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アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

星降る川から(気まぐれダイアリー)6月22日

2025-06-22 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

ときどき 最高気温32、6度(最低気温24、6度)

晴れのような曇りのような、あいまいなグレーの梅雨空から、薄日がこぼれます。

深い緑の庭に、彩どりをそえるのは、ノウゼンカズラとタチアオイの大きく色あざやかな花。

ツバメが低く飛んでゆく、どうやら天気は下り坂。梅雨の中休みも今日までのようです。

 

ん~蒸しあちゅい・・・けど、我が家のエアコン&扇風機は、故障中。冷やし中華は冷やし中。

今年も裸族の夏、はじまりはじまり。裸族は、ときどき部屋を吹きぬける夏風と冷たい麦茶がたよりです。

さて今夏は、どうやって生きのびようか?

やっぱり、川涼みかな(水質が良い川のほとりに住む者の特権ですね)。

 

梅雨をむかえた四万十川は、よい水量をキープしています(カヌーで長距離をくだるには)。

ときどき、3~4メーターほど水位が高くなりますが。

できれば、梅雨が明ける前に、沈下橋を越えるほどの増水が、川を洗ってくれるとよいのだけどなぁ。

真夏の川の水の透明度が高くなるので。まぁ、自然は、人間の思いどおりにはなりませんね。

 

7月のはじめには、梅雨が明けるかも?と気象ニュースが伝えてます。

そんなわけで、「こ・ん・が・り・サマー」いつかの夏に書いた旅雑文。期間限定公開です。

 

 梅雨雲が去って1週間。

晴れ間が続き、水量がグンと減った川は、少しやつれて見えます。

シーズン・イン・ザ・サン。

ほぼハダカで夏を過ごす「四万十裸族」と化した僕は、

それまで黒かった顔以外のところも、しっかりこんがりと焼けてます。

 

 「ひゃーぁー焼けたなぁー!」

目の前の鏡に映るのは、がっつりと黒く焼けたハダカのオトコ。

それは、焼きすぎたトーストを連想させた。

鏡にうつった自分の姿をみた僕は、旅先でのあるデキゴトを思いだした。

 

「おあいそね!」思わず日本語がでた僕。

「あらーっ、あんた日本人なの!!」

東洋人ぽい顔立ちのおねーさんは、おどろいた顔で言った。

「ええーっ!」と僕。

「私は、あんたメキシコ人だと思ってた・・・」

「日本人ですよー」

「だって、真っ黒だし、へんな英語だし、服装もそれっぽいし・・・」

「えーっ、店に入った時から英語でしか注文聞かれなかったし、

寿司屋だけど、ここはアメリカだから英語じゃなきゃダメなのか?と思って・・・」

 

 それはもう10何年も前。

アメリカ東海岸フロリダ、デイトナの町にある小さなお寿司屋さんでのコト。

早春のデイトナでは、1週間に渡りさまざまなバイクレースがおこなわれる。

「デイトナ・バイク・ウィーク」

その期間中の街は、全米からバイカーが集まり、お祭り騒ぎに。

車にキャンプ道具を積んだ僕らは、フロリダでのバイクレース観戦をメインに、

マイアミ、テネシー、ジョージアを旅していた。

 

 3月の終わりといっても、南国フロリダ、さらに南のキーウエストの陽ざしは、夏そのもの。

海と太陽が輝くキーウエストが気に入った僕らは、その美しい海でのんびり過ごした。

その後、デイトナに行き、そのお寿司屋さんに入るころには、すでに全身真っ黒になっていたのだった。

「アデイオス、アミーゴ!」と言ってメキシコ人に間違われた僕は、ニカニカ笑いながらすし屋をでた。

しかし、チップを置き忘れたことに気づき、あわててまた店にもどった。

 

 またそれは、ある秋のはじめのデキゴト。

「ヘイ!〇×☆△ △×〇☆!」

日比谷公園付近で、大きなバックパックを背負い信号待ちをしていた僕は、すぐ背後から聞こえた、

英語?スペイン語?の呼びとめるような声に、えっ?と振りかえった。そこには若い警官がいた。

「はぁ、何か?」と僕。

「あっ、あなた日本人?」と警官。

「そうですよ、なんで?」

「いや、ちょっと日本人には見えなかったんで、肌の色とか・・・」

「あー2か月ほど八重山を旅してたからね。これから板橋のアパートに帰る途中なのよ」

僕は、わざわざ財布から免許証をとりだして、警官にみせた。

いったい、何人と思ったんだろう・・・。たしかに、免許証の顔写真とはまるで別人のように黒いけど。

 

 真夏の土佐の太陽はキョーボーで、何のケアもせず肌をさらせば、短時間で肌は、

火傷をしたように赤みがかり、しばらくはビリビリと痛くヒサンです。風呂に入れないほどに。

まったくなぁ・・・。肌を焼くのも、ほどほどがイーねっ!と鏡の前でごちる真夏の午前7時です。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)5月25日

2025-05-25 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 おはようございます。四万十は、晴れ。

沈下橋から見あげる空を雲の群れがゴンゴンと、眼をおとす川を濁流がザブザブと速く流れていきます。

我先にと争ってゴールを目指す人々のように。大切なのは、目的地ではなく旅そのものなのに。

ザァザァ、ビュービュー、ケキョケキョ。

雨あがりの乾いた北風にだかれて、ぽけっとコーヒを飲む耳に聞えてくるのは、自然の音だけ。

 

「橋の下をたくさんの水が流れた」

たくさんの水と雲が速く流れゆく川景色に、過ぎてゆく時の速さを感じずにいられない朝です。

悠々として急げ、ですか。

さぁ、家に戻って洗濯と(たまったなぁ・・・)朝メシを。

 

四万十川の水位は、平水+3、5メーター(川登)↓

家地川ダム、津賀ダム併せたダム放流量は、336㌧↓ 今日の最低気温は、17、0度。

家にもどり、洗濯をすませれば、やっと朝メシだ(というよりブランチか)。

ひさしぶりに、朝からがっつりと食欲があるので、

おっ、(若き日の朝によく食べていた)かつ丼&ラーメンでいくか!と思い作る。

おーし、おーしと出来上がったかつ丼をワシワシ、

ラーメンをズルズルとすすりはじめるが、半分も食べれず・・・ギブアップ!!

