面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

袋いっぱいのコーヒー豆の一粒

2007年12月07日 | Weblog
 成功の秘訣は「信じて疑わないこと」の一点に尽きる。様々な条件は失敗の言い訳に過ぎない。と、最近確信を持てるようになった。3日程睡眠を取っていなかったので19時に麻布十番から帰宅して二時間半爆睡した。夢の途中電話が鳴り、現実に戻った。T君の爽やかな力感ある声に対応しきれないまま、用件に答えた。立て続けに電話が二件あり、ようやく覚醒した。書斎の整理をしなくてはいけないと思いながら、ぼんやり過ごした。机の原稿は進んでいない。お歳暮のカステラを玄関においたままだったことを思い出した。カステラは紅茶も良いが牛乳がおいしい。買い出しに行く元気が出ないので、紅茶で食べよう。

 一人で暮らしていると、こんなことで1時間はあっと言う間に過ぎて行く。誰かが紅茶をいれてくれ、林檎の皮を剥いてくれる生活も思い起こせば悪くはないが、一人で夜半にカステラと紅茶も、侘びしさ満点で素敵だ。成功するのは袋いっぱいのコーヒー豆のなかのたった一粒にすぎない。が、しかし、その一粒が自分なのだと信じている人は幸せだ。他に何が出来る?何も出来ない。だから自分に出来る事をやる。今日も、しっかりと1日を生きた。粗目の砂糖がカステラであることを実感させる。噛み締めながら食べる。頂いた方は僕のマンションのオーナー、感謝せずにいられようか。

新しい風

2007年12月07日 | Weblog
 日活芸術学院の卒業生17名のオーディションパフォーマンスは10時開始で13時近くまで繰り広げられた。その後、印象に残った8名を個人面談に呼んでもらった。いずれも素晴らしい個性の持ち主で、少なくとも6,7社がリストアップしていた。僕が望んでも彼らが劇団に入ってくれるとは限らないが、僕の想いは伝えた。学院出身で十五期生の三田裕子嬢が同行してくれていたので心強かった。若さは時として制御のない残酷な波動を送ってくるので、初対面の会話は激しく僕を疲れさせることがある。三田嬢の聖母のような笑顔は、お互いを知ってもらおうとする懸命な会話を和らげてくれるのだ。彼女は劇団に、いや、直進しか出来ない僕にとって大切な存在である。

 来春3月は十五期生の新人公演、そして4月は16期生の入団。立ち止まることは出来ない。立ち止まっても時は過ぎて行く。新しい風が未知の世界へと僕らをいざなう。今日出会った若い俳優たちが稽古場の扉を叩いてくれることを願いながら、調布日活をあとにした。

 明日は横浜で新しい風に出会う。夕方、麻布十番に直行してさらに新しい風と出会う。1日を大切にしなければと、あらためて思う。