アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

秋の極楽カヌーだワン

2024-10-18 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「秋の極楽カヌーだワン」 2021年10月25日のツアーレポート再掲です。

 最高気温23、7度。

 今日は、秋の四万十川でリバーピクニックをしてきたワン(10月25日)。 

朝、カヌー乗り場で、ガイドのアークさのが言いました。

「秋晴れの川は、風が無く、陽が暖かく、流れが良く、川下りには、最高のコンデションになりそうです。

先日のプチ増水がまだ少し残る水は、透明度がイマイチで、そこはザンネンですが・・・」と。

 

 あ、そうそう、僕の名前は「つむぎ」。パグ2才♂。おっす。

僕は、今回が初めての四万十川、初めての川下りです。何事も初体験はドキドキしますね。

僕を乗せてゆくご主人は、カヌーイスト(ファルトボート所有)。四万十川を下るのは3回目。

(お連れさんもカヌーの経験者だけど、四万十川は初めて)

そんなわけで、僕はただ身をまかせていればOK牧場。のんびりと秋の川を楽しめたらよいなぁ。

 今日の川は、平水時より水位が少し高く、流れがちょっと速いとのコト。

僕を乗せたカヌー(カヤック)は、スイスイスイスイと川をくだってゆく。

乗りはじめは、緊張して全身で力み、景色をみる余裕もなかった僕も、

トロ場を下り瀬を抜ける度に、ぐらつくカヌーにも少しずつ慣れてきて、

未知な川景色に目を見張るようになったし、陽、風、水の神秘さも感じられるようにもなったよ。

「センス・オブ・わんダー」が大事だワン。自然の中で遊ぶときには。

 雲ひとつない抜けるような青空の下、南国の川の岸辺を彩るのは、

白(サザンカ)、黄(セイタカアワダチソウ)の花、白銀(オギ、ススキ)の穂。

照葉樹や針葉樹が大勢を占める緑の山肌のところどころに、橙や薄黄の涸れ色も見える。秋だねぇ。

*温暖な四万十の低い山には常緑樹が多く(7割がスギ、ヒノキ)、

四万十川沿いの山は、一部の落葉樹が地味に山肌をいろどる程度。

派手な紅葉(いわゆる錦秋)は、標高が高い所にゆくと見えるそうだ(黒尊渓谷など)。

 

 水辺には、サギやトンビに混じって、冬の水鳥たちも姿を見せている。

時折、水面をパシャパシャと魚が跳ねる。アユかな?

円をかくように跳ねるアユは、横になって腹から落ちるので、音でもわかるという。

アユはもう禁漁、今はツガニ漁の季節なのだそうだ(10月31日まで)。

 

 キレイな支流の川原に上陸し、人間たちはのんびりランチタイム。

リードをはずしてもらった僕は、自由に歩きまわれるのが、にゃんともうれしいワン。

 再び水上へ。

まだ少し夏の暑さが残る強い陽ざしのなか、瀬で浴びる水しぶきが、気持イイ。川面の水温18度。

長いトロ場では、あまりの心地良さに、フネの中でうつらうつらフネを漕ぎそうに。

うーん、ゴクラク、ゴクラク。こいつは、秋のサイコーなリバーピクニックだね。

 

 風が優しい(時が多い)秋の川は、焚き火キャンプや

月や星を見るのにもよいフィールドだ、というではないか。今度は、川原でキャンプしたいなぁ。

沈下橋の川原に上陸し、コーヒータイム。映える景色だ。わおーん。

 さぁ、ラストピッチ。

秋の午後の川は、夏に比べ水面が陰るのもはやく、日陰は一気に冷えてくるので、

陽が短い季節の川下りは、水面に陽があたる9時頃~15時頃までが良いとのコト。

「秋の日は釣瓶落とし」なのだ。

 