ここでも、過ぎゆく時の速さをしみじみと感じたのでした。

年をとるというコトは、出来ないコトも増えてゆくというコトですね・・・哀号。じっと空を見る。


 最高気温23、2度。午後も晴れ。

「さすが南国土佐。雑草の伸びかたがメッチャ早いなぁ。つい2週間前に刈ったばかりなのに」

伸びすぎた無精ひげのような青草そよぐ庭に、コットを広げ、寝っころがりました。

もう夏のような陽ざしのなか、若葉を光らせて吹き抜ける風の心地よさに、初夏のシアワセを感じるけど、

咲きはじめたクマノミズキの白花が、深く色づきはじめたビワの実が、もうすぐ梅雨ですよ!と告げてます。

 

やがて、ジリジリと肌を焼く強い陽ざしに、短パンを脱がされた暇暮らしガイドは、すっぽんぽんに。

こんなことができるのが、人気のない過疎の川暮らしのよいところですね。

でも以前、今日と同じように、真っ裸でヒルネをしていたとき

電気の検針のオバさんのバイクが、すぐ近くまでやってきて、思いっきり気まずかったコトも。

 

そんな、人気のないフィールドで、身も心もスッパダカになって遊ぶ気持ちよさは、

熱風カンガルー大陸(オーストラリア)、小笠原の海、山形の里山、四万十川の自然が教えてくれた。

オーストラリアのヌーディストビーチにいったときは、

(アジア人がほとんどおらず)恥ずかしさが勝って、隅っこで過ごしたけど。

そういえば、オヤジオージたちが、フルチンできゃっきゃっと騒ぎながらビーチバレーをやっていたっけ。

 

四万十の夏、裸族の夏。

梅雨空のムコウには、ハダカの季節が待っています。

あなたも、四万十川の人気のない自然のなかで、イラナイ物を、情報をとっぱらって、

身も心もハダカになってリフレッシュしませんか。紫外線対策はマストです。


20:00。ホタル(ゲンジボタル)は飛びはじめたかな?と川へ。

まだ、濁流に浸かっている川原には降りられず。

北寄りの乾いた風が涼しい岸辺の小道で、ぼおっとコーヒーを飲んでいると、

淡い光が1つ点滅しながらフワフワ飛んできました。おおっ、ラブリー!!

その後も3つ~4つの淡い光を見るコトができました。

今年も四万十川に、少し遅れて(10日ほどか)ホタルの季節がやってきました。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)5月11日

2025-05-12 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

  晴れのち曇り。最高気温22、8度(最低気温13、6度)

〇〇さん。 おひさしぶりです。お元気ですか。

そちらは、GWに遊びつかれたカラダとココロをゆっくり休ませているころでしょうか?

こちらは、まったく(ツアーが)暇なGWでした。暇ん十川です。とほほ・・・。

 

四万十は、新緑が陽にかがやき、シトラス(花)が風にかおり、川の水が肌に心地よい初夏です。

庭のピラカンサの花も、連休明けによーやく満開に(いつもの年より7日ほどおそいか、と)。

生き物たちの恋の歌が、花の命が、今年は、いつもより少し季節のすすみかたが遅いよ、と伝えてます。

もうすぐホタルの季節をむかえる四万十川。

はつなつの川でのカヌーもよいけど、ホタルの光り舞う川でのナイトカヌーも、また楽しからずや、です。

さて、今日は母の日ですね。

〇〇さんのお母様は、お元気ですか?なにかプレゼントなどされましたか?

「生まれたところを遠く離れて」好きかってに、自分かってに生きる旅をしている放蕩ガイドは、

今日は、ぼんやりと薄曇りの四万十の空をながめながら、年老いた母のコトを思っています。

たまには電話してみようか?と携帯を手にとるが、

もう以前のように普通の会話ができないことを思えば、発信を押す指がついとまってしまいます。

いつまでもあると思うな健康なカラダとココロ、ですね。

 

〇〇さん。ぜひまた、四万十に遊びに来てくださいね。

星降る川で、焚き火をかこみながら、ワインで再会を祝せる日を楽しみにしています。

気温差の大きい時期です。くれぐれも体調管理にはお気をつけて、楽しい初夏を! With love!

