新聞が届いた。
一面トップは『世界遺産無残 熊野古道大崩落』の記事。
・・・悲しい。
今回の台風12号で大きな被害を受けた熊野は、お気に入りの土地だった。
深い山や谷など自然の魅力はもちろんのこと、
ある日3つの月が降りてきて、真ん中の月が土地の豪族に「ここに自分を祀れ」と指示して建てられたのが熊野本宮であることや、
その本宮の主祭神がスサノオの命であるらしいこと、アマテラスの存在感がえらく薄いことなど、
珍しいいわれや、祀られている神が平地での価値観とちょっと違っていることに興味をそそられる。
京都から往復一か月半もかかるこの地に、天皇が熱心に熊野詣をしたことも謎とされている。
本宮の道の駅かどこかの壁に、その行程が絵入りで記されていたけど、まぁ大変。
もちろん天上人だから輿や馬に乗るのだが、山道をこれらで行くのは、歩くより大変そうだ。
途中で体調を崩したりもしている。
それでも行く理由って何かなー、運動不足解消にしちゃあハードすぎるしなぁ…とずーっとぼんやりと思っていた。
それが、今回の台風12号の襲来で、あ!…と思った。
紀伊半島であんなに被害を出した今回の台風だったが、京都市近辺はほとんど被害がなかった。
そのうち荒れてくるぞ…とそれなりに、警戒し、用心してずっと自宅に閉じこもっていたけど、雨も風もそう強くはならなかった。
こんなことなら仕事に行きゃあ良かった、と思ったくらい。
でも、この間、紀伊山地はずーっと豪雨が降り続いていた。
紀伊山地の北東の外れに夫の実家があるのだが、78歳の義母に言わせると「こんなに長いこと雨が降り続いたことはなかった」というくらい降ったそうだ。
年間降水量日本一のこの地域が、代々の都を守る役目を果たしてきたのではないだろうか。
ヤフーの地図を写真バージョンで見て、その思いを強くした。
歴史学的にはそーんな単純なものではないと思うけど、本宮に嵐の神ともいわれているスサノオが祭られているのも、天皇が何度もお参りに行くのも、単純な私にはこれで納得。
被害を受けた山地の人を、今度は平地の人が助けなければ。
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