連休中につき、しばらくは、世にも不思議なお話系『伝説シリーズ』をお送りします。
本日はその『伝説シリーズ』の第1回です。第1回目は高速増殖炉「もんじゅ」の名前の由来について、ある伝説をご紹介いたします。
「もんじゅ」の由来は、三人寄れば文殊の知恵、の文殊だというのが定説ですが、実はそうではなく、もともとは「もんじゃ」だったという伝説があります。
ご存知のとおり、高速増殖炉とはプルトニウムを燃料の材料にした原子力発電炉ですが、プルトニウムを使用して臨界を繰り返すことにより、燃料材であるプルトニウムがかえって増えていくという、夢のようなエネルギーサイクルシステムです。エネルギー資源が乏しい我が国にとって、大いなる期待が寄せられた対象ですが、現在は反対運動などもあり、稼働が停止されています。
ところで、なぜ由来が「もんじゃ」なのでしょうか? 月島で有名なもんじゃ焼きは、小麦粉を水に溶いてドロッとした液体に、様々な具を混ぜたものが原材料です。これをお客さんが自ら鉄板で焼いて、ちょうど食べ終わった頃、「今日のミックスは美味しいね。中身は何なの?」と聞いてくると、もんじゃ屋のご主人が「前のお客さんが吐いた、吐しゃ物です」。
当然ながら、お客さんはビックリして、食べたものを吐いてしまいます。このお客が帰ったあと、また次のお客様が来て、またミックス焼きを食べます。「ミックスはやっぱり美味しいね。今日の中身は?」「えぇ、前のお客さんの吐しゃ物ですよ」。
当然また吐きます。しかも、もともと胃に入っていた内容物も合わせて吐き出しますので、お店で食べたもの以上に吐しゃ物が増えていきます・・。
もうお分かりですね。原材料がどんどん増殖していく仕組みが「もんじゃ」とソックリなのです。「高速増殖炉もんじゃ」、資源の乏しい我が国にとっては夢のようなエネルギーサイクルシステムで・・・。