 

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星降る川から(気まぐれダイアリー)4月27日

2025-04-27 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 最高気温27、7度(最低気温6、7度)。

明日(4月28日)は、新月。

今回は、新月をテーマに書いた過去の記事から、9つのストーリーを抜粋しました。

星空、焚き火、ウイスキー、星空カヌー、ロマンチックな星降る川への案内状です。

 

 明日(4月28日)は、新月ですね。*書き下ろし

四万十川流域は(町付近の下流域をのぞいて)、川だけでなく、美しい星空も見られるところです。

せわしない日常に、人間関係に、SNSの世界にくたびれたときは、

スローでキレイな川が流れる四万十で —もちろん自然豊かな川でのカヌーもよいけど—

ただただ、ぼおっとステキな星空をながめてみるのも一手かな、と。

 

そして、いくつになってもユメ見がちな、おセンチガイドは、

きれいな星空をみあげれば、古いジャズナンバーの歌詞を思い出したりします。

純粋な恋をしていた少年の日の記憶をたぐって。

 

「恋している人のように」Like Someone in Love

最近ふと気がつくと 知らないあいだに

1人で星をじっと見つめたり ギターの調べに聴きいったりしているんだよね

まるで恋している人のように

 

 

 ♪流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで♪

明後日15日は、新月ですね。人少なく灯り少ない四万十川の川原は、星を見るにもよいところ。

夜の川原で、火を囲み、酒を飲み、秋の実りを食し、星をながめれば(ナイトカヌーもイイね)、

あなたは、「四万十の秋」そのものになってしまうでしょう。たぶん。

*ごろた石の川原キャンプでは、コットを使うとカイテキですよ。

 

 *西土佐地域(江川崎、口屋内村など)は、「星空の街」に認定されてます。

江川崎には、小さな天文台があり(4mの観測ドーム、直径36cmの反射望遠鏡)、

専門員による星空観察(要予約)もおこなってます。ギャラリー|四万十天文台

 

星を見るときは、足元にも気をつけたいものです。

山頂、土獏、海上、これまでいろんな旅の夜に、ステキな星空を(月空)をながめてきましたが、

一歩まちがえれば、星を見てた自分が、星になっていたかも、ということが何度かあります。

 

そのひとつは、ある晩秋の夜。

我が家の対岸にある知人宅で開かれたワインパーティに参加した(新酒がメイン)ときの帰り道でのコト。

ヌーボーは、軽くのどごしがいい。つまみは、炙ったイカでいい。

調子にのった僕は、注がれるままガバガバとワインを飲んだ。

やがて、パーティがお開きになるころには、酩酊。べろんべろんに。バカなのだ・・・。

 

帰路。チドリ足でフラフラと沈下橋をわたる、と頭上にまたたく無数の星の饗宴に目をうばわれた。

わおっ、なんてキレイな・・・。夜空の宝石箱や~。

沈下橋のふちにこしかけて星を見はじめた僕は、やがてゴロリとあおむけに。

そして、そのまま夢のなかに、フネを漕ぎはじめた。

 

さぶっ!しばらくしてヒエヒエ夜風に目がさめた。すぐ足元は、凍るように冷たい冬の川。

ずいぶんアブナイところで寝てしまったのだ。そして思った。

ああ、落ちてたら、(四万十川ではなく)三途の川をわたり、お星さまになっちまうところだった、と。

皆さんも、星を見るときは、くれぐれも足元にお気をつけを。

 

 「流れ星を見つけるコツは、星空の一点を集中して見ずに、夜空全体をぼんやりとながめるコトさ」

コットのシュラフに潜りこみ、ウイスキーをなめながら、ぼおっと星空をながめ流れ星をさがしました。

大きく明るい星が、夜空の低いところをゆっくりながれてゆく。

小さく明るい星が、夜空の天上をかすめるようにスバヤクながれてゆく。

 

そして、晩秋の星空を鑑賞しながら思うのでした。

過疎暮らしは、ネットの速度が遅いコト、ラジオの受信状況がよくないコトが難点だけど、

ステキな星空を目のまえで見て、心おどるリアリティを感じられたから、まぁ、いいか、と。

 

 木陰をわたる南風が、心地よい午後です。

今夜は新月ですね。人少なく、灯り少ない四万十川の川原は、星を見るにもよいところ。

星明かりの川原で、お酒でも飲みながら、のんびり夏の夜空をながめてみてはいかが。

天の川、夏の大三角(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)、

赤く輝くさそり座のアンタレスなど、

華やかで見ごたえのある星が楽しめますし、流れ星をさがすのも、またよろし、です。

そうそう、ごろごろ石の川原では、コットを使うとカイテキですよ。

時には、星の下で眠ろう。

 

「新月の流れ星を沈下橋でみたものはユメがかなう」とこのあたりではいわれます。

ウソです。これは今、僕がかってに思いつきました。

でも —深緑のなかを青くながれる昼間の川とはまるでちがう表情をみせる —

神秘的な星空の川は、あなたのユメをみるチカラを、きっとぐっと高めてくれますよ。ぜひ。

 

あなたは、ごきげんよろしいほで、けつこです。

4日、かわらでほしみしますから、おいでんなさい。とびどぐもたないでくなさい。

さのねこ拝 

 

 そんな、陽と風が心地よい秋の四万十川は、カヌー&焚き火キャンプにもよいフィールド。

昼は、光る風がわたる透明度のよい川をカヌーでくだり、

夜は、冷えた空気の川原で焚き火にあたりながら酒を飲む。♪肴はあぶったイカでいい♪焼いたアユでもいい。

時々星もみる。ラーメンでしめたあと、テントはいり寝袋にもぐる。

ヘッドランプの灯りで本を読む。いつの間にか眠ってしまう。

 

♪流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで♪

明後日(11月1日)は、新月。カヌーにのって星空の川に流れ星をさがしにいこうか。

 

 明後日13日は、新月。そして、おうし座北流星群の活動が極大となります。

星の秋。だれっちゃおらん真っ暗な川原、澄んだ夜空。

秋の四万十川は、星を見るのによいフィールドです(月もね)。

秋の夜長、ごろり川原に寝転んで流れ星を見ませんか。焚き火にぬくもりながら。

そうそう、星降る夜の川に、カヌー(カナディアン)で漕ぎだすのも、またオツなものですよ。

 

