金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【大山ヒルズ便り】 放牧中のコントレイルの独り言 ②

2020-12-23 07:03:44 | 競馬

 本日は、コントレイル君に替わり、矢作芳人調教師の独り言です。テーマは『年度代表馬』

 

「え?『年度代表馬』? 過去、3歳牡馬三冠を達成した馬は、みな年度代表馬に選出されているんでしょう。でも、今年はジャパンカップで完勝したアーモンドアイが最有力だと記者たちは話しています。自分は負けた立場なので、何も言う資格はないと。投票する記者の皆さんの考えで決まるものなので」

「ただ、3歳クラシックは一度限りのチャンス。これを全て制覇することと、何回もチャンスがある古馬GⅠとは別に考えるべきだと自分は思います。これは、無敗で牝馬三冠を制したデアリングタクトの偉業も同じで、古馬GⅠ3勝と同列に扱ってはおかしいと思う」

「牡馬三冠の偉業と、牝馬三冠の偉業を、たった1回の直接対決で、それらすべての成果を全部一人占めするようにも見えます。それならば、安田記念でアーモンドアイに完勝したグランアレグリアの評価はいかが? 同じくGⅠ3勝で、あのアーモンドアイに完勝したのですよ。直接対決の意義を重視するのであれば、グランアレグリアがアーモンドアイより上に評価されるべきではないでしょうか?」

「競馬は、ブラッドスポーツ。だからこそ、まずは世代間でクラシックを争う意義がある。3歳クラシックは、ブラッドスポーツを続けていくための基本的な体系です。この体系を蔑ろにするのはおかしい」

「ちなみに、2年連続で三冠馬が生まれた1977年と1978年のアメリカでは、77年の三冠馬シアトルスルーと78年の三冠馬アファームドがそれぞれ年度代表馬なりました。78年には、三冠馬同士の対決が2度(GⅠマルボロカップとGⅠジョッキークラブゴールドカップ)行われて、1年先輩のシアトルスルーが直接対決を2度とも制しましたが、それでも78年の年度代表馬は1年後輩のアファームドとなりました。これは3歳クラシック体系を重視した選択だと思いますし、そういう見識がアメリカの競馬記者の間にはありました。一方、日本のマスコミは過度に世論に流され過ぎる嫌いがあると思います」

矢作調教師、かなりご不満の様子ですが、明日はコントレイル君の独り言に戻ります。(続く)


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