 僕らは、午後のはやい時間にゴール地点に到着。本日の漕行11キロ。

さぁ帰ろうと車に乗り込めば、国道は、いきなり目の前で工事に伴う時間通行制限・・・(何と今日から)。

迂回路はナッシング。30分も足止めをくらう・・・。とほほだワン。

PS:四万十川流域に、ペット可の宿泊施設がもう少し増えると、イイのになぁ。

*ツアー画像CDは、10月27日に発送しました。お楽しみに~

 「冬の四万十川はまっこと静かよ。紅葉に染まった山も色を落として、

川の水も落ち着いた色になる。動くもんといったら、

薪で風呂を焚く家の煙と越冬に来よった渡り鳥ぐらいのもんじゃろ」野村春松


レターフロムS4 1泊2日カヌーキャンプツアー・秋

2024-10-06 | レターフロムS

「レターフロムS4 1泊2日カヌーキャンプツアー・秋」再掲です。

 おだやかな秋晴れの日、3名のゲストと、川下りキャンプにでかけました。*オリジナルツアー

コースは、江川崎~約20キロ(ゲストの皆、27-28キロと言ったけど20キロ位だった、訂正します)。

最初に、出発地点のとろ場で、カンタンにカヌー(カナディアン)の漕ぎ方の講習&練習。

その後、2艇のカヌーに キャンプ道具などの荷物を積みこみ、さぁ出発!

 

 ここしばらく晴天が続いている四万十川は、水量が少ない。

春から夏にかけての平均的な水位よりも、1メーター程水位が下がり、川原も広くなっている。

やせた川は、浅瀬が多く、カヌーはところどころで船底をこすってしまうけど、

秋の川は水も澄んで、水深3ー4メータの川底がはっきり見えるのがステキだ。

 

 高く澄んだ空の下、秋の川岸を彩るのは、ヒガンバナの赤、

セイタカアワダチソウの黄、コスモスの赤い花、オギの白銀。

遠くから、コンバインの軽快なエンジン音が聞こえ、風には、籾殻を焼く匂いが混じっている。

日差しはまだ強く、長袖のジャケットを着て漕いでると汗ばむくらい。

気温は、24~25度くらいだろうか。水温は、川の表面で23、5度。

流れがゆるいところでは、時々川に足をつけながら、のんびりと下ってゆく。

 

  

 

 今回のゲストのうち2人は、動植物の調査のプロ。3人とも野外生活には慣れている。

「あ、ヤマセミが飛んでった!まだ、カジカ蛙がいるよ!」

目線の低いカヌーから、それぞれの視点で、四万十川の自然を楽しんでいる。

出発地から約7キロ地点の川原、そこでキャンプ。

山に日が入り、気温がグンと下がってきた。テントを張り火を起こした。

 

 ゲストがそれぞれの黄昏時を楽しんでる間に、僕は夕食の仕度をする。

今夜のメニューは ・カツオのペッパーステーキ・大根おろしをたっぷり使った鍋・焼きりんご

おだやかな夕刻の川原は、雨、風の心配がなく、虫もほとんどおらず、カイテキ。

焚き火をかこんだ僕らは、ワインや栗焼酎(地酒)を飲みながら、食べ、話し、頭上の星をながめた。

とても贅沢な秋の夜長。

 

 翌朝は、栗ごはんの朝食(我が家の庭先でとれた栗を使った)。

ゆっくりと朝の時間を過ごした後、キャンプを撤収。10:30分出発。

とろ場→小さな瀬→とろ場を漕いで、お昼。

昼食は、狭い国道沿い、川にせりだして建っている小さなうどん屋さん。

店下の川岸にカヌーをつけ、斜面を登り、あたたかなうどんをすすった(現在は廃業)。

 

 昼食後、さらに川を下り、勝間の沈下橋でお茶を飲み、15:00頃ゴール地点の川原に到着。

(スタート&ゴール地点は、季節、水量などにより変更もあり)

「ゲストのみんな、ツアーへの参加どうもありがとう!」

次回は、「焼きリンゴ」もっとおいしく焼きますね。

 

  

 


夏と秋がゆきあう川をゆるゆると下る

2024-10-05 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「夏と秋がゆきあう川をゆるゆると下る」2018年秋のツアーレポート再掲です

 最高気温31、3度。

 ヒガンバナ、ギボウシ、イタドリの花が、

岸辺をいろどる初秋の川を、3名のシティボーイ(死語?)と下りました。

1日半、漕行22キロ(オリジナルツアー)。

最高気温31、3度。川面の水温25度。ほぼ平水。水の透明度は、良。

 

