮地に陥った下級武士の台所事情をリアルに描き 人はどう生きるべきかを問うている作品であります。

家財道具 着物 などは最低限度を残し全て売り払い 絵に描いた鯛を代用に祝い事を行ったり 食事は一汁一菜と節約したりといった武士の見栄を捨てての一家の建て直しの物語であります。 

今 日本の経済状況下にある極一般家庭にもにぴたりと当てはまる内容なのであります。

しかし見栄を捨てて生きることはとても難しいのであります。 と そんなことも感じさせてくれる映画でありました。

中村雅俊と松阪慶子がコミカルないい味を出していました。

そして主演の酒井雅人 主人公である直之の表情が物語全般を通して実によろしかったのであります。この映画の一大ポイントでありました。

やはり人間 真面目に実直に生きることが一番なのでありましょう!