ずらりと並んだ、我が愛器。っていうのも恥ずかしい・・・、これじゃ完全に
年齢層がバレてしまう。我ながら、古いエフェクターばかり持っているなぁ。
別に古いのばかりオークションとかで買いあさったわけではなく、現役時代に
買ったのがそのまま残っているというだけのことなんだけどね。軽く、各ペダルを
紹介してみましょう(OCDとTS7は、もう詳しく書いているので省略)。
上段左から右、中段左から右、下段左から右の順に。
[GUYATONE PS-032]
布袋くんが使っていたペダルとしても有名。これは発売されてからすぐに
買ったペダル。当時は 80 年代後半でディストーション全盛期ではあったけど、
1つくらいオーバードライブを持っていてもいいかな、というくらいの気持ちで
買った。当時オーバードライブというと、『暖かくマイルドなサウンド』という
キャッチコピーがあちこちで溢れていたから、過激な歪みが好きだった私としては、
あまり興味をそそられないものだった。でも、食わず嫌いもなんだろうと思って
バイト代で買ってみたのだった。とはいっても、ありふれた SD-1 や TS は
なんだったので、消去法でこれにしてみたのだ。単純だったあの頃の私は、
「Overdrive Pro」なんて、なんかプロっぽいじゃん、と浅はかにも考えたのでした。
うちに持って帰ってきてアンプにつないで音を出してみたときの第一印象は、
「なんだこりゃ・・・?」だった。ディストーション信者だった当時の私から
すると、ぼんやり、もや~っとした音としか感じられなかった。だからその後は、
ず~~~~~~~~~っとエフェクターケースの中で冬眠するはめになった。
まぁ、買った時期が悪かったということで(笑)。
それから時間が経って、オーバードライブをブースターとして使う方法が
一般的になってからもう一度使ってみたけど、やはりあまりいい音とは
思えない。ブースターとして使ってみると、やたらと倍音成分が多いから、
何を弾いているのかわからなくなってしまうことが多い。時に、マホガニーの
ギターで弾いているとその傾向が強くなる。個人的には、今のところこれには
コレクターズアイテム以上の価値を見出すことができない。TS 系のほうが、
どのギターやエフェクターやアンプと組み合わせても一定の仕事をしてくれる
ので、ぜんぜん使いやすい。
ただ、うんと好意的に見るとするならば、アンサンブルの中でギターの音を
邪魔にならない音域に集めるという点では、優秀なのかもしれない。高音も
低音も、TS7 よりもカットされている。そのため、ギターの音はボーカルと
ベースの中間あたりに集まることになる。で、ハイとローをカットするだけだと
ギターの音がバンドの中で聞こえなくなってしまうから、倍音成分を増やす
ことでギターの音が聞こえるようにしている・・・、のだろうか?このあたりの
味付けが、「Overdrive Pro」のネーミングの理由なのかな。プロの現場で
求められる音を追求していったらこうなりました、みたいな。弁護しすぎ(笑)?
