アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

水ぬくい四万十川は

2000-12-31 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

  最高気温28度。

 「きゃーきゃー!!わぁぁぁ・・・」 

梅雨の晴れ間。南風にのって、子供たちのはしゃぐ声が我が家のベランダまでとどきます。

今夏も小学校のプールの時間がはじまったのです。

小さなプールの水温は、23~24度。今の四万十川も、同じくらいの水温(川面)。

そんなぬくく(あたたかく)水質もまだ良い水が、四万十川の大きな魅力のひとつです。

 

 南北に長く、気候の変化大きく、山深く、雨が多い日本には、たくさんの川が流れています(3万5000本)。

川はそれぞれに特徴があります(流れる場所の気候、地形、自然環境などの違いにより)。

四万十川の特徴のひとつは、穿入蛇行(せんにゅうだこう:おおきな蛇行曲線を描くながれ)です。

 

 源流から河口まで川の高低差が小さい四万十川は、

クネクネと大きく曲がりながらゆったりとながれます。そのため川の水温が高くなりやすいのです。

真夏の四万十川の川面の水温は、30度前後(中下流域)。 

目黒川や黒尊川など、支流の最下流域も、本流とほぼ同じくらいの水温になります。

(本流の真冬の水温は6~8度ほど)

ゆったりながれるということは、水が汚れやすいとも言えますが、

流域の人口がとても少ないこの川は、川の水もまだ比較的キレイなのです。

 

「四万十川がぼちぼち太うになってきた窪川町から河口まではまだ130キロメートルあるいうけんど、

そこと河口の標高差は100メートルしかない。

西土佐村の江川崎から河口までは40キロメートルで40メートルの差よ。

ほしたら、勾配はだいだい1000分の1いうことになりよるじゃろ」四万十川がたり 野村春松

 

*四万十川には、本流に家地川ダム、支流に津賀ダムがあります。

ダムは、ダム下流域の自然環境(水質、水量、生物など)に大きな影響を及ぼしています。

 思えば、僕がカヌーツーリングデビューした長野の犀川は、アルプスの冷たい雪どけ水がながれる川でした。

真夏でも水温が低く、8月の終わりに半そでのウエットスーツを着てカヤックを漕いだものです。

水温が低い犀川には、カヤックに危険な人工の障害物も多く、

「うーん、沈はしたくないなぁ・・・」やや緊張して下ったことをよくおぼえています。

ちなみに、僕が学んだ老舗カヌースクールのプログラムは。

1 昼間は野尻湖でカヤック基礎レッスン。

2 その夜は講義。

3 翌日は犀川に移動しカヤックツーリング。

この基礎トレーニングを何度もやった僕は、カヤックの基礎技術をすっかりおぼえてしまいました。

(今、とても役だってます。仕事の関係でやったんだけど)。

 日本一あつい真夏の四万十(2012年時)。最高気温35度オーバー。川面の水温30度。

・沈下橋からとびこむ・カヌーで沈する・水の掛けあいっこをする

・水のキレイな支流でシュノーケリング&手長エビさがし

・ライフジャケットで川をプカプカとながれる。などなど。

水ぬくくキレイな四万十川は「バシャバシャ川遊び」もまた楽しい川なのです。

 

 「夏の四万十川は、カヌーで下るだけじゃぁもったいない。

ゲストにその魅力である、ぬくくきれいな水をの~んびりと楽しんでもらいたい」

そんな思いから、アークでは少人数制の「カヌー&川遊びツアー」をおこなっています。

岩間沈下橋

 支流目黒川

支流目黒川


ゆきあいの川をカナディアンで

2000-12-30 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温29、0度。

 「台風16号の強風域に入りそうだったので、今日の川は強風が心配でしたが、

風はほとんど吹かず。初秋のステキな川景色の中、透明度のよい川を下れてよかったですね」。

「ええ、本当に・・・。憧れの四万十川カヌーが天気と水に恵まれて最高でした」。

ツアー解散場所で、ゲストのTさん夫妻は、童のようなまぶしい笑顔でこたえてくれました。

 

 9月30日(木)。

カナディアンカヌーで、初秋の四万十川を下りました。

抜けるような青空の下、今シーズンいちばん透明度が高い川を。

⦅何日も前から、その進路にやきもきした台風16号の影響(特に風)を受けるコトもなく⦆

 

 ゲストのTさん夫妻は、北海道の川をホームに漕いでいるカヌーのベテランです。

ガイドは、コース取りを教える程度で、漕ぎ方については何も教えるコトがない。

 

 レクチャー&練習の時間がいらないので、

今日の川は、水量が少なく流れがとてもゆるいけど、15キロのロングコースをとりました。

操船に気をとられすぎないので、川の自然を案内する時間が多くとれるのも、またよろし。

 スタート地点のトロ場で軽くならした後、初っ端の波高い瀬へ。

水量が少なく、瀬の入り口がとても狭いけど、モンダイなく突入。

照りつける陽ざしの下、ザブザブと被る水が心地イイ。思わず叫びました。うっひょー!!

最高気温29度。川面の水温25度。

 瀬をぬけると、そこは長いトロ場だった。

(高低差小さい四万十川は、大きく蛇行しながら流れる。江川崎から下流は、トロ場も多い。

・トロ場とトロ場を小さな瀬がつないでゆっくり流れる。

・川の中にコンクリートの残骸や堰堤などの危険な人口物が少ない。従ってカヌー初心者も比較的安全に下れる川)。

 のけぞってカヤックから見あげる空は、(昨日の雨に洗われて)スッキリブルー。

まだ夏の暑さが残る陽ざしの中、山肌や川岸の緑には、少し涸れ色も見えます。

道路沿いには、サルスベリの花がまだ咲いているけど、コスモス、セイタカアワダチソウの花も。

ほのかに籾殻きの匂いが混じる空気のなか、小さく聞こえてくるのは、虫の音、セミの声。

 

