晴海ヶ丘の空の下

大阪から淡路島に引っ越したアロマピアの 
“おばさんセラピスト” のひとりごと

ハーブ豆知識:ヒソップ

2019年10月19日 | ハーブ豆知識
ヒソップの語源は、ヘブライ語の「去る(azob)」で、
花言葉は“清潔”といい、ヘブライ人に“聖なるハーブ”と呼ばれ、
とても大切にされていました。

神殿などの神聖な場所を清めたり、
ユダヤ教でも、『過ぎ越しの祭り』には、
どの家庭でも身も心も清めるために食べる習わしがあり、
旧約聖書に「ヒソップをもって我を清めたまえ。
されば我清まらん(詩編51-7)」という一節があり、
古代ヘブライ王国の第2代ダビデ王が、犯した罪の深さに気付き、
罪でけがされた自分をヒソップで清めて下さいと
神に祈るシーンとして有名です。

アラブの人々は今でもヒソップのことを
“アザフ(神聖なハーブの意となっている)”と呼んでいます。

日本には明治時代に伝わりましたが、
少しミントに似た爽やかな香りと苦味から、
ヤナギハッカという和名がつけられました。

ヒソップは全草をお茶に利用でき、
ヨーロッパでは昔からハーブティーや料理などに広く利用され、

また紀元前1世紀にイタリアのプリニウスが、
このハーブからつくられるワイン
“ヒソポテス”について記していて、10世紀になって、
この文献によってベネディクト会の修道士たちが、
中央ヨーロッパに持ち帰り、リキュールの風味づけに使い、
現在でも、この修道院で作られるリキュールは
“ベネディクティン”という名で知られています。

また中世になると、踏みつけるとオレンジのような
爽やかな甘い香りがすることから、
防虫を兼ねてストローイングハーブとして、
床にまき散らして部屋を香らせたり、
家の中に吊るして、厄除けや魔除けとして用いるようになり、
庶民の生活に深く結びついていきました。

イギリスでも中世には、
ガーデニングに取り入れられるようになり、
エリザベス朝の頃になると、ハーブガーデンには、
かならずヒソップを植えることが流行したそうです。

効能
古くはヒポクラテスが肋膜炎の治療に
ヒソップとルー(ヘンルーダ)を処方し、
ディオスコリデスも、このハーブを、
ぜんそくとカタルの治療に
用いると良いとすすめました。

消毒殺菌作用に優れているので、
気管支炎や風邪の症状を緩和させるのに良く、
風邪やインフルエンザにかかった時に飲む
ハーブティーとして有名です。

濃く出したハーブティーでうがいをすると、
ノドの痛みも和らぎ口の中もスッキリします。

花だけをシロップに漬け込み、
咳止めシロップに利用されることもあります。

またハーブティーは、胃のもたれや、神経性の胃の症状にも、
スッキリとした清涼感があるので、おすすめです。

しかし、ピノカンフォンという成分が含まれており、
大量に用いると、けいれんを引き起こすことがあるので、
特に高血圧の人は、使用を避けられたほうが良いでしょう。

ヒソップはタイム、ユーカリとの相性が良く、
専門家はハーブや精油をブレンドして用いることもあります。

料理
昔からミントに似た清涼感のある爽やかな香りが
脂肪分の多い肉料理や生臭い魚料理を
食べやすくするためスパイスとして、
よく使われ親しまれてきました。

脂っこい料理に使えば、消化を助ける働きがあるので、
鴨料理や、背の青い魚(サバなど)の料理には、
かならずといっていいほど使われ、
ポテトサラダにも新鮮な花や葉を細かく刻んで入れたり、
シチューやソースの香りづけにも、よく用いられます。

お菓子にも使われ、アップルパイや洋梨のシロップ煮に
細かく刻んだ葉を散らすと一層甘さが引き立ち、
味わい深くなります。

アメリカでは、フルーツカクテルに添えられたりし、
乾燥したつぼみは各種リキュールの風味づけに使われます。


[ブレンドハーブティー]
-脂っぽい食事の後をサッパリと-
ドライハーブ
ヒソップ     小さじ1/3
レモンバーム   小さじ1/2
ペパーミント   小さじ1/3
マジョラム    小さじ1/3

-風邪で体力がなくなっている時-
ヒソップ     小さじ1/3
セージ      小さじ1/3
リンデンフラワー 小さじ1/3
リコリス     小さじ1/4 


美容
香水の原料にも使われ、独特のクラシックな香りに人気があります。

ハーブをお風呂に入れたり、精油なら5~6滴を、
ひと握り分の極楽塩に混ぜてから、お風呂に入れると、
ストレスによる疲れを緩和し、身体の細胞を活性化させて、
とてもリフレッシュできます。


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