金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【北米リーディングサイヤー推移 考察①】 サンデーサイレンス不在の影響は大⁉ <再掲>

2023-11-09 01:29:36 | 競馬

 2023年1月27日28日に掲載した「北米リーディングサイヤー推移 考察①②」は、今でもよく読まれている記事なので、あらためて、ここで再掲載いたします。

 

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 第二次世界大戦後の世界の競馬をリードしてきたのは、明らかにアメリカ競馬であります。アメリカが育てた戦後のスピード競馬が、本家の欧州の競馬も、日本、香港、豪州や南米の競馬も、大きく変えていきました。

 その北米の歴代リーディングサイヤーの推移を追っていくと、気が付くことが1つあります。それは、時代を支配した幾つかのスピード系統が、繰り返し、繰り返し、また北米のリーディングサイヤーのトップに顔を出してくること。

 

 例えば、1955年~1970代まで北米を席巻したナスルーラー ⇒ ボールドルーラーの血脈は、その後も、ワッツアプレジャーラジャババ三冠馬シアトルスルーと続いて、本流のシアトルスルーからは、A.P.インディタピットが北米リーディングサイヤーに輝き続けています。

 また、ボールドルーラー時代を終わらせた、戦後最も偉大な種牡馬ノーザンダンサーの血脈は、リファールダンチヒデピュティミニスターストームキャットと多岐に広がり、そのストームキャットからジャンアントコーズウェイイントゥミスチーフが、そして欧州のサドラーズウェルズ経由でキトゥンズジョイまでも北米リーディングサイヤーに輝いています。

 さらに、北米血脈の基礎と言っても良い、ネイティブダンサー ⇒ レイズアネイティブの血脈は、ミスタープロスペクターアリダースマートストライクと広がり、本流のミスタープロスペクターからはイルーシヴクオリティディストーテッドヒューマーアンブライドルズソングという北米リーディングサイヤーを続けざまに生み出しています。

 最後に、スピード血脈の集大成とも言える、ターントゥ ⇒ ヘイルトゥリーズンの血脈は、名種牡馬ヘイローを生んで、その子のセイントバラードが2005年には北米リーディングサイヤーとなっています。

 

 このように、上記の4つの系統、すなわちアメリカ競馬が育てた4つのスピード系統は、世界の競馬の潮流の源になっているだけでなく、繰り返し、繰り返し、北米の競馬をリードする存在として、北米リーディングサイヤーを生んでいることに気づきます。血の力の底力を感じざるをえません。

 

 それから、よく見ていると、もう一つ気が付くことがあります。

 それは、4つの系統の中で、最後のターントゥ ⇒ ヘイルトゥリーズンの血脈だけが北米内で弱まっていること。それは、けしてこの血脈が弱体化したということではなく、本来、ここに存在すべき偉大な種牡馬が、北米から消えてしまったことが原因だと思われます。

 その馬こそ、サンデーサイレンス本来、北米に存在するはずだった偉大な種牡馬が消えてしまったその影響が、北米の生産界にも顕在化してしまったいうことだと思います。(続く)

 

 

 


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