 そんな、夏と秋がゆきあう川は、風がなく、水面はまるで水鏡のよう。

(10日程前に大きな増水に洗われた)今日の川は、

透明度も高く —いつもは薄濁りの— 深い川底まで良く見えます。

 

 ゆらり、大きな鯉がカヌーの下をゆっくりと泳いでゆく。

中小の魚もたくさん見え、川の中にはいろいろな魚がいる、ということがわかってオモシロイ。

「いいねぇ。キレイだねぇ~」。僕らは、何度も声を上げました。

 

 岩間の沈下橋の川原に上陸。よい景色を眺めながらランチタイム。

それまでのきつい陽ざしを、曇が遮ってくれて、やれ、ありがたや。

心地のよい空気の川原で飲むコーヒーが美味し。

 コース後半は、トロ場が多いけど、(向かい)風がないので、なんちゃーない(たいしたことない)。

アユの禁漁が目前の川(10月半ば)には、瀬張り漁をする人の姿や、友釣りをする人の姿が見えます。

水面でプカプカと揺れているのは、 ツガニ漁の仕掛けの目印の浮き。

そんな初秋の水上を、四方山ハナシに花を咲かせながら、のんびりと漕いで、口屋内の沈下橋へ。

本日の漕行15キロ。

*Tさん、ツアー画像CDは、10月1日に発送しました。お楽しみに~


足元を速く流れる川

2000-12-29 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

時々 最高気温26度。

 夏も近づく四万十は、晴れ間の陽射し暑く、

川の水温も高く、カヌーでの「沈」や「川遊び」が楽しい季節になりました。

 

 四万十川の水辺で、キャンプや川遊びをする人の中には、

「四万十川はダムが無い自然河川だから、大雨が降っても急激に川の水位が上がることはないだろう」

と思っている方もいるようですが、その認識は間違っています。

  四万十川には、本流の上流に、家地川ダム。

上流で本流に合流する大きな支流梼原川には、津賀ダムがあるのです。

(河川法上では堤の高さが15メーター以上になるとダムとされる。

家地川ダムは、堤の高さが8メーターと低いため佐賀取水堰と表記されている。

しかし、水力発電用に本流の水をそっくり取ってしまい、

わずかな水しか本流に流さない佐賀取水堰を、地元民や地元のマスコミは家地川ダムと呼んでいる)

 

 雨が降り、雨量がおおくなると両ダムが川に放流をはじめます。

台風などの大雨時は、放流量が非常におおくなります。

ダムの放流、多くの支流、山から入る沢水等があつまり、川は太い水の流れとなってゆく。

ダムの放流量が急激に増えると、川の水位がグングン上がり、あっという間に増水が川原をひたす。

そして下流の沈下橋も、5~6時間程で泥水の下に沈んでしまいます(5~6メーターの増水)。

 

 さらに増水すると、川沿いのキャンプ場のテントサイトもつかりはじめます(10メーター級の増水)。

下流でそれほど雨が降ってなくても、上流の山で雨量がおおければ同じこと。

雨の日に、川原キャンプ、川遊びをしている時は「正確な情報、充分な注意、早めの行動」を心がけましょう。

ダム放流量は「0120-27-5430」で聞けますよ。



 西日本はこの週末、前線&低気圧による大雨に見舞われました。

地域によっては、記録的な5月の雨量になったようです。

四万十は、150㍉~350㍉の雨量となりました。

24日正午。津賀ダム&家地川ダムあわせて600㌧の放流。

四万十川は約3、5メーターの増水。水はカーキー色です。

近所の沈下橋に川の様子を見に行った僕は、橋の上から川をながめました。

足元で薄茶色の水が橋脚にぶつかって、ザァザァと音を立て速く流れています。

 

 以前、僕は増水した川を(沈下橋が浸かるほどの)カヤックで下ったことがあります。

増水した水の力は、傍目で見るよりも強大かつ冷たいものです。

カヤックで濁流に漕ぎだした瞬間、僕は全身で「あっ、やばいかも・・・」と感じコーカイしました。

 

 増水したパワーのある流れは、カーブごとに岸にぶち当たり、大きな渦をつくります。

その外側で、一度流れの下に潜った水がゴンゴンと水面に湧き上がっている(ボイル)。

ゴォゴォと流れる濁流の音以外に、川底からはゴロゴロと雷鳴のような不気味な音も聞こえてきます。

それは、大きな石が川底を転がっていく音、オトロシイ・・・。

 

 もちろん僕は、大きな渦には近寄りたくなかった、けど、あっ!という間に渦に引き込まれ、沈!

怖さと水の冷たさでガチガチにカラダが固まってたけど、なんとかロールで起き上がった。ぶるぶる。

そして、平水時なら1時間かかる距離を、たった10分で下ってしまったのでした。

沈脱した場合(カヤックから抜け出ること)。

増水した川には上陸できる川原がなく、冷たい濁流の中を果てしなく流されていかなくてはならない。

それはとてもリスキーなデキゴトです。「良い子と素人さんは絶対真似しないでね」。

 

 この週末の大雨と増水のおかげで、日曜日のツアーは中止・・・。

「うーん、これも僕ら水ショーバイ・・・。静かに笑ってしまおう」

午後。子供達が総出で(といっても20人位)

キャッキャと嬌声をあげながら、学校の小さなプールを掃除している。

もうすぐ夏。遅ればせながら僕は、

もうちょいお腹を引っ込めねば・・・と、おもむろに路上に走りだした初夏の午後でした。


時には流れ星の下で

2000-12-28 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)
10月22日 「オリオン座流星群」の流れ星があらわれます

10月の中ごろから終わりにかけて、

「オリオン座」を中心にした「オリオン座流星群(りゅうせいぐん)」があらわれます。ふつう、

「オリオン座流星群」の流れ星はいちばん多いころでも1時間に10こくらいしか見られません。

ところが、2006年10月の「オリオン座流星群」では、

1時間に100こも見た人がいるほど、たくさんの流れ星があらわれました。

それからも「オリオン座流星群」の流れ星はいつもより多めに見えているので

今年もチャンスがあるかもしれません。また、月はま夜中すぎでないと出てこないので、

明かりにじゃまされずに流れ星をさがすことができます。

2011年いちばんたくさん流れ星が見えているのは、21日と22日ごろです。

byヤフーキッズ

 

