広島に行く用があり、ついでにどこかの美術館か博物館を見て来ようと思った。
倉敷で途中下車して大原美術館が有力候補だったが、荷物が重かったので途中下車が面倒になり、
結局、気になりつつもあまり気が進まなかったここ、呉市の大和ミュージアムを訪れた。
こうの史代さんのマンガ『この世界の片隅に』の舞台、呉市を見たいとは思ったけど、戦艦大和には興味はない。戦艦だけではなく、戦闘機も、潜水艦も、戦車も、戦争関連&鉄素材は興味ゼロ。
でもミュージアムはミュージアム。ブログネタにと見に行った。
入ってすぐのところにある10分の1の模型。
このフォルム、かっこええわー!
大和の正面。
水の抵抗力を最小限にとどめるためのに計算されつくしたこのライン。
豪華な扇のようで優美で雅やか。
みんなが大和に魅了されるのがわかるような気がした。
そして大和の歴史が語られている展示&資料コーナーへ。
のどかで豊かな漁村が、明治維新後軍港となり、欧米列強の技術を取り入れて次から次へと軍艦を造船していく。
そしてその知識と技術を結集させ、いくら使ったのかわからないくらい膨大な税金を投じて作ったのが大和だ。
一部分の設計だけに何十人もの設計士がたずさわり、しかも全員全体像は知らされていなかったというから驚きだ。
すごいエネルギーを投じ2年9カ月かけて作った当時世界最大最強の戦艦は、出来上がった時には時代遅れとなっており、戦いの主役となっていた戦闘機の攻撃を受けて就役から3年5カ月後に撃沈する。
悲しすぎる。
亡くなった乗組員2740名の名前を出身地ごとに表記する映像もあった。
名前で列記するとむちゃくちゃ多い。こんなにたくさんの働き盛りの男性が一度に亡くなるなんて!(原爆は無差別にその約30倍の被害)
心が疲れて外の公園で休憩。
見える景色はタンカーとか、大型クレーンばかり。
あまり癒されないなーと思いながら歩いていたら、この公園自体も大和の左前甲板の半分を模したものだった。
追い打ちをかけられた気分。
そこに鐘の音が聞こえた。
亡くなった犠牲者を悼む鐘かと思って近づいていったら、
…恋人の聖地。
帰りにショップに寄ると、
最初に目にしたときは、「バトルシップが天使のショコラケーキぃ???」とあきれたが、
いや、これでいい! やっぱり平和が一番! 商売のアイデアで戦ってくれ。
大和ミュージアムは、戦争の愚かさを戦艦大和が身を持って教えてくれる超反戦博物館だった。