ハミルトン、ついに初勝利を飾ってしまった。個人的には、後半のヨーロッパ
ラウンドあたりからロン・デニスが手綱を緩めて好きにさせるのかと思って
いたけど、そうではなかったようだ。もともとあのチームはウイリアムズと
同様にチームオーダーを出さずにドライバー同士を切磋琢磨させるのが方針
なので不思議はないのだが、しかし思い切った判断だった。
それも、ハミルトンの走りを見ていれば当然か。ハミルトンの能力は圧倒的で、
桁違いだ。ちょっと、これまでに見たことがないタイプの完璧さを持った
不世出のドライバーと言っていいと思う。速さは当然のことながら、アロンソと
比べるとよくわかるのはマシンのコントロール能力。特に無理をしているように
見えないのに、ぐるっと1周走ってくると、とてつもないタイムを出している。
プロストに似ているとも言えるが、プロストより骨太な印象の走りだ。
また、安定感も桁違い。今年からハードタイヤとソフトタイヤをレース中に
両方使用しないといけないという新しいルールになったが、これについても
完璧に対応している。普通はレース後半になると体力が切れてだれてくるもの
だが、全盛期のシューマッハのようなタフな走りを見せている。体力的にも
桁並外れている証拠だと思う。いったい、誰が彼を打ち負かすことができるのか。
シューマッハ引退で主役不在かと思われていたF1だけど、いきなり歴史的
名ドライバーの誕生となってしまった。
さて、チャンピオン争いをするはずであったアロンソとライコネン。右京が
解説の中であきれていたように、ライコネンはあまり期待に見合った働きを
しているとは言えないようだ。元フェラーリドライバーのアーバインからは、
「酒なんか飲んでいる場合じゃないだろ!」と場外から喝を入れられている
始末で、このまま不本意な成績しか残せないと、今シーズン限りで放出される
可能性もある。昔のフェラーリならともかく、今のフェラーリは24時間
365日体制のハードワークを強いられるプロフェッショナル集団で、しかも
ドライバーからの細かいフィードバックを重視するので、どうしてもかつての
シューマッハのようなドライバーが求められる。ライコネンはあまりそういう
作業には興味がないようで、今年のフェラーリのマシン開発が進んでいない
原因の1つになっているような気がする(逆に言うと、もしプロストが今の
時代に現役だったら、とてつもないチームになっていると思う)。
アロンソは、どこか自暴自棄になりつつあるように思える。モナコのときにも
感じたが、今回のカナダではそれが目立つようになってきた。モナコでは
あやうくマシンが横っ飛びしてアームコに激突するのではないかと思うほど
ハードに攻めていたが、今回は実際にコースアウトはするわ、マシンの姿勢を
乱すわで、あきらかに平常心を欠いているところがわかった。彼はルノー時代に
フィジケラとポールポジション争いをしていたときにも(セパンだったかな?)、
平常心を失ってスピンしたことがあり、割と感情的になりやすい嫌いがある。
1コーナーで何度もコースアウトしたのは、マシンの調子が悪いのではなく、
単に突っ込みすぎていただけだろう。脅威の新人が気になってしかたがない
という気持ちが、ああいうドライビングにつながっているはずだ。早いところ
冷静にならないと、ロン・デニスから愛想をつかされることにもなりかねない
ので、プロストのように着実にポイントを重ねるタイプに自己変革しないと
いけないだろう。
さて、もっと失望したことがある。ホンダとトヨタだ。今回、ウイリアムズ・
トヨタのブルツが3位に入った。ブルツはもともと能力の高いドライバー
なので今回の快挙も不思議はないのだが、本家のトヨタは何をやっているのか。
あれじゃ「金に物を言わせてチームだけ作ってみました」的な見方をされても
何も言い返せまい。ヤルノとラルフは、それほど能力の低いドライバーではないし、
チームには始終はっぱをかけているということだが、進歩の兆しも見えない。
税金対策でF1をやっているのか?トヨタユーザーとしては、憂鬱なシーズンが
いつまでも続いていてとても残念だ。ホンダについては、もう何も言うことはない。
さっさと日本に帰ってきて、ミニバンでも作って喜んでいてくれ。これ以上、