 四万十は、時々「陸の孤島」と揶揄されます。

都市からは遠く、山深く、たいした産業もなく、人が少ないから。

でもそのような所なので、山、川、海の豊かな自然が残っているのです。

空気もきれいで、真夏でも沢山の星、流星、天の川が見られます。

空気が澄む冬は、夜空高く吹きぬける凍てついた季節風が、星の光をあざやかにゆらします。

 

 そんな星が美しい夜に「星の下で眠る」のはなかなかオツなもの。

山に囲まれた川べで、星空を眺めるのなら、ひろびろとした川原がおススメです。

夜の気配に包まれた、ごろた石の川原で焚き火を起こす。

折り畳みベッドを広げ、寝袋に入り、ウイスキーを舐めながらまたたく星たちを眺める。

ここは三ツ星ならぬ「無数星ホテル」です。

ただ、気をつけないとこのホテルでは、爆ぜた火の粉で寝袋に穴が開くし、夜露に濡れるし、と注意が必要ですが。

焚き火のそばで過ごすときは、穴が開いても惜しくはないウエアで。

 

 僕もこれまでに何度も流れ星を見ているけど、

願いごとを3回も言えるほど長く流れた星は、一度も見たことがありません。

願いごとが長すぎるのかな・・・。あなたはありますか?

 

 21日の四万十の天気予報は、曇り一時雨。22日は、曇り時々晴れです。

うーん、21日の星空は、あやしいなぁ・・・。

でもこのあたりは、「予報よりも半日ほど天候の変化がはやい」といわれるので、そこに期待です。


時と水がスローに流れる初夏の川を、カヌーでのんびりとゆくのだ

2000-12-27 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温19、6度。

 「47番目となった高知の旅。遠かったけど来てよかった~。のんびり下れたし」

「それは良かったです。ぜひまた、四万十に遊びにきてくださいね。キャンプもいいですよ~」

 

 ゲストの感想とコーヒのぬくさで、ほっとした僕は、薄曇った空を見上げながら、

「ようやく四万十川に復帰できたなぁ・・・」と実感です。今年は、かなり遅くなったけど。

それは、沈下橋の川原に上陸し、コーヒータイムを楽しんでいたときのコト。

 もうすぐ年号も変わる大型連休2日目。

風薫る四万十川をカヌー(カナディアン)&カヤックで下りました。

ARKリバーピクニック1日コース。

船腹の大きいカヌーに、美味しいもの、飲みもの、おやつをどっさりと積んで、GO!!

昨日は、ひやい北風が強く吹いた川。でも、今日はおだやかに晴れて、なかなかよいコンデションです。

明日からは、また天気が下り坂のようだけど。

この時期の空は、猫の目のようにクルクルとかわりやすいですね。にゃー。

 

 最低気温5、8度 最高気温19、6度

水位は、平水+50㎝ 川面の水温21度 水の透明度△ 

午後の空は、薄曇り。時々、北寄りと南寄りの風。漕行11キロ 

 

 ゲストの千葉からきたIさん一家は、アウトドア好きで、

屋久島、父島などの自然とも遊び、シーカヤックの経験もあります(川を下るの初めて)。

 

 僕らは、スタート地点のトロ場で少しならしたあと(川の漕ぎ方などもレクチャーしたあと)、

今回のコースで、いちばん波が高い左カーブの瀬に突入!!

ザァザァ、ザブザブ。まだ冷たい初夏の水がデッキをあらい、水しぶきがカラダに飛んでくる。

「うっひゃー、つめてー!!わはは・・・」

全員ブジに、瀬をクリアー。白波に、新艇のグリーンが映えます。

水温が低い季節、カヤックはじめての方は(初っ端の波高い瀬は)迂回するコースを下るコトが多し、です。

 

 「目に青葉 川カジカガエル 初くだり」

ライムグリーン、ワインレッド、クリームイエロー。

水面から見あげる南国の山は、一年でもっともカラフルではなやかです。

ざんねんなのは、ダークグリーンの部分がとても多いコト(7割が植林のスギ、ヒノキ)。

岸辺は、トサシモツケ、キシツツジの花にいろどられ、涸れ色の竹林は、「竹の秋」をむかえてます。

僕は、新緑と花かおる風に、カヌーの上で何度も大きく深呼吸~。ふぅ~。

 江川崎から4キロほど下った網代の川原に上陸、ランチタイムです。

のどかで静かな川原で、のんびりゴハンを食べている僕らの前を、

沢山のカヤックがぞろぞろと下ってゆく(大きな施設のカヌー半日コース)。そして、すぐ下流の川原でゴール。

バタバタと艇と装備を片付けた参加者がひきあげれば、ふたたび川原は静かに。

「おーい、そんなに急いでどこへゆく」

 午後のコースは、瀬が少ないけど、四万十川の雄大な景色が楽しめます。

よい川景色の中を、ゆっくり漕いで岩間沈下橋の川原に上陸、コーヒータイム。

現在、沈下橋は落橋中、橋は工事中のため通行止め。

そのため、いつもの連休とちがって、川原はとても静かなのでした。

 

 その後、沈下橋をでてさらに下流へ。

そこで川は「これぞ四万十川」といった川景色を見せてくれました。

 

 ゴール地点までは、もう少しです。

「さぁ、もう少しでゴールに着くよ」とゲストに告げると、

名残りおしいブラザーズは、わっせわっせと上流に向かって漕ぎあがっていきました。

 