 初日の午後の空は、晴れ。スッキリブルーの空を、うろこ雲がのんびりと流れてゆきます。

陽ざしは、まだ強く暑く、夏のよう(予報がはずれてラッキー)。

聞こえるのは、ザァザァ(瀬音)ポチャポチャ(パドル音)、ジュワジュワ(蝉の声)、チリチリ(虫の音)。

 

 カヤッキングがひさしぶりなゲストは、漕ぎはじめは、動きも表情もぎこちありませんでした。

でも、とろ場をながれ、瀬をこなすたびに、スイスイと軽やかに艇をあやつるように。ニコニコと笑顔で。

  今年の川は、魚影(アユ)が濃いようです。

釣り師のすがたも多い(いつもは見ることがない瀬にも)。

ザワザワと右岸が鳴り、さけぶような鳴き声が聞こえました。

ん?眼をあげると、木々に囲まれた岩の上で、サルたちが物めずらしそうにこちらを見ていました。

 2日目の空は、どんよりと曇って空気がすずしい、秋だ!

凪ぎの秋。川は、夏は南から、冬は北から風がわたる、でも、秋は風がとまるコトもおおい。

グレーの空の下、僕らはつるりとした鏡のような水面をのんびりと下ってゆきます。

 

 古い沈下橋がかかる川原に上陸し、休憩&ランチタイム。

沈下橋におりる細道には、クリのイガ(四万十栗)、

シイの実(炒って食べる)、シマサルナシの実(ベビーキウイ)が落ちています。

ほのかに籾殻焼き香る川原で、石積みをしながら

パンとシチューを食べました(ナウなヤングは、ロックバランシングと言うらしい・・・)。。

 

 グーンと川幅が広く、ズーンとトロ場が長い下流を、よいピッチで下りゴールの沈下橋へ。

ツアーのしめは、エイヤ!と沈下橋からの飛びこみです。今年最後かな?

夏と秋、2つの季節を楽しませてくれた川で、シティボーイは、ネイチャーボーイになったのでした。


10月3日(火)のつぶやき(リブログ)

2024-10-03 | ・最新のお知らせ・イベントなど

1年前に書いたRiver&Sky(ツイート2023)再掲です

  おはようございます。

うろこ雲に覆われた今朝の四万十の空は、

晴れてるような、雲っているような、あいまいな空模様です。

涼しい風を切って、チャリで川沿いを走っていたら、バシッ!胸に何か小さな物があたりました。

ん?止まって路面を見る、とそこにはセミが。彼等の季節も終わる秋です。

今日の最低気温は、14、4度。

秋の岸辺に。

 

 最高気温28、3度。

薄曇りの空から、時折やわらかな陽ざしがこぼれる午後です。

「秋の四万十川の静かな水面、水鏡がなつかしいです。

いつかまた、四万十川をカヌーで下って、ぽけっと自分忘れの時間を過ごしたいです」。

これは、先日、ゲストの方とメールで交わした季節の挨拶のなかにあった一文です。

 

風のハイウェイでもある川は、

初夏から夏にかけて、(主に)南よりの強い風が、初冬から春にかけて、(主に)北よりの強い風が吹きます。

でも、秋の川は、風がおとなしい日が多く、凪いだ川は、水鏡のような水面をみせてくれます。

水の透明度もよくなるし。アユ釣り師のすがたもなくなるし(10月15日から禁漁)。

秋は、カヌーでのんびりと川を旅するには、とっても良い季節なのです。

そうそう、焚き火キャンプ、星空観察にも適してるというコトも忘れちゃいけませんね。

 

「人生をちょこっと休みたいな、思うたら、ここへ来たらええよ。

自然のもんのいろんな姿が見える。自然のもんは長いこと見よっても、飽きることがないけん。

いろんなことがじこじこわかるいうことは、元気の素にもなるけん」野村春松

 

読書の秋、芸術の秋、カヌーの秋。

秋の川の、水鏡のようなつるりとした水面にカヌーを浮かべ、(リラックスして)

明鏡止水の心境で、非日常の時間を過ごせば、何か新しい旅の発見があるかも、です。ぜひ。


ココロも温める音

2024-10-02 | ・最新のお知らせ・イベントなど

「ココロも温める音」2005年に書いた旅雑文です。期間限定公開中。

 最高気温27度。

 10月の夜空に、まあるい月がぽっかりと浮かんでいます。

月光に蒼白く沈む庭から聞こえてくるのは、秋の虫の合唱。

今宵は、ベランダで焼酎片手に月見&月光浴です。

 

