二人が睦まじくいるためには
○○○○愚かでいるほうがいい
○○○○立派過ぎないほうがいい
○○○立派過ぎることは
○○○○長持ちしないことだと
○○○○気づいているほうがいい
○○○完璧をめざさないほうがいい
○○○完璧なんて不自然なことだと
○○○うそぶいているほうがいい
○○二人のうち どちらかが
○○○ふざけているほうがいい
○○○ずっこけているほうがいい
○○互いに非難することがあっても
○○○非難できる資格が自分にあったかどうか
○○○あとで疑わしくなるほうがいい
○○正しいことを言うときは
○○○少しひかえめにするほうがいい
○○正しいことを言うときは
○○○相手を傷つけやすいものだと
○○○気づいているほうがいい
○○立派でありたいとか
○○○正しくありたいとかいう
○○○無理な緊張には色目を使わず
○○○ゆったりゆたかに
○○○光を浴びているほうがいい
○○健康で風に吹かれながら
○○○生きていることのなつかしさに
○○○ふと胸が熱くなる
○○○そんな日があってもいい
○○そしてなぜ 胸が熱くなるのか
○○○黙っていてもふたりには
○○○わかるのであってほしい
私たちの結婚式で、知り合いが贈ってくれた、吉野弘さんの詩『祝婚歌』。
なぜ、今、この詩か?
先週の土曜日、飲みに行った夫が12時を過ぎてもなかなか帰ってこない。
翌日はハードそうな撮影が入っているというのに。
ケータイにも出ない。
一緒に飲みに行っているメンバーにメールして尋ねると、9時にお開きになって帰ったとのこと。
30分ほど待ったが帰ってこないので、寒いけど駅まで探しに行くか、と準備をしかけたところに帰ってきた。
何をしていたのか尋ねても答えず、歯を磨いて寝てしまった夫。
腹立たしいが、とにかく無事帰ってきたのでこちらも寝ることに。
翌日、問い詰めると「駅のホームで寝てましたー!」と白状して、私の雷が落ちる前にサッサと仕事に出て行った。
地下の駅だから吹きさらしではないとはいえ、まだまだ寒いのに3時間近くも寝とったんか!
ったく!!!!と怒りながらネットをしていたら、久しぶりにこの詩を見つけ
「ふたりのうち どちらかが ずっこけているほうがいい」に笑ってしまい、怒りがどこかに行ってしまった。
すごいね。言葉の力って。(でも、二人ともずっこけてるも「有り」?)
夕方、仕事を終えて、おそらく勇気を出して無理に明るい調子で帰ってきた夫は、
私の機嫌が悪くなかったので、妙に落ち着かない様子だった。