金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【雑感】花粉症ビジネスは製薬会社の屋台骨!

2019-03-26 07:53:07 | 雑感
 30年来の花粉症(スギとヒノキ)であります。

 1月の中旬から抗アレルギー剤を服用して、3月4月は目薬と点鼻薬が手放せません。すべて処方箋薬ですので、健康保険からの支出も含めた総コストはかなりの額になります。私のような花粉症患者は2000万人とも3000万人とも言われていますので、日本の薬品会社にとって、このビジネスは屋台骨を支える大ビジネスになっていることは間違いありません。(この他にも、店頭薬やマスクなども花粉症ビジネスの恩恵を受けますので、実際の収益効果は計り知れません)

 ところで、私は東京の西の方に住んでいるせいか、高尾山ハイキングがお気に入りです。年に3~4回は高尾山に出かけるのですが、実はこの高尾山、御神木が「杉」なんです。(樹齢数百年の杉がたくさん並んでいます。珍しい形態となった神木(蛸杉など)もあります)

 そして、高尾山信仰の多くの信者が毎年毎年、たくさんの杉を植樹するための寄付を行っています。これ自体は全く問題はありませんが、気になるのが、製薬会社の多くがここに多額の寄付をしているのです。寄付を寄せた法人個人の名前をお札で飾ってあるので、すぐに判ります。
 さらに言うと、恐らくですが、「札に名前を書かないで‥」と、目立たないように寄付を行っている製薬会社はもっとたくさんいると思います。
 もちろん、そこに悪意はないとは思いますが、これこそ「マッチ&ポンプ」の最たるものではないでしょうか。

 こういうケース、ESGの世界ではどう評価するのでしょうかね?

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【金融】AIと資産運用 番外編 将棋ソフト(AI)とプロ棋士たち

2019-03-25 11:42:50 | 金融マーケット
 本日は番外編です。AIというと将棋の世界を例に語られることが多いので、本日は将棋とAIについてお話します。

 現在はAIブームであるため、将棋AIと呼ばれるようになりましたが、以前は「将棋ソフト」と呼ばれていました。将棋ソフトの起源はコンピューターチェスにあります。将棋よりも選択手が少ないチェスの世界では、1970年代からコンピューターによるソフト開発が盛んでした。その際に導入された仕組みが「形勢ポイント」。先手と後手、どちらが優勢なのか、どの程度優勢なのかをポイント表示で示す仕組みです。これは数多くのチェス図面や、さまざまな局所パターンを覚えさせて、それぞれに最適な優勢ポイントを示す仕組みなのですが、このポイントが最も多く得られる場所へ、コンピューターは次の一手を打つことになります。
 最初のうちは、このポイントの付与が甘すぎたり、厳しすぎることで歪な手を打つことが多かったのですが、多くの局面を順次覚えさせることで、適正なポイント付与ができるようになってきました。その結果、1996年には、ディープ・ブルーというソフトが人間の世界チャンピオンを破るまでになったのです。

 将棋ソフトの開発が盛んになったのも、チェスのディープ・ブルーが出たあとだったと思います。ボナンザという有名なソフトを、当時の渡辺竜王がギリギリねじ伏せたりして、暫くはプロ棋士が踏ん張りを見せていましたが、ついに2017年、佐藤天彦名人が電王戦で将棋ソフトに完敗するに至り、AIと人間の闘いというステージは終焉を迎えました。
 しかし、プロ棋士同士の闘いの人気は落ちないどころか、むしろブームを迎えていますし、そうした将棋の発展のために、ボナンザのような将棋ソフト(AI)の活用機会はさらに増えている状況にあります。

 将棋の世界がそうであるように、AIの活用により「人の居場所がなくなる」というネガティブ意識ではなく、むしろAIに任せる作業を増やして、人間らしい付加価値をつけられる時間を増やしていこうという流れが正しい方向性だと思います。

 くれぐれも、AIという言葉で「万能な存在が現れる」だとか、「人間がとても敵わない存在である」とか、人間自体が思考を止めることがないように、またそれを悪用して儲ける輩が出てこないように、我々は目を凝らして注意していかねばなりません。
 人間の強みはまだまだ無くなりません。頑張って参りましょう!

 

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【競馬予想】モズスーパーフレアとダノンスマッシュ 脅威の血統構成!

2019-03-24 08:33:44 | 競馬
 本日の高松宮杯、上位人気を占めるこの2頭の血統構成には、あらためてビックリしています。

 以前、スピード因子の王道は「ミスタープロスペクター系」であると申し上げました。さらに「ノーザンダンサー系」のスピード血脈で、仕掛け始めてからの反応がピカ一なのが「ストームキャット系」という話もしました。ちなみに、ノーザンダンサー系のスピード血脈で世界的に最も評価されているのは「ダンチヒ系」であり、さらに、それに並ぶスピード血脈としてアメリカで広く繁栄しているのがボールドルーラー系、というのも世界の常識です。

 何とモズスーパーフレアは、父がミスタープロスペクターの直系の孫であるとともに、父母がストームキャット産駒、母父がダンチヒ産駒、さらに母母母をはじめボールドルーラー系5×5×5という、オールスター揃い踏みのスピード血脈なのです。これはもう奇跡のスピード血脈というしかありません。

 一方のダノンスマッシュですが、ロードカナロア産駒ですので、当然ながら父はミスタープロスペクターの直系、父母がストームキャット産駒、母父がダンチヒ産駒、さらにミスタープロスペクター系4×4という、これまたほぼパーフェクトなスピード血脈なのです。
(したがって、この2頭、血統的な背景がそっくりなんです!)

