最近、我がテレキャスくんを弾いているとき、ギターがいいせいか、ついつい
音を大きくしてしまうことが続いてしまい、奥様から「うるさいから、スタジオに
行って好きなだけ大きな音を出してきなさい!」と叱られてしまった。しかし、
一人でスタジオに行って爆音で弾いたってつまらないしなぁ、せめて誰かが
カラオケでバックを演ってくれないと寂しいよ。
と考えていてふと気がついた。「カラオケルームでギター弾くってどうよ?」
防音設備ありだし、バックを演奏してくれるし、願ったりかなったりじゃん。
早速検索してみたところ、大抵のカラオケルームが楽器持ち込みOKである
ことがわかった。同じようなことを考える人って、やっぱりたくさんいるもの
なのだね。でも、ギターはいいとしてアンプはどうする?
小型アンプを買って持ち込むしかないよなぁ。なにせ今使っている30Wの
アンプじゃ、運ぶのだけでひと苦労だし。じゃ、何か今どきのでいいのを1つ
買おうか。どれどれ、どれがいいんだ最近のは・・・、とあれこれネットで
検索&試聴していて、VOX Mini3 がなかなかいいことがわかったので、近くの
楽器屋さんに行ってみた。
売れ行き好調なようで、行ってみたらけっこう在庫切れしていた。本当は緑色が
欲しかったんだけど、緑どころか黒も在庫切れで白しか在庫がないそうで、それも
あと2つしかないとか。すごいじゃん MINI3、それだけで一気に購買意欲に火が
ついてしまいました。で、試奏もせずに早速購入してしまったのだけど、いやこれ、
すごいですわ。
3Wしか出力がないんだけど、自宅で使うにはこれでも十分すぎる。ボリュームは
9時くらいまでしか回せないから、カラオケルームで使ったってパワー不足を
感じることはないんじゃないだろうか。ていうか、3Wでこの出力ってどういうこと?
もっとしょぼい音量なのかと思っていたけど、とんでもなかった。これじゃまた
大きい音を出して奥様に叱られそう。
さて、最近の VOX アンプはモデリング機能を搭載した製品が多いけど、これも
その1つでアンプ・モデルを11種類も搭載している。クリーンから激歪みまで
あるので、ほぼすべてのジャンルにこれだけで対応できるんじゃないだろうか。
モデリングってこれが初体験なんだけど、技術の進歩ってすごい、と素直に感動
してしまった。各アンプモデルの印象をちろっと書いてみますか。
[BOUTIQUE CL -> Dumble Overdrive Special]
当然のことながらダンブルアンプなんて弾いたことないので、あくまでもCDやら
YouTube で聞いた印象だけだけど、特徴はつかんでるんじゃないだろうか。ふくよか
でありながら、しっかりと芯と輪郭のある音像になっている。これはカッティングに
使ってもいいけど、セットネックのギターだと少し暴れるかもしれない。フェンダー
系のギターなら問題ないと思う。
[BLACK 2X12 -> Fender Twin Reverb]
BOUTIQUE CL に比べると、音がタイトでシャープになる。ストラトで弾くとかなり
鋭い音に感じられる。本物のツインリバーブは本体がずっと大きいので、もっと音圧を
感じるけど、もし3Wのツインリバーブがあったら、こんな感じの音じゃない(笑)?