音色は、ひとことで言って渋い。BOSS 系とも TS 系とも違う、やたら渋い音。
渋いと言うべきなのか、古臭いと言うべきなのか、う~~~む。渋くて古臭い音
なんだけど、薄くも細くもない。ボガブバ!みたいな音と言うと通じるだろうか。
ホワイトストライプスのギターの音をもう少し曇らせたような音、というと
わかるかな。まぁ、なんだかんだ言っても売却せずにずっとエフェクターケースに
あるということは、捨てるには忍びないという思いもあるのかもしれない。
[XOTIC RC BOOSTER」
これは好き嫌いがはっきりと分かれるペダルだと思う。私の場合、あまり
好きにはなれない。音は確かに太くなるんだけど、コンプ感が強いんだよね。
だから音の奥行きが少なく感じる。ヘッドルームが少ないというのかな、
そういう音になってしまうのが気になる。ただ、ヘッドルームが少なくなると
いうことは、暑苦しいほどに押し出しが強くなるということでもあり、ソロの
パートなどで音量をあげて音の通りを強引によくさせるという点では、なかなか
いい働きをするペダルと言うこともできると思う。好意的に見れば。
あと、これをつないだだけで、スイッチを入れなくても音がちょっと固くなる。
トゥルーバイパスのはずなのに、これは不思議。ていうか、トゥルーバイパスって
この程度のものなのかな?イコライザーは高音と低音があるけど、どっちに
回してもそんなにいい音にはならなくて、わざとらしい音になる。だから
基本的にはすべてのツマミは、12時の状態にして使うといい。とにもかくにも、
このペダルのキモは音色。この音を気に入るのなら買いだし、気に入らないのなら
やめたほうがいい。悪い意味で BOSS 的な音色、つまり人工的な音色だからね。
チリチリっとした神経質そうな超高音が混ざった音になってしまう。その音を
消そうとして Treble を絞ると、全体的にこもった音になってしまう。
これはギターに使うだけでなく、意外とベースと組み合わせても悪くない。
コンプレッサーの後段に置くと、音にさらなる押し出し感とハリを与える効果が
ある。ベース対応ということでもないんだろうけど、なぜか低音域に不足を
感じることはない。この組み合わせだとかなり音抜けがよくなるので、
フィンガーピッキングで音抜けをよくしたいという人にはいいかもしれない。
フラットピッキングだと、かなりバキバキな音色になるかもしれないけど。
あ、あと裏技として、OCD の無駄な低音を削るのには割と有効。低音を絞った
状態にして OCD の前段に置くと、あのとてつもない低音を削ってスッキリと
した音にすることができるので、もし OCD と RC を持っている人で OCD の
低音に困っている人がいたらおすすめします。この組み合わせだと、それほど
RC のチリチリした高音成分が気にならないので、RC ぎらいの人でも許容
範囲ではないかと。
それともう1つ、Guv'nor の前につなぐのもおすすめです。Guv'nor って、音はとても
マーシャルっぽい音なんだけど(マーシャル製なんだから当たり前だけど)、
ややこもり気味な音なので、それに不満を持っている人が多いんじゃないかな。
あと、音が薄いとかペラいとか感じる人も少なくないと思う。でも、だからと言って
Bass をもちあげると、ますますこもった感じの音になってしまうので、困っている人が
いても不思議はない。ていうか、私がまさにそうでした。
そういうとき、これを Guv'nor の前につなぐと、あら不思議。音の輪郭がはっきり
するし、低音は適度に増えて音に厚みが出るし、しかも音痩せしないし固くもならない。
RC Booster のつまみは、どれも12時の状態でOK。これって、Guv'nor のために
作られたんじゃないの?っていうくらいのベストマッチングだ。初めて気がついた時は、
理想的なマーシャルサウンドに感動してしまった。本物のマーシャルサウンド、
特に JCM2000 とかの鋭すぎる音は嫌いという人には、これオススメです。
[BOSS CH-1]
標準的なコーラスですな、可もなく不可もなく。音色はとても爽やかできれいで、
アルペジオだけでなく、クリーントーンのカッティングに薄く使うとキラキラ感が
倍増される。歪みサウンドに薄くかけても、リッチな音色になるから不思議だ。
でも、これにはまるとオフにできなくなる「コーラス依存症」になりかねない。
それくらい、中毒性の高いペダルだ。使う人全員をナルシストに変えてしまう
ような音色なので、これとリバーブを組み合わせ、さらにディレイまでつなげて
軽やかなサーフサウンドを奏でたら、ほんとに時の経つのを忘れて弾きこんで
しまうので、要注意。
だからできるだけつなげないようにしているんだけど、たまにどうしても
