まずは京都2歳S。勝ったのは、仏産のシユーニ産駒シンエンペラー。後方待機で脚を溜めます。逃げたカズゴルティスの前半1000mのラップは59秒1と速く、流れる展開に。直線に入るとまず、馬場の中央からジャスタウェイ産駒サトノシュトラーゼが先頭に立ちますが、これを目掛けて、馬場の内側からはキープカルム、外からはシンエンペラーとハービンジャー産駒プレリュードシチーが襲い掛かります。ゴール前では、5頭が横に並ぶ大混戦になりましたが、シンエンペラーが1/2馬身抜け出して勝利。良の勝ちタイムは1分59秒8。2着にはプレリュードシチー、ハナ差の3着にサトノシュトラーゼ、アタマ差の4着にはダノンデサイル、クビ差の5着がキープカルム。
勝ったシンエンペラーは、デビューから2連勝で重賞初勝利。兄は凱旋門賞を勝ったソットサスという良血。厳しい消耗戦を制しただけに、もし疲労が残っていなければ、暮れのホープフルSの有力候補に名乗りを挙げたと思います。
2着プレリュードシチーから5着キープカルムまでは僅差。また、馬場は内よりも外が伸びる傾向があったため、この2着から5着の馬に力の差はないと思います。その中で、4番手の位置から3着に粘り切ったサトノストラーゼが、地力では頭一つ上位と言えるかもしれません。
次は京阪杯。勝ったのは、4歳牡馬のビッグアーサー産駒トウシンマカオ。7番手追走で脚を溜めます。逃げたビッグシーザーの前半3ハロンのラップは33秒7と速い流れに。直線に入ると、ビッグシーザーが逃げ粘りますが、馬場の中央からドゥラメンテ産駒ルガル、大外からはトウシンマカオの2頭が襲い掛かり、トウシンマカオが鮮やかに差し切って2馬身差で快勝。良の勝ちタイムは1分7秒4。2着にはルガル、1/2馬身差の3着には、最後方から追い込んできたエイシンヒカリ産駒エイシンスポッター。
勝ったトウシンマカオは、これで京阪杯2連覇。芝1200mでは着実に走ってきます。2着ルガルも地力を見せてくれましたが、やはり専門は1400m。3着のエイシンスポッターは、あらためて鋭い差し脚を見せてくれました。来年のGⅠ戦線でも楽しみな切れ味だったと思います。
そしてGⅠジャパンカップ。勝ったのは、世界最強馬の4歳牡馬、キタサンブラック産駒イクイノックス。好スタートから3番手追走へ。逃げたパンサラッサの前半1000mのラップは57秒6と超ハイペースながら、2番手以降は59秒台と平均ペース。直線に入ると、残り200mのところで逃げ粘るパンサラッサをイクイノックスが交わします。そのまま後続を突き放して、ドラメンテ産駒リバティアイランド以下の追撃にも4馬身差をつけて圧勝。良の勝ちタイムは2分21秒8。2着リバティアイランドから1馬身差の3着には、4番手からドゥラメンテ産駒スターズオンアース、3/4馬身差の4着には6番手からドウデュース、2馬身差の5着には2番手から粘り切ったタイトルホルダー。
勝ったイクイノックスは、完璧なレース運びで、天皇賞秋に続いて圧勝。これでGⅠだけで6連勝。この内容を見れば、すでに今年度の世界最強というだけでなく、JRA史上最強馬という称号も加わる気がします。もちろん、あのディープインパクトとは同格だと思いますが。
ところで、このあとはどうするのでしょうか? 噂通りに「引退」⇒種牡馬入りとなってしまうのでしょうか? まだ父キタサンブラックが若いですから、繁殖牝馬の取り合いになる気もするので、もう1年現役で走らせて、欧州か米国の最高レベルのGⅠを取る挑戦を見てみたい気がいたします。
2着のリバティアイランドも、力を見せてくれました。終始イクイノックスをマークして、これを交わしにいったのでラストは脚が上がってしまいましたが、これはチャレンジャーとしてベストのレースだったと思います。3着のスターズオンアースは、17番枠から4番手という好位置を取って、リバティアイランドと同じ位置から外を走った分の差で、この馬も地力の高さを証明。4着ドウデュースも同様ですが、6番手からだと少し厳しかったか。
有馬記念にはイクイノックスは出走してこないと思いますが、その他の馬による再戦が見れると思いますので、楽しみですね。