面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

銀河の彼方に

2008年07月25日 | Weblog
 僕は本当に60歳になるのだろうかと、記憶を辿ってみた。古いアルバムを引っ張り出して捲ってみた。眉間に皺を寄せた少年が幼女と並んで写っている。56歳になるという妹に訊ねると、当時3歳だったそうだ。そうすると4歳上の僕は7歳である。小学校の運動会でゴールのテープを切る僕がいる。真正面に立たなければ撮れないアングルだ。父が撮ったのだろうか。しかし、色褪せた写真の数々も確かな記憶を甦らせてはくれない。

 アルバムを閉じる。見事に散らかった机の上に何冊かの事典がある。ボロボロの高橋最新机上事典は高校時代から使っているものに間違いない。旺文社の学習古語事典は大学受験で使ったものだ。60年を生きた証しの品々を、僕はこの夏に処分しようとしている。そのことには何の意味もない。43年前に買ったYAMAHAのフォークギター1本を残したのは、歌作りに必要だからだ。あとは、何処かに紙と筆記用具があれば物語を書くことが出来る。

 幼い頃から楽しみにしている事がある。魂だけになったら銀河の彼方へ飛んで行くのだと、今でも信じている。何処までも何処までも飛び続けるのだ。無限の宇宙に終着点はない。何処までも何処までも永遠に飛び続けるのだ。その旅に比べたら、60年の地球生活は束の間でしかない。

 だからこそ、愛しい。だからこそ、命を賭けて生きるのだ。だからこそ、君に逢いたい。走れ!メロス、もうすぐ夕陽が沈む。破れない約束が僕らには存在するのだよ。

 最期のアトリエ公演、本日5日目です。

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