これだと、セットネックのギターでも暴れないクリーンカッティングができそう。
あ、ちなみにベンチャーズっぽい曲なら BOUTIQUE CL よりこっちのほうが合うかな。
[TWEED 4X10 -> Fender Bassman]
これで体験するまで、Bassman って未体験だったんだけど、いいわ、これ・・・。
楽器屋さんで人が弾いている音とか YouTube のとかは何度か聞いたことあったんだけど、
聞いている分にはどこがいいのかわからなかったんだよね。な~んかぼんやりしてて、
どのギターで弾いても同じ音になっちゃうだけでしょ、くらいにしか思ってなかったの
だけど、そんなことはない。ストラトで弾けばストラトの音になるし、セミアコで弾けば
セミアコの音になる。で、あんなにぼんやりした音みたいなのに、フロントPUで
弾いてもちゃんと音に輪郭があるのに驚いた。しかも、リアPUで弾いてもぜんぜん
耳が痛くならない。どうなってんの?って聞きたくなるような絶妙な音だ。本物も
これとまったく同じかどうかはわからないけど、すばらしい音であることはたぶん
間違いないだろう。
[AC15 -> Vox AC15]
これでビートルズの Day Tripper とかを弾くと、ひたれます。わざとなのか知らない
けど、いかにも古~いアンプを弾いてます、っていう枯れた音なのが泣かせる。
枯れた音というより、ボロい音と言ったほうが正しいだろうか(笑)。さんざん酷使
しまくって、やれた VOX アンプっていう雰囲気。でも、それがいいんだよね。
トレモロを効かせて弾くと、さらに雰囲気アップ。
[AC30TB -> Vox AC30]
当然ながら、これが一番気合入れてモデリングしたはず。似てます、そっくりです!
ていうか、本物いりません。本物はやや耐久性に難ありだし、これでじゅうぶんでしょ。
トーンを高音側にもっていくと、もうジャリジャリですよ。The Who の「I Can See
for Miles」の間奏で聴こえる、あのジャリジャリサウンドです。もちろん、U2 の
エッジの音も出ます。ていうか、これはゲインを上げずにクリーンで弾いても最高に
いい音になる。これでカッティングしたらもう、たまんないっすよ。キラキラ~ン!
これだけでも、このアンプを買う価値大ありです。
[UK '70S -> 1959]
Plexi アンプって、「あまりピンとこない」というのが率直な印象の私。もちろん、
いろんなギタリストが数々のアルバムで使っているんだろうけど、自分で弾いたことが
ないうえに、「これぞ Plexi サウンド!」っていうのも、よくわからない。とはいえ、
初期の KISS とか、あのあたりをイメージして聞くと、「あぁ~、わかるわかる(笑)」
と頷きたくなる音をしている。あまり歪まないんだけど音圧がすごくて、その勢いで
押し切っちゃう、みたいな感じ。今時のロック系でも、クランチ専門の人なら十分
使えるはず。
[UK '80S -> JCM800]
これも実物は未経験だけど、誰もが想像できるいわゆるマーシャルサウンドをしている。
ていうかこの音って・・・・・、ガバナーそっくり(笑)。どことなくトランジスタ
臭い音といい、カリコリした硬い輪郭といい、これってガバナーの真似っこマネマネ?
ガバナーの音がそれほど好きではない私としてはあまり使わないチャンネルなんだけど、
でもガバナーってバンドでは音抜けいいんだよね~。ガバナーが好きな人にはお勧め。
[UK '90S -> JCM900]
これは実際に弾いた経験があるのでその印象と比べると、本物はもう少し低音と音圧が
あるような気がする。モデリングのトランジスタと比べるな!と言われたらそれまで
なのはわかっていますが(笑)。まぁ、VOX があまりそっくりに Marshall を作ってしまうと
Marshall としては商売あがったりなので、「大人の事情」で少し音を変えてみました、
みたいな感じだろうか。Marshall というより、DS-1 に近いような気がしたり・・・。
でも、Marshall ぽい音ではあるし、普通のシングルコイルでも十分なほどの歪みも
得られるのが強みで、DS-1 だとそれは無理。
[CALI METAL -> Mesa Boogie Rectifier Series]
楽器屋さんで弾いたレクチの印象とけっこう近いと思う。こっちはさらにデフォルメした
ような音かもしれない。基本的に、レギュラーチューニングでギターを弾く親父ロッカーは
相手にしていないようで、ダウンチューニング専用チャンネルといった風情。すんごい
ドンシャリサウンドなので、好きな人はすごいはまるでしょう。ちょっと話しが外れるけど、
UK '70S -> UK '80S -> UK '90S -> CALI METAL と歪が強くなるにしたがって、音量が
小さくなっていく。これってなんでなんだろう?ま、いいけど。
[US Hi-GAIN -> Soldano Reverb-O-Sonic]