恥の上塗りをする必要はない。
ラウンドあたりからロン・デニスが手綱を緩めて好きにさせるのかと思って
いたけど、そうではなかったようだ。もともとあのチームはウイリアムズと
同様にチームオーダーを出さずにドライバー同士を切磋琢磨させるのが方針
なので不思議はないのだが、しかし思い切った判断だった。
それも、ハミルトンの走りを見ていれば当然か。ハミルトンの能力は圧倒的で、
桁違いだ。ちょっと、これまでに見たことがないタイプの完璧さを持った
不世出のドライバーと言っていいと思う。速さは当然のことながら、アロンソと
比べるとよくわかるのはマシンのコントロール能力。特に無理をしているように
見えないのに、ぐるっと1周走ってくると、とてつもないタイムを出している。
プロストに似ているとも言えるが、プロストより骨太な印象の走りだ。
また、安定感も桁違い。今年からハードタイヤとソフトタイヤをレース中に
両方使用しないといけないという新しいルールになったが、これについても
完璧に対応している。普通はレース後半になると体力が切れてだれてくるもの
だが、全盛期のシューマッハのようなタフな走りを見せている。体力的にも
桁並外れている証拠だと思う。いったい、誰が彼を打ち負かすことができるのか。
シューマッハ引退で主役不在かと思われていたF1だけど、いきなり歴史的
名ドライバーの誕生となってしまった。
さて、チャンピオン争いをするはずであったアロンソとライコネン。右京が
解説の中であきれていたように、ライコネンはあまり期待に見合った働きを
しているとは言えないようだ。元フェラーリドライバーのアーバインからは、
「酒なんか飲んでいる場合じゃないだろ!」と場外から喝を入れられている
始末で、このまま不本意な成績しか残せないと、今シーズン限りで放出される
可能性もある。昔のフェラーリならともかく、今のフェラーリは24時間
365日体制のハードワークを強いられるプロフェッショナル集団で、しかも
ドライバーからの細かいフィードバックを重視するので、どうしてもかつての
シューマッハのようなドライバーが求められる。ライコネンはあまりそういう
作業には興味がないようで、今年のフェラーリのマシン開発が進んでいない
原因の1つになっているような気がする(逆に言うと、もしプロストが今の
時代に現役だったら、とてつもないチームになっていると思う)。
アロンソは、どこか自暴自棄になりつつあるように思える。モナコのときにも
感じたが、今回のカナダではそれが目立つようになってきた。モナコでは
あやうくマシンが横っ飛びしてアームコに激突するのではないかと思うほど
ハードに攻めていたが、今回は実際にコースアウトはするわ、マシンの姿勢を
乱すわで、あきらかに平常心を欠いているところがわかった。彼はルノー時代に
フィジケラとポールポジション争いをしていたときにも(セパンだったかな?)、
平常心を失ってスピンしたことがあり、割と感情的になりやすい嫌いがある。
1コーナーで何度もコースアウトしたのは、マシンの調子が悪いのではなく、
単に突っ込みすぎていただけだろう。脅威の新人が気になってしかたがない
という気持ちが、ああいうドライビングにつながっているはずだ。早いところ
冷静にならないと、ロン・デニスから愛想をつかされることにもなりかねない
ので、プロストのように着実にポイントを重ねるタイプに自己変革しないと
いけないだろう。
さて、もっと失望したことがある。ホンダとトヨタだ。今回、ウイリアムズ・
トヨタのブルツが3位に入った。ブルツはもともと能力の高いドライバー
なので今回の快挙も不思議はないのだが、本家のトヨタは何をやっているのか。
あれじゃ「金に物を言わせてチームだけ作ってみました」的な見方をされても
何も言い返せまい。ヤルノとラルフは、それほど能力の低いドライバーではないし、
チームには始終はっぱをかけているということだが、進歩の兆しも見えない。
税金対策でF1をやっているのか?トヨタユーザーとしては、憂鬱なシーズンが
いつまでも続いていてとても残念だ。ホンダについては、もう何も言うことはない。
さっさと日本に帰ってきて、ミニバンでも作って喜んでいてくれ。これ以上、
恥の上塗りをする必要はない。