時々 最高気温26度。
夏も近づく四万十は、晴れ間の陽射し暑く、
川の水温も高く、カヌーでの「沈」や「川遊び」が楽しい季節になりました。
四万十川の水辺で、キャンプや川遊びをする人の中には、
「四万十川はダムが無い自然河川だから、大雨が降っても急激に川の水位が上がることはないだろう」
と思っている方もいるようですが、その認識は間違っています。
四万十川には、本流の上流に、家地川ダム。
上流で本流に合流する大きな支流梼原川には、津賀ダムがあるのです。
(河川法上では堤の高さが15メーター以上になるとダムとされる。
家地川ダムは、堤の高さが8メーターと低いため佐賀取水堰と表記されている。
しかし、水力発電用に本流の水をそっくり取ってしまい、
わずかな水しか本流に流さない佐賀取水堰を、地元民や地元のマスコミは家地川ダムと呼んでいる)
雨が降り、雨量がおおくなると両ダムが川に放流をはじめます。
台風などの大雨時は、放流量が非常におおくなります。
ダムの放流、多くの支流、山から入る沢水等があつまり、川は太い水の流れとなってゆく。
ダムの放流量が急激に増えると、川の水位がグングン上がり、あっという間に増水が川原をひたす。
そして下流の沈下橋も、5~6時間程で泥水の下に沈んでしまいます(5~6メーターの増水)。
さらに増水すると、川沿いのキャンプ場のテントサイトもつかりはじめます(10メーター級の増水)。
下流でそれほど雨が降ってなくても、上流の山で雨量がおおければ同じこと。
雨の日に、川原キャンプ、川遊びをしている時は「正確な情報、充分な注意、早めの行動」を心がけましょう。
ダム放流量は「0120-27-5430」で聞けますよ。
西日本はこの週末、前線&低気圧による大雨に見舞われました。
地域によっては、記録的な5月の雨量になったようです。
四万十は、150㍉~350㍉の雨量となりました。
24日正午。津賀ダム&家地川ダムあわせて600㌧の放流。
四万十川は約3、5メーターの増水。水はカーキー色です。
近所の沈下橋に川の様子を見に行った僕は、橋の上から川をながめました。
足元で薄茶色の水が橋脚にぶつかって、ザァザァと音を立て速く流れています。
以前、僕は増水した川を(沈下橋が浸かるほどの)カヤックで下ったことがあります。
増水した水の力は、傍目で見るよりも強大かつ冷たいものです。
カヤックで濁流に漕ぎだした瞬間、僕は全身で「あっ、やばいかも・・・」と感じコーカイしました。
増水したパワーのある流れは、カーブごとに岸にぶち当たり、大きな渦をつくります。
その外側で、一度流れの下に潜った水がゴンゴンと水面に湧き上がっている(ボイル)。
ゴォゴォと流れる濁流の音以外に、川底からはゴロゴロと雷鳴のような不気味な音も聞こえてきます。
それは、大きな石が川底を転がっていく音、オトロシイ・・・。
もちろん僕は、大きな渦には近寄りたくなかった、けど、あっ!という間に渦に引き込まれ、沈!
怖さと水の冷たさでガチガチにカラダが固まってたけど、なんとかロールで起き上がった。ぶるぶる。
そして、平水時なら1時間かかる距離を、たった10分で下ってしまったのでした。
沈脱した場合(カヤックから抜け出ること)。
増水した川には上陸できる川原がなく、冷たい濁流の中を果てしなく流されていかなくてはならない。
それはとてもリスキーなデキゴトです。「良い子と素人さんは絶対真似しないでね」。
この週末の大雨と増水のおかげで、日曜日のツアーは中止・・・。
「うーん、これも僕ら水ショーバイ・・・。静かに笑ってしまおう」
午後。子供達が総出で(といっても20人位)
キャッキャと嬌声をあげながら、学校の小さなプールを掃除している。
もうすぐ夏。遅ればせながら僕は、
もうちょいお腹を引っ込めねば・・・と、おもむろに路上に走りだした初夏の午後でした。