アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

レターフロムS10「春待ちノロマライフ」

2024-02-17 | レターフロムS

書き直しレターフロムS 10 「春待ちノロマライフ」 期間限定公開中

 2月中旬。

激しい南風が、うなりながら四万十を駆けぬけて行きます(春一番)。

冬のひやい北西風にウンザリしていた身には、なんとも嬉しいぬくい南風だけど、

大風は、我が家のベランダの庇(波板)も、吹き飛ばして行ったのでした。あらら。

 

 風の威力は、これまであちこちのフィールドで体験してきましたが、

この四万十川でも、「風のパワーってスゲー!」と驚いたことが何度かあります。

そのひとつは、以前あるカヌー施設でバイトしてた時のデキゴト。

大風の日に、川原にカヌー(カナディアン)&カヤック数艇を置きっ放しにしていたら、

激しい突風が、一瞬にして艇を空に舞いあげた。まるで木の葉でも吹き飛ばすかのように軽々と。

「うわっ、スゲー!空飛ぶカヌーだ・・・」

そして空を舞った艇は、川原のあちこちに、ガシャ、ドスン!と落ち、ガラゴロと転がったのでした。

散らばった艇を集める。一艇のカヌーが行方不明・・・。いくら周囲を捜しても見当たらない。あれれ?

捜索の結果、川まで吹きとばされたカヌーは、速い水(増水してた)に乗り、下流に流された、と判明。

川で遊ぶときは、水かさだけでなく、風の強さにも注意が必要ですね。

 2月18日。

朝の庭は、ピラカンサの赤い実をついばみにやってくる、

・ジョウビタキ・ヒヨドリ・メジロ・シジュウカラで、ぴーちくぱーちくとにぎやかです。

「ホーホケキョ!ケキョ・ケキョ!」。そこにウグイスのさえずりが。おおっ、初聞き!です。

少し離れた電線の上では、一羽のモズが「オイラにはカンケーないけんね」と高鳴いてます。クールですね。         

 

 2月末。

陽ざしたっぷり、ポカポカ陽気の日。最高気温は19度。

今年初、Tシャツ姿で近所を散策しました。

重い冬服を脱ぎすて身軽になると、なんだか気持ちも軽くなるような気がします。

「はやいとこ、Tシャツ&短パン&ビーサンの季節にならないかな・・・」

夏は、短パンいっちょうで外をうろうろしてても特に問題はナッシング。

都会(マチ)で暮らしてると、こうはいきませんね。田舎暮らしの気楽さです。

 

・ウメの薄紅・サクラのピンク(早咲き)

・菜の花の黄色・フグリの青紫・ホトケノザの赤紫・タンポポの白。

じゅんじゅんに咲く春の花が、早春の里山にじこじこと色をつけてます。

樹木の冬芽も大きくふくらんで、本格的な春近し、です。

*じこじこ(土佐弁):少しずつ、ゆっくり

 

 冬のあいだは、カラカラに乾いてたフィールドに、あたたかな雨が降る日も増えてきました。

ひと足はやい春の訪れを感じさせる、恵みの雨。冬から春へ、空もうつりかわっています。

少し水量が回復した四万十川の水温は、15~16度。

1月末の水温は8度なので、ひと月で8度も水温が上がったコトになります。

 

 明日から3月。いよいよ「カヌー&キャンプ」が楽しいシーズンの到来です。

アークでは、昨年度以上に皆さんが楽しめる個性的なツアーをご用意してお待ちしています。

少し足をのばして、四万十に遊びにいらして下さいね。   

 3月初旬

3月第1週は、寒のもどりでひやい(寒い)日が続きました。

7日(日曜日)は、今シーズン3度目の積雪に。

毎年のように雪が降る3月のはじめ。それはまるで、春を迎える儀式のようです。

 3月14日。

春は、ネコの目天気。空は、クルクルとよく変わります。

風向きもかわりやすく、あたたかな南風が吹く日も増えてきました。

13日、14日は、日差しポカポカのぬくい週末。南風。

13日は、春の足摺の海を漕ぎ、翌14日は、春の四万十川を漕ぎました。

13日の足摺の海の様子は(シーカヤックツアーの下見)、次回のレターに、書きます、書きます。

 

 14日朝。カーテンの隙間から差し込む光に、良い天気の予感を感じました。

ポカポカ陽差しのベランダで、のそのそと遅い朝メシを食べ、

だらだらと日光浴をした後、車にカヌーを積み、ようやく出発!

時計を見ると、あらら、もうすぐお昼ではないですか。遅くとも10時には出発する予定だったんだけど。

「また、やっちゃった・・・」どうにかならないかな、このノロマライフ。

 

 江川崎に向かう車中、川べに、モクレンの白い花が見えました。

「ほおっ・・・」

その花の鮮やかさに、思わず車を止めて見とれていると、フイに胸を衝かれてしまいました。

めぐる季節にもう2度と逢えない人を思い出して。

 今回は、カヌー(カナディアンタイプ)を1人で漕いでくだります。

江川崎カヌー館上流の川原からスタート。岩間の沈下橋まで。約8キロ。

 

 スタート地点に到着すると雲は、

今日も出遅れた僕をあざ笑うかのように、空を灰いろに閉ざしまいました。

「しょーがねえべ・・・」。荷物を積んでGO!

気温18度。水温14度。水の透明度は、3~4メーターほど。

3月に入り雨量は増えたけど、川の水量は少なめです。

 

 空は雲っているけれど、寒くはありません。ぬくい南風が心地良い。

芽吹きたてのヤナギの萌黄が、岸べを鮮やかに彩っています。

春告げ木でもあるヤナギ(僕が勝手にそう呼んでいるだけですが・・・)。

今年は、例年よりもすこし芽吹きが早いかな?

このぶんだと、20日開花予想のソメイヨシノも、17~18日頃には咲きはじめそうです。

画像はイメージです。

 大きなウグイや鯉が、カヌーの下をゆうぜんと泳いで行く。

「フィ、フィ、フィ、フィー」

目黒川との合流地点で、カジカ蛙が美しい声で鳴きました。

「もう川の中にも春が来ているのだ。アユの子ものぼってきてるかな?」

 

 菜の花に見送られながら、カヌーはゆっくりと下って行きます。

とろ場(流れのゆるやかな箇所)で、キャンプ用のストーブに点火し、コーヒーをいれる。

「春色の川を愛でながら飲むコーシー。うーん、いいではないか・・・」

水ぬくむ春。あたたかなコーヒー、南風、春景色に、

冬にこわばった「春待ちノロマライフな男」のカラダとココロもじこじことぬくんでゆきました。



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