 焚き火も心地よい、秋~春の四万十川の川原。

そんな焚き火には、「焚き火マジック」があるのをご存知ですか。

いつもは無口なヤツが饒舌に語りだしたり、いつもはおしゃべりなヤツが黙り込んだり、

とても大切なハナシをいきなりぶっちゃけたり、

焚き火を見つめていると、ときどき人は、ゆらめく火の魔法にかかってしまうコトがあるのです。

 

「実はなぁ、オレ、あいつと別れたよ」

「ん?」

「離婚したんだ。子供は向こうについていった」

「そうか・・・」焚き火の向こうにいる友人Kのトートツな打ち明けバナシに、

僕は、なにを言っていいのかわからず、相槌をうつしかなかった。

 

それは、ある春の夜。

カナディアンカヌーで四万十川をくだり、川原で焚き火キャンプをしていた時のコト。

焚き火マジックにかかったKは、苦しい胸のうちを訥々と語りはじめた。

独り暮らしの寂しさのコト、子供のコト、うまくいかない仕事のコト、不安な将来のコト。

それまで僕らは、バカ話をしながら陽気に飲んでいたので、

不意の打ち明けバナシに不意をつかれ困惑した僕は、ただただ黙って彼のハナシを聞いた。

 

ひととおりハナシおえると彼は黙りこんでしまった。

ふと見あげた頭上には、たくさんの星が瞬いていた。明日は、新月だ。

「なぁ、星降る川に、カヌーでくりだしてみようぜ!」と僕は言った。

ほとんど流れてない長いトロ場に、カヌーをうかべ、星々の饗宴に酔いしれた。バーボン片手に。

「すげえなぁ・・・。うつむいてばかりいたら、このステキな星空に気がつかなかったかもな。

なぁ、この宇宙の膨大な時間のなかでは、人の一生なんて、ほんの一瞬の光りの輝きなんだろうな・・・」

「そうだなぁ。過去も未来もなく、今、俺たちはサイコーな星空にしびれている。それでよくね?」

「これから独りどうやって生きていこうか・・・」

「・・・旅にでて、新しい世界にふれてみては?」

テント場にもどった僕らは、消えかかっていた火を復活させた。

Kは、だまって夜更けまでギターを弾いた。

 

それから数カ月後。我が家に、エベレストが写ったポストカードがとどいた。

そこには、短い文章が書かれていた。

「よう、元気か?俺は、あれから旅にでたよ。おっさんバックパッカーさ。

香港からはいって、タイ、インドネシアなど東南アジアをまわり、インド、ネパールへ。

そこからヨーロッパまで。あと2か月ほど旅をして日本へ帰る。

やっかいなことに巻きこまれたり、

あぶない目に会ったりもするけど、今をとても楽しんで旅をしているよ。世界は広いな!

帰ったら、また星空の川原で、焚き火をかこんで一杯やろうぜ!!」

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星降る川から(気まぐれダイアリー)4月19日

2025-04-19 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 おはようございます。四万十は、晴れ。

白みがかった青空、まばゆい朝日に笑う山、新緑きらめく岸辺。

沈下橋に腰かけて、コーヒ片手に、

ひんやり川風に吹かれる耳に聞こえてくるのは、鳥と蛙の恋の歌、瀬音。自然の音。

ナンテウツクシクココチヨイアサナンダ。

初夏をむかえた南国の山は、1年で最もカラフルな季節に。

萌黄、黄緑、鮮緑、葡萄色。

若葉の織りなす美しいグランデーションに、いつまでもうっとりと見とれてしまいます。

今日の最低気温は、13、5度。

 

 最高気温28、4度。午後も晴れ。

初夏の光と風が心地よい午後です。

ほのかに花の甘い香りがまじるそよ風が、さぁ、川へ(フィールド)へでかけようぜ!と誘いますが、

まだ、左足首の状態があまりよろしくない(2週間ほど前にひどい捻挫?をした)・・・。

部屋のなかにハンモックを吊って読書です。ああ。はやく思いっきりおんもを駆けまわりたい。わんわん。

『確かに川旅は「男の世界」である。

自分の腕を信頼して毎日何度か危険を冒し少々シンドクて、 孤独で、いつも野の風と光の中で生き、

絶えず少年のように胸をときめかせ、海賊のように自由で-』

「カヌーで行く時は、他の乗り物と異なり、目に入るすべての風景は自分の腕で稼いだものだから、

それだけ感銘も深い。この山の向こうにどんな世界があるのか、とカーブを曲がる時は胸がときめく」

日本の川を旅する・カヌー単独行  野田知佑

いつかの秋の日に。十和村の川原(中流域)から下る。

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星降る川から(気まぐれダイアリー3月23日

2025-03-23 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 最高気温25、4度(今年最高)最低気温4、1度。晴れ。

「見て、あそこ!黒々と掘られてるやろ。イノシシがタケノコを掘りよったがよ」

「ありゃ、なかなかハデにやりましたねぇ。春ですねぇ」

「それにしても、今日はぬくいねぇ」

「ほんと。週半ばまでは、冬のような寒さだったのに。イキナリ暑いっすね・・・」

「もう、初夏のような陽ざしやもんねぇ。あんたもカヌー忙しくなるやろ」

「うーん・・・なってもらわないと、困るけど・・・」

まぶしい陽ざし、なまぬるい風、春というより初夏のような陽気の午後。

走る足をとめた僕は、近所のおばちゃんと立ちバナシです。

(芽吹きたての木々の葉の)萌黄と鮮緑、菜花の黄に彩られた、春色の岸辺。

庭先では、満開のユキヤナギ、レンギョウ、オウバイの花が、まばゆい光に輝き、

畦道では、イヌノフグリ、タンポポ、ホトケノザの花が、春風に揺れています。

休校の校庭のサクラの蕾も大きく膨らんで、そろそろ咲きはじめるかな、と。

(隣の宿毛市は、22日に開花。満開は、29日~30日頃に)。

 

さぁ、南国の川にも、本格的な春がやってきました。とても短い春が。

カヌーに美味しい物をこじゃんと積んで、サクラ花びら流れる四万十川で、

の・ん・び・り・リバーピクニックなんていかが?春の川原で、サンドイッチとコーヒーを。

「おもしろや 今年の春も 旅の空」 

【速報】高知市で桜開花 全国トップは2年連続 | 高知新聞

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全国トップで開花したソメイヨシノの標本木(高知城) 高知地方気象台は23日、全国トップを切って高知城のソメイヨシノが開花したと発表した。全国最速は2年連続。昨年...