 僻地を流れる四万十川は —都会近郊の川と違い― 静かで、

ゆっくりとした時間と水が流れるところです(川は時々暴れるけど)。

まだ、なかなか豊かな川の自然をゾンブンに楽しみたければ、

のんびりゆったりとフィールドで過ごすのがおススメですよ。いそがされず、せかされず。


ざぶりざぶりと春の瀬をゆくのだ

2000-12-26 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

ざぶりざぶりと春の瀬をゆくのだ

 『春は、地上の空気中にも、またモグラのまわりの土のなかにも動きだしていました。

そして、いまでは、暗くてみすぼらしいモグラの家のなかまではいりこんで、

なんともいえないそわそわした、じっとしていられない気もちで、

そこらじゅうをいっぱいにしてしまったのです。

とすれば、モグラが、きゅうに、はけを床の上に投げすてて、

「え、めんどくさい!」とか、「なんだこんなもの!」とか、

「春の大そうじなんてやめっちまえ!」などといいながら、

上着をひっかけもしないで、家からとびだしてしまったとしても、ふしぎはありません』

たのしい川べ:ケネス・グレーアム

寒くて暗い冬の日のために、おひさまのひかりを集めるのに良い春が、四万十にもやってきました。

 

 

3月25日 最高気14、4度。

 川を大地を目覚めさせた、春のまぶしい光とあたたかな風は、

部屋の中も春でみたし「外に行こう!旅にでよう!」と誘ってきます。

そんな春のユーワクに「若き旅人君」は、ひょいと都会を抜け出し、ふらり四万十へ。

花冷えて風が冷たい春の朝、僕らはカヤックに乗り込み、リバーピクニックへ出かけました。

 

 朝の最低気温は-1、3度、車のフロントガラスは凍りついてました。

陸上での講習の後、カヤックに乗り込んでスィーと水の上に滑りだす。

川を渡る西北西の風はピリッと冷たいけど、

空はスッキリと晴れているし、水量もまずまず。川下りには、なかなか良いコンデションです。
 
 

 じっくりとトロ場で練習したあと、ざぁざぁと白い波が立つ瀬に突入。

春の瀬の冷たい水が、カヤックのデッキをざぶりざぶりと洗う、水飛沫が顔にかかる。

ジャケットの首元のスキマから背中に水が!「うっひょー!!」僕は思わず声を上げたのでした。

*トロ場:流れがゆるいところ
 
 

 若き旅人君は、今日がカヤック初乗りです。

「カヤック、面白いっす、景色もイイっす・・・」というその笑顔は、

漕ぎはじめはぎこちなかったけど、川を下るにつれやわらかに。

隣で僕は、「若き日に旅をせずば、老いての日に何をか語る 」そんな言葉を思い出しました。

 

 ランチに上陸した川原は、陽ざしがポカポカ。

シチューとコーヒは、ホカホカ。うーん、温もるねぇ。

 

 グングンとぬくさを増した午後の川は、水上での日なたぼっこも心地よい。

ふぁぁ・・・。黄、萌黄、薄紅、春色にそまりゆく風景の中、僕らは夢うつつで春の川をながれてゆきました。

 

漕行11キロ。最高気温14、4度。

四万十川の水位は、平水+60㎝。川面の水温は、11度。


暖かな秋と尾根の冬芽

2000-12-25 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

      

時々 最高気温26度。

 皆さん、深まりゆく秋の日々をいかが過ごしてますか。

このところの四万十は、どんより雨雲に空が閉ざされ、雨がよく降っています。

たまに顔を見せる太陽の陽ざしはまだ暑く、空気は湿って蒸してます。

もう11月なのに梅雨時のような秋の日々。

うーん、どうせなら「このままさらに暑くなって、また夏が来ればイイのに、」と僕はバカなことを思う。

 

 しかしラジオのニュースは、

「この暖かさは10月初旬並で、来週からは空気も冷え込み平年並みの気温に戻るでしょう」

と伝えています。

このぬくさで黒尊渓谷の紅葉も足踏みかな・・・。

四万十川の水量は少なめ、水の透明度はなかなかよいです。

 

  秋の山は、紅葉狩りトレッキングも良いですよね。

温暖な気候の四万十。紅葉(錦秋)を見たければ、黒尊渓谷~黒尊山塊がおススメです。

(標高がたかく年平気気温がひくい黒尊渓谷は、カエデなど紅葉する落葉樹がおおい。

標高がひくく年平気気温がたかい平地は、シイなど緑葉の常緑樹樹がおおい。紅葉はジミ)。

黒尊山塊の尾根には、まだ自然林が残されブナ林の姿も(四国西南限)。

尾根のブナ林の黄葉も、そろそろ見ごろをむかえているようです。

 さて、そんなことを書いておいてナンですが、(紅葉の山も悪くないけど)

僕は、木々がすっかり葉を落とし冬芽となった山を歩くのが好きです。

そこには、冬の山や冬の樹木ならではの魅力があるから。

 

 冬の尾根は人気もなくガランとしています。

葉を落としてハダカになった落葉樹の枝、その向こうに見える冷たくすんだ冬の青空。

尾根を吹きぬけてゆく強い北風が、骨のような細い枝先をカタカタならします。

「春になったら、どのような新緑を景色を、見せてくれるのだろう・・・」

そんなことを思いながら山を歩く。冬枯れた景色は、僕の想像力を刺激してくれます。

 

 長い冬を耐え春に芽吹くため、木々によって冬芽の形状はいろいろです。

例えば、コブシの冬芽の外殻は、ふさふさした長い毛で覆われているし、

コナラやクヌギは、竹の子のように固い殻を何枚も重ねています。

葉のついてたあと(葉痕)もいろいろで、ユニークな模様を見るコトができます。

オニグルミ:ヒツジ。クズ:メガネザル。キハダ:ウマのヒズメ。 

サワグルミ:びっくりしたかお。イタヤカエデ:ブーメラン。センダン:コイヌ など

冬芽図鑑

その他にも、ハダカになった樹形、落ち葉、木の実を見比べてみるのもオモシロイです。

いつもとは違う角度から樹木をながめ、冬の森をあるく。

そこには、なにか新しい発見があるかもしれませんよ。


屋根の上のカヌー漕ぎ(梅雨がくる前に)

