アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

春の川への案内状

2012-02-29 | 四万十川 春

 

 皆さん、この春を元気に迎えられてますか

冬のあいだは身をすくめ、だんまりを決め込んでいた四万十川。

でも、やがて芽吹きの季節をむかえれば、

山が笑い、若葉が風と踊り、瀬が水を奏で、川はにぎやかにヨロコビの春を歌います。

そんな春の川を、カヌーでのんびり下ってゆけば、

凍てついた冬に硬くなったココロは、あたたかな春に柔らかくなっちゃいます。

 川べの友だち、モグラ君とネズミ君も、みんなを春の川にさそってます。

「カヌーって、そんなにいいものかい?」

モグラは、少し恥ずかしそうに、ききました。けれども、そんなことは、きくまでもなく

 ‐略‐ ゆるやかにカヌーにゆられていれば、すぐわかることです。

「いいものかって?君、カヌーのほかに、いいものなんて、ありはしないよ。」

ネズミは、体をぐっと前へかがめ、パドルを使いながら、まじめな顔で言いました。‐略‐

「ねぇ、君、ほんとに、けさ何もすることがないんなら、

いっしょに春の四万十川を下って、一日ゆっくり、あそんでいかないか?」

*ケネス・グレーアム 「たのしい川べ」 を意訳

 

 さぁみんな、カヌーに、

お弁当にビール、シャンパン、コーヒーを積んで、春の川に ピクニックへでかけよう!

春の水の流れに身をまかせ、のんびりと川をくだり、

あたたかな陽光に身をさらし、風の音に耳をかたむけよう。

ときには、イジワルな雨や風も吹くけど、

それすらもステキな野外道具や、あたたかなスープでしのいで面白がっちゃおう。

 

 春の川で、いつもとは少しちがう時間をすごしませんか。

沈すると、ちょいとサムイけどね。


春はもうすぐそこまで

2012-02-20 | 四万十川 初冬&冬

 最高気温13度。

 「あーんた、ずいぶんみんかったけど、どこいっちょったが?」と近所のおばちゃん。

「雪山にいっちょった。でも、この川とこの青空が恋しくてねぇ。早くも山を下りてきたんよ」と僕。

「そうかえ、この冬はこっちもひやくてねぇ、おばちゃんちの梅もようやく咲き始めたんよ」

「ねぇ、今年は少し春が遅れるみたいやねぇ、早くあったかくなってもらわんと・・・」

散歩をしていた僕は、バッタリと顔をあわせた近所のおばちゃんと世間バナシに花を咲かせました。

あたたかな日溜りにいると、つい気持ちも口も軽くなっちゃいますね。

 四万十は、真冬と春が同居しているような時期です。

今朝は、庭が白くなるほどキンと冷えました。

しかし、先週半ばに雪を降らせた寒気とひどい北風は去り、

日中はよく晴れ、気温も上がった今日の川べは、ポカポカと春のような陽気になりました。

 

 そんな、春の気配に誘われた僕は、自転車でフラフラと2つの沈下橋をめぐってきました。

日陰の空気はピリリと冷たく、水たまりには氷が張り、田畑にはまだ雪が残っています。

 

 菜の花が風にゆれる冬枯れのあぜ道。

背の高い木々の冬芽は、まだかたく(僕が目をつけている)タラの木が芽吹くのも、もう少し先となりそう。

待ち遠しいのは、ヤナギの若葉。ヤナギは、岸辺で真っ先に芽吹くのです。サクラよりも先に。

 

 沈下橋にたたずめば、ゆるくふく風の音だけしか聞こえないのがステキです。

水面に近く手すりがない沈下橋では、空と川にもろに身をさらすような解放感を味わえます。

川原に降り、山の水で淹れたコーヒーをゆっくりと飲んだ。

「それにつけても、空の青さよ・・・」。

四万十に春のきざしを探しにくるなら、これからサクラ咲くころまでがおススメですよ。

勝間沈下橋のたもとが崩れ、ただいま工事中。その泥水で手前の水は濁っているのです。

春待つ岸べ。


早春の雨の夜に

2012-02-07 | 四万十川 初冬&冬

 最高気温15度。

 暦の上に春がくると、春の使者は、その手(前線)をスバヤク伸ばし、

寒気を追い払い、今年はじめて、まとまった雨を四万十に降らせてゆきました。

「さて、そろそろ、わしらにも仕事をさせてくれ・・・」とでも言わんばかりに。

 

 昨夜よりも、ぐっとあたたかな空気が流れるベランダのイスに座った僕は、

ウイスキー片手に「やわらかな春の雨」とは違う「ぶっきらぼうな早春の雨」をながめました。

 

 我が家の庭を濡らし、田畑や山の木々を潤し、川を満たしてゆく雨。

すでに漉きかえされた田にもたっぷりと水が入る、でも、カエルたちはまだユメのなか。

遠くの空からは、カミナリの音も聞こえてきます。

 

 この雨で、四万十川は約1メーターほど水位を上げました。

その水の色は、オリーブグリーン。(思わずカヌーで漕ぎ出したくなる)良い水量。

今年の高知のさくら開花予想は、3月24日ごろ。平年よりちょっと遅めです。