アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

ペガススと山茶花

2006-10-28 | アークツアー 秋~晩秋

 最高気温26度。

 カヤックの上で帽子をぬぎ、空を見上げてじっと目を閉じました。

まだ、晩夏を思わせるまぶしい光が、まぶたにじわっと染みます。

そよとも吹かない風。つるりと鏡のような水面。

僕らをのせたカヤックは、水面の空と山をゆがませてゆっくりと下ってゆきます。

秋も深まる10月の終わり。「焚火キャンプ&カヌーツアー」のワンシーン。

 

 晴天が長くつづいた四万十は、川の水量が少ないけど、水の透明度がとてもグッドです。

艇の上から僕は、パドルを川に突きさしてみた、でもパドルは、川底に届きません。

水の透明度がよい今日の川は、川底が浅く見えた、でも、思ったよりも深いようです。

(高い水の透明度に、僕の感覚がズレてしまったのだろう)。

4メーター程の川底が、はっきりと見えました。

 

 大きな鯉がカヤックの下をゆったりと泳いでゆく。

川岸では、サザンカが白い花を咲かせ始めています。

わぁっ、もうそんな時期なんだ。時のながれは、はやいなぁ・・・。

 景色の良い川原にテントを張った僕らは、火をかこみ、食べ、飲み、話す。 

川原には他のキャンパーの姿なく、今夜は僕らの貸切です。

山の上には、三日月。頭上には、ペガススの秋の大四角形。

夜が更けてくれば、スバルも宝石のような輝きを見せてくれました。

 

 僕は、テントを張らず、焚き火のかたわらにマットを敷きシュラフに包まった。

「時には星の下で眠る」。そんなタイトルの小説があったなぁ、と思いながら。

眠りに落ちるまで、夜空を流れてゆく星をさがしました。

晴天率高く夜が少し冷えるこの時期は、1年の中で最も焚き火キャンプに適しています。

 2日目の空は、薄曇り。

薄灰色の空の下、僕らは遅秋のおだやかな川をのんびりと下ってゆきました。

ピーチクパーチクとおしゃべりをしながら。


まんまるお月さまといわし雲のキャンプツアー

2006-10-08 | アークツアー 秋~晩秋

  最高気温27度。

 ビューゥー、ゴオ―ッー。

時折、川を吹きぬける強い風が、カヤックを漕ぐ僕らをあおってゆきます。

「おっとっと・・・」

見あげる頭上を、ビュンビュンと雲が速く流れてゆく。

まるで空にも早瀬があるかのように。

遠く離れた南海上にある台風の風が、ここまで届いているのです。

「風にあおられ、風沈しないよう、風の呼吸をよんでくだりましょう」

 やわらかな秋の陽が、水面にキラキラと反射しています。

川べでは、コスモス、アキノキリンソウが強い風にゆれています。

水量は少ないけど、透明度がスバラシイ秋の川で「カヌー&焚き火キャンプ」の初日。

透きとおった水の上、僕らは、時々強い風にほんろうされながら下ってゆきました。

最高気温27度。川面の水温22度。

 今宵はまん丸お月さんの下、川原で焚き火キャンプです。

少しひやい夜の空気の中で焚き火火をかこみ、鍋を食べ、お酒を飲めば、

しぜんと皆のカラダとココロは、ホクホクとあたたまってゆきます。

 翌日。スッキリと秋晴れた空には、いわし雲が浮かんでいます。

風もおとなしくなった川。僕らは、わいわいがやがや、

おしゃべりをしながら、秋の川をのんびりと下ってゆきました。