2000-12-24 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

時々 最高気温27、3度。

 ♪ツユも近づく八十八夜♪ 

雨の季節がくる前に、ボロ家(2階建て)の屋根瓦にペンキを塗っています。

パドルを刷毛に持ちかえて、高いところがニガテなカヌー漕ぎ(生業)は、こわごわと。

どんより雲の間から初夏の太陽が顔をだせば、屋根の上はもう真夏の暑さです。

照りつける陽ざしに頭がクラクラするけど、急斜面の屋根の6メーター下は、地面・・・。

ペンキの刷毛を握ったまま僕は、屋根の上でフリーズです。ぷるぷる。

雲さん、はやいとこ太陽をかくしておくれ。

 

 屋根から見える少し遠くの山肌は、新緑、濃緑、褐色にいろどられ、

足元の庭では、ビワの実とクリの木の花がうっすらと黄色く色づきはじめています。

さわやかに甘くシトラスが香る風。ブンタンの花が満開なのです。

 眼下の苗の緑が風にそよぐ田圃(村の低いところ)は、

2005年の晩夏に、四万十川が大増水(洪水)したとき、

泥の湖になりました(平水+13メーター。戦後2番目の大増水とのこと)。

 

 この村は、川が大きく増水すると、水に浸かりやすいところで、古くからの家は、少し小高い場所に。

2階家にして、一階を倉庫や車庫している家もけっこう見られます。

2005年の洪水のときは、我が家の右ナナメ下に建っている比較的新しい家も、床上まで浸水。

わりに小高いところにある2階だての我が家でさえ、一階倉庫の中ほどまで泥水に浸かってしまいました。

(僕は、20年ほど前に、ここに移り住んだ)

川沿いで家を借りるときは、川が暴れた時に、家が水に浸かるか?どうか?をよく調べたうえで、借りましょうね。

あ、そうそう、山に囲まれた狭い土地なので、日あたりがイイか?どうか?も大切な要素ですよ。奥さん。

 ふたたび厚い雲に陽が隠れて、ほっとした僕は、ペンキ塗りを再開しましたが、

「築ン十年であろうボロ家も、あと何年もつのかな?

南海地震がきたら、こんな古い家は、ソッコーでペシャンコになるだろうな?」

そう思うと、なんだか無駄な作業をしているような気になって、やる気もプシュ―と萎んでゆきそうです。

でもね・・・だけど・・・しかし・・・。

「ああっ、そうだ、ベランダ屋根の波板と網戸も張り替えなきゃ・・・」

 苦手なコトでも、面倒くさいコトでも、

無駄(と思えるような)なコトでも、なにかとDIYな、川のほとり(僻地の)の暮らしです。

工夫しなくてはね、楽しめるように。ぼっちぼっちと。

ホタルと雨の季節は、もうすぐそこまできています。


ネコのいびきと冬の空

2000-12-23 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

  最高気温18度。

 「ズピィー、ズピィー、ズズズ」。草木も眠るうしみつどき。

夜の闇に小さく響く、イビキのような寝息で僕は目がさめました。

それは、「しし座流星群」の日曜の夜に、

真夜中まで起きてられず、はやばやと布団の中で眠っていたときのコト。

 

 うん?いびきの様な寝息は、僕の頭のすぐ向こうベランダのガラス戸の方から聞こえてきます。

そーっとべランダをのぞいてみる、

といつも僕が座っている折り畳み椅子の上で、白いネコが丸くなって眠っていました。

その白いネコは、たまにその姿を我が家の庭に見せる、多分ノラ。

「あらら、今まで気がついていなかったけど、この椅子がヤツのいつもの寝場所なのかな?

それなら近頃、夜もめっきりと冷えてきたから、椅子の上にブランケットを置いておこうか?」

僕は、すっかり目がさめてしまったけれど、もう流れ星を見る気にもなれず

(ネコを起こしちゃうしね)再びぬくい布団の中にもぐりこみました。

 日曜の木枯らしが、月曜に(冬のような)美しいブルーの空をつくりました。

午前中の陽だまりは、まだハダカでも過ごせるほど陽がぬくいけど、

それっ!と薄着のままチャリで家をとびだせば、切る風がピリッと冷たい・・・。

 

 川沿いの道をくだって、中村の街へ。

陽の当たる場所はまだしも、日陰でゆっくりペダルをこぐと一気にカラダが冷えていきます。

「おおっ、ひやい。もう、すぐそこまで冬がきているのだなぁ・・・」。

今日は道草もせず、ひたすらペダルを踏み続けたのでした。

今日のおやつはシイの実。香ばしくコーヒーにあいます。


そして僕たちは真夏の四万十川で川ガキになった

2000-12-22 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温36度。

 「さぁでは、出発しましょう!!」

カヤックは、少し波高い真夏の瀬に突入です。

ザブザブとデッキを洗い、バシバシとカラダに飛んでくる水が、なんともソーカイ。うっひょー。

遠い昔に少年だったゲスト(僕もだ)は、キリッとした表情と笑顔を交互に見せながら、瀬を下ってゆきます。

 

 無事に瀬をぬけて見あげる青空には、モクモク入道雲。

岸辺からは、ジージーとセミの声が聞こえてきます。

手を浸す川の水は、ぬるめ(30度)だけど、水の透明度は、なかなか良い(夏にしては)。

♪水はぬるめの川がいい 魚はたくさんいた方がいい 辺りは静かなほうがいい だんちょね~♪

 

 「四万十川カヤック2日&黒尊川川遊び半日」。オジサンたちの夏のはじまりです。

*1日目:カヤックで川下り。漕行約8キロ。

2日目:カヤックで川下り(漕行約7キロ)その後、長生沈下橋へ移動。沈下橋ダイブ。

3日目:黒尊川 中流域 川流れ(シュノーケリング)昼食の後、解散。*ゲストは宿泊まり。

まずは、トロ場でかるく慣らしてから、出発!

