面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

七草粥の由来

2008年01月04日 | Weblog
 御伽草子の一編「七草草子」は、中国の孝行な息子が、帝釈天の教えで七草を食べさせ、両親を若返らせたという挿話だが、ひと草で10年若返るとあるから、是非、時間と労力を厭わぬ方はお試しあれ。ここに、その秘法(?)を抜き書きしておく。

 7種の草を集め、柳の木の器に載せて、玉椿の枝で、正月六日の酉の刻からこの草を打つ。先ず、酉の刻には芹(セリ)という草を打ち、戌の刻にはナズナ、亥の刻には御用(ゴギョウ)という草、子の刻には田平子(タビラコ)、丑の刻には仏座(ホトケザ)、寅の刻にはスズナ、兎の刻には清白(スズシロ)、そして、辰の刻には七種の草を合わせて、東の方角から岩間の清水を汲み上げて若水と名付け、この水で白鵞鳥の渡ってこない前に食べるならば、ひと時に10年ずつの年齢を取り戻し、七時には七十年の年齢をも若返る。

 不老不死が叶わぬ夢であるからこそ、八百比丘尼が生まれ、ドラキュラは生まれ、サンジェルマンは今も時を旅し続けるのであろう。七草粥が不老不死の秘伝とは、まさに御伽話である。