 

 
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星降る川から(気まぐれダイアリー)3月16日

2025-03-16 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

  最高気温10、1度(最低気温8、2度)。雨のち曇りのち晴れ。

ポチャポチャ降る冷たい春の雨は、昼前に止みました。

光りをまちわびる午後。

ベランダから空を見あげ、風とカエルの歌を聞ききながら、口ずさむのは、希望の歌。

♪I can see clearly now, the rain is gone, 

I can see all obstacles in my way Gone are the dark clouds that had me blind 

It's gonna be a bright, bright Sun-Shiny day♪

さて、南国高知は、もうすぐサクラの春に。

開花予想は、3月20日(宿毛)3月23日(高知)。

宿毛のとなりの四万十は、20日頃に開花し、26日~27日頃に満開となりそうです。

サクラ色の川辺。カヌーにお弁当とお酒をこじゃんと積んで、花見ツーリングにでかけませんか?

 

高知県の桜開花・満開 名所の天気情報 2025 - tenki.jp

高知県の桜開花・満開予想、天気予報を掲載。名所ごとの見ごろ時期、夜桜・桜祭り、アクセスなどの詳細情報も分かります。

tenki.jp

 

風がひやい夕方は、山用シュラフに潜りこんで本を読む。

『わたしたちの多くは、まわりの世界のほとんどを視覚を通して認識しています。

しかし、目にはしていながら、ほんとうには見ていないことも多いのです。

見すごしていた美しさに目をひらくひとつの方法は、自分自身に問いかけてみることです。

「もしこれが、いままでに一度も見たことがなかったものだとしたら?

もし、これを二度とふたたび見ることができないとしたら?」と。』レイチェル・カーソン

 

見すごしていた美しさに目をひらくには、ガイドのチカラをかりるのも一手かな、と。

ほぼプライベートツアーのARKでは、ガイドの自然解説もたっぷりと聞けます。

川をくだったあとは、あたらしい視点で四万十川の風景と自然を見るコトができますよ。きっと。

「本当の旅の発見は、新しい風景を見ることではなく、新しい目を持つことにある」マルセル・プルースト

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星降る川から(気まぐれダイアリー)3月9日

2025-03-09 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 おはようございます。四万十は、晴れ。

(ひさしぶりの朝日に起こされた朝は、ウキウキと)川へ。

白いベールをまとったような春空、青くゆるく流れる川、朝日にまばゆく輝く黄花。美しい春の朝です。

ケキョ、ケキョ!まだ冷たい北風のなかで、

ウグイスは歌い、開きはじめたハクモクレンの花は身をすくめています。プルプル。

そんな少し早い春の景色を、音を、風を感じながら一杯のコーヒーを。

今日の最低気温は、0、0度。

 

 最高気温16、8度。午後も快晴。

雲ひとつない青空を、少し冷たい北風がわたっていきます。

まばゆい春の光のなかで、ヤナギ(春告げ木)が芽吹き、ハクモクレンの花が咲きはじめています。

べランダのコットに寝転がり、日向ぼっこ&読書をする耳に聞こえてくるのは、

ウグイス、シジュウカラ、イカルの恋の歌(まだ控えめですが)。

とても心地よい春の陽ざしと風。かたわらには、土佐ブンタン(直売所で買うと安いんです)。

これで、目がかゆくなければサイコーなのですが・・・。ごしごし。

「鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾のなかには、

それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。

自然がくりかえすリフレイン ―夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ―

のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです」。レイチェル・カーソン

春をむかえた南国土佐は、短い周期で雨が降るようになってきました。

それとともに、冬やせしていた川も、少しふくよかな良い流れに。

水ぬるみ、水ゆたかな四万十川で、カヌーにのって、春見に(リバーピクニックに)でかけませんか。

せわしない日常をわすれて、のんびりと。プラーベートツアーで。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)3月2日

2025-03-02 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

   最高気温24、6度(今季最高)。最低気温12、8度。

雨のち曇りときどき晴れ。

「今日は、めっちゃぬくいねぇ」

「いきなり春になったねぇ・・・」

雨あがりの雲間から陽がこぼれる昼さがり。

走りはじめた僕は、そんなアイサツを、近所のおばちゃんと交わしました。

 

「ヘーケキョ!」しめって生あたたかい空気の小道を、

ノロノロ走ってゆけば、おおっ!ウグイスの初鳴きが聞えました。へたっぴなひと鳴きだけでしたが。

シジュウカラやコジュケイも、嬉しそうに高らかに恋を歌いはじめてます。

南国の川に、よーやく春が来たのです。やっほう!!