ソルダーノはまったく未知の世界。しかしこれ、いい音だなぁ。ポコポコした音で、
適度にコンプレッションされているので、わかりやすい表現で言うとTS系なんだけど、
TSよりも音圧があるし輪郭もはっきりしている。なのにポコポコしているという、実に
不思議な音。激歪みで弾くのもいいんだけど、このチャンネルでクランチにするのもいい。
ちょっとリバーブを効かせて VAN HALEN とか RATT とかを弾くと、実にひたれる。
各エフェクター機能の印象は、こんな感じ。
[COMP]
コンプレッサーなんだけど、音量を整えて音圧を出すという、コンプの基本的な機能は
果たしていると思う。MXR のような独特なコンプ感ではなく、あくまで普通のコンプ。
[CHORUS]
これも基本的なコーラスサウンドなんだけど、「あぁ~、いいわこれ」と感動できる。
これとリバーブを組み合わせてクリーンでカッティングしていると、いつの間にか1時間
くらいは過ぎています。
[FLANGER]
フランジャー効果をしっかり出しているので、これも使えるんだけれど、困ることもある
かもしれない。というのは、ほとんどの人ってフランジャーは飛び道具的に使うことが
多いと思うんだけど、これはペダルじゃないからすぐにオフることができない。そこが
弱点ですな。
[TREMOLO]
トレモロの深さは変えられなくて、その速度だけが変わる。でも、「これくらいがちょうど
いいでしょ」っていうトレモロの深さになっているので、たいていの人はこれで満足
できるんじゃないだろうか。ちなみに、トレモロだけでなくて空間系は速度自体だけが
調整可能で、深さは変えられない。
[ANALOG]
アナログディレイって、こんなにモヤってるっけ?やさしい音というよりは、ちょっと
もやった音に聞こえる。これなら、[DIGITAL」っていうチャンネルを増設して、もっと
シャッキリしたディレイを使えるようにしてもいいかもしれない。
[TAPE ECHO]
わかるな~、という感じ。ANALOG よりはこっちのほうが音がシャープなので、使うとしたら
こっちのほうが使いやすいかも。
[SPRING]
リバーブとしては、これでじゅうぶん。薄めにかけると、クリーンでも歪みでもいける。
かけすぎると、ビルビルビル~ン、っていうあのスプリングっぽい音になるあたりも、
よく再現している。
[ROOM]
私は使わないけど、ルームっぽい音はちゃんと出ている。これはきっと、ショ-トディレイと
軽いクランチと組み合わせて使うと、えらい緊張感のある音にできるんじゃないだろうか。
AC 15 のチャンネルとかでやったら、かっこよさそう。
総評としては、「これで1万円はまずいでしょ」というほどの出来具合だと思う。
エフェクター1個買うんだって、この値段じゃ買えないことを考えたら、ほんとに
ありえないほどのバーゲンプライス。まったく、今の若い人がうらやましい。私が
ギターを始めた80年代前半なんて、トランジスタラジオみたいなペキペキした音しか
出ない安物アンプだって1万円以上してたんだからね。こいつには、いわゆる昔の
トランジスタアンプのトランジスタ臭さみたいなのはない。
ていうか、もうごく普通のトランジスタアンプなんて、いっさい売れなくなるでしょ。
これ1台あれば、たいていのことは全部できちゃうしね。クリーンもクランチも
ハイゲインも全部カバーしてるんだから(しかもかっこいいモデリングサウンドで)、
初心者は安ギターとこれを買えば、あとは何も買わなくていい。空間系に極限まで
懲りたい人とかは、もちろんエフェクターを揃える必要があるけど、そうでなければ
これで十分。あぁ、ワウくらいかな、買い足す必要があるペダルがあるとすれば。
絶賛ばっかりだと回し者と思われるかもしれないので、強いて欠点をあげるなら、
ホワイトノイズがやや大きい。これって、ボリュームを上げても下げてもほとんど
変わらないけど、なんで?これが Valvetronix の特徴なんだろうか。あとは、音質の
コントロールが1つしかないことかな。やっぱりできれば、高音、中音、低音を
個別にセッティングできるのがベスト。でも、ちょうどいいあたりに音をまとめて
あるので、不満が出ることはないと思う。ありがちな表現だけど、値段を考えたら
ありえないクオリティーなのは間違いない。
音を大きくしてしまうことが続いてしまい、奥様から「うるさいから、スタジオに
行って好きなだけ大きな音を出してきなさい!」と叱られてしまった。しかし、
一人でスタジオに行って爆音で弾いたってつまらないしなぁ、せめて誰かが
カラオケでバックを演ってくれないと寂しいよ。
と考えていてふと気がついた。「カラオケルームでギター弾くってどうよ?」
防音設備ありだし、バックを演奏してくれるし、願ったりかなったりじゃん。
早速検索してみたところ、大抵のカラオケルームが楽器持ち込みOKである
ことがわかった。同じようなことを考える人って、やっぱりたくさんいるもの
なのだね。でも、ギターはいいとしてアンプはどうする?
