ロードショーを見たいと思いつつ行けず、先日テレビで見た。
想像以上に良かった。
印象に残ったのは、闇に取り込まれた一郎彦。
真面目でまっすぐなヤツ。
人格者の親に愛情を注がれて育った。
けれど、自分の本当の姿については誰にも触れられず、
また親を尊敬するあまり、自分自身もありのままの自分を受け入れられず、破たんしていく。
一方の九太は親代わりの熊徹に反発しまくる。
未熟なときから未熟なりに自分というものがしっかりあるから、自分の意見も持っている。
そしてそれを吐き出せるのは、相手をいろいろな面で信頼しているからでもある。
同じような境遇の二人なのに、危機が訪れた時に破たんする者としない者とに分かれた理由は、アイデンティティがしっかり確立しているかどうかと描かれていた。
まさにその通りだと思う。
そして、胸の中の剣は、
自分の成長を心から願い、慈しんでくれた人たちを象徴しているのだと思う。
あと、この映画についての監督のコメントとか、全く読んだことがないが、
今の日本の中で、男の子がこんな風に成長するような機会が減っていることを憂いてこの作品を作ったのかな。
母親では、なかなかこんな風に男の子を育てられないからね。