アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

初冬ブルーの空と川

2016-12-05 | アークツアー 冬

  最高気温17、7度。

 「突きぬける青空と透きとおる水。冬の四万十川を深く感じたければ、

カヌーで下るのがベストさ。風と水はきっぱりと冷たいけれどね」

初冬ブルーの空の下、小春日和の四万十川をカヤックで下りました。

 12月3日。スタート地点の朝の空は、霧に白く閉ざされていました。

キリッと冷えた師走の空気。(カヤック乗艇時に)足に触れる川の水が、ピリッと肌を刺す。

冬の水の上に滑りだした僕らは、まずはとろ場を上へ下へ漕いでカラダを慣らし温めました。

 

今日の最低気温は、3、7度。川面の水温は、12度。

四万十川の水量は、やや少なめ(平水時より)。

*とろ場:水の流れがゆるやかなところ

 

 少し漕いだあと僕は、

「ちょっと短めのウォーミングアップですが、そろそろ下りましょう。距離も長いし。もうすぐ霧も晴れますよ」

と、隣を漕いでいるゲストのOさんに声をかけました。小さくうなずいたOさん。

*今夏のツアーにも参加しているOさん。その時は曇り空、川の透明度もよくなかった。

今日の空は晴れる、ということは(天気予報はもちろん)、

バスでゴール地点からスタート地点に移動した僕にはわかっていました。

ゴール地点の空はもう霧が晴れてきて、朝の空は下流から少しずつ明るくなってきていたから。

 

 下りはじめた初冬の川は、透明度が高く4メーターほどの川底が見えます。

冷たくなった水の中に見えるのは、鯉ばかり、

その他の魚たちは、大きな岩の下や淵に集まってじっとしているのでしょう。

 

 カヤックは初冬のひやい水の瀬に突入。*ひやい:冷たい

ザブンザブン!デッキをスカートをあらう水「うひゃひゃ、水つめてー!でも気持ちE!!」。

心地よいスリル。瀬を下りながらオジサンたちは、童心に帰ってゆきました。

 3キロほど下ったところで、空が晴れてきて陽が川を照らしはじめました。

すると、それまでの暗くヒンヤリとした川の表情は一変、明るくあたたかな川に。

ポカポカ陽ざしに包まれた僕らは「ははーっ、太陽さんはエライ!」と太陽の偉大さに頭をたれる。

(ついこの間までは暑すぎる太陽にブウブウ言ってたのに・・・ゲンキンなものですね)

 

 あたたかい季節よりも青さを増した初冬ブルーの空と川。

色づいた岸べの落葉樹の葉は今が見ごろ。その中でもエノキの黄葉がひときわ目に鮮やかです。

風がない水面は鏡のよう。カヤックは、水面の空、山、照葉をさいて下ってゆきます。

 岩間沈下橋でランチタイム。

風がない昼どきの川原は陽ざしがポカポカ、薄着になってゆったりとくつろぎました。

今日の最高気温17、7度。

 太陽とビーフシチュー(サービスさ)にぬくもる。

 午後のコースは(午前のコースに比べ)瀬が少なく、長いとろ場が増えます。

長いとろ場で、強い北よりの風(冬によく吹く)に吹かれると操船がやっかいだけど、

今日の川は午後も風が吹かず、のっぺりとした水面で僕らを遊ばせてくれました。サンキュー。

 

 おしゃべりをしながら僕らは、小春日和の川をのんびりと下って口屋内沈下橋でゴール(漕行15キロ)。

そして、ダンディなOさんは、沈下橋の上でうまそうにパイプをくゆらせました。

(風がないので外でも吸えるとのこと、今日はパイプにもよい日だったんですね)

初冬ブルーの空の下、パイプの煙(香り)と無垢な笑顔も心に残るワン&オンリーなツアーでした。