昨年の夏に小林聡美さんのエッセイを読んで『エクソシスト』が見たくなった。
http://blog.goo.ne.jp/aratakorin1/e/f0e9ff7d8007e13a2d61b42431e78093
すると友人が『dvd持ってるでー』と先日送ってくれた。
早速、40年ぶりに見る。
怖いから夫と見ようと思っていたが、dvdが届いた翌日から彼は出張に・・・。
早く見たかったので、息子が寝たあと一人で見た。
こ、こんな話だったのかー!!
一言で言えば「少女に憑いた悪魔を祓う話」で、
記憶に残っているシーンが、首が180度回ることとか、口から緑色の液体を吐き出すところだったので、
グチャグチャドロドロしたイメージしかなかったが、
いやいや、それらはホンの宣伝用。
話の中でも刑事が「なぜ、あんないい娘に、悪魔が取り憑いたんでしょうね」と言っているように、
そこがこの映画のポイントか、と。
40年前には見えなかった社会問題が、少女の周りにはゴロゴロ転がっている。
少女自身の中にも。
それらはそんなに強調されていないが、「ああ、今に共通する問題が、こんなころから・・・」と、ちょっと驚き。
オカルトムービーの皮を被った、結構・・・どころかかなり真面目な内容だった。
主役も、子どものころ見たときはこの少女かと思っていたけど、お母さんだったのね。
私的にはカラス神父のように思えるけど。
しかし、少女役のリンダ・ブレアは特殊メイクはしているものの、演技力に驚嘆した。
特殊メイクも含め、特撮や編集技術もなかなかで、
今見ても十分見るに耐えられる上に、コンピューターグラフィックがないことを加えると、
スタッフの創造力に脱帽。
それでいて、悪魔のデザインが妙にちゃちくて、ユーモラスですらある。
そこがまた、「悪魔とは私たちとは別の特別な何かではない」この映画からのメッセージか?とも思ったりする。
以前、何かで、
「人は誰でも心の片隅に獣(けだもの)がいて、それが何かの拍子に表に出てくるのではなく、
もともと心の大半は獣で、普段はそれを懸命に檻に閉じ込めているだけ」
という考えを読んだことがある。
どちらかというと性善説派でありたい自分だが、
この考えを読んで、自分たちは獣だと自覚しておいた方がいいかもと思った。