目を奪うのは、西日のなかに鮮やかに咲く、8部咲きの梅の花。

 

(ひさしぶりに四万十で越冬した)この冬は、長く、よく雪が降ったなぁ・・・南国土佐なのに。

寒波の2月がさり、温暖な3月がおわれば、南国の川の4月は、もう初夏の陽気に。

高知の春は、とても短く、駆け足で過ぎてゆきます。

山が、川が、生き物が冬のねむりからさめ、草木芽吹き、サクラ咲く春の四万十。

そんな、春色の四万十川に、の・ん・び・り・リバーピクニックにでかけませんか?

カヌーに、コーヒー、ビール、お弁当など美味しい物を、こじゃんと積んで。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)2月23日

2025-02-23 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 おはようございます。四万十は、晴れ。

(昨日の大風も止んだ)朝の川は、ベタ凪。

キリッと冷えた空気のなかを、のっぺらな水面を見せてのったり流れています。

透明度のよい青空と川をながめながら耳をすます。

いまだ、ウグイスやカジカガエルの春の歌は、聞こえてきません。まだ、ひやいからなぁ・・・

でも、岸辺の大きく膨らんだハクモクレンの蕾が、もうぐ春だよ!と教えてれます。

さぁ、大きく深呼吸して —この空と川のように— ココロも澄ませて今日をはじめよう。

今日の最低気温は、-3、5度。

 

 最高気温10、7度。午後も晴れ。

陽射しがたっぷりなわりには、空気はヒンヤリ、

(風裏の日なた以外は)肌寒くかんじる昼下がりです。

「静けさや 寒波のなかに 声ひそめ」。マタユキ二ナラナキャイイケド。

それでも、来週中頃からは、一気に春めいてきて気温も平年並みに。

寒暖差がとても大きい季節の変わり目です。皆さんも体調管理にはくれぐれもお気をつけて。

 

2月28日(金)は、新月です。

人少なく灯り少ない四万十川の川原は、星を見るにもよいところ。

焚き火にあたりお酒でも飲みながら、のんびり秋の星空をながめてみてはいかが。

♪流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで♪

ごろた石の川原キャンプは、コットを使うと快適ですよ。

 

焚き火も心地よい、秋~春の四万十川の川原。

そんな焚き火には、「焚き火マジック」があるのをご存知ですか。

いつもは無口なヤツが饒舌に語りだしたり、いつもはおしゃべりなヤツが黙り込んだり、

とても大切なハナシをいきなりぶっちゃけたり、

焚き火を見つめていると、ときどき人は、ゆらめく火の魔法にかかってしまうコトがあるのです。

 

「実はなぁ、オレ、あいつと別れたよ」

「ん?」

「離婚したんだ。子供は向こうについていった」

「そうか・・・」焚き火の向こうにいる友人Kのトートツな打ち明けバナシに、

僕は、なにを言っていいのかわからず、相槌をうつしかなかった。

 

それは、ある春の夜。

カナディアンカヌーで四万十川をくだり、川原で焚き火キャンプをしていた時のコト。

焚き火マジックにかかったKは、苦しい胸のうちを訥々と語りはじめた。

独り暮らしの寂しさのコト、子供のコト、うまくいかない仕事のコト、不安な将来のコト。

それまで僕らは、バカ話をしながら陽気に飲んでいたので、

不意の打ち明けバナシに不意をつかれ困惑した僕は、ただただ黙って彼のハナシを聞いた。

 

ひととおりハナシおえると彼は黙りこんでしまった。

ふと見あげた頭上には、たくさんの星が瞬いていた。明日は、新月だ。

「なぁ、星降る川に、カヌーでくりだしてみようぜ!」と僕は言った。

ほとんど流れてない長いトロ場に、カヌーをうかべ、星々の饗宴に酔いしれた。バーボン片手に。

「すげえなぁ・・・。うつむいてばかりいたら、このステキな星空に気がつかなかったかもな。

なぁ、この宇宙の膨大な時間のなかでは、人の一生なんて、ほんの一瞬の光りの輝きなんだろうな・・・」

「そうだなぁ。過去も未来もなく、今、俺たちはサイコーな星空にしびれている。それでよくね?」

「これから独りどうやって生きていこうか・・・」

「・・・旅にでて、新しい世界にふれてみては?」

テント場にもどった僕らは、消えかかっていた火を復活させた。

Kは、だまって夜更けまでギターを弾いた。

 

それから数カ月後。我が家に、エベレストが写ったポストカードがとどいた。

そこには、短い文章が書かれていた。

「よう、元気か?俺は、あれから旅にでたよ。おっさんバックパッカーさ。

香港からはいって、タイ、インドネシアなど東南アジアをまわり、インド、ネパールへ。

そこからヨーロッパまで。あと2か月ほど旅をして日本へ帰る。

やっかいなことに巻きこまれたり、

あぶない目に会ったりもするけど、今をとても楽しんで旅をしているよ。世界は広いな!

帰ったら、また星空の川原で、焚き火をかこんで一杯やろうぜ!!」

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星降る川から(気まぐれダイアリー)2月20日

2025-02-20 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 最高気温10、3度(最低気温-3、4度)。

四万十は、よく晴れて陽ざしがたっぷりだけど、風がひやい1日でした。

光りは春、風は冬のような。

咲きはじめた梅の花も冷たい風に身をすくめる、「February Story」です。

それでも、来週の半ばころからは、春のきざしを感じられる陽気となりそう。

だから今は、冬のしっぽの寒さを、しっかりと味わっておこう。

寒さにふるえた者ほど、太陽の温かさを感じられるし、

(南国土佐の)短き春のムコウには、もう夏が待っているのだから。

うーんイイ天気!!家にいるのがもったいないのだ・・・と思えばコーヒセットをザックに詰めて、川へGO!