小型アンプを買って持ち込むしかないよなぁ。なにせ今使っている30Wの
アンプじゃ、運ぶのだけでひと苦労だし。じゃ、何か今どきのでいいのを1つ
買おうか。どれどれ、どれがいいんだ最近のは・・・、とあれこれネットで
検索&試聴していて、VOX Mini3 がなかなかいいことがわかったので、近くの
楽器屋さんに行ってみた。
売れ行き好調なようで、行ってみたらけっこう在庫切れしていた。本当は緑色が
欲しかったんだけど、緑どころか黒も在庫切れで白しか在庫がないそうで、それも
あと2つしかないとか。すごいじゃん MINI3、それだけで一気に購買意欲に火が
ついてしまいました。で、試奏もせずに早速購入してしまったのだけど、いやこれ、
すごいですわ。
3Wしか出力がないんだけど、自宅で使うにはこれでも十分すぎる。ボリュームは
9時くらいまでしか回せないから、カラオケルームで使ったってパワー不足を
感じることはないんじゃないだろうか。ていうか、3Wでこの出力ってどういうこと?
もっとしょぼい音量なのかと思っていたけど、とんでもなかった。これじゃまた
大きい音を出して奥様に叱られそう。
さて、最近の VOX アンプはモデリング機能を搭載した製品が多いけど、これも
その1つでアンプ・モデルを11種類も搭載している。クリーンから激歪みまで
あるので、ほぼすべてのジャンルにこれだけで対応できるんじゃないだろうか。
モデリングってこれが初体験なんだけど、技術の進歩ってすごい、と素直に感動
してしまった。各アンプモデルの印象をちろっと書いてみますか。
[BOUTIQUE CL -> Dumble Overdrive Special]
当然のことながらダンブルアンプなんて弾いたことないので、あくまでもCDやら
YouTube で聞いた印象だけだけど、特徴はつかんでるんじゃないだろうか。ふくよか
でありながら、しっかりと芯と輪郭のある音像になっている。これはカッティングに
使ってもいいけど、セットネックのギターだと少し暴れるかもしれない。フェンダー
系のギターなら問題ないと思う。
[BLACK 2X12 -> Fender Twin Reverb]
BOUTIQUE CL に比べると、音がタイトでシャープになる。ストラトで弾くとかなり
鋭い音に感じられる。本物のツインリバーブは本体がずっと大きいので、もっと音圧を
感じるけど、もし3Wのツインリバーブがあったら、こんな感じの音じゃない(笑)?
これだと、セットネックのギターでも暴れないクリーンカッティングができそう。
あ、ちなみにベンチャーズっぽい曲なら BOUTIQUE CL よりこっちのほうが合うかな。
[TWEED 4X10 -> Fender Bassman]
これで体験するまで、Bassman って未体験だったんだけど、いいわ、これ・・・。
楽器屋さんで人が弾いている音とか YouTube のとかは何度か聞いたことあったんだけど、
聞いている分にはどこがいいのかわからなかったんだよね。な~んかぼんやりしてて、
どのギターで弾いても同じ音になっちゃうだけでしょ、くらいにしか思ってなかったの
だけど、そんなことはない。ストラトで弾けばストラトの音になるし、セミアコで弾けば
セミアコの音になる。で、あんなにぼんやりした音みたいなのに、フロントPUで
弾いてもちゃんと音に輪郭があるのに驚いた。しかも、リアPUで弾いてもぜんぜん
耳が痛くならない。どうなってんの?って聞きたくなるような絶妙な音だ。本物も
これとまったく同じかどうかはわからないけど、すばらしい音であることはたぶん
間違いないだろう。
[AC15 -> Vox AC15]
これでビートルズの Day Tripper とかを弾くと、ひたれます。わざとなのか知らない
けど、いかにも古~いアンプを弾いてます、っていう枯れた音なのが泣かせる。
枯れた音というより、ボロい音と言ったほうが正しいだろうか(笑)。さんざん酷使
しまくって、やれた VOX アンプっていう雰囲気。でも、それがいいんだよね。
トレモロを効かせて弾くと、さらに雰囲気アップ。
[AC30TB -> Vox AC30]
当然ながら、これが一番気合入れてモデリングしたはず。似てます、そっくりです!