西土佐大橋下流の瀬

 ギラギラ太陽が照り付ける水面は、あちゅい・・・。

時々パドルで水をかけあったり、支流で川遊びをしながら、

カラダを濡らしつつ、自然、旅、よもやまバナシに花を咲かせつつ、ツアーはのんびりと進んでゆきます。

お尻の下の四万十川のように。

連日最高気温は、36度前後。四万十川の水温28度~30度。

支流目黒川の水温26度。*いずれも川面の水温。

支流目黒川

支流目黒川

岩間沈下橋

長生沈下橋

口屋内沈下橋

 川を下って、沈下橋から飛びこんだ翌日(最終日)は、黒尊川中流域でプカプカ川流れです。

清冽な水が流れる黒尊川は、水の透明度もバツグン。

僕らは、四万十川の支流の中でも最もキレイと言われる黒尊川の水を全身で感じたのでした。

支流黒尊川の水温24、5度。

支流黒尊川中流

支流黒尊川中流

支流黒尊川中流

 ツアーが終わると、陽にやけたゲストの顔には、子供ような無垢な笑顔が浮かんでいました。

・カヤック&川遊び・沈下橋ダイブ・黒尊川川流れ。

ボーイズ・オブ・サマー。遠い昔少年だった僕達は、真夏の四万十川で、川ガキになったのでした。

口屋内の食堂「しゃえんじり」にて

*「しゃえんじり」さんは、2022年秋に営業を終了しました。ザンネン・・・。


師走の午後に年越しキャンプのハナシを

2000-12-21 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

「師走の午後に年越しキャンプのハナシを」

時々 最高気温11度。

 師走の昼前。

ポカポカ陽ざしがぬくいベランダのコットで漫画を読んでいると、

ヒュゥー、何の前触れもなく突風が吹き、パラパラ、青空から冷たい雨が落ちてきました。

わおっ!あわてた僕は干していたフトンを部屋に放りこんだ。モズもツバキの葉の下にもぐり込んだ。

「青空に雨・・・キツネの嫁入りか。このあたりには、キツネはいないはずだけど」

もう少し気温が低ければ、みぞれか雪混じりの雨になったことでしょう。

 

 昼どき。 

「香川さぬきうどんツアー」に出掛けた知人からさぬきうどんが届きました。

大量の湯でうどんをゆがいて、ネギと生卵と出汁醤油をからめ、ずるずるとかっこむ。うめー。

コシがあるさぬきの太麺は、のどごしが良くおいしいものですね。

 

 午後。

HPに使いたい写真を探しました、がいくら探しても見つかりません・・・あれれ?

それは、6年前の冬に静岡の友人と四万十川を下った時の写真です。

焚き火キャンプ&カヌー(カナディアン)で冬の川を遊んだ年末年始。1泊2日。漕行25キロ。

(そういえば当時は、まだ四万十に居を移したばかりで、中村市内のアパートに住んでいたっけ)

 「テントなどの設営は、できるだけ早い時間に(陽があるうちに)すませる」

それが、冬の川(陽が山に落ちるのがはやい)でキャンプをするときのコツだ。

陽が陰った川原は、気温がグングンと下がり、

空気がキリキリと冷えてゆき、あっという間に暗くなり、設営がタイヘンになってしまう。

 

 大晦日の口屋内沈下橋。

青く澄んだ空の下、川原に吹く北風がピリッと頬に冷たい。

僕らは、素早くテントを張り、薪を集め、川原に陽があるうちに火を起こした。

川原には他に、ソロで下っているカヌーイストと、

上流からカヤックで下ってきた〇〇大学の探検部のメンバーが数名いた。計3組のキャンパー。

(探検部の連中は、川の水温が低い冬なのに、夜の瀬を漕いで死にそうになったとのこと・・・わはは)

 凍てついた冬の星空の下、

一箇所に集まったキャンパーは、焚き火にあたりながら、食べ、飲み、語った。

吹きっさらしの川原で、タープなどで周囲に壁を作るなどの防風対策をしなかった。

おかげで、ばっちり服を着込んで焚き火にあたっていても、

体の前面はぬくいのに背中が冷たい、というジレンマにおちいったのだった。

しかたないので、時々背中も焚き火であたためてやり過ごした。

 

 誰かが持ってきてた小さなラジオから、NHK紅白歌合戦が流れてきた。

(好みではない)演歌が沁みるねぇ、と言った友人が、歌合戦の間のタイミングのよいところで大声で叫んだ。

「遠くから白組の健闘を祈る。こちらは陸の孤島四万十川、カヌー年越し部隊より!」と。

僕は、「こんなところで思わず聴く、紅白もいいもんだなぁー」としみじみ思った』。

 元日の朝の川は風が無く、空はおだやかに晴れていた。

低い山から昇ってくる初日にむかって両手を合わせ、

「今年も海、川、山のフィールドで楽しく遊べますように」とわりに真剣に祈った。

 

 「新年おめでとう!これ、皆さんで食べて!」

近くの民宿の人が、朝飯の支度をしてるキャンパーのところへ大きな鍋を持ってきた。

もうもうと大量の湯気がたつ鍋には、雑煮がたっぷりと入っている。

皆でお礼を言って「はふはふ」とあたたかい雑煮を食べた。

初日と思いがけない新年のごちそうに、全員ニコニコの新年の朝になった。

 

 キャンプ道具を撤収し、カナデイアンカヌーに荷物を積み込んだ。

口屋内を出発。

僕らが目指すのは、中村市内で四万十川に掛かる通称赤鉄橋。そこまでの距離は、約25キロ。

透きとおった冬ブルーの空の下、鏡のように凪いだ川は、ゆったりと静かに流れている。

雨量が少ない冬の川は、水量がかなり少ない。水の透明度はバツグンに良いけど。

さわる水は、おおっツメテー!川面の水温8度。沈はしたくない水温だ。

「気持ちイイなぁ~」

冬枯れの川景色を愛でながら、ゆっくりゆっくりと慎重に下ってゆく。

 

 景色のよい広々とした川原でヒルメシを食べ、沈下橋の上でコーヒーを飲み、のんびりと過ごす。

おかげで、山に陽が落ちかけているのに、まだ目的地が遠い・・・やべ!わっせわっせと漕ぐ。

ズンズンと暗くなる薄闇の川。ゴールする頃には漕いでる手元さえ見えなくなっていた。

 

 冬の野外遊びは—テントの設営だけでなく―行動も早めに終えましょうね。

それにしても、あの時の写真どこへいったんだろう?