つなげたくなってしまう。月並みな表現だけど、「一度使うとオフにできない」
と表現するしかない。オフにすると、なんか薄っぺらくてつまらない音に
感じられてしまうんだよね。特にセンドリターンでつないだ音だと厚みと
きらびやかさが格段に違う。でも、あまりかけすぎると音抜けが悪くなるので
注意が必要。
[BOSS DS-1]
日本製です、言うまでもなく(笑)。といっても、いわゆる銀ネジではなく
黒いほう。私にとって "ディストーション" といえば、やはりこれ。最初に
買った歪みペダルが、これだったからね。これ買った当時は、「とりあえず、
歪み系は DS-1 買っとけ」っていう雰囲気だった。まだハイゲインアンプとかは
スタジオに置いていなかった当時、ハードに歪ませるならディストーション
ペダルを買うしかなかった。しかしよく使ったなぁ、ほんとに。
エレキギターを弾き始めた当時は、何を揃えればいいんだかもわからずに、
ギター雑誌ですすめられているものをとりあえず買ったんだけど、これも
そういう流れで買ったものだ。でも初心者が使うディストーションとしては、
悪くないんじゃないだろうか。というのは、やっぱり弾きやすい。うそ臭いと
言われることの多い BOSS の音だけど、それは言い方を変えれば弾くほうが
適当に弾いてもそれなりに聞ける音を出してくれるからで、初心者が気持ち
よく弾くにはとてもいいと思う。ていうか、プロでも使っている人が少なく
ないんだから、これはこれで大切なことなんだろう。特にセッション系の
ギターさんの場合、出先で用意されていたアンプが「なんじゃこりゃ?」
レベルのアンプだったとしても、BOSS のエフェクターを使えばとりあえず
きちんと目的のサウンドが出せるという安心感は、他のセンシティブな
エフェクターにはない利点だ。
あまり評判がよくない台湾製のって試したことがないのでどんな音なのか
よくわからないけど、たぶんそんなには違わないんじゃない?台湾製のほうが、
音がくっきりしているというような評価もあるみたいだけど、それは新品
だからっていうのもあるんじゃないかな。日本製だって、新品のときには
同じような音がしていたかもしれないし。ただ、トーンの可変幅は動画サイトで
見ていると確かに日本製のほうがあるみたいだね。とはいっても、台湾製の
ほうが使える音なんじゃないんだろうか。日本製のはトーンが10時を
過ぎると、もうすごく鋭くて耳が痛くなるわ、その割には抜けてこないわ、
あまりいいことない。これを抜ける音にさせるのって、けっこうコツが
いると思う。ブースターで中音域を持ち上げるか、アンプを根気よく調整
するか、ディマジオみたいに強引にA母音系の音を出すピックアップを
乗っけるか。
でも、今の若い子たちがディストーションを買うとなったら、MT-2 とか
むちゃくちゃ歪むタイプのを選ぶのかな。これなんて、シングルコイルの
ギターで弾いたら、へたしたらクランチ程度にしか歪まないかもしれないし。
ハムとか P-90 ならけっこう歪むけど、でも激歪みサウンドとかは当然だけど
出ません。しかも MT-2 ならミドルの調整もできるから、DS-1 みたいな
ミドル作りの苦労もないし。そういえば、これの低音が不足しているという
評価をときどき見かけるけど、それはちょっと不思議な感じがする。
イコライザを全部5にした状態の Guv'nor や SM-9 よりも、こっちのほうが
低音出ていると思うんだけどね。ギターによるんだろうか。
[GUYATONE PS-036]
これはいつ買ったのだか覚えていないんだけど、たぶん PS-032 と同じくらいの
時期に買ったんだと思う。しかし最近って、ギター用イコライザーって見なく
なったなぁ。昔はもっとあちこちのメーカーから売り出されていたけどね。
きっと、RC ブースターみたいなクリーンブーストができるペダルがたくさん
出てくるようになったから、用済みなんだろう。RC ブースターが人工的だと
いうなら、こっちはさらに人口甘味料と合成着色料も入れときました、みたいな
音色(笑)。ある意味懐かしい音色だと思う。薄っぺらくてカチコチの音に
なってしまうんだけど、それを意識的に使うとおもしろいかもしれない。私は
たぶんもう永久に使わないけどね(笑)。
[MARSHALL GUV'NOR]
そうです、英国製です(笑)。これも出てすぐに買ったから、当然といえば
当然ですが Made in England です。でもね、今でこそプレミアがつくような
ペダルだけど、発売された当時はあんまり話題にすらなってなかった。
ギター雑誌の新商品のコーナーで「Marshall からエフェクターが出ましたよ」