ていうか、本物いりません。本物はやや耐久性に難ありだし、これでじゅうぶんでしょ。
トーンを高音側にもっていくと、もうジャリジャリですよ。The Who の「I Can See
for Miles」の間奏で聴こえる、あのジャリジャリサウンドです。もちろん、U2 の
エッジの音も出ます。ていうか、これはゲインを上げずにクリーンで弾いても最高に
いい音になる。これでカッティングしたらもう、たまんないっすよ。キラキラ~ン!
これだけでも、このアンプを買う価値大ありです。
[UK '70S -> 1959]
Plexi アンプって、「あまりピンとこない」というのが率直な印象の私。もちろん、
いろんなギタリストが数々のアルバムで使っているんだろうけど、自分で弾いたことが
ないうえに、「これぞ Plexi サウンド!」っていうのも、よくわからない。とはいえ、
初期の KISS とか、あのあたりをイメージして聞くと、「あぁ~、わかるわかる(笑)」
と頷きたくなる音をしている。あまり歪まないんだけど音圧がすごくて、その勢いで
押し切っちゃう、みたいな感じ。今時のロック系でも、クランチ専門の人なら十分
使えるはず。
[UK '80S -> JCM800]
これも実物は未経験だけど、誰もが想像できるいわゆるマーシャルサウンドをしている。
ていうかこの音って・・・・・、ガバナーそっくり(笑)。どことなくトランジスタ
臭い音といい、カリコリした硬い輪郭といい、これってガバナーの真似っこマネマネ?
ガバナーの音がそれほど好きではない私としてはあまり使わないチャンネルなんだけど、
でもガバナーってバンドでは音抜けいいんだよね~。ガバナーが好きな人にはお勧め。
[UK '90S -> JCM900]
これは実際に弾いた経験があるのでその印象と比べると、本物はもう少し低音と音圧が
あるような気がする。モデリングのトランジスタと比べるな!と言われたらそれまで
なのはわかっていますが(笑)。まぁ、VOX があまりそっくりに Marshall を作ってしまうと
Marshall としては商売あがったりなので、「大人の事情」で少し音を変えてみました、
みたいな感じだろうか。Marshall というより、DS-1 に近いような気がしたり・・・。
でも、Marshall ぽい音ではあるし、普通のシングルコイルでも十分なほどの歪みも
得られるのが強みで、DS-1 だとそれは無理。
[CALI METAL -> Mesa Boogie Rectifier Series]
楽器屋さんで弾いたレクチの印象とけっこう近いと思う。こっちはさらにデフォルメした
ような音かもしれない。基本的に、レギュラーチューニングでギターを弾く親父ロッカーは
相手にしていないようで、ダウンチューニング専用チャンネルといった風情。すんごい
ドンシャリサウンドなので、好きな人はすごいはまるでしょう。ちょっと話しが外れるけど、
UK '70S -> UK '80S -> UK '90S -> CALI METAL と歪が強くなるにしたがって、音量が
小さくなっていく。これってなんでなんだろう?ま、いいけど。
[US Hi-GAIN -> Soldano Reverb-O-Sonic]
ソルダーノはまったく未知の世界。しかしこれ、いい音だなぁ。ポコポコした音で、
適度にコンプレッションされているので、わかりやすい表現で言うとTS系なんだけど、
TSよりも音圧があるし輪郭もはっきりしている。なのにポコポコしているという、実に
不思議な音。激歪みで弾くのもいいんだけど、このチャンネルでクランチにするのもいい。
ちょっとリバーブを効かせて VAN HALEN とか RATT とかを弾くと、実にひたれる。
各エフェクター機能の印象は、こんな感じ。
