ペンス元副大統領が、早くも2024米大統領選から撤退を決めました。
米共和党の伝統的保守層から支持を受ける大本命候補のはずが、共和党支持者の僅か6%程度の支持しか得られず、この時点での撤退を余儀なくされました。一方、トランプ元大統領は、共和党支持者の約60%強の支持を得ており、現時点では、共和党側のダントツの本命候補の地位を確保しています。
3年前の米国議会襲撃事件を扇動した人物が、すなわち、民主主義の根幹を揺るがした張本人が、あらためて共和党推薦の大統領候補の本命として、2024年の大統領選挙に臨む可能性が極めて高い状況となっています。
ワタクシ個人の意見を申し上げれば、共和党と民主党を比べれば、保守的な共和党を支持してきた立場の日本人代表の一人ではありますが、さすがに「トランプ大統領」の再登場だけは、アメリカ合衆国にとっても、世界にとっても、あってはならぬ事態と考えております。
これは、イデオロギー以前の問題なのであります。すなわち、自分に都合の悪い選挙結果を無効だと主張し続けて、挙げ句の果てに、民主主義の殿堂である米国議会を襲撃するよう、自らの支持者を扇動した人物がトランプ前大統領であります。この人物を、あらためて、世界で最も重要な政治ポストに就かせることは「絶対にあってはならない」という想いから、そう申し上げています。
民主主義の盟主たるアメリカ合衆国が、その地位をかなぐり捨てるのか否か。そして、中国やロシアと同じように、実質的な独裁制、すなわち帝政と呼んでもよい体制への道を突き進むことになるのか否か。
トランプを選ぶということは、民主主義という我々の生きる基盤を崩すことと同義であります。それをいくら声を高々に訴えようとしても、新聞も読まず、CNNも観ないトランプ支持者たちの耳には遠く届きません。
迷走するアメリカ民主主義。
これを修正する力が、アメリカにまだ残っているのか。
これが問われる2024米大統領選。いよいよ幕が切って落とされようとしています。