本日は番外編です。AIというと将棋の世界を例に語られることが多いので、本日は将棋とAIについてお話します。
現在はAIブームであるため、将棋AIと呼ばれるようになりましたが、以前は「将棋ソフト」と呼ばれていました。将棋ソフトの起源はコンピューターチェスにあります。将棋よりも選択手が少ないチェスの世界では、1970年代からコンピューターによるソフト開発が盛んでした。その際に導入された仕組みが「形勢ポイント」。先手と後手、どちらが優勢なのか、どの程度優勢なのかをポイント表示で示す仕組みです。これは数多くのチェス図面や、さまざまな局所パターンを覚えさせて、それぞれに最適な優勢ポイントを示す仕組みなのですが、このポイントが最も多く得られる場所へ、コンピューターは次の一手を打つことになります。
最初のうちは、このポイントの付与が甘すぎたり、厳しすぎることで歪な手を打つことが多かったのですが、多くの局面を順次覚えさせることで、適正なポイント付与ができるようになってきました。その結果、1996年には、ディープ・ブルーというソフトが人間の世界チャンピオンを破るまでになったのです。
将棋ソフトの開発が盛んになったのも、チェスのディープ・ブルーが出たあとだったと思います。ボナンザという有名なソフトを、当時の渡辺竜王がギリギリねじ伏せたりして、暫くはプロ棋士が踏ん張りを見せていましたが、ついに2017年、佐藤天彦名人が電王戦で将棋ソフトに完敗するに至り、AIと人間の闘いというステージは終焉を迎えました。
しかし、プロ棋士同士の闘いの人気は落ちないどころか、むしろブームを迎えていますし、そうした将棋の発展のために、ボナンザのような将棋ソフト(AI)の活用機会はさらに増えている状況にあります。
将棋の世界がそうであるように、AIの活用により「人の居場所がなくなる」というネガティブ意識ではなく、むしろAIに任せる作業を増やして、人間らしい付加価値をつけられる時間を増やしていこうという流れが正しい方向性だと思います。
くれぐれも、AIという言葉で「万能な存在が現れる」だとか、「人間がとても敵わない存在である」とか、人間自体が思考を止めることがないように、またそれを悪用して儲ける輩が出てこないように、我々は目を凝らして注意していかねばなりません。
人間の強みはまだまだ無くなりません。頑張って参りましょう!
現在はAIブームであるため、将棋AIと呼ばれるようになりましたが、以前は「将棋ソフト」と呼ばれていました。将棋ソフトの起源はコンピューターチェスにあります。将棋よりも選択手が少ないチェスの世界では、1970年代からコンピューターによるソフト開発が盛んでした。その際に導入された仕組みが「形勢ポイント」。先手と後手、どちらが優勢なのか、どの程度優勢なのかをポイント表示で示す仕組みです。これは数多くのチェス図面や、さまざまな局所パターンを覚えさせて、それぞれに最適な優勢ポイントを示す仕組みなのですが、このポイントが最も多く得られる場所へ、コンピューターは次の一手を打つことになります。
最初のうちは、このポイントの付与が甘すぎたり、厳しすぎることで歪な手を打つことが多かったのですが、多くの局面を順次覚えさせることで、適正なポイント付与ができるようになってきました。その結果、1996年には、ディープ・ブルーというソフトが人間の世界チャンピオンを破るまでになったのです。
将棋ソフトの開発が盛んになったのも、チェスのディープ・ブルーが出たあとだったと思います。ボナンザという有名なソフトを、当時の渡辺竜王がギリギリねじ伏せたりして、暫くはプロ棋士が踏ん張りを見せていましたが、ついに2017年、佐藤天彦名人が電王戦で将棋ソフトに完敗するに至り、AIと人間の闘いというステージは終焉を迎えました。
しかし、プロ棋士同士の闘いの人気は落ちないどころか、むしろブームを迎えていますし、そうした将棋の発展のために、ボナンザのような将棋ソフト(AI)の活用機会はさらに増えている状況にあります。
将棋の世界がそうであるように、AIの活用により「人の居場所がなくなる」というネガティブ意識ではなく、むしろAIに任せる作業を増やして、人間らしい付加価値をつけられる時間を増やしていこうという流れが正しい方向性だと思います。
くれぐれも、AIという言葉で「万能な存在が現れる」だとか、「人間がとても敵わない存在である」とか、人間自体が思考を止めることがないように、またそれを悪用して儲ける輩が出てこないように、我々は目を凝らして注意していかねばなりません。
人間の強みはまだまだ無くなりません。頑張って参りましょう!