[COMP]
コンプレッサーなんだけど、音量を整えて音圧を出すという、コンプの基本的な機能は
果たしていると思う。MXR のような独特なコンプ感ではなく、あくまで普通のコンプ。
[CHORUS]
これも基本的なコーラスサウンドなんだけど、「あぁ~、いいわこれ」と感動できる。
これとリバーブを組み合わせてクリーンでカッティングしていると、いつの間にか1時間
くらいは過ぎています。
[FLANGER]
フランジャー効果をしっかり出しているので、これも使えるんだけれど、困ることもある
かもしれない。というのは、ほとんどの人ってフランジャーは飛び道具的に使うことが
多いと思うんだけど、これはペダルじゃないからすぐにオフることができない。そこが
弱点ですな。
[TREMOLO]
トレモロの深さは変えられなくて、その速度だけが変わる。でも、「これくらいがちょうど
いいでしょ」っていうトレモロの深さになっているので、たいていの人はこれで満足
できるんじゃないだろうか。ちなみに、トレモロだけでなくて空間系は速度自体だけが
調整可能で、深さは変えられない。
[ANALOG]
アナログディレイって、こんなにモヤってるっけ?やさしい音というよりは、ちょっと
もやった音に聞こえる。これなら、[DIGITAL」っていうチャンネルを増設して、もっと
シャッキリしたディレイを使えるようにしてもいいかもしれない。
[TAPE ECHO]
わかるな~、という感じ。ANALOG よりはこっちのほうが音がシャープなので、使うとしたら
こっちのほうが使いやすいかも。
[SPRING]
リバーブとしては、これでじゅうぶん。薄めにかけると、クリーンでも歪みでもいける。
かけすぎると、ビルビルビル~ン、っていうあのスプリングっぽい音になるあたりも、
よく再現している。
[ROOM]
私は使わないけど、ルームっぽい音はちゃんと出ている。これはきっと、ショ-トディレイと
軽いクランチと組み合わせて使うと、えらい緊張感のある音にできるんじゃないだろうか。
AC 15 のチャンネルとかでやったら、かっこよさそう。
総評としては、「これで1万円はまずいでしょ」というほどの出来具合だと思う。
エフェクター1個買うんだって、この値段じゃ買えないことを考えたら、ほんとに
ありえないほどのバーゲンプライス。まったく、今の若い人がうらやましい。私が
ギターを始めた80年代前半なんて、トランジスタラジオみたいなペキペキした音しか
出ない安物アンプだって1万円以上してたんだからね。こいつには、いわゆる昔の
トランジスタアンプのトランジスタ臭さみたいなのはない。
ていうか、もうごく普通のトランジスタアンプなんて、いっさい売れなくなるでしょ。
これ1台あれば、たいていのことは全部できちゃうしね。クリーンもクランチも
ハイゲインも全部カバーしてるんだから(しかもかっこいいモデリングサウンドで)、
初心者は安ギターとこれを買えば、あとは何も買わなくていい。空間系に極限まで
懲りたい人とかは、もちろんエフェクターを揃える必要があるけど、そうでなければ
これで十分。あぁ、ワウくらいかな、買い足す必要があるペダルがあるとすれば。
絶賛ばっかりだと回し者と思われるかもしれないので、強いて欠点をあげるなら、
ホワイトノイズがやや大きい。これって、ボリュームを上げても下げてもほとんど
変わらないけど、なんで?これが Valvetronix の特徴なんだろうか。あとは、音質の
コントロールが1つしかないことかな。やっぱりできれば、高音、中音、低音を
個別にセッティングできるのがベスト。でも、ちょうどいいあたりに音をまとめて
あるので、不満が出ることはないと思う。ありがちな表現だけど、値段を考えたら
ありえないクオリティーなのは間違いない。