 少し冷えてきた空気の中、お湯割りショーチュー用の湯をわかす。

「家庭用ガスコンロで湯をわかすのは、なんだか味気ないなぁ・・・」

そう思った僕は、キャンプ用の小型ガソリンストーブを引っ張りだした。

シュコ、シュコ、シュコ。ポンピングし、燃料タンクに圧力をかけ、火力調節レバーをまわしライターで点火。

シュッー、ボッ!シュゴォーッー。強い火力で、すぐにお湯がわきはじめる。

夜の静かさの中に、シュゴォーッとストーブの低い燃焼音がひびく。

ストーブの火を止める、とあたりはふたたび静かさにつつまれた。

ストーブの燃焼音は、火を使える(温かな食事、飲み物にありつける)という安心感をもたらしてくれる。

「山、川、海、荒野」

自然のフィールドをひとり旅する時、その音に何度もココロも温められたものです。

 

 わおっ!!すげっ!!はぁーっ・・・。

夜空にかがやく無数の星、ほし、ホシ、☆・・・。

それは、お湯割りウイスキーを片手に、テントの外に出た時のデキゴト。

荒野にマットを敷き、ごろり寝ころんで、すばらしい天体ショーをボーゼンとながめた。

そこは「アウトバック」と呼ばれるオーストラリアの内陸荒野。

 

 ある時僕は、どでかい空と赤茶けた荒野の熱風大陸を、オフロードバイクで気ままに一人旅をしていた。

その日も足元の悪路(ガレ場や深い砂場のミックス)に苦戦し、

時速30~40キロの低速で慎重にバイクを走らせていた。全神経を集中し、体力をフルに使って。

日が地平線に沈むまえ、その日の走行をやめてテントを設営することにした。

バイクのエンジンを止めれば、ピュゥー・・・聞こえてくるのは、強い風が荒野をわたる音だけ。

見わたす限りの大地には、樹木はおろか潅木すらなく、風をさえぎる物がナニもない。

へろへろにくたびれたカラダで、しばらくボンヤリと風に吹かれた。

 

 地平線に日が落ち、急速に暗くなるにつれ、気温がずんずんと下がっていった。

ビユゥーウウッーッ、バタバタバタッ。

強い風にホンロウされながらも、なんとかテントを立てるが、風に吹きとばされそうだ。

荷物をテントの中にほうりこみ、バイクとテントをロープで結びつけた。これでまぁ、大丈夫だろう。

テントの中に入り、荷物を片付け、そして入口のすぐ外においたストーブに点火。

シュゴォーッ、ストーブから威勢よく炎があがる。

その青白い火と低い燃焼音は、なんともたのもしく、気持を落ちつかせてくれた。

 

 お湯をわかし、ソーセージ入りのインスタントラーメンを作り、緑茶をいれた。ふうっ・・・。

食事をすませ、ようやく人心地つくと、右足首がジンジンとひどく痛むことに気がついた。

日中、コケた時、足首がバイクの下敷きになってしまったのだ。

全身は赤土まみれ、頭をかくと、砂が頭からポロポロと落ちてきた。

 

 しばらくすると、風がおとなしくなった。

お湯割りウイスキーを片手に、テントの外にでると、そこは満天の星の劇場だ。

荒野にマットを敷き、寝ころび、星をながめつつお湯割りウイスキーを飲む。ぽっと胃に火がともる。

もう一杯だけ・・・。ふたたびストーブでお湯をわかした。

冷えてきたので、枕にしてたシュラフを袋からとりだし、もぞもぞとその中に包まった。

「このまま外で寝ちゃまずいかもな・・・」

そう思いつつも、まぁいっか、と2杯目のウイスキーを飲み終えるころには、Zzz、すでに夢の中。

 

 ビユゥー、バタバタバタッ。「おおっ、さみーっ!!」

未明、吹きわたる冷たい風にたたき起こされた。ストーブを点火して湯をわかした。

シュゴォーッ、ストーブの炎と低い燃焼音が、ココロも温めてくれる。

熱いお茶を飲みながら考えた。この痛む足で明日はどこまでいけるかな、と。