みたいに紹介されていたから、こりゃすぐ売り切れちゃうだろうと思って慌てて
楽器屋さんに買いに行ったら、売り切れるどころか山積みになっていて、店内には
特に Guv'nor を買いに来たようなお客さんも他にいなくて拍子抜けした。
友達に「買った?」とか聞いてみたら「え、なにそれ?」「ふ~ん、あ、そう」
程度の反応ばかりで、あまり当時は注目されてはいなかった。それに、雑誌とか
でもこのペダルを絶賛するような記事って見たことなかったし。実際に自分で
弾いてみると、確かに DS-1 や SM-9 と比較すると歪みペダルとしてはやや
地味な音だったから、それほど感激したっていうこともなかった。音は確かに
Marshall ぽい音なんだけど、訴求力に欠ける音っていうのかな。当時はまだ、
歪み音はできるだけ派手でなければ、みたいな風潮だったから、これもかなり
長いことエフェクターケースの中で冬眠するはめになった。
実を言うと、ギター自体しばらく弾いていない時期があったのだ。20代半ば
くらいから30代半ばくらいまでは、ほぼまったくギターは弾いていなかった。
30代の半ばを過ぎてから急にまたギターが弾きたくなって、ようやく
ギターを手にするようになってからもう一度ギターをアンプにつっこんだら、
10年前までの自分とは求めている音がだいぶ変わっていることに気がついた。
DS-1 などのような派手な歪みの音に、違和感を感じるようになっていたのだ。
それで、なんの気なしに Guv'nor をつないでみたら、DS-1 と比較すると自然で
あたりの柔らかい音色が心地よく感じられて、それ以来ちょくちょく使うようになった。
最近になって、これを TS と組み合わせると Guv'nor のややトランジスタっぽい
音色が緩和され、しかも艶のある気持ちのいい音で弾けることに気がついてからと
いうもの、さらに使う頻度が増した。特にフロントピックアップでソロを弾くときに、
この組み合わせはこたえられないくらいにいい音を出してくれる。試したことの
ないオーナーのかた、おすすめします。
韓国製や Guv'nor Plus と比べると音が中音に集中しているといわれがちな
英国製だけど、まぁそうなのかもしれない。確かに中音たっぷりの音色だ。
しかも、渋い音だね。あまりカリフォルニアの青空を連想させてくれるような
乾いた明るい音ではない。イギリスの曇り空を思い起こさせるような、ダークな
音色というか。でも当然だね、Made in England なんだから。韓国製のほうが
音色が明るいのは、それは韓国のほうがイギリスよりも天気のいい日が多いから
でしょう(笑)。もし Guv'nor をカリフォルニアで作ったら、さらに明るい
音色になるに違いない。そうか、台湾製の DS-1 が日本製より音色が明るいのは、
台湾の人の明るい性格のせいなのかもしれない。ていうか、きっとそうだろう。
Bass, Middle, Treble の各ノブはけっこう敏感。私はいつも全部12時で
弾いているけど、これで特に問題ない。このペダルは Marshall 製だけあって、
全開でフラットになる設定らしいけど、そんなことしたら騒々しくて大変。
轟音としか表現しようのない音になってしまう。それが好きなアレな人には
いいかもしれないけど、普通の人ならいやになっちゃうでしょう。味のある
使い方としては、ローとハイを削ってミドルを増やした設定にして弾くと、
ガレージっぽい荒々しい音が出てくれて楽しいし、逆にローとハイを少しだけ
増やしてミドルを少し削って弱めのクランチにすると、古臭い Marshall の
ヘロい音が出てくれておもしろい。これでブルース系のカッティングとか
すると、なんかひたれるから楽しい。
[DOD FX10]
これを持っている人って、少ないだろうな。ちょいとトランジスタ臭さはある
けれど、プリアンプというかクリーンブーストとしてはなかなか優秀。特に、
ヘッドルームを減らさずに音量と輪郭をかせいでくれるところは素晴らしい。
エアー感のあるボリュームアップを望んでいるなら、こっちのほうが RC より
いい仕事をしてくれる。薄めのクランチの音をボリュームアップさせるような
シチュエーションだと、「ほほぉ~~」と思わず笑ってしまう。たぶん、
モディファイすればトランジスタ臭さの欠点を解消できるんだろうけど、
とりあえずこのままでも使えるので現状維持。
[MAXON SM-9]
最近 MAXON から Super Metal が再発されたね、SM9Pro+ とかいう名前で。
これはもちろん、オリジナル。これとほぼ同時期に、BOSS の最大のヒット作とも
いわれている、あの HM-2 Heavey Metal が出た。いやもう、私の周りもみんな
