どうしても、この闘いは報じないといけません。
12月24日(金)に行われた、第35期 竜王戦1組ランキング戦1回戦で、前竜王の豊島将之九段と、渡辺明名人が早くもここで激突。
まず1局目は、豊島九段の先手番で角換わりの戦型に。序盤から主導権をめぐる激戦が続いて、そのまま中盤へ。終盤に向かいながら、徐々に渡辺名人が差を広げていきましたが、豊島九段の必死の抵抗で、最後の詰め筋までは至らず、両王将が入玉、そして豊島九段が何とか24点を確保したことから、215手で渡辺名人からの申入れにより『持将棋』が成立。先手後手を入れ替えての指直しとなりました。追い込まれていた豊島九段が、上手く持将棋に持ち込んだという内容でした。
第1局が終わったのが、夜の23時17分。ここから第2局が開始されました。先手番は渡辺名人でしたが、第2局も第1局に続いて角換わりの戦型へ。お互い、「もう一丁やり直しましょう!」という意気込みだったのかも。今回も序盤は主導権を巡ってお互い一歩も譲らない展開に。ただし、考慮時間があまり残っていない中にあって、徐々に、戦術面で迷いのない渡辺名人が優勢に。渡辺名人が、最後までミスのない手順を繋いで107手で勝利。2回戦へ進むことになりました。敗れた豊島九段は、出場者決定戦(5位決定戦)へ回ることになりました。
それにしても、12月24日(金)のクリスマスイヴの夜、将棋界の両横綱が竜王戦1組ランキング戦で、深夜2時過ぎまで激闘を繰り広げるとは!
ボクシングに例えて、もう少し判りやすい表現で言うと、朝10時から、翌朝の2時までの16時間にわたって、WBCとWBAの世界ヘビー級チャンピオンが、『足を止めての殴り合い』の激闘を繰り広げるとは!
ボクシングの場合は、どちらかが倒れるまで戦いますが、将棋の場合は、「負けました」と頭を下げて終わりますので、あまり殴り合いには見えないのですが、この対局は、明らかに殴り合いでした。クリスマスイヴの夜に、もの凄い試合を見せて頂きました。