最初は香港ヴァーズ。勝ったのは、日本馬ディープインパクト産駒グローリーヴェイズ。最後方待機から、直線に入るところで1番外へ持ち出して、好位から先に抜け出していた英国馬パイルドライヴァーと仏国馬エベイラを、キッチリ差し切ったところがゴール。モレイラ騎手が、測ったような差し切り勝ちを演じてくれました。2019年に続いて、香港ヴァーズ2勝目となりました。
次は香港スプリント。勝ったのは、香港馬のスカイフィールド。今回は4コーナー過ぎで、数頭が巻き込まれた落馬事故があったので、正直、結果についてはコメントがありません。日本馬でも、福永祐一騎手騎乗のピクシーナイトが巻き込まれてしまいました。馬も騎手も、その後の状況が心配でありますが、その他、日本馬のレシステンシアもダノンスマッシュも影響を受けました。それでも、レシステンシアは立直して2着まで追い上げました。
【追】月曜日の早朝になって、ピクシーナイトの右前膝の骨折と、福永祐一騎手の左鎖骨の骨折が報道されています。福永騎手は緊急処置を施したのち、すぐに帰国可能となるでしょうが、2~3か月はレースに騎乗するのは難しいでしょう。一方、ピクシーナイトは暫く帰国時期すら決まらない状況だと思います。馬も不安だと思いますので、少しでも早く帰国できることを祈りたいと思います。
それから香港マイル。勝ったのは、地元香港の絶対王者ゴールデンシックスティ。中団好位待機から、直線では、先に抜け出していたサリオスを並ぶ間もなく交わして、そのまま押し切る強い勝ち方。これで16連勝。日本陣営も、ほぼ最強メンバーを揃えていただけに、この結果に脱帽という感じ。2着は地元香港のモアザンディス、3着は、前々から粘り切ったサリオス。ハイレベルのマイルでの闘いで、この3着は立派だと思います。
そして香港カップ。勝ったのは、日本馬ディープインパクト産駒ラヴズオンリーユー。好スタートから中団待機を選択。直線手前では、前を塞がれる不利もありましたが、先に抜け出した香港馬ロシアンエンペラーを追いかけながら、外から差してきた日本馬ヒシイグアスとの競合いも制して、クビ差だけ前に出たところがゴール。2着はヒシイグアス、3着はロシアンエンペラー。
これでラヴズオンリーユーは、今年だけで海外GⅠを3勝。また日本馬として米国BC初勝利という勲章も手にしており、まずは年度代表馬候補に名乗りを挙げたと思います。矢作芳人調教師は、コントレイルの復活まで苦しんだ1年ではありましたが、この孝行娘のおかげで、別のご褒美がある1年になりそう。