あれ買ってましたよ。「なんだよ、お前もかよ!」みたいな感じで。学園祭に
出た全部のバンドのギターがあれ使ってた、なんてこともあったし。
しかし、ひねくれ者の私としてはそれには手を出さなかった。あと、その頃から
すでに BOSS の音の不自然さというか変な固さが気になっていた私としては、
ちょっと毛色の違うペダルを求めていた。当時よく通っていた楽器屋さんに
いた仲良しのお姉ちゃんと、BOSS 以外でいいディストーションてないかな、
とか話していたときに、「これなかなかいいよ」と薦められて買ったのだった。
残念ながら、これをスタジオで試したことはない。これを買ったくらいに、
当時組んでいたバンドをやめてしまったので、それ以来スタジオでは使わず
じまいになってしまった。バンドの中でどれくらい抜ける音なのか、今と
なっては残念ながらわからない。でも、わざわざ MAXON が再発売するくらい
なんだから、きっとその辺のことは大丈夫なんだろう。
音は MAXON らしく、自然な音。DS-1 と比較すると、ざっくりした音かな。
DS-1 がバリン、ズギャン、という鋭く攻撃的な音だとすると、SM-9 はもっと
エアー感があるジャラン、グガン、という音だと思う。TS 系ディストーション、
とでも表現するしかないね(笑)。音色は DS-1 とは違ってハイミッドが
強烈な音。DS-1 がややドンシャリぎみなのと比べて、強引なまでに抜けて
こようとする音とでもいうか、バンドによっては「うるさい!」と文句を
言われそうな音だ。ゲインをあまりあげないようにすれば、ブルース系
ペダルの代わりとして使うこともできそうな音色。
トーンは高音、中音、低音と3つあるんだけど、どれもかなり敏感。高音を
あげていくと、かなりキンキンした音になる。正直言って5でもうるさいくらい。
ただ、うるさいといってもジャリジャリした音にはならず、ハイとハイミッドの
中間あたりとでも言おうか。音のレンジが、いい意味で狭いのが SM-9 の特徴。
中音は純粋な中音というよりは、ハイミッドとミッドの中間あたりを強調する感じ。
これも5くらいでいいんじゃないだろうか。低音は、5のままだと少し強いかも
しれない。当時はあまり音のナチュラルさとか意識しないような時代だったから、
割と色ものっぽいセッティングで売り出した可能性はある。名前も名前だし。
ちなみに、私の好みだと高音は2、中音は5、低音は4くらいかな。この
セッティングで弾くのが自分にとって心地いい音だということに気がついてから、
急にこのペダルを使う頻度が増えた。ディストーションとオーバードライブの、
いい意味で中間くらいの音。ゲインを最大にして、ギター側のボリュームノブで
ドライブを調整すれば、ブースター要らずでバッキングからソロまでこなせる。
ちなみにこの SM-9、アッシュのギターとの相性が抜群にいい。アルダーや
マホガニーのギターとの組み合わせだと前述のようにキンキンとした高音が
耳障りなのだけど、アッシュのギターと組み合わせるとまるで五月晴れの
青空のような爽やかな音色になるから不思議。もちろん高音はキンキンせず、
実に気持ちのいい音色。また、SM-9 はアルダーやマホガニーのギターと
組み合わせるとコンプ感が強い、というかペラペラに近い音になりがちなの
だけど、アッシュのギターだとそのコンプ感が気にならない。もともと
アッシュのギターはエアー感が強くて、それが歪み系ペダルと組み合わせた
ときに無駄にモコモコとした音になることが多いのだけど、SM-9 と組み
合わせるとちょうどいい具合のヘッドルームが確保される感じになる。
アッシュのギターを DS-1 や Guv'nor に組み合わせるとモガモガした音に
なって気に入らないという人は、ぜひ SM-9 を試してみてほしい。
[PROVIDENCE DC-401]
割と評価の分かれるコンプのようだ。モダンな音という意見と、暖かくて太い音
という意見。私が持っている機材で音だしする限り、『暖かくて太い音』のほうが
近いと思う。そんなにモダンな音ってしないけどな、どんなセッティングで
弾くとそういう音になるんだろう。ものすごい大音量で弾けば、そんな音に
感じられるのだろうか。
肝心のコンプとしての性能だけど、私が使うぶんには文句ありません。ベースで
使えば音圧のある迫力のある音にしてくれるし、ギターで使えば音量をきれいに
整えてくれる。音痩せなども感じられない。そして輸入ペダルのように自己主張の
激しい音ではなく、ギターでもベースでも実に無難な音に仕上げてくれるあたり、
いい意味で日本的というか、アンサンブルでの使いやすさを考えて設計されている
ように感じられる。まぁ Made in Japan だから当然なのかな?
