開幕週の小倉競馬場で、衝撃のレースがありました。3歳未勝利戦という地味な舞台ではありますが、芝1800mを1分43秒8の日本レコードで大差勝ち。勝ったのは、父ディープインパクト、母サロミナの良血馬エスコーラ。昨年の有馬記念とエリザベス女王杯の2着馬サラキアの全弟で、あのサリオスの半弟です。1月の中京芝1600mでデビューしましたが、不良馬場で出遅れて4着。その後は体調が整わず、2戦目が小倉開幕週の未勝利戦となりました。
今回の2戦目も、陣営は半信半疑だったようですが、素晴らしいパフォーマンスを見せることになりました。スタートは出遅れたものの、少しづつ前の位置へ。1コーナーを回って向こう正面の途中までは中団で我慢をするものの、周囲のペースが落ちてくると、自分のペースで行きたがり、川田騎手も手応えの良さから、そのまま馬なりで前へ。3コーナー手前では既に先頭、そのまま馬群を置いたまま、マイペースで突き放し、直線は持ったままで、後続には2秒近くを引き離す大差勝ち。いくら開幕週の小倉といっても、1分43秒8の日本レコードは、とんでもないレベルの時計です。
このパフォーマンスだけを取り上げれば、今年のダービー馬シャフリヤールの毎日杯のパフォーマンスに匹敵する内容であり、秋が楽しみな1頭が登場した訳ですが、課題は「気性」。
今日のレースでも、向こう正面で我慢がきかずに、前進を始めてしまいました。走るエンジンの凄さは折り紙付きでも、距離が長くなると、前向きの気性の制御が必要になってきます。場合によっては、エイシンヒカリのように、1800~2000mのスーパー逃げ馬を目指す方が良いのかもしれませんが、今後の気性面の成長を期待して、菊花賞の新星として躍り出てくることを楽しみにいたしましょう!