 華麗な血脈過ぎて、もう頭の中がクラクラするくらいです。スピード血脈オールスターという点で、僅差ですがモズスーパーフレアに軍配が上がると考えておりますので、⑮モズの単勝と、⑮モズと⑬ダノンの馬連にドカッといきたいと思います!

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【競馬予想】これから4週間、ダノン祭りだと思いきや・・

2019-03-23 07:30:39 | 競馬
 今週からGⅠが連続開催されます。
 特に、高松宮記念のダノンスマッシュ、大阪杯のダノンプレミアム、桜花賞のダノンファンタジー、皐月賞のダノンキングリーと、大本命や有力候補が続くため、「ダノン祭り」開催! というのが本日掲げようとしたタイトルだったのですが‥。

 何と、来週の大阪杯の不動の本命ダノンプレミアムが回避することになり、様々な憶測が飛び交っています。詳細は木曜日の当ブログをご参照下さい。

 したがって、「ダノン祭り」のタイトルを取り下げましたので、ここから4週間、是々非々で、個性的な本命馬を探していきたいと思います。

 さて高松宮記念といえば、何といっても卓越したスピード力の祭典です。比類なきスピードで鮮やかな逃げ切りシーンを期待したいと思います。もちろん、中京の芝1200mは逃げるよりも指し有利なのは先刻承知。しかし、鞍上の武豊騎手は強い逃げ馬に乗ったら無敵です。フェブラリーSのインティの例を出すまでもありません。

 モズスーパーフレア本命で勝負します。

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【金融】AIと資産運用 その4 真の活用方法はプロセスの中にあり!

2019-03-22 07:46:51 | 金融マーケット
 過去2回は、AIと資産運用というと、よく勘違いされやすい2つの事例についてお話ししました。一つはAIが万能だと思い込むがゆえに迷い込む世界、もう一つは大したこともない内容を、AIという言葉であたかも凄いものとして見せる世界、です。

 それでは、逆にAI技術をきちんと活用している事例というのは、どのようなものがあるのでしょうか? 資産運用の世界では、この部分は比較的はっきりしています。「従来の運用商品の運用プロセスの中で活用し、品質向上につなげている事例」ということです。こう言うと「何だ、つまらない。当たり前じゃないか!」と叱られるのですが、現実はそういうものなのです。

 例えば、従来はアナリストが地道に読みこなして判断していた日銀短観やエコノミストの経済見通し、さらにはセルサイドアナリストの分析レポートなどの「変化度合い」、すなわちネガティブな変化なのか、ポジティブな変化なのか、それがどの程度なのかを、「テキストマイニング」というAI技術を使って、レポート発表後数秒で素早く判断できるプロセスを作り上げている運用会社があります。今までは早くても数時間、遅いと数日もかかっていた作業が数秒で終わりますから、大きなアドバンテージになります。

 また、株式のポートフォリオを組む場合、業種毎に銘柄を管理していく手法は一般的ですが、現在は各企業ともに新分野へ参入したり、伝統分野から撤退したりで、企業の業種自体が日々変化する時代に入っていることから、業種分類を常に株価の動きだけで、日々分類し直すというプロセスを導入している運用会社もあります。その作業には、過去の膨大なデータも含めたディープラーニングによる判定が適用されており、このプロセスは「スマートβ」と呼ばれる新たな指数の構築にも利用されています。

 このように、伝統的な資産運用プロセスの一部において、AI技術を取り入れることで、今までは見えなかった関係性が明らかとなり、その結果、運用商品の品質が格段にアップするということが現実に発生しています。その際に大切なのは、AIにすべてを任せるのではなく、AIによって得られた関係性の理由を、卓越した仮説力により普遍化するプロセスが入るということ。このプロセスは人間にしかできない仕事であり、そこで差別化する力を持った者だけがAI技術を真に活用できるという事実です。

 「データをただ大量に集めて、ディープラーニングを使い、その結果にベットしていけば、勝利はあなたのもの」などと、コンサル会社やIT会社は営業をかけてきますが、多額のシステム経費と、ごく当たり前の検討結果だけが「成果」として残ることになります。そうした甘い言葉に乗るべきではないのは当然ですが、AI時代こそ、人間としての総合能力=仮説力が、より重要な付加価値となり、それが差別化要因になることを強く申し上げておきたいと思います。


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