金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ジャパンカップ終了】 矢作芳人調教師へ贈る言葉

2020-12-01 06:48:52 | 競馬

 世紀のスーパードリームレース、ジャパンカップ2020が終了してから2日。無敗の三冠馬コントレイルを「天からの授かりもの」と宣言して、果敢に史上最強牝馬と無敗の三冠牝馬との闘いに臨んだ矢作芳人調教師の心中は察して余りあります

 「なぜ負けたか?」「何が足りなかったか?」

 天からの授かりものであるコントレイルに黒星を付けてしまったこと、これに対して、悔やんでも悔やみきれない気持ちで一杯で、自分自身を責め続けていると思います

 しかし、ここは小学生の時に、進学塾で机を並べていた同級生として、敢えて申し上げたい。「あまり、気に病むことではないよ。矢作君!」

 

 まず、古馬との最初の一戦は、史上最強と評されたスーパーホースと言えども、苦しい闘いを強いられるものあのシンボリルドルフも、3歳時のJCでカツラギエースとベッドタイムに追いつけず3着、そしてディープインパクトでさえも、3歳時の有馬記念では先行したハーツクライを差し切ることが出来ずに2着でした。

 これは、同世代だけの闘いに比べて、競い合う力のレベルが突然アップすることや、直前の長距離レースである菊花賞に比べて、レースのラップが淀みなく厳しく流れるため、ラップの変化に戸惑うのは当たり前であること。特にラップの問題は、菊花賞組より秋華賞組の方がJCで好成績を収めている理由の一つだと思います。まぁ、こんなことは矢作君にとっては「釈迦に説法」ではありますが‥。

 むしろ、この敗戦の経験を、来年にどう活かしていくのかが問われるテーマです。来年は、2000m前後のレースを選んで走ると思いますが、ドバイターフや、香港カップ、サンクルー大賞、英愛チャンピオンズステークスなど、海外には数多くの芝のスーパー2000mがあります。コントレイルのターゲットは、当然ながら日本一ではなく、不良馬場必至の凱旋門賞制覇でもなく、あくまで「世界ランク1位」であるはず。

 体質の弱かったアーモンドアイが実現できなかった「世界ランク1位」の夢を、コントレイルに引き継ぐ儀式が、先日のジャパンカップ2020であったと、そう捉えるべきだと私は思います。

 負けることで、さらに強くなれるのも競馬。目線の先は、来年の春に向けて参りましょう!


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