冷たくさえた青空の下、涸れ色の川原を、菜の花が冴えた黄色でいろどりはじめています。

カタカタ!冬芽のヤナギの震える音(春告げ木)。コロロロロー!キツツキのドラミング。

 

ポカポカ陽ざしの風裏の川原で、コポコポとコーヒーを淹れ、寝ころがって本を開く。

「カヌーで行く時は、他の乗り物と異なり、目に入るすべての風景は自分の腕で稼いだものだから、

それだけ感銘も深い。この山の向こうにどんな世界があるのか、とカーブを曲がる時は胸がときめく」野田知佑

 

21年間のツアーで、ARKは、たくさんのステキな思い出をゲストとともに作ってました。

新しい季節の向こうには、どんな世界が待っているのだろう。

ココロ高鳴る、冬のオワリ、春のハジメです。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)2月16日

2025-02-16 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

  最高気温14、2度(最低気温6、9度)

「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」

一輪だけ咲いた梅の花が、雲間からこぼれる西日にかがやいています。

四万十は、小雨まじりの週末。

空は暗く、空気は寒く、風は冷たく、気分も暗くなりがちでしたが、

日曜日の午後に、よーやく太陽が顔を見せはじめれば、そのあかるさとぬくさに、目をほそめました。ほっ。

 

 

♪Here comes the sun, doo-doo-doo-doo

Here comes the sun, and I say It’s alright♪

明るさをとりもどした空を、コーヒー片手に、

ぽけっとながめていると、ラジオから「Here Comes the Sun」がながれてきました。

冬の寒さにこわばったココロをほぐしてくれるステキな曲。

そして、なつかしく思い出すのは、ある早春の日の川を、

カナディアンカヌーでくだりながら、旅ギターで、この曲を歌ってくれた友人のコト。

そういえば、あのときも、ながくて寒い冬だったなぁ・・・。

友人の演奏と歌は、風、瀬音、鳥の歌、川の自然の音と風景とよくとけあって、とても良かったし、

川をくだりながら、好きな曲を聴いたり、歌ったりするのも、イイものだなぁ、と思ったのでした。

 

うーむ、ひさしぶりにウクレレの練習をして、川のうえで披露してみようかなぁ。

そのヘタさに、鳥や蛙がひっくりかえるかもしれませんが。

 

♪太陽がでてきたよ 太陽がでてきた 僕はこういう「大丈夫だって」

太陽がでてきたよ 太陽がでてきた 大丈夫だよ♪

もうすぐ3月。南国の川は、長かった冬もおわり、陽ざしがぬくい春へ。

梅の花が咲き、カジカガエルが、ウグイスが初鳴けば、アユの子も川をのぼりはじめます。

じこじこと冬の眠りからさめる川。

そんな、ポカポカ太陽の四万十川で、冬にこわばったカラダとココロをほぐしてみませんか。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)2月9日

2025-02-09 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

 おはようございます。四万十は、快晴。

キリリと冷えた空気の朝です。おーひやい!

沈下橋へ。見あげる空も、足元の川も冷たく青く澄んでます。

(昨日までの)雪化粧をおとした川。今朝は、さっぱりしたスッピンの(冬枯れの)顔を見せています。

そんな、美しい早春の川景色を、コーヒー片手にのんびりながめていたいけど、

川をわたる北風は、スルドク冷たい!よく研ぎあげた鉈の刃ように。はやばやと引きあげたのでした。

チョットコイ―!チョットコイ―!と岸辺のコジュケイにも呼ばれたし。

今日の最低気温は、-4、7度(今季最低:江川崎)。

 

 最高気温7、5度。晴れ。風さわがしい午後です。

頬をなでる風は、まだピリッと冷たい。

でも、早春の陽ざしの明るさに、ぬくさに、フトンを干せるうれしさに、

ほっと空を見上げました。やれやれ、やっとひどい寒さも底をぬけたか、と。

それにつけても空の青さよ。

 

ベランダから見る冬枯れの林に、コゲラとウグイスの姿がみえます。

おっ、この寒波でわすれていたけど、ウグイス(春告げ鳥)、カジカガエル(春告げ蛙)の初鳴きも近いかな?

梅の開花は、いつもの年より少し遅めです。

色を落した道端には、イヌノフグリ、ホトケノザ、カタバミの花がポツポツと咲きはじめています。

枯草に埋もれそうな小さな早春の花を見る、とある春の夕に聴いたバラードを思い出す。

 

♪初めて君と出会った日 僕はビルの向こうの

空をいつまでも さがしていた

君がおしえてくれた 花の名前は

街に埋もれそうな 小さなわすれな草♪ 「Forget me not」尾崎豊

 

わおっ!これは、なかなかステキなヒトトキだ。

まさか、「Forget me not」を尾崎が見てた同じ風景をみながら聴けるなんて。現場聴きじゃん。

それは、まだ風の冷たさがのこる3月の晴れた夕刻(当時は東京暮らし)。

仕事帰りに、渋谷のビル街を見わたす、東邦生命ビルの踊り場(尾崎豊モニュメント)を通りかかったときのコト。

1人の若者がギターで「わすれな草」を歌っていた。

 

尾崎のファンではなかった僕は、彼の代表的な曲を何曲か知っている程度だった。

いや、どちらかというと、彼のストレートなまでのココロの叫びに気恥ずかしさを感じて、敬遠していた。

でも、街の片隅でもがく若者の、

愛の儚さと切なさを歌った美しいバラード「Forget me not」は、とても好きだった。

手すりにもたれ、曲を聴きながら、ビルの向こうの空をいつまでもさがしてみた。

そして、街に埋もれそうに咲く、小さなわすれな草に思いをよせてみた。

♪春に埋もれそうな 小さなわすれな草♪

カタバミ、スミレ、ムラサキケマン、

南国の早春の川のほとりには、枯色の道端に、小さな野花が次々に咲きはじめます。

モクレン、サクラ、ツツジ、華麗な主人公の花が咲きはじめると、脇役は、わすれら草になりますが。 

 

せわしない街の暮らしに、ココロが埋もれそうになったときは、

早春の四万十で、風に吹かれ、川の向こうの空をさがしてみるのも一手です。

きっと足元に咲く、小さなわすれな草の美しさに気がつくコトでしょう。

♪きれいな月だよ出ておいでよ 今夜も二人で歩かないか♪

明々後日(12日)は、満月スノームーンです。

人少なく、灯り少ない四万十川の川原は、月を見るにもよいところ。

焚き火にあたり、お酒でも飲みながら、凍夜のまあるい月をのんびりながめてみては?