ちなみに見てわかるように Level と Sustain という2つのノブしかついてない。
Level は音量、Sustain はしきい値で、Sustain を右に廻すほど圧縮するレベルが
強くなり、ピッキングした瞬間の音量が下がる。そのぶんサスティーンは長く
なるんだけど、ホワイトノイズが大きくなるし、無音状態から音を出したときの
不自然な音量の変化が気になると思う。
ギターのカッティングで使うには、写真のようにどっちも12時くらいにして
おけば、おなじみのプヒャプヒャっとしたコンプサウンドを出してくれる。これに
コーラスをかけてリズミカルなカッティングをすると、昔懐かしいあのサウンドが
楽しめる。ベースで使う場合は、もっと Sustain をかけるか、逆にあまりかけ
ないようにしたほうがいいかもしれない。スラッピングを多用するなら強め、
そうでないなら弱めがいいんじゃないかな。
[KORG TNB-1]
これはねぇ、ほんとにいいですよ。何がいいって、バンドでの音抜けが桁違い。
あまりハイミッドの強烈なペダルと組み合わせると、他のメンバー、特にボーカルや
キーボードから文句を言われるかもしれないけど、音がもうキラキラになって
しまって、オフにできなくなる。Tone Booster という名前だけあって歪ませることも
できるけど、これ単体で積極的に歪ませるようなことはしないほうがいい。悪い意味で
荒っぽいというかエグい音になってしまう。RC Booster と同じように、基本的には
全部 12 時にセットして使ってみることをおすすめする。もしハイやローがきつすぎる
ようなら、適宜弱めるようにしたほうがいいでしょう。プリアンプとして使うには、
これは最高です、マジで。これを超えるクリーンブースターは、いまだに見たことが
ありません。コンプレッサーで音に輪郭がなくなったときなんかにも、いいです。
[GUYATONE PS-029]
あまり使っていない割には、Guyatone 率が高い我がエフェクターケース(笑)。
いちおう、デジタルディレイの仕事はしてくれます。温かみのある音といえば聞こえは
いいんだけど、どこかぼやけたような音に聞こえる。でも、これくらいの音のほうが
バンドでは抜けやすいということもあるんだろうか?考えてみると、Guyatone も
Providence も、積極的に海外展開していない日本のメーカーの音って似た傾向が
ある気がする。つまり、出しゃばらずに最低限の仕事はこなします、みたいな。
確かにボーカルにとっては邪魔な音にならないので歌いやすいだろうし、鍵盤や
ベースさんにも受けは悪くないだろう。目立ちたがりやのプレイヤーには受けない
かもしれないけど、チームプレイに徹するような人にはいいんじゃないだろうか。
今後買うとしたら、フェイザーかフランジャーだろうなぁ。最近、フランジャーの
音がコーラスよりも気に入るようになってしまったので、購入する可能性が大きい。
MXR あたりのシンプルなのでいいから、1つ買ってしまうかも。