昨夜の「令和6年能登半島地震」によって、石川県能登半島を中心に大きな被害が出ているようです。
被災された皆様に対して、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
また、これから被災地へ救助活動およびライフラインの復旧活動に赴く消防隊員・自衛隊員の皆さん、また電力会社の皆さん、そして市町村役場の皆さん、さらにはボランティアで支援活動を行う皆さんに対しては、本当に頭が下がります。皆さんは我々日本人の誇りであります。当方も出来るだけのサポート活動あるいは支援方法を考えていきたいと思います。
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正月2日目は、例年どおり、今年の将棋界を展望させて頂きます。
2024年の将棋界は、藤井聡太八冠が統一した将棋界の天下を、他のプロ棋士たちが総力を挙げて潰しにいく図式になります。
まずは、振り飛車の名手である菅井竜也八段が藤井聡太王将に挑みます。新年の1月7日(日)8日(月)から、第73期 王将戦七番勝負の第1局が、栃木県大田原市の「ホテル花月」で行われる予定。
実は藤井聡太王将、自らは振り飛車を選択することがありません。恐らくは、AIソフトの形勢評価において、振り飛車は序盤から不利と評価されていることが多いため、藤井聡太王将の研究対象の優先順位が低くなっていると思われます。一方、その分、十分な研究が為されているとは思えず、時々、振り飛車を得意とするプロ棋士に苦戦を強いられるシーンが見受けられます。
この王将戦では、現プロ棋士の中ではNO.1の「振り飛車党」と評価されている菅井竜也八段ですから、これまでの研究成果の最深部まで駆使しながら、真っ向から藤井聡太王将にぶつかっていくものと思われます。藤井聡太 対 振り飛車 という図式は、将棋界が大注目する七番勝負になると思います。
そして、その王将戦の真っただ中の2月4日(日)から、これまた注目の対決が始まります。第49期 棋王戦五番勝負の第1局が、富山県魚津市の「新川文化ホール」で開催されます。藤井聡太棋王に挑むのは、棋王と同世代21歳の伊藤匠七段。昨年の竜王戦に続いてのタイトル戦登場となります。竜王戦では、残念ながら自らの力を出せないまま敗退してしまいましたが、今回は二度目のタイトル戦として、肝の据わった勝負を仕掛けてくると思います。新時代を担うふたりのプロ棋士の熱戦が展開されると思います。
4月からは、第82期 名人戦七番勝負が始まります。A級順位戦では、豊島将之九段が6勝0敗、菅井竜也八段が5勝1敗、永瀬拓矢九段が4勝2敗と続いていますが、直接対決が残る豊島将之九段と菅井竜也八段の二人が優位に立っていると言えるでしょう。菅井竜也八段ならば、前述したとおり「振り飛車」を駆使した闘いが予想されますし、豊島将之九段であれば「元藤井聡太キラー」として、序盤戦から新機軸を見せる戦術を用意してくると思います。
その他としては、日本将棋連盟会長でもある、レジェンド羽生善治永世七冠が、叡王戦の段位別予選を勝ち抜いて決勝トーナメントに進出しました。藤井聡太叡王への挑戦を決めて、また100冠目を目指す闘いを見せてくれるのか、大変楽しみであります。
いずれにしても、藤井聡太一強時代が長く続くようでは、将棋界の人気もやがて衰えてしまい、将棋文化の発展も勢いをなくしてしまうと思います。
今年は、藤井聡太八冠独占を崩すよう、全プロ棋士の奮起を期待したいと思います。