ジョニィが来たなら伝えてよ。2時間待ってたと…
ペドロ&カプリシャスが歌い大ヒットした『ジョニィへの伝言』。
この歌のジョニィは、なぜ来られなかったのか?
先日、出張時に東京で見たテレビ番組で、その謎に仮説を立てていた。
そんなこと考えたこともなかった。
というかこの女性がふられたのだろうと、私は単純に思いこんでいた。
ところがその仮説は深かった。
「ジョニィは戦場へ行った」からだと言うのである。
↑これはとても有名な映画だから多くの人が知っていると思う。
私も20年近く前にビデオを借りて見た。
戦場へ行ったジョニーが、被弾と手術で目、耳、鼻、口、手、足を奪われ、病院で隔離されて生きる。最初は自分のその状態がわからなかったジョニーは、看護婦の助けも借りて少しずつ状況を把握し絶望に陥る。頭でモールス信号を打電し、「この姿を人目にさらすか、もしくは殺してくれ…」と頼むが…。
という話。
作詞した阿久悠は、かなりの映画ファン。だから、この映画をヒントにあの歌を作ったのではないかということだった。
そして、ジョニィからの返事は、『五番街のマリーへ』。
五番街へ行ったならば、マリーの家へ行き
どんな暮らししているのか 見てきてほしい
『ジョニーは戦場へ…』の、ジョニーの恋人の名はカリーン。
同じではないが似ている。
この歌も、「なぜ自分で会いに行かないのか」というところは暗黙の了解のように、
昔、かなり泣かせた=浮気?もしくは金銭問題?、と思っていた。
それが、動ける体ではなかったとしたら…。
上の話は、作詞家本人が言っていたわけではなく、確証はないらしいが、阿久悠ならやりそうな仕掛けだ。
ちょっと悲しくて、でも美しい情景が目に浮かぶ恋の歌。その真相を考えたとき、戦争のむごさを知る。
ギャップが激しい分、ショックが大きくて、ストレートな反戦歌より強いメッセージが伝わってくる。
ビジネスホテルのベッドで大泣きしてしまった。