*使用画像はイメージです。


台風と増水と魚たち

2000-12-20 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温27度。

 コーヒー牛乳色の水が、ザァザァと沈下橋の上を流れてゆきます。

いつものゆったりした四万十川の流れは、今はもうどこにも見えない。

川は、平水時より5メーターほど増水。

この増水は、足摺の南を足早に駆けぬけていった台風4号の置き土産です。

先日の梅雨前線の低気圧、今回の台風、明後日やってくる熱低。

「うーん、川は5メーター増水、3連チャンか・・・」

 

 台風の進路にあたるコトも多い四万十は、雨量が多いところです。

その年平均降雨量は、約3500㍉(年平均気温は19度)。

川は年に3~4回沈下橋が浸かるほど増水し、時に10メーター以上も増水します。

沈下橋が浸かるほど川が増水すれば、カヌーツアーは中止に(平水+2メーター以上で中止)。

カヌーツアーを行えるようになるのは、増水のピークから2日~3日目以降となります。

*そのときの水の引き方で変わります。

 カヌーツアーにはザンネンな大きな増水ですが、水が引いた後には良い面もみられます。

・魚や手長エビなど、川の生き物が大きく移動するので川漁が活発になる。

(増水時の魚は、水中の流れがゆるい場所に避難したり、中には一旦海まで下ってしまう魚も)

・川底のコケがついてた石がゴロゴロと転がされ、古いコケが落ちる。

 その後、再びついた新しいコケを食べたアユは、その香りがよくなる。

・川底が洗われて、水の透明度がグンと良くなる。などなど。

 

 そんな、時々あばれる四万十川は、淡水魚の種類も多い川です。

190種以上(最新の調査では)の魚種が確認されてます。

・アユ・コイ・ゴリ・フナ・ナマズ・サツキマス・雑魚(ハヤ、カワムツ、オイカワなど)

ブラックバス、ブルーギル(外来魚)なども生息してます。

 

 以前、夏の中流域の深場にもぐった時、とてもビックリしたことがあります。

それはそこに、タイのような魚の群れをみたから、あれれ?

「ああっ、それはキチヌやろ~」と教えてくれたのは近所の川漁師のおんちゃん。

四万十川は・キチヌ・イサキ・ボラ・エバ・スズキなどが

(海や汽水域に生息する魚たちが)川の中上流域でも見られるユニークな川なのです。

*これらの魚は、春に川をのぼり秋に川をくだります。

 

 雨空のムコウには、もう真夏の太陽がギラギラと輝いています。

ザブーン!とあなたも川に飛び込んで、四万十川の魚たちとたわむれてみませんか。


季節外れの暑さの川を

2000-12-19 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温29、9度(9日)。31、1度(10日)。

  季節外れの暑さ(真夏日)が続く10月の四万十川を、カヤックで下りました。

(10月10日までの真夏日は9日間。最多記録)

江川崎スタート~勝間ゴール。漕行約20キロ。1日コース+半日コース。

 

 各地の川や湖を漕いでいるゲストのベテランカヤッカーのご指名は、ダガー(メーカー)ザイディゴ(艇名)。

「ザイディゴさーん。ご指名ですよー」。ガイド艇とあわせて、ダガー4人衆の小さな川旅です。

*ザイディゴ・コクピットが大きく沈脱がしやすい・ボトムがフラットで安定性がよい・荷物も積める。

 水量少なく流れの遅い川だけど、長い距離を下る予定なので、

ろくに馴らしもせずに、いきなりスタート。初っ端の瀬に飛び込みました。

 もう20日もまとまった雨がない川は、秋痩せ?流れがとてもスリムになってます。

水の透明度はとても高く、たくさんの魚の姿や、

浅瀬では石に張り付いたボウズハゼの姿もよく見えます。

 パシャパシャ!禁漁間近のアユが水面を跳ねている。円をかくように丸く。

水中に、スッと消えるかのような滑らかな動作で、鵜が潜っていきました。

 秋の川は、風がとまる時間が多い(晴れていても)。岸辺を彩る秋の花も動かない。

水鏡のような水面に、まだ夏のような雲が映っている。雲を割いてカヤックは下ってゆく。

 陽ざしは強く暑いけど、瀬で被る水、手を浸す水が心地イイ。

川原キャンプにきた家族連れの子供たちは、嬌声を上げてバシャバシャと水と戯れてます。

川面の水温24度。1日目は、口屋内沈下橋まで。

 秋の朝の川は、やわらかな光りの中で、穏やかにゆったりと流れています。

「流れの緩さ、昨日の疲れ、フライトの時間を考慮し2日目の今日は5キロの距離にしました。

距離は短いけど景色はよいコースなので、景色も楽しみながらのんびり行きましょう」

 流れがあるところは手をやすめ、トロ場はゆっくりゆっくり漕いでゆく。

ふと目を上げた川岸に、サザンカの白い花が咲きはじめてました。

♪二人咲いても冬の花 春はいつくるさざんかの宿~♪

 

 2日目は、勝間まで。昼前に勝間の沈下橋でゴールです。

季節外れの暑さの秋。3つの沈下橋を通過する小さな川旅でした。

*ツアー画像CDは、10月11日に発送(郵送)しました。お楽しみに~。

 


川遊びが楽しいDAY

2000-12-18 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温35度。

 カキーンと晴れた夏空。ギラギラ太陽がジリジリと肌を焼きます。

ひたいに吹きだした汗が、ほほを流れる。ザブザブ川遊びにはサイコーの日です。

 

 今日のアークツアーは、1ディBコース(口屋内スタート)。

ツアー前半は、黒尊川での川遊び、後半は、四万十川をカヌーで下るツアーです。

僕らはまず、透明度たかい黒尊川の淵にザブーンと飛びこみました。

黒尊川の水温25度。

 