ごろごろ石の川原では、コットを使うとカイテキですよ。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)2月6日

2025-02-06 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

    最高気温2、5度(最低気温-1、7度)。

「立春をすぎると、そこは雪国だった」

最強寒波におそわれて、南国四万十も、雪がふったり、やんだり、陽がてったり。

猫の目天気の寒すぎる2月のスタートです。にゃー。

白い凍風吹きぬける沈下橋にたたずめば、あっというま間に凍りつきそうに。

冬枯れの道端に咲きはじめたホトケノザの花も、小さくふるえています。

「2月は光りの春」と言われるのになぁ・・・。まるで、今が大寒のように思えます。

季節のめぐりが、少し遅れているのかなぁ。春は、遠いのか、近いのか。どっち?

このブログは、スキマ風だらけの部屋で、ダウンジャケットを着て、コタツにもぐって書いてます。

おーひやい。越冬には、薪ストーブを導入すればよかったか・・・(薪はいくらでもあるし)。

ユダンはキンモツですね(年末年始は、ぬくかったからなぁ)。

この寒波は、今週いっぱい続くようです。

皆さんも、風邪などひかぬよう、くれぐれもご自愛くださいね。

冬芽も凍りついてます。

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星降る川から(気まぐれダイアリー)1月28日

2025-01-28 | 星降る川から(気まぐれダイアリー)2025

  おはようございます。

四万十は晴れてますが、氷雨ぱらつき凍風吹く川のうえはとても寒く、

岸辺のスイセンの花も小さくふるえています。プルプル。

空と川を見ながら一杯の熱いコーヒーを飲む。それは、ささやかで贅沢なヒトトキです。

 

都会のような便利さはない、過疎の川のほとりの暮らし。

でも、真冬の四万十川流域では、自然が奏でる音や生き物の声、

澄んだ空と川、美しい星空、月空、スローにながれる川と時間、そして、静けさを味わえます。

(物理的に)人と人との距離がとおいのも、またよろし、です。

今日の最低気温は、1、7度。

 

  最高気温5、6度。午後の空も不安定。晴れた空から雨がパラパラ。

♪I wanna know Have you ever seen the rain? Comin' down on a sunny day♪

晴れたときを見計らって、散歩にでようとシューズをはけば、

サァーっと頭上にながれこんできた黒い雲が、パラパラと氷雨をまきちらしていきます。

その繰りかえし、うーむ、外にでれませんのだ。

(昨日と今日の雨は)カラカラに乾いた山、川、生き物たちには、恵みの雨ですが。

 

冷蔵庫のなかのように冷えた部屋で(南国の古い家は、スキマ風だらけ。おまけに微妙に傾いている)、

暇ぐらしガイドは、山用のダウンジャケットを着て、コタツ虫・アウトドアズマン、と化して読書です。

 

「江川崎を過ぎると、四万十川はおだやかになり、大河の風貌を帯びる。

しかし、流れは早く、深い流れにのって滑るように下っていくのは気持良かった。

山また山が折り重なり、そのすそを縫って川は流れた。人間の音が全くない。耳に入るのは山の音だけである。

今日は一日、漕がず、フネの中であぐらをかいて流されるままに下った。

黒尊川の流れこみで上陸。早々にテントを張る」

 

『川にかかった橋を渡って対岸の部落の小さな食堂に入った。

「アイスクリン50円」と張紙のある戸を開けて入ると、一人の酔漢が抱きついて来た。

良く来た、と僕の手をしっかり握る。酔っぱらうとやたらと人恋しくなる人らしい。

いっかな手を離さないので、片手でウドンを食っていると、奥さんが迎えに来た。

酒が入るととても楽しくなる人で、それはいいのだが、この間は部落の葬式で失敗した。

初めはシンミリ飲んでいたのだが、酒が回るにつれて幸福になり、つい酔った時の口癖がでた。

彼はいったのである。「今日は実にユカイである。こんなに楽しいことはない」

おまけに「ヨサコイ、ヨサコイ」と踊ってしまった。「ヨサコイ」とは今夜飲みに来い、という意味だ』。

 

『四万十川の美しさは日本随一であろう。

水質、魚の多さ、川をとりまく自然、川から見た眺めの美しさ、いずれも日本の川では最高だ。

日本人が汚し始める前の自然が、川がどんなものであったか知りたければ、四万十川を見に来るといい。

部落の人はいう。「山や川が好きな人にゃここは天国じゃ」

しかし、天国には若者は住めないのだろう。

彼等をより強く惹きつけるのは美しい自然より、ゴミゴミした都会の汚濁の巷だ』

「日本の川を旅する」四万十川編より 野田知佑著 1985年発行 

落ちかなかった午後の空も、夕方になるとバッチリと晴れてきました。

今夜は、空高く吹きぬける北風が、冬の星たちをあざやかにゆらすコトでしょう(明日は、新月)。

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