kouzi_2007~

発火村塾 established 2007

ふたご座流星群

2012-12-13 21:11:14 | ウェブログ
オリオン座の真上の明るい星は木星だろうか?シリウスはやけに煌めく。

やあ、どうも。おとめ座のB型で有名なロマンティストの俺です。

今年買った電気毛布に包まってソラを眺めております。飛行機の光跡はもう三つ見ましたが流れ星はまだみてません。こんだけ離れていれば高尾駅の電車の音が心地良いです。

うざいだけの通勤電車ですが、この季節にはいくつか思い出があります。

浪人中、山手線の田町から代々木の某予備校まで通っておりました。共通一次(今のセンター試験)の近くでしたか、隣のサラリーマンが肩をしゃくり上げるので目を覚ましました。もう二度三度このサラリーマンに寄りかかって寝てしまっていたのです。そのたび起こされてそのたび会釈をしましたが迷惑そうで申し訳なかったです。代々木で降りるときに「おい!」と呼び止められました。イヤミなことを言われるのかと身構えましたら「がんばれよ」と言ってくださったのであります。卑怯なほどの不意打ちにお礼を言う余裕はありませんでした。走り去っていく列車に礼をするよりなかったのでございます。

その時私は、南武線で武蔵中原まで通勤しておりました。昼からの仕事で電車はすいており、対面には若いお母さんが赤ちゃんを抱いておりました。ご一緒のバアバもまだ五十過ぎくらいでしょうか。光溢れる時間帯で逆光になりたいへんまぶしい親子だなあ、となんとなく気になっておりましたら、バアバが肩掛けで目隠しをはじめまして、お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげはじめたのです!何の邪念も沸き起こることのない暖かな光景に私は見とれました。バアバは私を意識していましたが、むしろ私に見てもらいたい気持ちもあったと想像しました。なぜならばその時の私はとても美しかったからです。美しい私に、娘と孫の美しい姿を見せることでバアバの気持はさぞかし満ち足りたことでしょう。

あれは中央線で新宿まで通勤していた頃ですから、学生でアルバイトしていた時でしょうか。その日、なにかあったのか吉祥寺で電車は止まり動きませんでした。乗客は少しでも早い電車に乗っておこうという心理なのか無理無理に乗車してきました。私はドアー近くの三角のコーナーに立っておりましたが、その内側に制服の女学生が単語帳をみながら一生懸命勉強しておりました。この子が勉強に集中出来るよう、いくらかのプレッシャーもかからぬように密かに踏ん張っておりました。彼女は私より少しばかり背が高く黒い髪の美少女でした。電車が発車せぬ限り乗客は更に乗り込んでまいりました。私は必死で彼女を守りましたがやがて押しつぶされ彼女に密着してしまいました。その時、彼女の耳たぶが朝の逆光で薄桃色に透けているのに気付きました。美しい・・・あれは神の色彩でした。そして首筋の後れ毛がああああああああ、と思った時、私の愚息がオッキしました。イケナイ!この子が勉強に集中出来なくなってしまう!馬鹿馬鹿息子の馬鹿!それと同時に彼女はハッとして単語帳から目をあげ、その美しい瞳で私を睨みました。「護ってくれるんじゃなかったの?」軽蔑するような目でした。ごめんなさい。私が目からテレパシーを送ると「・・・美しい男の人。それ以上のオイタはいけませんわよ」とテレパシーで反してくれました。許してもらえたのだと理解すると愚息も満足したのか、いい子になりおとなしくしました。北風と太陽ってこういうことなんだなあ、とおもいました。