 黒尊川からあがった僕らは、沈下橋から飛びこんだあと、カヤックで四万十川をくだりました。

途中の川原に上陸し、川につかりながらランチタイム。四万十川の水温は、28度。

真夏のはじめの、暑い空気が、ぬるい川の水が、なんともフレッシュに感じられます。

そして透きとおった水にプカッと浮かび、

あおむけで目を閉じれば「うーん、ストップ ザ ワールド」です。

*Bコースの黒尊川川遊びは2パターンあります。

*風向きによっては、午前はカヌー、午後は川遊び、に変更するコトも。

その①

 AM:沈下橋近くの黒尊川の淵に歩いて行き、シュノーケル&水中眼鏡で川遊び。

2 AM:水の流れがゆるやかな場所で、カヤックの漕ぎ方と練習。ランチタイム。

 PM:口屋内沈下橋から飛び込み、その後カヤックを漕ぎ出し、川をのんびりと下って行く。

  

その②

 AM:黒尊川中流域から、川に入り、ライフジャケット&水中眼鏡で川を下る。

 AM:四万十川に戻り、水の流れがゆるやかな場所で、カヤックの漕ぎ方と練習。ランチタイム。

 PM:口屋内沈下橋から飛び込み、その後カヤックを漕ぎ出し、川をのんびりと下って行く。

 

*夏季(7月~9月半ば)のBコースは、川遊びメイン。

黒尊川&四万十川・川遊び&カヌー。カヌー漕行約6キロ。

 

水量が少ない時の夏の四万十川は、川の流れがゆるやかな区間が多く、向かい風もきつく吹きます。

カヤック初心者の方は、炎天下の下、1日8キロ~10キロも漕げばバテちゃいます。

*アークツアーは、漕ぐこと自体(距離を)を目的としていません。

限られた時間の中で、いかに四万十川の水の自然を楽しめるか、を考えています。

真夏が始まった!

夏の四万十を、arkツアーでのんびりたっぷり遊んでくださいね。

透明度の高い黒尊川の淵。沢山の水中の生き物が見えます。

夏空の川にじゃーんぷ!

水に浸かって昼食。今日のメニューは?

見渡す風景は空と山と川。僕ら以外に人の姿は見えない。

 また遊びにきてね!


風と風とが出会うところ

2000-12-17 | よく読まれている記事(レター&雑文以外で)

 最高気温12度。

 「水と水とが出会うところは、風と風とが出会うところでもある」

まだ春浅い四万十川が僕に教えてくれたコト。

 

 早春のある日(3月9日)。

僕らは、カヌー(カナディアン)に・テーブル・イス・昼食・飲み物を積んで、リバーピクニックに出掛けました。

ひとあし早い春のおとずれを、水の上でも感じたくなったのです。

コースは、津大橋(西土佐網代)~口屋内沈下橋(口屋内村)まで。漕行11キロ。

 

 晴れた川は北風が強く、流れる雲が陽を隠せば、風の冷たさをヒシヒシと感じます。

カヌーを押しスバヤク乗りこみ、少し波立つ水面にスイーッと滑りだす。

長靴をわすれた僕は、のりこむ時、うかつにも水に足をぬらしてしまいました。

「うーん、足がひやい・・・。でも、アタマのうえが広いのは、キブンがイイね!」

久しぶりに水面から見渡す川景色は、とてもシンセンに感じられます。

カヌーの上から川に手を浸してみる。春先の川の水は、まだとても冷たく、20秒ほどで指先がいたくなってきます。

川面の水温は10度くらいか?やせた川の水の透明度は、まぁまぁといったところ。

 

 北風に押されながら、カヌーはゆっくりと川を下ってゆきます。

早春の川岸をいろどるのは、芽吹きたてのヤナギ(春告げ木)の萌葱。菜の花の黄。

あと10日ほどでサクラも咲きはじめれば、まだハダカの落葉樹の芽もつぎつぎとほころぶでしょう。

じこじこと色が増えてゆく春の岸べ。僕らは、明るい春を漕いでゆく。

ガラガラ。ん?音のした方をみる、と白いお尻をふりふりシカが斜面を登っていきました。

 

 6キロほど下って川原に上陸、ランチタイムです。 

メニューは・パン(リエイロさん、サンキュー)・シチュー・コーヒー。

時折ごうごうと吠える風にテーブルごと川に吹き飛ばされそうになり、ややアセル。

昼食後、再びカヌーに乗りこんで出発!口屋内沈下橋まで、あと5キロ。

 

「風と風とが出会うあうところ 」

 

 「むかい風がきつくなったにゃー」前部漕者の平塚さん。

「きついっすねぇー」後部漕者の僕がこたえる。

もうすぐゴールの口屋内沈下橋。

その手前の長いとろ場の途中で、トツゼン風向きが南にかわってしまいました。

それまでは北風が、僕らの背中とカヌーをぐいぐいと下流に押してくれてたのに。

 

 キツイむかい風にぐらつくカヌー。平塚さんが右ナナメ前方を指差して言う。

「あそこに黒尊の谷があるろ、この向かい風は、黒尊の谷を吹き抜けてきた強い風が

本流にでて対岸の山にあたる。そこで分かれた風の一方が上流(かみ)に吹きつけてるんよ」

四万十川の支流黒尊川の水は、口屋内村で四万十川本流の水に合流しています。

「水と水とが出会うところは、そうか、風と風とが出会うところでもあるんだ・・・」

そんな小さな発見を、僕は少し嬉しく思いました。

 

 ゴール手前のきつい向い風のとろ場を、

わっせわっせと漕ぎ、午後のはやい時間に、口屋内沈下橋にブジ到着。

ふと見上げた川岸には、フジツツジの花も咲きはじめていました。

 

*平塚さん:シマムタ共游国(レンタルカヌー)

*とろ場:水の流れがゆるいところ

*タイトルは、レイモンド・カーヴァー詩集「水と水とが出会うところ」より